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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • HIV-1感染症

用法・用量

  • 通常,成人及び体重25kg以上の小児には,1回1錠(エルビテグラビルとして150mg,コビシスタットとして150mg,エムトリシタビンとして200mg及びテノホビル アラフェナミドとして10mgを含有)を1日1回食後に経口投与する。

禁忌 

【警告】

  • B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので,本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合,重症化するおそれがあるので注意すること。[9.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 カルバマゼピン,フェノバルビタール,フェニトイン,ホスフェニトイン,リファンピシン,セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩,エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン,エルゴメトリンマレイン酸塩,メチルエルゴメトリンマレイン酸塩,アスナプレビル,シンバスタチン,ピモジド,シルデナフィルクエン酸塩(レバチオ),バルデナフィル塩酸塩水和物,タダラフィル(アドシルカ),ブロナンセリン,アゼルニジピン,リバーロキサバン,トリアゾラム,ミダゾラム,ロミタピドメシル酸塩,テラプレビル[10.1参照]
  • 2.3 腎機能又は肝機能障害がありコルヒチンを投与中の患者[9.2.1,9.3.1,10.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 B型肝炎ウイルス感染を合併している患者
本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性の場合,重症化するおそれがある。[1.参照]
9.1.2 腎機能障害のリスクを有する患者
血清リンの検査を実施すること。
9.1.3 病的骨折の既往のある患者又はその他の慢性骨疾患を有する患者
十分な観察を行い,異常が認められた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。非臨床試験及び臨床試験において,骨密度の低下と骨代謝の生化学マーカーの上昇が認められ,骨代謝の亢進が示唆された。また,抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染症患者を対象とした第III相臨床試験において,骨密度が低下した症例が認められた。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能障害がありコルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度が上昇する可能性がある。[2.3,10.2参照]
9.2.2 重度の腎機能障害のある患者(コルヒチンを投与中の患者を除く)
エムトリシタビンの血中濃度が上昇する。[7.4,8.3,10.2,11.1.1,15.1,16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝機能障害がありコルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度が上昇する可能性がある。[2.3,10.2参照]
9.3.2 重度の肝機能障害のある患者(コルヒチンを投与中の患者を除く)
エルビテグラビルの血中濃度が上昇する可能性がある。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,投与しないことが望ましい。本剤投与中に妊娠が判明した場合の代替薬への変更は,変更によるリスクを考慮した上で適切な時期に実施すること。妊娠中期及び妊娠後期の妊婦に本剤を投与したとき,出産後と比較しエルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度低下が認められている。[16.6.3参照]動物試験(サル)においてテノホビルの胎児への移行が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。テノホビル及びエムトリシタビンのヒト乳汁への移行が報告されている。なお,エルビテグラビル,コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドのヒト乳汁への移行は不明である。動物実験(ラット)においてエルビテグラビル及びコビシスタットの乳汁への移行が報告されている。また,女性のHIV感染症患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に母乳を与えないことが望ましい。
9.7 小児等
低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は体重25kg未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。[16.1.3参照]
9.8 高齢者
患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分に考慮すること。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては,国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に,患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。
8.1.1 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。
8.1.2 本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
8.1.3 担当医の指示なしに用量を変更したり,服用を中止したりしないこと。
8.1.4 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため,服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また,本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合,事前に担当医に相談すること。
8.2 抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。
8.3 本剤投与前にクレアチニンクリアランス,尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。クレアチニンクリアランスが30mL/min以上であることを確認すること。また,本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察すること。[7.4,9.2.2,10.2,11.1.1,15.1,16.6.1参照]
8.4 アジア系人種におけるエムトリシタビンの薬物動態は十分に検討されていないが,少数例の健康成人及びB型慢性肝炎のアジア系人種において,Cmaxの上昇を示唆する成績が得られているので,HBV感染症合併患者を含め,副作用の発現に注意すること。
8.5 エムトリシタビン製剤の臨床試験において皮膚変色が発現し,その発現頻度は有色人種で高いことが示唆されている。その原因は現在のところ不明である。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
粉砕時の安定性データは得られていないため,本剤を粉砕して使用しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は,HIV-1感染症に対して1剤で治療を行うものであるため,他の抗HIV薬と併用しないこと。
7.2 本剤はエルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミドフマル酸塩の4成分を含有した配合錠である。これらの成分を含む製剤と併用しないこと。また,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤についても併用しないこと。
7.3 コビシスタットと類似の薬理作用を有しているリトナビルを含む製剤,及びエムトリシタビンと類似の薬剤耐性,ウイルス学的特性を有しているラミブジンを含む製剤と併用しないこと。
7.4 本剤投与後,クレアチニンクリアランスが30mL/min未満に低下した場合は,投与の中止を考慮すること。[8.3,9.2.2,10.2,11.1.1,15.1,16.6.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 以下のいずれかのHIV-1感染症患者に使用すること。
5.1.1 抗HIV薬による治療経験がない患者
5.1.2 ウイルス学的失敗の経験がなく,切り替え前6ヵ月間以上においてウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50copies/mL未満)が得られており,エルビテグラビル,エムトリシタビン又はテノホビルに対する耐性関連変異を持たず,本剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療患者
5.2 本剤による治療にあたっては,患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 日本人健康成人男性に本剤を食直後に単回経口投与した時の,エルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータを表1に示す。
表1 本剤単回経口投与時のエルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータ
エルビテグラビルコビシスタットエムトリシタビンテノホビル アラフェナミドテノホビル
tmax(hr)4.0(3.0-5.0)2.5(2.0-5.0)2.0(1.0-4.0)1.0(0.3-2.0)2.0(1.0-3.0)
Cmax(μg/mL)2.5±0.41.1±0.32.8±0.70.16±0.080.01±0.00
t1/2(hr)6.0±1.33.2±0.813.1±3.10.42±0.0642.5±4.2
AUCinf(μg・hr/mL)32.3±7.96.9±2.914.2±2.80.15±0.030.29±0.05
平均値±標準偏差,12例(テノホビル アラフェナミドt1/2のみ3例),tmax:中央値(最小値-最大値)
16.1.2 外国人HIV-1感染症患者に本剤を食後に反復経口投与した時の,エルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータを表2に示す。
表2 本剤反復経口投与時のエルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータ
エルビテグラビルコビシスタットエムトリシタビンテノホビル アラフェナミドテノホビル
tmax(hr)3.9(1.5-12.0)3.0(1.5-5.0)1.5(0.5-4.0)1.0(0.3-3.0)3.0(0.8-8.0)
Cmax(μg/mL)2.1±0.71.5±0.42.1±0.40.23±0.150.02±0.00
t1/2(hr)6.9±1.23.2±0.76.5±0.90.6±0.348.1±31.2
AUCtau(μg・hr/mL)22.8±7.99.5±3.211.7±1.90.23±0.110.33±0.05
Ctrough(μg/mL)0.29±0.180.02±0.020.10±0.04NC0.01±0.00
平均値±標準偏差,19例,tmax:中央値(最小値-最大値),NC:未算出
16.1.3 12歳以上18歳未満で体重35kg以上(コホート1),及び6歳以上12歳未満で体重25kg以上(コホート2)の外国人小児HIV-1感染症患者を対象とした非盲検試験において,本剤含有成分の薬物動態を検討した。本剤投与時の小児患者におけるエルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータを表3に示す。[9.7参照]
表3 本剤反復経口投与時のエルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータ
コホート例数エルビテグラビル例数コビシスタット例数エムトリシタビン例数テノホビル アラフェナミド例数テノホビル
tmax(hr)1244.0(1.0-8.0)244.0(1.1-8.0)242.0(0.5-5.0)241.5(0.3-5.0)243.0(0.3-5.0)
2234.1(0.3-8.0)234.0(1.5-8.0)231.6(1.0-5.0)231.5(0.3-4.0)232.0(0.3-5.0)
Cmax(μg/mL)1242.2±0.4241.2±0.4242.3±0.5240.17±0.11240.02±0.00
2233.1±1.2232.1±1.0233.4±0.9230.31±0.19230.03±0.01
t1/2(hr)1246.6±2.6232.9±0.8245.4±0.9230.6±0.32372.2±117.5
2145.2±1.6152.8±0.5214.8±0.5110.6±0.32239.7±17.2
AUCtau(μg・hr/mL)12423.8±6.1238.2±3.02414.4±3.5240.19±0.11230.29±0.05
22233.8±19.52015.9±8.22220.6±3.9230.33±0.15230.44±0.09
平均値±標準偏差,tmax:中央値(最小値-最大値),テノホビル アラフェナミドのみAUClastコホート1:12歳以上18歳未満で体重35kg以上,コホート2:6歳以上12歳未満で体重25kg以上
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
日本人健康成人男性に対して本剤を空腹時に投与した場合,普通食(413kcal)摂取時と比較して,エルビテグラビルのCmax及びAUCinfは,それぞれ57%及び50%低下し,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルのCmax及びAUCinfはいずれも同程度であった。一方,軽食(250kcal,32%が脂肪由来)摂取時と普通食摂取時に投与した場合の比較では,いずれの成分もCmax及びAUCinfは同程度であった。
16.3 分布
エルビテグラビル
ヒト血漿蛋白に対する結合率は1ng/mL~1.6μg/mLの濃度範囲において濃度に依存せず98~99%であった。エルビテグラビルの血液中濃度/血漿中濃度比は0.73であった(外国人における成績)。
コビシスタット
ヒト血漿蛋白に対する結合率は97~98%であり,血液中濃度/血漿中濃度比は0.5であった(外国人における成績)。
エムトリシタビン
ヒト血漿蛋白に対する結合率は,0.02~200μg/mLの濃度範囲において濃度に依存せず4%未満であった(外国人における成績)。
テノホビル アラフェナミド
テノホビル アラフェナミドのヒト血漿蛋白に対する結合率は77~86%であった(外国人における成績)。
テノホビル
テノホビルのヒト血漿蛋白に対する結合率は0.7%未満であった(外国人における成績)。
16.4 代謝
エルビテグラビル
肝ミクロソーム及びCYPアイソザイムを用いたin vitro試験において,エルビテグラビルは主にCYP3Aにより代謝され,また,UGT1A1/3により,グルクロン酸抱合を受けた(外国人における成績)。
コビシスタット
肝ミクロソーム及びCYPアイソザイムを用いたin vitro試験において,コビシスタットは主にCYP3Aにより代謝され,一部CYP2D6で代謝された。また,in vivo試料中に,グルクロン酸抱合体は検出されなかった(外国人における成績)。
エムトリシタビン
ヒト肝ミクロソームを用いた各種検討において,2%未満の代謝物が検出された。14C-エムトリシタビンを単回投与したところ,投与量の13%の代謝物がヒト尿中に検出された(外国人における成績)。
テノホビル アラフェナミド
経口投与後,末梢血単核球及びマクロファージのカテプシンA及び肝細胞のカルボキシルエステラーゼ1によりテノホビルに代謝され,その後,テノホビル二リン酸に代謝された。CYP分子種発現系酵素を用いた検討において,テノホビル アラフェナミドはCYP3Aでわずかに代謝され,その代謝速度は1.9pmol/min/pmol CYPであった(外国人における成績)。
16.5 排泄
エルビテグラビル
健康被験者にリトナビル100mgでブーストして14C-エルビテグラビル50mgを単回投与したところ,投与量の94.8%が糞中に,6.7%が尿中に排泄された(外国人における成績)。
コビシスタット
健康被験者にコビシスタット150mgを6日間反復投与した後に14C-コビシスタット150mgを投与したところ,投与量の86.2%が糞中に,8.2%が尿中に排泄された(外国人における成績)。
エムトリシタビン
健康被験者にエムトリシタビン200mgを反復投与した後14C-エムトリシタビンを単回投与したところ,投与量の86%は尿中に,14%は糞中に排泄された。腎クリアランスが推定クレアチニンクリアランスを上回ったことから,糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方による排泄が示唆された(外国人における成績)。
テノホビル アラフェナミド
健康被験者に14C-テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を単回投与したところ,投与量の47.2%が糞中に,36.2%が尿中に排泄された。その主成分はテノホビルであり,糞中の99%,尿中の86%を占めた。また,投与量の1.4%がテノホビル アラフェナミドとして尿中に排泄された。テノホビルは腎臓での糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方により排泄された(外国人における成績)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
エルビテグラビル及びコビシスタット
クレアチニンクリアランスが15mL/min以上30mL/min未満の重度の腎機能障害を有する被験者(非透析患者)における,エルビテグラビル150mg及びコビシスタット150mg投与時のエルビテグラビル及びコビシスタットのAUCは,クレアチニンクリアランスが90mL/min超の被験者に対し,それぞれ約25%低下及び約25%上昇した(外国人における成績)。[7.4,8.3,10.2,11.1.1,15.1参照]
エムトリシタビン
クレアチニンクリアランスが30mL/min未満の重度の腎機能障害を有する被験者における,エムトリシタビン200mg単回投与時のエムトリシタビンのCmax及びAUCは,クレアチニンクリアランスが80mL/min超の被験者に対し,それぞれ約30%及び約200%上昇した(外国人における成績)。[7.4,8.3,9.2.2,10.2,11.1.1参照]
テノホビル アラフェナミド
クレアチニンクリアランスが15mL/min以上30mL/min未満の重度の腎機能障害を有する被験者(非透析患者)における,テノホビル アラフェナミド25mg単回投与時のテノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは,クレアチニンクリアランスが90mL/min超の被験者に対し,それぞれ79%及び92%上昇し,テノホビルのCmax及びAUCは,それぞれ179%及び474%上昇した(外国人における成績)。[7.4,8.3,10.2,11.1.1参照]
16.6.2 肝機能障害患者
エルビテグラビル及びコビシスタット
中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB)を有する被験者における,エルビテグラビル150mg及びコビシスタット150mg投与時のエルビテグラビル及びコビシスタットのAUCは,肝機能正常被験者に対し,エルビテグラビルでは35%上昇したが,コビシスタットでは変化は認められなかった(外国人における成績)。[9.3.2参照]
エムトリシタビン
肝機能障害を有する被験者における薬物動態は検討していない。
テノホビル アラフェナミド
軽度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスA)を有する被験者における,テノホビル アラフェナミド25mg単回投与時のテノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは,肝機能正常被験者に対し,それぞれ11%及び8%低下し,テノホビルのCmax及びAUCは,それぞれ3%及び11%低下した。また,中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB)を有する被験者における,テノホビル アラフェナミド25mg単回投与時のテノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは,肝機能正常被験者に対し,それぞれ19%及び13%上昇し,テノホビルのCmax及びAUCは,それぞれ12%及び3%低下した(外国人における成績)。
16.6.3 妊娠中のHIV-1感染症患者
妊娠中のHIV-1感染症患者における,エルビテグラビル150mg及びコビシスタット150mgを含むレジメン投与時のエルビテグラビル及びコビシスタットの薬物動態を検討した。その結果,出産後(6~12週)に対し妊娠中期(14例)では,エルビテグラビルのCmax,AUC0-24hr及びCminがそれぞれ8%,24%及び82%低下し,コビシスタットのCmax,AUC0-24hr及びCminがそれぞれ28%,44%及び61%低下した。また,出産後に対し妊娠後期(24例)では,エルビテグラビルのCmax,AUC0-24hr及びCminがそれぞれ28%,44%及び86%低下し,コビシスタットのCmax,AUC0-24hr及びCminがそれぞれ38%,59%及び67%低下した。[9.5参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 非臨床における薬物相互作用試験
エルビテグラビル
CYP3Aに対する弱い阻害作用を示し,CYP3A及びCYP2C9に対する誘導作用も認められた。
また,P-gp,BCRP,OATP1B1及びOATP1B3の基質であり,P-gp,BCRP,OATP1B3及びMATE1に対する阻害作用が認められた。[10.参照]
コビシスタット
CYP3Aに対する強い阻害作用が認められた。CYP2B6,CYP2C8,CYP2D6及びUGT1A1に対しても弱い阻害作用を示し,CYP3Aに対する弱い誘導作用も認められた。また,P-gp,BCRP,OATP1B1,OATP1B3及びOCT2の基質であり,P-gp,BCRP,BSEP,OATP1B1,OATP1B3,MATE1,MATE2-K,OCT1,OCT2,OCTN1,MRP1,MRP2及びMRP4に対する阻害作用を示した。[10.参照]
エムトリシタビン
OAT3の基質である。[10.参照]
テノホビル アラフェナミド
P-gp,BCRP,OATP1B1及びOATP1B3の基質である。また,テノホビルは,OAT1,OAT3及びMRP4の基質であり,OAT1に対する弱い阻害作用(IC50値:29.3μM)を示した。[10.参照]
16.7.2 臨床における薬物相互作用試験
健康成人に対し,本剤又は本剤の有効成分を含有する製剤と併用薬を投与した時の,本剤の有効成分又は併用薬の薬物動態への影響を表4~9に示す。
表4 併用薬投与時のエルビテグラビルの薬物動態パラメータ比
併用薬併用薬の用量・投与方法注1)エルビテグラビルの用量コビシスタット又はリトナビルの用量例数他剤併用時/非併用時のエルビテグラビルの薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
マグネシウム・アルミニウム含有制酸剤
[10.2参照]
20mL4hr前単回50mg単回リトナビル
100mg単回
80.95(0.84,1.07)0.96(0.88,1.04)1.04(0.93,1.17)
20mL4hr後単回100.98(0.88,1.10)0.98(0.91,1.06)1.00(0.90,1.11)
20mL2hr前単回110.82(0.74,0.91)0.85(0.79,0.91)0.90(0.82,0.99)
20mL2hr後単回100.79(0.71,0.88)0.80(0.75,0.86)0.80(0.73,0.89)
アトルバスタチン
[10.2参照]
10mg単回150mg1日1回注2)コビシスタット
150mg1日1回注2)
160.91(0.85,0.98)0.92(0.87,0.98)0.88(0.81,0.96)
ファモチジン40mg12hr後1日1回150mg1日1回コビシスタット
150mg1日1回
101.02(0.89,1.17)1.03(0.95,1.13)1.18(1.05,1.32)
40mg同時1日1回161.00(0.92,1.10)1.03(0.98,1.08)1.07(0.98,1.17)
ケトコナゾール200mg1日2回150mg1日1回リトナビル
100mg1日1回
181.17(1.04,1.33)1.48(1.36,1.62)1.67(1.48,1.88)
レジパスビル・ソホスブビル90/400mg1日1回150mg1日1回注2)コビシスタット
150mg1日1回注2)
300.98(0.90,1.07)1.11(1.02,1.20)1.46(1.28,1.66)
オメプラゾール40mg2hr前1日1回50mg1日1回リトナビル
100mg1日1回
90.93(0.83,1.04)0.99(0.91,1.07)0.94(0.85,1.04)
20mg2hr前1日1回150mg1日1回コビシスタット
150mg1日1回
111.16(1.04,1.30)1.10(1.02,1.19)1.13(0.96,1.34)
20mg12hr後1日1回111.03(0.92,1.15)1.05(0.93,1.18)1.10(0.92,1.32)
リファブチン
[10.2参照]
150mg隔日1回150mg1日1回コビシスタット
150mg1日1回
120.91(0.84,0.99)0.79(0.74,0.85)0.33(0.27,0.40)
ロスバスタチン10mg単回150mg1日1回コビシスタット
150mg1日1回
100.94(0.83,1.07)1.02(0.91,1.14)0.98(0.83,1.16)
セルトラリン50mg単回150mg1日1回注2)コビシスタット
150mg1日1回注2)
190.88(0.82,0.93)0.94(0.89,0.98)0.99(0.93,1.05)
ソホスブビル・ベルパタスビル400/100mg1日1回150mg1日1回注2)コビシスタット
150mg1日1回注2)
240.87(0.80,0.94)0.94(0.88,1.00)1.08(0.97,1.20)
ソホスブビル・ベルパタスビル・Voxilaprevir(国内未承認)400/100/100mg+Voxilaprevir100mg1日1回150mg1日1回注2)コビシスタット
150mg1日1回注2)
290.79(0.75,0.85)0.94(0.88,1.00)1.32(1.17,1.49)
注1)エルビテグラビル製剤投与からの時間(hr:時間)注2)本剤を用いた薬物動態試験
表5 併用薬投与時のコビシスタットの薬物動態パラメータ比
併用薬併用薬の用量・投与方法注3)エルビテグラビルの用量コビシスタットの用量例数他剤併用時/非併用時のコビシスタットの薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
アトルバスタチン
[10.2参照]
10mg単回150mg1日1回注4)150mg1日1回注4)161.03(0.98,1.07)1.00(0.96,1.04)1.10(0.98,1.23)
ファモチジン40mg12hr後1日1回150mg1日1回150mg1日1回101.04(0.99,1.08)1.05(1.02,1.08)1.15(1.06,1.26)
40mg同時1日1回161.06(0.99,1.13)1.03(0.97,1.11)1.11(1.00,1.24)
ソホスブビル・ベルパタスビル400/100mg1日1回150mg1日1回注4)150mg1日1回注4)241.16(1.09,1.23)1.30(1.23,1.38)2.03(1.67,2.48)
ソホスブビル・ベルパタスビル・Voxilaprevir(国内未承認)400/100/100mg+Voxilaprevir100mg1日1回150mg1日1回注4)150mg1日1回注4)291.23(1.18,1.28)1.50(1.44,1.58)3.50(3.01,4.07)
レジパスビル・ソホスブビル90/400mg1日1回150mg1日1回注4)150mg1日1回注4)301.23(1.15,1.32)1.53(1.45,1.62)3.25(2.88,3.67)
オメプラゾール20mg2hr前1日1回150mg1日1回150mg1日1回110.90(0.82,0.99)0.92(0.85,1.01)0.93(0.74,1.17)
20mg12hr後1日1回110.94(0.85,1.05)0.99(0.89,1.09)1.02(0.82,1.28)注5)
ダルナビル800mg1日1回NA注6)150mg1日1回注6)141.06(1.00,1.12)1.09(1.03,1.15)1.11(0.98,1.25)
NA:投与せず注3)コビシスタット製剤投与からの時間(hr:時間)注4)本剤を用いた薬物動態試験注5)Cminのみ10例注6)ダルナビル・コビシスタットとエムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験
表6 併用薬投与時のエムトリシタビンの薬物動態パラメータ比
併用薬併用薬の用量・投与方法エムトリシタビンの用量例数他剤併用時/非併用時のエムトリシタビンの薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
ダルナビル800mg+コビシスタット150mg1日1回200mg1日1回注7)111.13(1.02,1.24)1.24(1.17,1.31)1.31(1.24,1.38)
エファビレンツ600mg1日1回空腹時200mg1日1回110.90(0.81,0.99)0.92(0.87,0.96)0.92(0.86,0.98)
セルトラリン50mg単回200mg1日1回注8)190.90(0.82,0.98)0.84(0.81,0.88)0.94(0.90,0.99)
ソホスブビル・ベルパタスビル400/100mg1日1回200mg1日1回注8)241.02(0.97,1.06)1.01(0.98,1.04)1.02(0.97,1.07)
ソホスブビル・ベルパタスビル・Voxilaprevir(国内未承認)400/100/100mg+Voxilaprevir100mg1日1回200mg1日1回注8)290.87(0.84,0.91)0.96(0.94,0.99)1.14(1.09,1.20)
タクロリムス
[10.2参照]
0.05mg/kg1日2回200mg1日1回注9)210.89(0.83,0.95)0.95(0.91,0.99)1.03(0.96,1.10)
ファムシクロビル500mg単回200mg単回120.90(0.80,1.01)0.93(0.87,0.99)NC
レジパスビル・ソホスブビル90/400mg1日1回200mg1日1回注8)301.03(0.96,1.11)0.97(0.93,1.00)0.95(0.91,0.99)
NC:未算出注7)ダルナビル・コビシスタットとエムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験注8)本剤を用いた薬物動態試験注9)エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を用いた薬物動態試験
表7 併用薬投与時のテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ比
併用薬併用薬の用量・投与方法テノホビル アラフェナミドの用量例数他剤併用時/非併用時のテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
アトルバスタチン
[10.2参照]
10mg単回10mg1日1回注10)160.97(0.73,1.28)1.00(0.84,1.19)NC
コビシスタット150mg1日1回8mg1日1回注11)122.83(2.20,3.65)2.65(2.29,3.07)NC
レジパスビル・ソホスブビル90/400mg1日1回10mg1日1回注10)300.90(0.73,1.11)0.86(0.78,0.95)NC
セルトラリン50mg単回10mg1日1回注10)191.00(0.86,1.16)0.96(0.89,1.03)NC
エファビレンツ600mg1日1回空腹時40mg1日1回注12)110.78(0.58,1.05)0.86(0.72,1.02)NC
ダルナビル・コビシスタット800/150mg1日1回25mg1日1回注12)110.93(0.72,1.21)0.98(0.80,1.19)NC
ソホスブビル・ベルパタスビル400/100mg1日1回10mg1日1回注10)240.80(0.68,0.94)0.87(0.81,0.94)NC
ソホスブビル・ベルパタスビル・Voxilaprevir(国内未承認)400/100/100mg+Voxilaprevir100mg1日1回10mg1日1回注10)290.79(0.68,0.92)0.93(0.85,1.01)NC
NC:未算出注10)本剤を用いた薬物動態試験注11)テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験注12)エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験
表8 併用薬投与時のテノホビルの薬物動態パラメータ比
併用薬併用薬の用量・投与方法テノホビルの用量例数他剤併用時/非併用時のテノホビルの薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
アトルバスタチン
[10.2参照]
10mg単回テノホビル アラフェナミド10mg1日1回注13)160.96(0.89,1.04)0.99(0.97,1.01)1.01(0.99,1.04)
コビシスタット150mg1日1回テノホビル アラフェナミド8mg1日1回注14)123.34(3.02,3.70)3.31(3.10,3.53)3.35(3.12,3.59)
セルトラリン50mg単回テノホビル アラフェナミド10mg1日1回注13)191.10(1.00,1.21)1.02(1.00,1.04)1.01(0.99,1.03)
エファビレンツ600mg1日1回空腹時テノホビル アラフェナミド40mg1日1回注15)110.75(0.67,0.86)0.80(0.73,0.87)0.82(0.75,0.89)
ダルナビル・コビシスタット800/150mg1日1回テノホビル アラフェナミド25mg1日1回注15)113.16(3.00,3.33)3.24(3.02,3.47)3.21(2.90,3.54)
ソホスブビル・ベルパタスビル400/100mg1日1回テノホビル アラフェナミド10mg1日1回注13)241.20(1.16,1.24)1.22(1.18,1.25)1.23(1.19,1.28)
ソホスブビル・ベルパタスビル・Voxilaprevir(国内未承認)400/100/100mg+Voxilaprevir100mg1日1回テノホビル アラフェナミド10mg1日1回注13)291.09(1.05,1.13)1.20(1.17,1.23)1.21(1.18,1.26)
レジパスビル・ソホスブビル90/400mg1日1回テノホビル アラフェナミド10mg1日1回注13)301.17(1.12,1.22)1.27(1.23,1.31)1.33(1.28,1.38)
注13)本剤を用いた薬物動態試験注14)テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験注15)エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験
表9 エルビテグラビル製剤及びコビシスタット製剤,コビシスタット製剤,スタリビルド配合錠注16),エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩又は本剤投与時の併用薬の薬物動態パラメータ比
併用薬併用薬の用量エルビテグラビルの用量コビシスタットの用量テノホビル アラフェナミドの用量例数他剤併用時/非併用時の併用薬の薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
アトルバスタチン
[10.2参照]
10mg単回150mg1日1回注17)150mg1日1回注17)10mg1日1回注17)162.32(1.91,2.82)2.60(2.31,2.93)NC
ブプレノルフィン16~24mg1日1回150mg1日1回150mg1日1回NA171.12(0.98,1.27)1.35(1.18,1.55)1.66(1.43,1.93)
ノルブプレノルフィン1.24(1.03,1.49)1.42(1.22,1.67)1.57(1.31,1.88)
デシプラミン(国内未承認)50mg単回NA150mg1日1回NA81.24(1.08,1.44)1.65(1.36,2.02)NC
ジゴキシン
[10.2参照]
0.5mg単回NA150mg1日1回NA221.41(1.29,1.55)1.08(1.00,1.17)NC
レジパスビル90mg1日1回150mg1日1回注17)150mg1日1回注17)10mg1日1回注17)301.65(1.53,1.78)1.79(1.64,1.96)1.93(1.74,2.15)
ソホスブビル400mg1日1回1.28(1.13,1.47)1.47(1.35,1.59)NC
ソホスブビル主要代謝物1.29(1.24,1.35)1.48(1.44,1.53)1.66(1.60,1.73)
ナロキソン4~6mg1日1回150mg1日1回150mg1日1回NA170.72(0.61,0.85)0.72(0.59,0.87)NC
ノレルゲストロミンノルゲスチメート0.180/0.215/0.250mg・エチニルエストラジオール0.025mg1日1回150mg1日1回注18)150mg1日1回注18)NA132.08(2.00,2.17)2.26(2.15,2.37)2.67(2.43,2.92)
エチニルエストラジオール
[10.2参照]
0.94(0.86,1.04)0.75(0.69,0.81)0.56(0.52,0.61)
ノレルゲストロミンノルゲスチメート0.180/0.215/0.250mg・エチニルエストラジオール0.025mg1日1回NANA25mg1日1回注19)151.17(1.07,1.26)1.12(1.07,1.17)1.16(1.08,1.24)
ノルゲストレル1.10(1.02,1.18)1.09(1.01,1.18)1.11(1.03,1.20)
エチニルエストラジオール
[10.2参照]
1.22(1.15,1.29)1.11(1.07,1.16)1.02(0.92,1.12)
R-メサドン80~120mg1日1回150mg1日1回150mg1日1回NA111.01(0.91,1.13)1.07(0.96,1.19)1.10(0.95,1.28)
S-メサドン0.96(0.87,1.06)1.00(0.89,1.12)1.02(0.89,1.17)
セルトラリン50mg単回150mg1日1回注17)150mg1日1回注17)10mg1日1回注17)201.14(0.94,1.38)1.09(0.90,1.32)NC
リファブチン
[10.2参照]
150mg隔日1回150mg1日1回150mg1日1回NA121.09(0.98,1.20)注20)0.92(0.83,1.03)注20)0.94(0.85,1.04)注20)
25-脱アセチル体代謝物4.84(4.09,5.74)注20)6.25(5.08,7.69)注20)4.94(4.04,6.04)注20)
ロスバスタチン10mg単回150mg1日1回150mg1日1回NA101.89(1.48,2.42)1.38(1.14,1.67)NC
ダルナビル800mg1日1回NA注21)150mg1日1回注21)25mg1日1回注21)141.02(0.96,1.09)0.99(0.92,1.07)0.97(0.82,1.15)
ベルパタスビル100mg1日1回150mg1日1回注17)150mg1日1回注17)10mg1日1回注17)241.30(1.17,1.45)1.50(1.35,1.66)1.60(1.44,1.78)
ソホスブビル400mg1日1回1.23(1.07,1.42)1.37(1.24,1.52)NC
ソホスブビル主要代謝物1.29(1.25,1.33)1.48(1.43,1.53)1.58(1.52,1.65)
ベルパタスビル100mg1日1回150mg1日1回注17)150mg1日1回注17)10mg1日1回注17)290.96(0.89,1.04)1.16(1.06,1.27)1.46(1.30,1.64)
Voxilaprevir(国内未承認)100mg+100mg1日1回1.92(1.63,2.26)2.71(2.30,3.19)4.50(3.68,5.50)
ソホスブビル400mg1日1回1.27(1.09,1.48)1.22(1.12,1.32)NC
ソホスブビル主要代謝物1.28(1.25,1.32)1.43(1.39,1.47)NC
NA:投与せず,NC:未算出注16)エルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する抗HIV薬注17)本剤を用いた薬物動態試験注18)スタリビルド配合錠を用いた薬物動態試験注19)エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験注20)リファブチン300mg1日1回投与時との比較注21)ダルナビル・コビシスタットとエムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カルバマゼピン
(テグレトール)
フェノバルビタール
(フェノバール)
フェニトイン
(アレビアチン)
ホスフェニトイン
(ホストイン)
リファンピシン
(リファジン)
セイヨウオトギリソウ
(St.John’s Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
[2.2参照]
エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下する可能性がある。また,テノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下する可能性がある。これら薬剤のCYP3A及びP-gpの誘導作用によるため。
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
(クリアミン)
エルゴメトリンマレイン酸塩
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩
(メテルギン)
[2.2参照]
これら薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(末梢血管攣縮,四肢及びその他組織の虚血等)が起こる可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
アスナプレビル
(スンベプラ)
[2.2参照]
アスナプレビルの血中濃度が上昇し,肝臓に関連した有害事象が発現し,また,重症化する可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
シンバスタチン
(リポバス)
[2.2参照]
シンバスタチンの血中濃度が上昇し,重篤な有害事象(横紋筋融解症を含むミオパチー等)が起こる可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
ピモジド
(オーラップ)
[2.2参照]
ピモジドの血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(不整脈等)が起こる可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
シルデナフィルクエン酸塩
(レバチオ)
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
タダラフィル
(アドシルカ)
[2.2参照]
これら薬剤の血中濃度が上昇し,視覚障害,低血圧,持続勃起及び失神等の有害事象が起こる可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
ブロナンセリン
(ロナセン)
アゼルニジピン
(カルブロック)
リバーロキサバン
(イグザレルト)
[2.2参照]
これら薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
トリアゾラム
(ハルシオン)
ミダゾラム
(ドルミカム)
[2.2参照]
これら薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(鎮静作用の延長や増強又は呼吸抑制等)が起こる可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
ロミタピドメシル酸塩
(ジャクスタピッド)
[2.2参照]
ロミタピドの血中濃度が著しく上昇する可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
テラプレビル
(テラビック)
[2.2参照]
テノホビル アラフェナミドの抗HIV-1活性が低下するため,本剤の効果が減弱する可能性がある。テラプレビルのカテプシンA活性阻害作用によるため。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アミオダロン塩酸塩
ベプリジル塩酸塩水和物
ジソピラミド
リドカイン塩酸塩
プロパフェノン塩酸塩
キニジン硫酸塩水和物
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,これら薬剤の血中濃度をモニタリングすることが望ましい。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
シクロスポリン
タクロリムス水和物
テムシロリムス
[16.7.2参照]
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,これら薬剤の血中濃度をモニタリングすることが望ましい。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
クロナゼパム
エトスクシミド
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,患者の状態を注意して観察することが望ましい。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
アムロジピンベシル酸塩
ジルチアゼム塩酸塩
フェロジピン
ニカルジピン塩酸塩
ニフェジピン
ベラパミル塩酸塩
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,患者の状態を注意して観察することが望ましい。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
パロキセチン塩酸塩水和物
アミトリプチリン塩酸塩
イミプラミン塩酸塩
ノルトリプチリン塩酸塩
トラゾドン塩酸塩
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用時にこれら薬剤を増量する場合は慎重に行い,患者の状態を注意して観察することが望ましい。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
コルヒチン
[2.3,9.2.1,9.3.1参照]
コルヒチンの血中濃度が上昇する可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
アトルバスタチンカルシウム水和物
[16.7.2参照]
アトルバスタチンの血中濃度が上昇する可能性がある。アトルバスタチンカルシウム水和物と併用する場合は,最少量から投与し,安全性を観察しながら増量すること。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
サルメテロールキシナホ酸塩サルメテロールの血中濃度が上昇し,QT延長,動悸及び洞性頻脈等の心血管系有害事象の発現リスクが上昇する可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
シルデナフィルクエン酸塩
(バイアグラ)
タダラフィル
(シアリス,ザルティア)
これら薬剤の血中濃度が上昇し,低血圧,失神,視覚障害及び持続勃起等の有害事象が増加する可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
クロラゼプ酸二カリウム
ジアゼパム
エスタゾラム
フルラゼパム塩酸塩
ゾルピデム酒石酸塩
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,これら薬剤の減量を考慮すること。また,患者の状態を注意して観察することが望ましい。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
ボセンタン水和物ボセンタン水和物の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,ボセンタン水和物の減量を考慮すること。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
ダサチニブ水和物
ラパチニブトシル酸塩水和物
エベロリムス
ブデソニド
エプレレノン
トルバプタン
エレトリプタン臭化水素酸塩
クエチアピンフマル酸塩
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
フルチカゾンフルチカゾンの血中濃度が上昇し,内因性の血清コルチゾール濃度が低下する可能性がある。特に長期間併用する場合は,他剤への変更を考慮すること。コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
デキサメタゾンエルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下する可能性がある。デキサメタゾンのCYP3A誘導作用によるため。
クラリスロマイシンクラリスロマイシン及びコビシスタットの血中濃度が上昇する可能性がある。クラリスロマイシン及びコビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
イトラコナゾール
ボリコナゾール
エルビテグラビル,コビシスタット及びこれら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。これら薬剤及びコビシスタットのCYP3A等阻害作用によるため。
フレカイニド酢酸塩
メキシレチン塩酸塩
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,これら薬剤の血中濃度をモニタリングすることが望ましい。コビシスタットのCYP2D6阻害作用によるため。
ペルフェナジンこれら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。これら薬剤と併用する場合は,患者の状態を注意して観察し,減量等の措置を考慮すること。コビシスタットのCYP2D6阻害作用によるため。
メトプロロール酒石酸塩
チモロールマレイン酸塩
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。これら薬剤と併用する場合は,患者の状態を注意して観察し,減量等の措置を考慮すること。コビシスタットのCYP2D6阻害作用によるため。
リスペリドンリスペリドンの血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,リスペリドンの減量を考慮すること。コビシスタットのCYP3A及びCYP2D6阻害作用によるため。
酒石酸トルテロジン
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。コビシスタットのCYP3A及びCYP2D6阻害作用によるため。
多価陽イオン(Mg,Al,Ca,Fe,Zn等)含有経口製剤
マグネシウム・アルミニウム含有制酸剤
マグネシウム含有下剤
スクラルファート水和物 等
[16.7.2参照]
エルビテグラビルの血中濃度が低下する可能性があるため,2時間以上間隔をあけて投与することが望ましい。エルビテグラビルが多価陽イオンと錯体(キレート)を形成し吸収が抑制されるため。
ジゴキシン
[16.7.2参照]
ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,血中濃度のモニタリングを行うことが望ましい。コビシスタットが消化管においてP-gpを阻害するため。
リファブチン
[16.7.2参照]
エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下し,テノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下する可能性がある。また,リファブチンの活性代謝物である25-脱アセチル体の血中濃度が上昇する可能性がある。リファブチンのCYP3A及びP-gp誘導作用,及びコビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
アシクロビル
バラシクロビル塩酸塩
ガンシクロビル
バルガンシクロビル塩酸塩
これら薬剤,テノホビル又はエムトリシタビンの血中濃度が上昇し,これら薬剤又は本剤による有害事象を増強する可能性がある。尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合,排泄経路の競合により排泄が遅延するため。
エチニルエストラジオール
[16.7.2参照]
エチニルエストラジオールの血中濃度が低下する可能性がある。機序不明。
ワルファリンカリウムワルファリンの血中濃度が変動する可能性があるためINRのモニタリングを行うことが望ましい。機序不明。
腎毒性を有する薬剤
[7.4,8.3,9.2.2,11.1.1,15.1,16.6.1参照]
併用は避けることが望ましい。腎毒性を有する薬剤は腎機能障害の危険因子となる。

重大な副作用 

次の副作用が現れることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 腎不全又は重度の腎機能障害(1%未満)
腎機能不全,腎不全,急性腎障害,近位腎尿細管機能障害,ファンコニー症候群,急性腎尿細管壊死,腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害が現れることがあるので,臨床検査値に異常が認められた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。[7.4,8.3,9.2.2,10.2,15.1,16.6.1参照]
11.1.2 乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(頻度不明)
乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には,本剤の投与を一時中止すること。特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。エムトリシタビン又はテノホビルを含む核酸系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により,重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が,女性に多く報告されている。

その他の副作用 

次の副作用が現れることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2%以上2%未満頻度不明
代謝及び栄養障害食欲減退体脂肪の再分布/蓄積
精神障害不眠症,異常な夢
神経系障害頭痛,浮動性めまい傾眠
胃腸障害悪心,下痢,放屁腹部膨満,嘔吐,腹痛,上腹部痛,便秘,消化不良
皮膚及び皮下組織障害発疹血管性浮腫,蕁麻疹
筋骨格系及び結合組織障害骨減少症,骨粗鬆症
腎及び尿路障害蛋白尿
一般・全身障害及び投与部位の状態疲労
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