製品名 デュオドーパ配合経腸用液

一般名
Levodopa
Carbidopa Hydrate
薬効分類
パーキンソン病・認知症治療薬
 >L-ドパ含有製剤
価格
100mL1カセット:15004.3円/カセット

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善

用法・用量

  • 本剤投与前の経口レボドパ量に応じて初回投与量を決定し,朝の投与及び持続投与に分けて胃瘻を通じて空腸に直接投与する.その後は患者の症状により,以下の用量範囲で投与量を調整する.なお,必要に応じて持続投与中に追加投与を行うことができる.
  • 通常,成人には,朝の投与として5~10mL(レボドパ/カルビドパ水和物として100/25~200/50mg)を10~30分かけて投与した後,2~6mL/時間(レボドパ/カルビドパ水和物として40/10~120/30mg/時間)で持続投与する.なお,1日の最大投与時間は16時間とする.1回あたりの追加投与は0.5~2.0mL(レボドパ/カルビドパ水和物として10/2.5~40/10mg)とする.
  • 本剤の投与量は症状により適宜増減するが,朝の投与は15mL(レボドパ/カルビドパ水和物として300/75mg),持続投与は10mL/時間(レボドパ/カルビドパ水和物として200/50mg/時間)を超えないこととする.また,1日総投与量は100mL(レボドパ/カルビドパ水和物として2000/500mg)を超えないこととする.
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし,症状が悪化するおそれがある.]
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
悪性症候群(頻度不明)
急激な減量又は投与中止により,高熱,意識障害,高度の筋強剛,不随意運動,ショック状態,精神状態変化(激越,錯乱,昏睡等),自律神経症状,CK(CPK)上昇等があらわれ,まれに横紋筋融解症を続発するおそれがある.本剤の急激な減量又は中止は避けるとともに,このような症状が認められた場合には,再投与後,漸減し,体冷却,水分補給等適切な処置を行うこと.
幻覚(頻度不明),錯乱(頻度不明),抑うつ(頻度不明)
このような症状があらわれた場合には減量又は休薬等の適切な処置を行うこと.
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化(頻度不明)
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
溶血性貧血(頻度不明),血小板減少症(頻度不明)
溶血性貧血,血小板減少症があらわれることがあるので,定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
突発的睡眠(頻度不明)
前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので,このような場合には,減量,休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと.(「重要な基本的注意」の項参照)
悪性黒色腫(頻度不明)
悪性黒色腫があらわれることがある.観察を十分に行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと.
閉塞隅角緑内障(頻度不明)
急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので,霧視,眼痛,充血,頭痛,嘔気等が認められた場合には,投与を中止し,直ちに適切な処置を行うこと.
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

肝又は腎機能障害のある患者[副作用の発現が増加するおそれがある.]
胃潰瘍,十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある.]
重篤な心疾患のある患者又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある.]
肺疾患,気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者[症状が悪化するおそれがある.]
慢性開放隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし,緑内障が悪化するおそれがある.]
自殺傾向など精神症状のある患者又はその既往歴のある患者[精神症状が悪化するおそれがある.]
糖尿病患者[血糖値の上昇を誘発し,インスリン必要量を増大させるとの報告がある.]

重要な基本的注意

本剤の投与にあたっては,パーキンソン病治療に精通し,本剤の治療システムについて十分な知識のある医師又はその指導の下で,本治療システムの使用が適切と判断される症例においてのみ使用すること.
ニューロパチーがあらわれることがあるため,本剤投与中は,関連症状(感覚障害等)に注意し,必要に応じて神経伝導検査の実施や必要なビタミン等の補充を考慮すること.(「副作用」の項参照)
本剤の急激な減量又は中止により悪性症候群があらわれることがあるため,本剤の減量,中止が必要な場合は,患者の状態を注意深く観察しながら用量を漸減すること.(「副作用」の項参照)
医療機器(チューブ等)関連消化管事象及び胃瘻造設関連合併症として胃石,イレウス(腸閉塞),胃瘻部位びらん・潰瘍,術後創傷感染,腸出血,腸管虚血,腸管穿孔,腸重積,膵炎,腹膜炎,気腹が発現するおそれがあり,これらは重篤な転帰(死亡等)に至るおそれがあるため,十分注意すること.また,腹痛,悪心,嘔吐等の上記に関連する症状が認められた場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は,隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが望ましい.
前兆のない突発的睡眠,傾眠,調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること.
レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により,病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず,持続的にギャンブルを繰り返す状態),病的性欲亢進,強迫性購買,暴食等の衝動制御障害が報告されているので,このような症状が発現した場合には,減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと.また,患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること.
セレギリン塩酸塩(B型モノアミン酸化酵素阻害剤)との併用に際しては,使用前に必ずセレギリン塩酸塩の添付文書を参照すること.

適用上の注意

本剤の投与は専用の治療システムと組み合わせて行うため,ポンプ及びチューブ等の専用機器の添付文書,説明書等を熟読し,これらの指示及び注意に従い適切に投与すること.
投与前
ポンプの誤操作等により,過量投与若しくは不足となる可能性があるため,本剤の投与前にポンプ等の操作を十分習得すること.
投与を開始する20分前に冷蔵庫及び外箱からカセットを取り出しておくこと.
本剤のカセットのチューブとアッヴィJチューブ又はアッヴィNJチューブが正常に接続されていることを確認すること.
投与時
本剤のカセットは単回使用とし,開封したカセットを再度使用しないこと.冷蔵庫から取り出した後は16時間を超えて使用しないこととし,残薬があっても廃棄すること.(室温ではカルビドパの分解が進みやすく,経時的にヒドラジンの量が増加することが示されている.(「その他の注意」の項参照」))
急激な治療反応の低下が見られた場合はチューブの状態(アッヴィJチューブ先端部位の転位,本剤のカセットのチューブならびにアッヴィJチューブ又はアッヴィNJチューブの閉塞,本剤のカセットのチューブとアッヴィJチューブ又はアッヴィNJチューブとの接続不良等)やポンプの動作等を調査し,必要に応じて適切な処置を行うこと.
日中に一時的に投与中断する場合やポンプの故障や誤作動が生じた場合等に備えて,経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤を常に用意しておくこと.
投与終了時
経胃瘻空腸投与する場合は,本剤の投与終了後,毎日,アッヴィJチューブをフラッシングすること.(本剤を長期投与することによりチューブが閉塞するおそれがある.)
本剤の投与開始時は,原則として入院管理下で十分な観察を行い,患者毎の適切な投与量を決定すること.
本剤は専用のポンプ(CADD-Legacy 1400ポンプ)及びチューブ等(アッヴィPEGキット及びアッヴィJチューブ)を使用して投与すること.
胃瘻造設前に本治療システムが患者に適合することを確認するため,専用の経鼻空腸内投与用チューブ(アッヴィNJチューブ)を使用した,本剤の短期間の経鼻空腸内投与を考慮すること.
本剤の投与時間は日中の16時間以内とすること.本剤投与終了後の夜間及び就寝後にパーキンソン病の症状管理が必要な場合は,経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤を用いて管理を行うこと.[日中16時間を超えて投与したとき,及び夜間の就寝中に投与したときの有効性及び安全性は確立していない.]
本剤開始前までに,使用中の全てのレボドパ含有製剤を経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤に切り替え,経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤のレボドパ量をもとに本剤投与開始日の投与量を決定すること.その他のパーキンソン病治療薬は,本剤開始前までに可能な限り中止することが望ましいが,やむを得ず本剤と併用する場合には,当該薬剤の用量を漸減し,本剤の用量調整中は当該薬剤の用量を変更しないこと.なお,併用薬を中止する場合は各薬剤の添付文書を参照し,必要に応じて用量を漸減すること.
朝の投与は以下に従い行うこと.
本剤投与開始日の朝の投与量
前日の朝に使用した経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤のレボドパ量に応じ,以下に従って算出すること.
前日朝のレボドパ量本剤投与開始日の朝の投与量
0~200mg[前日朝の経口レボドパ量(mg)×0.8÷20(mg/mL)](mL)
201~399mg[前日朝の経口レボドパ量(mg)×0.7÷20(mg/mL)](mL)
400mg以上[前日朝の経口レボドパ量(mg)×0.6÷20(mg/mL)](mL)
チューブ充填量
本剤を経胃瘻空腸内投与する場合,毎日,朝の投与量とともにチューブ充填量を投与すること.本剤を経鼻空腸内投与する場合は,本剤投与開始日のみ,朝の投与量とともにチューブ充填量を投与すること.なお,チューブ充填量は,以下のとおりである.
チューブの種類チューブ充填量
経胃瘻空腸内投与用チューブ(アッヴィJチューブ)3mL
経鼻空腸内投与用チューブ(アッヴィNJチューブ)5mL
用量調整
前日の朝の投与後1時間以内の臨床反応が不十分な場合,以下に従って朝の投与量を調整すること.
前日の朝の投与量が6mL以下の場合
1mL毎に増量する.
前日の朝の投与量が6mLを超えている場合
2mL毎に増量する.
持続投与は以下に従い行うこと.
本剤投与開始日の持続投与速度
前日に使用したレボドパ量に応じ,下式に従って算出すること.
1時間あたりの投与速度(mL/時間)=[前日の日中16時間の経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤のレボドパ量(mg)-前日朝の経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤のレボドパ量(mg)]×0.9÷20(mg/mL)÷16(時間)
用量調整
持続投与速度の調整は0.1mL/時間(レボドパとして2mg/時間)毎を目安とすること.
追加投与を行う場合には,以下に従い行うこと.
1回あたり1mL(レボドパとして20mg)から開始すること.
前回の追加投与から2時間以上あけることとし,頻回(1日5回を超える)の追加投与が必要となった場合は持続投与量の増量を検討すること.
本剤は経口レボドパ含有製剤に対する治療反応性及び忍容性が認められるパーキンソン病患者に対して使用すること.

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい.[動物実験(ウサギ)で催奇形性が報告されている.]
授乳中の婦人には投与しないか授乳を避けさせることが望ましい.[乳汁分泌が抑制されるおそれがある.レボドパはヒト乳汁中に分泌される.また,動物実験(ラット)でカルビドパの乳汁移行が報告されている.]

薬物動態

吸収(日本人データ,外国人データ)
本剤は空腸に直接投与される.レボドパは高分子量の中性アミノ酸(LNAA)輸送体を介し,腸管より速やかにかつ効率的に吸収される.
日本人の進行期パーキンソン病患者による第II相臨床試験において本剤を空腸内投与したところ,レボドパは迅速に治療血漿中濃度に達し,投与時間を通して安定した濃度を維持した(下図).本剤投与後の血漿中レボドパ濃度の被験者内変動は,レボドパ・カルビドパ水和物錠投与時に比べ約1/4に低下した(それぞれ10%及び38%).
分布(外国人データ)
赤血球及び血漿間のレボドパの分配比は約1である.レボドパの血漿蛋白結合率はごくわずかである(約10~30%).レボドパはLNAA輸送体により脳内に移行する.カルビドパは血漿蛋白に約36%結合する.カルビドパは脳血液関門を透過しない.
代謝及び排泄(外国人データ)
カルビドパとの併用時,レボドパの消失半減期は約1.5時間であった.レボドパは代謝によって完全に消失し,生成した代謝物は主として尿中に排泄された.レボドパは主として芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AAAD)及びカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)による代謝を介して消失する.その他の代謝経路としてアミノ基転移及び酸化がある.酵素阻害剤を併用投与しないとき,AAADを介するレボドパからドパミンへの脱炭酸が主代謝経路になる.COMTを介するレボドパのO-メチル化により3-O-メチルドパが生成する.
カルビドパは2種類の主代謝物(α-メチル-3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルプロピオン酸及びα-メチル-3,4-ジヒドロキシフェニルプロピオン酸)に代謝される.これら2種類の代謝物は未変化体又はグルクロン酸抱合体として主として尿中に排泄される.未変化のカルビドパは尿中総排泄率の30%を占める.カルビドパの消失半減期は約2時間である.
薬物動態学的薬物相互作用
レボドパは,LNAA輸送体の基質の一種であり,この輸送体が腸における吸収及び脳への輸送を促進している.COMT阻害剤であるエンタカポンとの併用経口投与は血漿中濃度を増加させなかった.