製品名 ヘマンジオルシロップ小児用0.375%
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- 一般名
- Propranolol Hydrochloride
- 薬効分類
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降圧薬>β遮断薬(β1非選択性)
- 価格
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0.375%1mL:264.5円/mL
- 製薬会社
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- 製造販売:マルホ株式会社
提携:Pierre Fabre DERMATOLOGIE
- 製造販売:マルホ株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 乳児血管腫
用法・用量
- 通常、プロプラノロールとして1日1mg/kg~3mg/kgを2回に分け、空腹時を避けて経口投与する。投与は1日1mg/kgから開始し、2日以上の間隔をあけて1mg/kgずつ増量し、1日3mg/kgで維持するが、患者の状態に応じて適宜減量する。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[気管支を収縮し、喘息症状が誘発又は悪化するおそれがある。]
- 低血糖の患者[本剤は低血糖を悪化させやすく、その症状をマスクし、発見を遅らせる危険性がある。]
- 重度の徐脈、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
- 心原性ショックの患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- コントロール不良の心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- 重度の低血圧症の患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- 重度の末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、壊疽等)[症状が悪化するおそれがある。]
- 褐色細胞腫の患者[血圧が急激に上昇するおそれがある。]
- 異型狭心症の患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 副作用
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- 低血圧(0.9%)、徐脈(0.5%)、房室ブロック(0.2%)
- 低血圧、徐脈、房室ブロックがあらわれることがあるので、異常が認められた場合には、中止するなど適切な処置を行うこと。
- 低血糖(0.5%)
- 低血糖があらわれることがある。痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)をきたした例も報告されていることから、異常が認められた場合には、中止するなど適切な処置を行うこと。
- 気管支痙攣(0.2%)
- 気管支痙攣、気管支反応性亢進(喘鳴、咳嗽や発熱を伴う気管支炎及び細気管支炎等の気道感染症の悪化)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、中止するなど適切な処置を行うこと。
- 高カリウム血症(頻度不明注))
- 本剤により乳児血管腫の細胞が崩壊し、高カリウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、中止するなど適切な処置を行うこと。
- 無顆粒球症(頻度不明注))
- 無顆粒球症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、中止するなど適切な処置を行うこと。
- 注):文献報告のため頻度不明
- 注意
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次の患者には慎重に投与すること
- 心不全の患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- 徐脈の患者[徐脈が悪化するおそれがある。]
- 房室ブロック(I度)のある患者[房室伝導時間が延長し、房室ブロックが悪化するおそれがある。]
- 低血圧の患者[低血圧が悪化するおそれがある。]
- 重篤な肝、腎機能障害のある患者[薬物の代謝・排泄が影響をうける可能性がある。]
- 潰瘍を伴う乳児血管腫の患者[高カリウム血症が報告されている。(「重大な副作用」の項参照)]
- 出生後5週未満の患者(「小児等への投与」の項参照)
- PHACE症候群の患者[血圧低下や血流量低下により、脳卒中のリスクを高める可能性がある。]
- 初回投与時及び増量時は、小児科医との連携のもと、心拍数、血圧、呼吸状態、血糖値等を少なくとも投与2時間後まで1時間毎に確認すること。
- 患者が薬剤を吐き出した場合でも追加投与はしないこと。
- 急性の気管支・肺の異常、呼吸困難及び喘鳴を伴う下気道感染が認められた場合は投与しないこと。
- 本剤は低血糖から回復するためのカテコールアミンの作用を抑制する可能性及び、低血糖の症状(頻脈、振戦等)をマスクする可能性があるので注意すること。特に、食事をしていない又は嘔吐した場合は低血糖を悪化させやすいので投与しないこと(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)。
- 反射性頻脈が減弱し、低血圧のリスクが高くなるため、全身麻酔薬を使用する処置が予定されている場合は、処置の少なくとも48時間前に本剤の投与を中止すること。
- 本剤による治療にあたっては経過を十分観察し、投与開始24週間を目安に有効性を評価し、本剤による治療継続の必要性を検討すること(「臨床成績」の項参照)。
- 以下の表を参考に、1日投与量を2回に分け、9時間以上あけて投与すること。また、患者の体重に応じ、投与量を調整すること。
- <参考>
- 製剤としての1日投与量
1日2回分割投与\ プロプラノロールとしての1日投与量 1mg/kg 2mg/kg 3mg/kg 体重 2kg 0.5mL 1.1mL 1.6mL 3kg 0.8mL 1.6mL 2.4mL 4kg 1.1mL 2.1mL 3.2mL 5kg 1.3mL 2.7mL 4.0mL 6kg 1.6mL 3.2mL 4.8mL 7kg 1.9mL 3.7mL 5.6mL 8kg 2.1mL 4.3mL 6.4mL 9kg 2.4mL 4.8mL 7.2mL 10kg 2.7mL 5.3mL 8.0mL
- 低血糖を起こすおそれがあるため、空腹時の投与を避け、授乳中・食事中又は直後に投与すること。食事を十分に摂取していない、又は嘔吐している場合は投与しないこと。
- 本剤についての十分な知識と乳児血管腫の治療経験を持つ医師が、本剤の有益性が危険性を上回ると判断した場合にのみ投与すること。
- 原則として、全身治療が必要な増殖期の乳児血管腫に使用すること。
- 低出生体重児、新生児、出生後5週未満の乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
- 血中濃度
- 国内の乳児血管腫患者に、本剤をプロプラノロールとして3mg/kg/日の用量で1日2回反復経口投与したとき、12週間後の投与2時間後の血漿中濃度(平均値±標準偏差)は、生後35~90日齢では72.4±42.4ng/mL(11例)、生後91~150日齢では93.2±48.0ng/mL(20例)であった。
- 外国の乳児血管腫患者に、本剤をプロプラノロールとして3mg/kg/日の用量で1日2回反復経口投与したとき、4週間後又は12週間後の投与2時間後の血漿中濃度(平均値±標準偏差)は、それぞれ71.7±28.1ng/mL(8例)及び73.6±41.9ng/mL(11例)であり、下図のように推移した。
- 血漿中未変化体濃度推移(平均値±標準偏差)
- 分布
- プロプラノロールの血漿タンパク結合率は93.6%であり、主に血漿中のα1-酸性糖タンパク質と結合する。プロプラノロールの分布容積は3.6L/kgである。プロプラノロールは血液脳関門及び胎盤を通過し、母乳にも分布する。
- 代謝
- プロプラノロールは主として肝臓で代謝され、主に芳香族水酸化(主に4-水酸化)、N-脱アルキル化後にさらに側鎖の酸化、及び直接的なグルクロン酸抱合の3つの経路で代謝される。主な最終代謝物は、プロプラノロールのグルクロン酸抱合体、ナフトキシ乳酸、4-ヒドロキシプロプラノロールのグルクロン酸及び硫酸抱合体である。
- 排泄
- 健康成人では、経口投与された14C-プロプラノロールの大部分が48時間以内に代謝され、尿中に排泄される。未変化体として尿中に排泄されるのは、投与量の1%未満である。(外国人データ)