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ボセンタン錠62.5mg「モチダ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 肺動脈性肺高血圧症(WHO機能分類クラスII、III及びIV)

用法・用量

  • 通常、成人には、投与開始から4週間は、ボセンタンとして1回62.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。投与5週目から、ボセンタンとして1回125mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。
    なお、用量は患者の症状、忍容性などに応じ適宜増減するが、最大1日250mgまでとする。

禁忌 

【警告】

  • 本剤投与により肝機能障害が発現するため、肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても、少なくとも1ヵ月に1回実施すること。なお、投与開始3ヵ月間は2週に1回の検査が望ましい。肝機能検査値の異常が認められた場合はその程度及び臨床症状に応じて、減量及び投与中止など適切な処置をとること。(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)
  • 中等度あるいは重度の肝障害のある患者[肝障害を増悪させるおそれがある。]
  • シクロスポリン又はタクロリムスを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
  • グリベンクラミドを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
  • 本剤及び本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

投与開始前のAST(GOT)、ALT(GPT)値のいずれか又は両方が基準値上限の3倍を超える患者[肝機能障害を増悪させるおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
低血圧の患者[血圧を一層低下させるおそれがある。]
ワルファリンを投与中の患者[本剤との併用によりワルファリンの効果が減弱することがあるので、本剤投与開始時、増量・減量時及び中止時には必ずINR値の確認を行い、ワルファリン投与量の調節を行うこと。適切なINR値になるまでは2週に1回の検査が望ましい。](「相互作用」の項参照)

重要な基本的注意

避妊薬単独での避妊をさけ、本剤投与開始前及び投与期間中は、毎月妊娠検査を実施すること。(「禁忌」、「相互作用」及び「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)
肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても、少なくとも1ヵ月に1回実施すること。なお投与開始3ヵ月間は2週に1回の検査が望ましい。(「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「慎重投与」の項参照)
副作用又は妊娠の判明などにより本剤の投与を中止する場合は、直ちに中止し、適切な処置をとること。なお、本剤投与を中止する場合には、併用薬(ワルファリンなど)の使用状況などにより、必要に応じ漸減を考慮すること。(「慎重投与」及び「相互作用」の項参照)
本剤の投与を少なくとも8週間(目標投与量に達してから最低4週間投与)行ったにも拘らず、臨床症状の悪化がみられた場合には、他の治療法を検討すること。
本剤の投与によりヘモグロビン減少、血小板減少等が起こる可能性があるので、投与開始時及び投与開始後4ヵ月間は毎月、その後は3ヵ月に1回の頻度で血液検査を行うこと。
本剤の投与により肺水腫の徴候が見られた時は、肺静脈閉塞性疾患の可能性を考慮すること。
重度の左心室機能不全を合併症にもつ患者に本剤を投与する場合、体液貯留の徴候(例えば体重の増加)に対して経過観察を行うこと。徴候が認められた場合には、利尿剤の投与開始、又は投与中の利尿剤の増量などを考慮すること。本剤投与開始前に体液貯留が認められた患者には利尿剤の投与を検討すること。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤投与中に、AST(GOT)又はALT(GPT)値が基準値上限の3倍を超えた場合、用量調節と肝機能検査を以下の基準を参考に行うこと。
AST(GOT)/ALT(GPT)値投与法と肝機能検査の実施時期
>3及び≦5×ULN減量又は投与を中止する。その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、適宜投与を継続又は再開する。
>5及び≦8×ULN投与を中止する。その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、投与の再開を考慮する。
>8×ULN投与を中止し再投与してはならない。
ULN:基準値上限*:再投与する場合は、開始用量から始めること。AST、ALT値は3日以内に確認し、2週間後に再度確認後、上記の投与法と肝機能検査の実施時期を参考にして投与する。
AST、ALT値の上昇が肝障害の臨床症状、例えば、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛、黄疸、嗜眠又は疲労、インフルエンザ様症状(関節痛、筋痛、発熱)などを伴う場合、又はビリルビン値が基準値上限の2倍以上の場合は投与を中止すること。
体重40kg未満の患者では忍容性を考慮し、投与5週目以降もボセンタンとして1回62.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与することを考慮するなど、増量は慎重に検討すること。
本剤とボセンタン水和物分散錠(小児用製剤)は生物学的に同等ではなく、ボセンタン水和物分散錠は本剤と比較してバイオアベイラビリティが低いため、互換使用を行わないこと。
本剤からボセンタン水和物分散錠(小児用製剤)への切り替えやボセンタン水和物分散錠から本剤への切り替えを行う場合、曝露量が変動することがあるため、切り替え後は患者の状態に留意し、十分な観察を行うこと。

効能効果に関連する使用上の注意

特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症及び結合組織病に伴う肺動脈性肺高血圧症以外の肺動脈性肺高血圧症における有効性・安全性は確立していない。
本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討すること。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、慎重に投与すること。

妊婦・産婦・授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験で催奇形性が報告されている。]
授乳中の婦人には投与しないことが望ましい。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
小児等へボセンタンを投与する場合には、ボセンタン水和物分散錠(小児用製剤)の添付文書を参照すること。

薬物動態

生物学的同等性試験
ボセンタン錠62.5mg「モチダ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ボセンタンとして62.5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-24(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)tmax(hr)t1/2(hr)
ボセンタン錠62.5mg「モチダ」6730±22001630±5913.7±0.73.63±0.95
標準製剤(錠剤、62.5mg)6770±21501650±6073.5±0.73.67±0.93
(Mean±S.D.,n=40)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
シクロスポリン
サンディミュン
ネオーラル
タクロリムス
プログラフ
(1)本剤の血中濃度が急激に上昇し、本剤の副作用が発現するおそれがある。
(2)本剤との併用により、シクロスポリン、タクロリムスの血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。
(1)シクロスポリンのCYP3A4活性阻害作用及び輸送タンパク質阻害による肝細胞への取込み阻害により、本剤の血中濃度を上昇させる。
タクロリムスは主にCYP3A4で代謝され、シクロスポリンと同等以上に本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。
(2)本剤のCYP3A4誘導作用により、シクロスポリン、タクロリムスの血中濃度を低下させる。
グリベンクラミド
オイグルコン
ダオニール
本剤との併用により、肝酵素値上昇の発現率が2倍に増加した。本剤との併用により、胆汁酸塩の排泄を競合的に阻害し、肝細胞内に胆汁酸塩の蓄積をもたらす。
一部の胆汁酸塩の肝毒性作用により、二次的にトランスアミナーゼの上昇をもたらす可能性がある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリン本剤との併用により、ワルファリンの血中濃度が低下することがある。そのため、ワルファリンを併用する際には、凝血能の変動に十分注意しながら、必要に応じ用量を調整すること。本剤のCYP2C9及びCYP3A4誘導作用により、ワルファリンの血中濃度を低下させる。
ケトコナゾール
フルコナゾール
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。ケトコナゾールのCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる。
フルコナゾールのCYP2C9及びCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。
HMG-CoA還元酵素阻害薬
シンバスタチン
本剤との併用により、シンバスタチンの血中濃度が低下し、シンバスタチンの効果が減弱する。
また、CYP3A4又はCYP2C9により代謝されるスタチン製剤及びその活性水酸化物の血中濃度を低下させ、効果を減弱させる可能性がある。
そのため、これらの薬剤を併用する場合には、血清コレステロール濃度を測定し、必要に応じ用量を調整すること。
本剤のCYP3A4又はCYP2C9誘導作用により、シンバスタチン及びこれらの酵素により代謝されるスタチン製剤の血中濃度を低下させる。
リファンピシン本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。リファンピシンのCYP2C9及びCYP3A4誘導作用により、本剤の血中濃度を低下させる。
Ca拮抗薬(1)本剤との併用により、血圧低下を助長するおそれがある。
(2)本剤との併用により、Ca拮抗薬の血中濃度が低下する可能性がある。
(1)両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。
(2)本剤のCYP3A4誘導作用により、Ca拮抗薬の血中濃度を低下させる可能性がある。
経口避妊薬本剤との併用により、経口避妊薬の血中濃度が低下し、避妊効果が得られないおそれがある。本剤のCYP3A4誘導作用により、経口避妊薬の血中濃度を低下させる。
グレープフルーツジュース本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがあるので、本剤投与時はグレープフルーツジュースを摂取しないようにすること。グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)含有食品本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないようにすること。セイヨウオトギリソウに含まれる成分のCYP3A4誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
プロスタグランジン系薬物
ベラプロストナトリウム
エポプロステノールナトリウム
本剤との併用により、血圧低下を助長するおそれがある。両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。
PDE5阻害薬
クエン酸シルデナフィル
塩酸バルデナフィル
タダラフィル
(1)本剤との併用により、血圧低下を助長するおそれがある。
(2)本剤との併用により、PDE5阻害薬の血中濃度が低下する可能性がある。
(3)本剤との併用により、シルデナフィルの血中濃度が低下し、本剤の血中濃度が上昇する。
(1)両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。
(2)本剤のCYP3A4誘導作用により、この酵素で代謝されるPDE5阻害薬の血中濃度を低下させる可能性がある。
(3)本剤のCYP3A4誘導作用により、シルデナフィルの血中濃度を低下させる。また、機序は不明であるが、シルデナフィルは本剤の血中濃度を上昇させる。
HIV感染症治療薬
リトナビル
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。

重大な副作用 

(頻度不明)
重篤な肝機能障害
AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、定期的な検査及び十分な観察を行い、肝機能検査値の異常が認められた場合はその程度及び臨床症状に応じて、減量及び投与中止など適切な処置をとること。(「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照)
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(ヘモグロビン減少)があらわれることがあるので、定期的な検査及び十分な観察を行い、異常が認められた場合には減量及び投与中止など適切な処置をとること。(「重要な基本的注意」の項参照)
心不全、うっ血性心不全
心不全が増悪することがあるので、投与中は観察を十分に行い、体液貯留、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)が増悪あるいは発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量及び投与中止など適切な処置をとること。

頻度不明
神経系障害頭痛、体位性めまい、浮動性めまい
心臓障害動悸
血管障害ほてり、潮紅、血圧低下
呼吸器、胸郭及び縦隔障害呼吸困難
胃腸障害悪心、嘔吐、下痢
肝胆道系障害肝機能異常
皮膚及び皮下組織障害皮膚炎、そう痒症、発疹
筋骨格系及び結合組織障害筋痛、背部痛
全身障害及び投与局所様態倦怠感、下肢浮腫、疲労、発熱、浮腫
臨床検査AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GT(GTP)上昇、白血球数減少、ヘモグロビン減少、Al-P上昇、赤血球数減少、好酸球数増加、ヘマトクリット減少、血小板数減少、ビリルビン上昇
代謝及び栄養障害体液貯留
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