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エムプリシティ点滴静注用300mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 再発又は難治性の多発性骨髄腫

用法・用量

  • <レナリドミド及びデキサメタゾン併用>

    • 通常,成人にはエロツズマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kgを点滴静注する。28日間を1サイクルとし,最初の2サイクルは1週間間隔で4回(1,8,15,22日目),3サイクル以降は2週間間隔で2回(1,15日目)点滴静注する。
  • <ポマリドミド及びデキサメタゾン併用>

    • 通常,成人にはエロツズマブ(遺伝子組換え)として,28日間を1サイクルとし,最初の2サイクルは1回10mg/kgを1週間間隔で4回(1,8,15,22日目),3サイクル以降は1回20mg/kgを4週間間隔(1日目)で点滴静注する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設において,造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し,同意を得てから投与を開始すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性には,本剤投与中及び本剤投与後一定期間,適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。生殖発生毒性試験は実施されていない(本剤がヒトSLAMF7特異的で動物実験が実施できないため)。[2.2,9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが,ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 Infusion reactionがあらわれることがあるので,本剤の投与は,重度のinfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。Infusion reactionは,本剤の初回投与時に多く報告されているが,2回目以降の本剤投与時にもあらわれることがあるので,本剤投与中は患者の状態を十分に観察すること。[7.3,7.5,11.1.1参照]
8.2 リンパ球減少等があらわれることがあるので,本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い,患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 18G以下の注射針を装着した注射筒を用いて,300mg製剤の場合は13mL,400mg製剤の場合は17mLの注射用水で溶解し,25mg/mLの濃度とすること。
14.1.2 バイアルを立てた状態でゆっくりと溶液を回転させて溶解し,穏やかに数回反転させる。バイアルは振とうせず,激しく撹拌しないこと。
14.1.3 完全に溶解した後,5~10分間静置する。溶解液は無色~微黄色の澄明~乳白光を呈する液である。溶解液に微粒子や変色がないか目視で確認すること。微粒子又は変色が認められた場合には使用しないこと。
14.1.4 患者の体重から計算した必要量をバイアルから抜き取り,通常,生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で以下のように希釈すること。
体重希釈液量
50kg未満150mL
50kg~90kg250mL
90kg超350mL
14.1.5 用時調製し,調製後は速やかに使用すること。また,残液は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 希釈液の全量を,輸液ポンプを用いて,0.22ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
14.2.2 他の薬剤等との配合又は混注はしないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤と併用する抗悪性腫瘍剤の投与に際しては,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,投与すること。
7.2 本剤単独投与での有効性及び安全性は確立していない。
7.3 本剤投与時にあらわれることがあるinfusion reactionを軽減させるために,本剤の投与前に,抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン等),H2受容体拮抗剤(ラニチジン等)及び解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン等)を投与すること。また,本剤と併用するデキサメタゾンは,経口投与(28mgを本剤投与の3~24時間前に投与)と静脈内投与(デキサメタゾンリン酸エステル8mg(デキサメタゾンとして6.6mg)を本剤投与の45分前までに投与完了)に分割して投与すること。[8.1,11.1.1,17.1.1,17.1.2参照]
7.4 本剤は0.5mL/分の投与速度で点滴静注を開始し,患者の忍容性が良好な場合は,患者の状態を観察しながら,投与速度を以下のように段階的に上げることができる。ただし,投与速度は5mL/分を超えないこと。
10mg/kg投与時の投与速度
投与時期投与速度(mL/分)
投与開始0~30分投与開始30~60分投与開始60分以降
第1サイクル初回投与0.512
2回目投与34
3及び4回目投与5
第2サイクル以降5
20mg/kg投与時の投与速度(ポマリドミド及びデキサメタゾン併用時,第3サイクル以降)
投与時期投与速度(mL/分)
投与開始0~30分投与開始30分以降
1回目投与34
2回目投与以降5
7.5 本剤投与によりinfusion reactionが発現した場合には,以下のように,本剤の投与中止,中断,投与速度の変更等を行うこと。[8.1,11.1.1参照]
NCI-CTCAEによるGrade判定処置
Grade 4直ちに本剤の投与を中止すること。
Grade 3直ちに本剤の投与を中断すること。
原則,再投与しないこと。
Grade 2直ちに本剤の投与を中断すること。
Grade 1以下に回復した場合には,本剤の投与速度を0.5mL/分とし,再投与できる。本剤の投与速度を0.5mL/分とし,患者の忍容性が十分に確認された場合には,30分ごとに0.5mL/分ずつ本剤の投与速度を上げることができる。ただし,infusion reactionが発現した投与回ではinfusion reactionが発現した投与速度を超えないこと。本剤の再投与後に,infusion reactionが再発現した場合には,直ちに本剤の投与を再中断し,中断日に再投与しないこと。
Grade 1回復するまで本剤の投与速度を0.5mL/分とすること。本剤の投与速度を0.5mL/分とし,患者の忍容性が十分に確認された場合には,30分ごとに0.5mL/分ずつ本剤の投与速度を上げることができる。
:NCI-CTCAE v4.0によりGradeを判定
7.6 デキサメタゾンの投与を延期又は中止した場合には,infusion reactionのリスクを考慮した上で,本剤の投与の可否を判断すること。[11.1.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤による治療は,少なくとも1つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者を対象とすること。
5.2 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。特に,少なくとも2つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者へのポマリドミド及びデキサメタゾン併用による投与については,他の治療の実施についても慎重に検討すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
多発性骨髄腫患者8例に本剤10mg/kgをレナリドミド及びデキサメタゾンと併用投与したときの血清中濃度推移及び血清中濃度から算出した薬物動態パラメータを以下に示す(外国人における成績)。
図1:単回投与時の血清中エロツズマブ濃度推移(平均値+標準偏差)
表1:単回投与時の薬物動態パラメータ
Cmaxa(μg/mL)Tmaxb(h)AUC(0-T)a(μg・h/mL)AUC(INF)a(μg・h/mL)T-HALFa(h)CLTa(mL/h/kg)Vza(mL/kg)
217(24)3.23(2.9-4.9)39559(28)46401(39)147(66)0.215(46)59.4(30)
a:幾何平均値(変動係数%),b:中央値(最小値-最大値)
16.1.2 反復投与
再発又は難治性の日本人多発性骨髄腫患者3例に本剤10mg/kgをレナリドミド及びデキサメタゾンと併用で毎週投与したときの静脈内投与後の血清中濃度と血清中トラフ濃度推移を以下に示す。
図2:反復投与時の血清中エロツズマブ濃度推移(平均値+標準偏差)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
多発性骨髄腫患者で腎機能が正常(CrCL 90mL/min以上)な患者8例,重度腎機能障害(CrCL 30mL/min未満)患者7例及び末期腎不全(CrCL 30mL/min未満で血液透析を実施)患者8例に,本剤10mg/kgをレナリドミド及びデキサメタゾンと併用投与したときの本剤の薬物動態を評価した結果,腎機能が正常な患者と,重度腎機能障害及び末期腎不全患者との間に,臨床的に重要な薬物動態の違いは認められなかった(外国人における成績)。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 Infusion reaction(42.9%)
発熱,悪寒,高血圧等のinfusion reactionがあらわれることがある。異常が認められた場合には投与中止等の適切な処置を行うとともに,症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[7.3,7.5,7.6,8.1参照]
11.1.2 感染症
肺炎(7.9%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.3 リンパ球減少(9.8%)[8.2参照]
11.1.4 間質性肺疾患(0.8%)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上10%未満
全身疲労(25.9%),末梢性浮腫,発熱,無力症胸痛
消化器下痢,便秘,悪心
免疫系過敏症
血液好中球減少(27.2%),血小板減少,貧血
白内障
精神・神経系不眠症気分変化,感覚鈍麻
感染症帯状疱疹,鼻咽頭炎,上気道感染
代謝高血糖
皮膚寝汗
筋骨格筋痙縮
呼吸器咳嗽,湿性咳嗽
その他体重減少,皮膚有棘細胞癌,基底細胞癌
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