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フィナステリド錠0.2mg「TCK」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 男性における男性型脱毛症の進行遅延

用法・用量

  • 男性成人には、通常、フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて適宜増量できるが、1日1mgを上限とする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性[8.1、9.5、9.6、14.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 うつ病、うつ状態又はその既往歴、自殺念慮又は自殺企図の既往歴を有する患者
本剤との因果関係は明らかではないが、自殺念慮、自殺企図、自殺既遂が報告されている。[8.2参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤は主に肝臓で代謝される。肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.2、8.1、14.1参照]
9.6 授乳婦
授乳中の女性には投与しないこと。本剤がヒト乳汁中へ移行するかは不明である。[2.2、8.1、14.1参照]
9.7 小児等
小児等に対する適応はない。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
前立腺肥大症患者を対象にした臨床試験(フィナステリド5mg)では、高齢者と非高齢者において副作用の発現割合に明らかな差は認められていない。しかし、一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意すること。
高齢者における有効性は確立していない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、患者に次の事項を説明すること。[2.2、9.5、9.6、14.1参照]
・本剤を妊婦に投与すると、本剤の薬理作用(DHT低下作用)により、男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがある。
・本剤を分割・粉砕しないこと。
本剤が粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性は取扱わないこと。本剤はコーティングされているので、割れたり砕けたりしない限り、通常の取扱いにおいて有効成分に接触することはない。
8.2 本剤との因果関係は明らかではないが、自殺念慮、自殺企図、自殺既遂が報告されている。患者の状態を十分に観察するとともに、自殺念慮又は自殺企図があらわれた場合には本剤の服用を中止し、速やかに医師等に連絡するよう患者に指導すること。[9.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 調剤及び服用時の注意
本剤を分割・粉砕しないこと。
本剤が粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性は取扱わないこと。[2.2、8.1、9.5、9.6参照]
14.2 薬剤交付時の注意
14.2.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.2.2 本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。[16.2.1参照]

7.用法及び用量に関連する注意

3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もあるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要である。また、効果を持続させるためには継続的に服用すること。なお、増量による効果の増強は、確認されていない。
本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の進行遅延がみられない場合には投薬を中止すること。また、6ヵ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討すること。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 男性における男性型脱毛症のみの適応である。他の脱毛症に対する適応はない。
5.2 20歳未満での安全性及び有効性は確立されていない。
5.3 女性に対する適応はない。海外で実施した閉経後女性の男性型脱毛症を対象とした12ヵ月間のプラセボ対照二重盲検比較試験(n=137)において、フィナステリドの有効性は認められなかった。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人にフィナステリド0.2mg及び1mgを単回経口投与した時、血漿中濃度は投与後1.2及び1.4時間に最高血漿中濃度(Cmax)に達し、以後3及び4時間の半減期(t1/2)で消失した(表1)。
表1 健康成人におけるフィナステリド単回経口投与時の未変化体の薬物動態パラメータ
投与量
(mg)
AUC0-24hr
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)††
t1/2
(hr)§
0.2
(n=12)
2.19±3.700.56±0.421.17±0.392.76±0.43
1
(n=11)
49.29±12.409.89±2.561.36±0.924.15±0.26
† 幾何平均±幾何標準偏差†† 算術平均±標準偏差§ 調和平均±ジャックナイフ標準偏差
16.1.2 反復投与
健康成人にフィナステリド0.2mg及び1mgを1日1回17日間反復経口投与した時、いずれの投与量においても血漿中濃度は投与2~3日目に定常状態に達した。投与17日目における0.2mg及び1mgの血漿中濃度は、投与後1.2及び1.5時間にCmaxに達し、以後4時間のt1/2で消失した。また、0.2mg及び1mg投与の定常状態における血漿中濃度はほぼ用量に比例した(表2)。
表2 健康成人におけるフィナステリド反復経口投与時の投与17日目の未変化体の薬物動態パラメータ
投与量
(mg)
AUC0-24hr
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)††
t1/2
(hr)§
0.2
(n=12)
10.39±3.841.96±0.421.17±0.584.11±0.38
1
(n=11)
60.49±17.0210.84±2.051.45±0.934.13±0.23
† 幾何平均±幾何標準偏差†† 算術平均±標準偏差§ 調和平均±ジャックナイフ標準偏差
16.1.3 生物学的同等性試験
<フィナステリド錠1mg「TCK」>
フィナステリド錠1mg「TCK」とプロペシア錠1mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(フィナステリド1mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中フィナステリド濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0→24hr
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
フィナステリド錠1mg「TCK」44.66±9.797.90±1.521.75±0.934.28±1.17
プロペシア錠1mg46.88±11.967.70±2.241.98±1.024.50±0.94
(Mean±S.D.,n=20)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人にフィナステリド0.2mg及び1mgを空腹時あるいは食後30分以内に1日1回7日間反復経口投与した際、投与7日目のAUC及びCmaxは空腹時及び食後投与間でほぼ同値であり、食事の影響は認められなかった。[14.2.2参照]
16.2.2 生物学的利用率
健康成人にフィナステリド5mg注)を点滴静脈内投与時の血漿クリアランスは約165mL/min、分布容積は約76Lであり、また、AUCの比較により算出した5mg注)経口投与時の生物学的利用率は約80%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合
ヒト血漿におけるin vitro蛋白結合率は83~85%であった。
16.3.2 精液移行
男性型脱毛症患者にフィナステリド1mgを1日1回6週間経口投与した時の精液中への移行量は極めて微量(投与量の0.00076%以下)であった(外国人データ)。[15.2参照]
16.4 代謝
16.4.1 ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験により、主要代謝物は側鎖の酸化により生成するω-水酸化体及びω-カルボン酸体であり、その酸化にはチトクロームP450(CYP)分子種のCYP3A4が関与することが示された。CYP2C19は代謝に関与していなかった。
16.4.2 ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験により、フィナステリドはCYP1A2、2A6、2C9、2D6及び3A4を阻害しなかったが、CYP2C19に対するIC50値は0.97μM(フィナステリド1mg経口投与時のCmaxの30倍以上)であった。
16.5 排泄
16.5.1 国内試験成績
健康成人にフィナステリド100mg注)を単回経口投与後1日間の尿中への排泄率は、投与量の0.04%であった。
16.5.2 海外試験成績(参考)
健康成人に14C標識フィナステリド38mg注)を単回経口投与後7日間の尿中及び糞中放射能排泄率は、それぞれ39%及び57%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者における体内動態
重度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランスCLcr<30mL/min)と健康成人(CLcr≧90mL/min)における14C標識フィナステリド10mg注)単回経口投与時の血漿中薬物動態パラメータを比較したところ、両群間で差異は認められなかった(腎機能障害患者における反復投与試験は実施していない)(外国人データ)。
16.6.2 高齢者における体内動態
健康な高齢者(65~71歳)と非高齢者(20~60歳)におけるフィナステリド5mg注)単回経口投与時の血漿中薬物動態パラメータを比較したところ、両群間で差異は認められなかった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 オメプラゾールとの併用
健康成人(CYP2C19のExtensive Metabolizer)にフィナステリド1mgを1日1回3日間反復経口投与し、投与3日目は同時にオメプラゾール20mgを単回経口投与した際、オメプラゾールの血漿中薬物動態における薬物相互作用は認められなかった。
16.7.2 他剤との併用
フィナステリド5mg注)あるいは10mg注)とアンチピリン、プロプラノロール、ジゴキシン、グリベンクラミド、ワルファリン並びにテオフィリンとの併用時に、各併用薬の血漿中薬物動態における薬物相互作用は認められなかった(外国人データ)。
16.8 その他
<フィナステリド錠0.2mg「TCK」>
フィナステリド錠0.2mg「TCK」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日薬食審査発0229第10号)」に基づき、フィナステリド錠1mg「TCK」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。
注)本剤の承認用法及び用量は、男性成人には、通常、フィナステリドとして0.2mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて適宜増量できるが、1日1mgを上限とする。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~5%未満1%未満頻度不明
過敏症そう痒症、じん麻疹、発疹、血管浮腫(口唇、舌、咽喉及び顔面腫脹を含む)
生殖器リビドー減退注1)勃起機能不全注1)、射精障害注1)、精液量減少睾丸痛、血精液症、男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)注2)
肝臓AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇
その他乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、めまい

注1)市販後において、投与中止後も持続したとの報告がある。
注2)本剤の投与中止後に、精液の質が正常化又は改善されたとの報告がある。

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