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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • HIV感染症

用法・用量

  • 通常、成人には1回1錠(ダルナビルとして800mg、コビシスタットとして150mgを含有)を1日1回食事中又は食直後に経口投与する。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 リファンピシン、フェノバルビタール、フェニトイン、ホスフェニトイン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、トリアゾラム、ミダゾラム、ピモジド、シンバスタチン、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン、バルデナフィル、シルデナフィル(レバチオ)、タダラフィル(アドシルカ)、ブロナンセリン、アゼルニジピン、アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル、ルラシドン、ロミタピド、フィネレノン、イバブラジン、ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)、イサブコナゾニウム硫酸塩、グラゾプレビル、リバーロキサバン、チカグレロルを投与中の患者[10.1参照]
  • 2.3 腎機能あるいは肝機能障害患者で、コルヒチンを投与中の患者[9.2.1、9.3.1、10.2参照]
  • 2.4 低出生体重児、新生児、乳児、3歳未満の幼児[9.7.1、15.2.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血友病患者及び著しい出血傾向を有する患者
HIVプロテアーゼ阻害剤で治療中の血友病患者において、皮膚血腫及び出血性関節症等の出血事象の増加が報告されている。
9.1.2 スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者
交叉過敏症があらわれる可能性がある。ダルナビルはスルホンアミド基を有する。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能障害患者で、コルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度を上昇させる可能性がある。[2.3、10.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝機能障害患者で、コルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度を上昇させる可能性がある。[2.3、10.2参照]
9.3.2 肝機能障害患者(コルヒチンを投与中の患者を除く)
定期的に肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、悪化が認められた場合には休薬又は投与中止を考慮すること。ダルナビル及びコビシスタットは主に肝臓で代謝され、肝障害患者では高い血中濃度が持続するおそれがある。[16.6.1参照]
9.3.3 慢性活動性のB型及び/又はC型肝炎患者等投与前に肝機能異常が認められる患者(コルヒチンを投与中の患者を除く)
定期的に肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、悪化が認められた場合には休薬又は投与中止を考慮すること。ダルナビル及びコビシスタットは主に肝臓で代謝され、肝障害患者では高い血中濃度が持続するおそれがある。また、肝機能をさらに悪化させる可能性がある。ダルナビルの海外第IIb/III相試験において、B型及び/又はC型肝炎重複感染患者では、有害事象及び臨床検査値異常のうち、肝酵素の上昇の発現頻度が非重複感染患者より高かった。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。本剤投与中に妊娠が判明した場合の代替薬への変更は、変更によるリスクを考慮した上で適切な時期に実施すること。妊娠中期及び妊娠後期の妊婦に本剤を投与したとき、出産後と比較しダルナビル及びコビシスタットの血中濃度低下が認められている。[16.6.3参照]
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ダルナビル及びコビシスタットは、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されているが、ヒトにおける乳汁への移行は不明である。
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児、新生児、乳児、3歳未満の幼児には投与しないこと。[2.4、15.2.2参照]
9.7.2 3歳以上の幼児、小児における臨床試験は実施していない。[5.3参照]
9.8 高齢者
副作用の発現に注意し慎重に投与すること。本剤の有効成分であるダルナビル及びコビシスタットは、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
8.1.1 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
8.1.2 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
8.1.3 本剤投与開始後、担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
8.1.4 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること。
8.2 本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。
8.3 本剤に含まれるコビシスタットは、尿細管からのクレアチニン分泌を阻害することによりクレアチニンクリアランスを低下させる場合がある。本剤の投与開始時及び投与中はクレアチニンクリアランスを測定するなど、腎機能のモニタリングを行うこと。
8.4 HIVプロテアーゼ阻害剤による治療中の患者で、糖尿病の発症又は増悪、高血糖が発現し、その中には糖尿病性ケトアシドーシスを合併した例が報告されている。
8.5 ダルナビルの海外臨床試験において、発疹は因果関係の不明なものも含め10.3%の患者に認められ、投与中止を要する発疹は0.5%、発熱及び肝酵素値の上昇を伴う重度の発疹は0.4%、皮膚粘膜眼症候群は0.1%未満に認められた。また、発疹の多くは軽度から中等度であり、投与開始4週以内に発現したが投与継続中に寛解した。なお、治療経験のある患者を対象としたダルナビルの海外臨床試験において、ダルナビル及びラルテグラビルを含むレジメンを使用した場合、ダルナビル又はラルテグラビルの一方を含むレジメンと比較して、薬剤との因果関係が明らかでない皮疹も含めた発疹の発現率が高かった。しかし、薬剤に関連した発疹の発現率には差がなく、発疹は軽度から中等度で治療制限及び投与中止はなかった。
8.6 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
8.7 ダルナビルによる治療中に浮動性めまいが報告されているので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には注意すること。
8.8 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的な肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。[11.1.2参照]

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 抗HIV薬による治療経験があり、ウイルス学的抑制が得られていない患者には薬剤耐性遺伝子型検査の実施が推奨されるが、遺伝子型検査が行えない場合には、以下のとおりとする。
・HIVプロテアーゼ阻害剤による治療経験のある患者には、本剤を使用すべきでない。
・HIVプロテアーゼ阻害剤による治療経験のない患者には本剤の使用が可能である。
7.2 本剤は、ダルナビル エタノール付加物及びコビシスタットを含有する配合剤であるので、ダルナビル エタノール付加物及びコビシスタットを含有する製剤と併用しないこと。また、コビシスタットと同じ薬物動態学的増強因子であるリトナビルを含有する製剤とも併用しないこと。
7.3 本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定できない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 以下のいずれかのHIV感染患者に使用すること。
・抗HIV薬の治療経験がない患者
・ダルナビル耐性関連変異を持たない抗HIV薬既治療患者
5.2 本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。
5.3 小児HIV感染症に対しては、本剤投与による有効性及び安全性が確立していない。[9.7.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人8例に本剤を食後に単回経口投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタットの薬物動態パラメータを表1に示す。また、血漿中ダルナビルの濃度推移を図1に示す。
表1 日本人健康成人に本剤を食後に単回経口投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタットの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ平均値(標準偏差)、tmax:中央値(範囲)
8例
ダルナビルコビシスタット
tmax(h)4(3-4)4(2-4)
Cmax(ng/mL)5496(952)832(265)
AUC(ng・h/mL)51,460(15,836)5710(3128)
t1/2term(h)4.4(1.4)3.5(0.4)
図1 日本人健康成人に本剤を食後に単回経口投与したときの血漿中ダルナビル濃度-時間推移(平均値±標準偏差)
健康成人40例に本剤を食後に単回経口投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタットの薬物動態パラメータを表2に示す。また、ダルナビルの濃度推移を図2に示す。(外国人データ)
表2 外国人健康成人に本剤を食後に単回経口投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタットの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ平均値(標準偏差)、tmax:中央値(範囲)
40例
ダルナビルコビシスタット
tmax(h)4.03(1.50-9.05)4.00(1.00-5.02)
Cmax(ng/mL)6773(1343)819(221)
AUC(ng・h/mL)78,811(27,304)6388(2779)
t1/2term(h)6.7(3.4)3.8(0.8)
図2 外国人健康成人に本剤を食後に単回経口投与したときの血漿中ダルナビル濃度-時間推移(平均値±標準偏差)
16.1.2 反復投与
健康成人に本剤を1日1回食後に反復経口投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタットの薬物動態パラメータ(10日目)を表3に示す。(外国人データ)
表3 外国人健康成人に本剤を1日1回食後に反復経口投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタットの薬物動態パラメータ(10日目)
薬物動態パラメータ平均値(標準偏差)、tmax:中央値(範囲)
33例
ダルナビルコビシスタット
tmax(h)4.0(1.5-5.0)4.0(1.0-5.0)
Cmax(ng/mL)6917(1394)1158(250)
AUC24h(ng・h/mL)76,490(20,900)9314(2652)
抗HIV薬治療経験がない成人HIV感染患者又はダルナビル耐性関連変異を持たない抗HIV薬既治療のHIV感染患者60例(未治療57例、既治療3例)を対象とし、2剤のNRTIを併用してダルナビル800mg及びコビシスタット150mgの1日1回食後に投与(DRV・COBI 800・150mg QD)したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタットの薬物動態パラメータを表4に示す。(外国人データ)
表4 HIV感染患者に2剤のNRTIを併用してダルナビル800mg及びコビシスタット150mgを1日1回食後に反復投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタットの定常状態における薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ平均値(標準偏差)
60例
ダルナビルコビシスタット
C0h(ng/mL)1560(1328)76(186)
Cmax(ng/mL)7663(1920)991(331)
AUC24h(ng・h/mL)81,646(26,322)7596(3657)
16.2 吸収
16.2.1 相対的バイオアベイラビリティ
健康成人33例に本剤又はダルナビル製剤800mgとリトナビル製剤100mgを1日1回食後に反復経口投与したときのダルナビルの相対的バイオアベイラビリティを検討した。ダルナビル及びリトナビル併用投与に対する本剤投与の定常状態におけるダルナビルの薬物動態パラメータの最小二乗平均の比[90%信頼区間]は、AUC24h 0.99[0.94,1.04]、Cmax 1.00[0.96,1.04]、Cmin 0.74[0.63,0.86]であった。(外国人データ)
16.2.2 食事の影響
本剤を高脂肪食の食事と共に投与した結果、ダルナビルの曝露量(AUC)は、空腹時投与と比較して1.7倍増加し、コビシスタットの曝露量(AUC)は、空腹時投与と同程度であった。なお、ダルナビルの曝露量(AUC)には食事の内容による影響は認められなかった。(外国人データ)
16.3 分布
16.3.1 ダルナビル
ヒト血漿蛋白結合率は約95%であり、主にα1-酸性糖蛋白に結合した。(in vitro試験、平衡透析法)
16.3.2 コビシスタット
ヒト血漿蛋白結合率は、97~98%であった。(ex vivo試験、平衡透析法)
16.4 代謝
16.4.1 ダルナビル
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験で、ダルナビルは主にCYP3A4により酸化的に代謝されることが示唆された。In vivo試験よりダルナビルの主な代謝物は3種類あり、野生型HIV株に対する活性はいずれも未変化体の10%以下であった。健康成人に14C標識したダルナビル/リトナビル400/100mgを単回経口投与したとき、血漿中放射能の大部分は未変化体由来であることが示された。
16.4.2 コビシスタット
ヒト肝ミクロソーム及びCYPアイソザイムを用いたin vitro試験で、コビシスタットは主にCYP3Aにより酸化的に代謝され、一部CYP2D6で代謝されることが示唆された。また、グルクロン酸抱合体は検出されなかった。
16.5 排泄
16.5.1 ダルナビル
健康成人に14C標識したダルナビル/リトナビル400/100mgを単回経口投与したとき、投与放射能の約79.5%が糞中に、約13.9%が尿中に排泄された。また、未変化体の排泄率は、糞中が約41.2%、尿中が約7.7%であった。ダルナビル150mgを単独で静脈内投与したときの全身クリアランスは32.8L/h(平均値)であり、リトナビル100mgと併用したときの全身クリアランスは5.9L/h(平均値)であった。本剤を投与したときのダルナビルの消失半減期は、約6~7時間(中央値)であった。(外国人データ)
16.5.2 コビシスタット
コビシスタット150mgを6日間反復投与した後に14C-コビシスタット150mgを経口投与したところ、投与量の86.2%(平均値)が糞中に、8.2%(平均値)が尿中に排泄された。経口投与後のコビシスタットの消失半減期は、約3~4時間(中央値)であった。(外国人データ)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害
(1)ダルナビル
軽度(Child-Pugh分類クラスA、8例)及び中等度肝障害患者(Child-Pugh分類クラスB、8例)にダルナビル/リトナビル600/100mgを1日2回反復投与したときのダルナビルの薬物動態を健康被験者と比較したとき、顕著な差は認められなかった。なお、重度肝障害患者(Child-Pugh分類クラスC)を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.3.2参照]
(2)コビシスタット
中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB)を有する被験者において、コビシスタット投与時の薬物動態を健康被験者と比較したとき、顕著な差は認められなかった。なお、重度肝障害患者(Child-Pugh分類クラスC)を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.3.2参照]
16.6.2 腎機能障害
(1)ダルナビル
中等度腎障害(CLCRが30~60mL/min)を有するHIV-1感染患者(20例)において、腎機能の低下によりダルナビルの薬物動態に有意な影響がないことが示された。重度腎障害又は末期腎疾患を有するHIV-1感染患者における試験は実施されていないが、ダルナビルは主に肝臓で代謝されることから、腎障害患者でダルナビルの全身クリアランスは低下しないと推測される。(外国人データ)
(2)コビシスタット
重度腎障害(CLCRが30mL/min未満)を有する被験者において、コビシスタットの薬物動態を検討した。コビシスタットの薬物動態を健康被験者と比較したとき、顕著な差は認められなかった。(外国人データ)
16.6.3 妊婦、産婦への投与
妊娠中期のHIV感染患者(7例)に、本剤を1日1回投与したとき、ダルナビルのCmax、AUC24h及びCminは、出産後(6~12週;6例)と比較してそれぞれ49%、56%及び92%減少した。妊娠後期(6例)では、ダルナビルのCmax、AUC24h及びCminはそれぞれ37%、50%及び89%減少した。(外国人データ)[9.5参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験成績
(1)ダルナビル
CYP3Aで代謝され、CYP3A(Ki:0.4μmol/L)及びCYP2D6(Ki:41μmol/L)を阻害し、またP糖蛋白(IC50:32.9μmol/L)を阻害する。[10.参照]
(2)コビシスタット
CYP3A及びCYP2D6で代謝され、CYP3A(IC50:0.03~0.29μmol/L)及びCYP2D6(IC50:9.17μmol/L)を阻害し、またP糖蛋白、BCRP(IC50:59μmol/L)、OATP1B1(IC50:3.50μmol/L)、OATP1B3(IC50:1.88μmol/L)及びMATE1(IC50:1.87μmol/L)を阻害する。[10.参照]
16.7.2 臨床成績
本剤又は本剤の有効成分を含有する製剤を用いた試験成績を示す。
(1)本剤
本剤が併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表5に示す。[10.2参照]
表5 本剤投与時の併用薬の薬物動態パラメータ比
併用薬併用薬の用法・用量本剤の用法・用量例数併用薬の薬物動態パラメータ:幾何最小二乗平均の比[90%信頼区間]
CmaxAUC
ダビガトランエテキシラート150mg単回ダルナビル・コビシスタット
800・150mg単回
142.64[2.29,3.05]2.64[2.32,3.00]
ダルナビル・コビシスタット
800・150mg1日1回注1)
141.99[1.72,2.30]1.88[1.65,2.13]
注1)ダルナビル・コビシスタット800・150mgを1日1回17日間反復経口投与し、投与15日目にダビガトランエテキシラート150mgを単回経口投与
(2)ダルナビル
併用薬がダルナビルの薬物動態に及ぼす影響及びダルナビルが併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表6、7に示す。[10.1、10.2参照]
表6 併用薬投与時のダルナビルの薬物動態パラメータ比
併用薬併用薬の用法・用量ダルナビルの用法・用量リトナビルの用法・用量例数ダルナビルの薬物動態パラメータ:最小二乗平均の比[90%信頼区間]
CmaxAUCCmin
エファビレンツ600mg1日1回300mg1日2回100mg1日2回120.85[0.72,1.00]0.87[0.75,1.01]0.69[0.54,0.87]
ネビラピン200mg1日2回400mg1日2回100mg1日2回81.40[1.14,1.73]1.23[0.97,1.57]1.02[0.79,1.32]
セルトラリン50mg1日1回400mg1日2回100mg1日2回131.01[0.89,1.14]0.98[0.84,1.14]0.94[0.76,1.16]
パロキセチン20mg1日1回400mg1日2回100mg1日2回160.97[0.92,1.02]1.02[0.95,1.10]1.07[0.96,1.19]
ラニチジン150mg1日2回400mg1日2回100mg1日2回160.96[0.89,1.05]0.95[0.90,1.01]0.94[0.90,0.99]
オメプラゾール20mg1日1回400mg1日2回100mg1日2回161.02[0.95,1.09]1.04[0.96,1.13]1.08[0.93,1.25]
ジダノシン400mg1日1回600mg1日2回100mg1日2回170.93[0.86,1.00]1.01[0.95,1.07]1.07[0.95,1.21]
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg1日1回300mg1日2回100mg1日2回121.16[0.94,1.42]1.21[0.95,1.54]1.24[0.90,1.69]
ケトコナゾール200mg1日2回400mg1日2回100mg1日2回141.21[1.04,1.40]1.42[1.23,1.65]1.73[1.39,2.14]
クラリスロマイシン500mg1日2回400mg1日2回100mg1日2回170.83[0.72,0.96]0.87[0.75,1.01]1.01[0.81,1.26]
リファブチン150mg隔日1回600mg1日2回100mg1日2回11注1)1.42[1.21,1.67]1.57[1.28,1.93]1.75[1.28,2.37]
カルバマゼピン200mg1日2回600mg1日2回100mg1日2回11注1)1.04[0.93,1.16]0.99[0.90,1.08]0.85[0.73,1.00]
リルピビリン150mg1日1回800mg1日1回100mg1日1回14注2)0.90[0.81,1.00]0.89[0.81,0.99]0.89[0.68,1.16]
エトラビリン200mg1日2回600mg1日2回100mg1日2回10注2)1.11[1.01,1.22]1.15[1.05,1.26]1.02[0.90,1.17]
アルテメテル・ルメファントリン配合剤アルテメテル・ルメファントリン配合剤
80・480mg,3日間投与(0,8,24,36,48及び60時間に投与)
600mg1日2回100mg1日2回141.00[0.93,1.07]0.96[0.90,1.03]0.87[0.77,0.98]
ロピナビルロピナビル・リトナビル配合剤
400・100mg1日2回
300mg1日2回100mg1日2回90.61[0.51,0.74]0.47[0.40,0.55]0.35[0.29,0.42]
NA80.67[0.53,0.84]0.47[0.37,0.59]0.36[0.29,0.46]
インジナビル800mg1日2回400mg1日2回100mg1日2回91.11[0.98,1.26]1.24[1.09,1.42]1.44[1.13,1.82]
アタザナビル300mg1日1回400mg1日2回100mg1日2回131.02[0.96,1.09]1.03[0.94,1.12]1.01[0.88,1.16]
NA:未投与注1)非併用投与時:16例注2)非併用投与時:15例
表7 ダルナビル投与時の併用薬の薬物動態パラメータ比
併用薬併用薬の用法・用量ダルナビルの用法・用量リトナビルの用法・用量例数併用薬の薬物動態パラメータ:最小二乗平均の比[90%信頼区間]
CmaxAUCCmin
エファビレンツ600mg1日1回300mg1日2回100mg1日2回121.15[0.97,1.35]1.21[1.08,1.36]1.17[1.01,1.36]
ネビラピン200mg1日2回400mg1日2回100mg1日2回81.18[1.02,1.37]1.27[1.12,1.44]1.47[1.20,1.82]
プラバスタチン40mg単回600mg1日2回100mg1日2回141.63[0.95,2.82]1.81[1.23,2.66]NC
セルトラリン50mg1日1回400mg1日2回100mg1日2回130.56[0.49,0.63]0.51[0.46,0.58]0.51[0.45,0.57]
パロキセチン20mg1日1回400mg1日2回100mg1日2回160.64[0.59,0.71]0.61[0.56,0.66]0.63[0.55,0.73]
ジダノシン400mg1日1回600mg1日2回100mg1日2回170.84[0.59,1.20]0.91[0.75,1.10]NC
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg1日1回300mg1日2回100mg1日2回121.24[1.08,1.42]1.22[1.10,1.35]1.37注1)[1.19,1.57]
R(-)メサドンメサドン
55~150mg1日1回
600mg1日2回100mg1日2回160.76[0.71,0.81]0.84[0.78,0.91]0.85[0.77,0.94]
S(+)メサドン0.56[0.51,0.62]0.64[0.58,0.71]0.60[0.53,0.69]
シルデナフィルシルデナフィル
25mg単回注2)/100mg単回注3)
400mg1日2回100mg1日2回160.62[0.55,0.70]0.97[0.86,1.09]NC
N-デスメチルシルデナフィル0.05[0.04,0.05]0.05[0.04,0.08]NC
ケトコナゾール200mg1日2回400mg1日2回100mg1日2回152.11[1.81,2.44]3.12[2.65,3.68]9.68[6.44,14.55]
エチニルエストラジオールエチニルエストラジオール・ノルエチステロン配合剤(各35μg・1.0mg含有)
1日1回
600mg1日2回100mg1日2回11注4)0.68[0.61,0.74]0.56[0.50,0.63]0.38[0.27,0.54]
ノルエチステロン0.90[0.83,0.97]0.86[0.75,0.98]0.70[0.51,0.97]
アトルバスタチンアトルバスタチン
10mg1日1回注2)/40mg1日1回注3)
300mg1日2回100mg1日2回150.56[0.48,0.67]0.85[0.76,0.97]1.81[1.37,2.40]
アトルバスタチンラクトン0.85[0.76,0.96]1.07[0.96,1.19]2.08[1.63,2.65]
クラリスロマイシン500mg1日2回400mg1日2回100mg1日2回171.26[1.03,1.54]1.57[1.35,1.84]2.74[2.30,3.26]
ジゴキシン0.4mg単回600mg1日2回100mg1日2回81.15[0.89,1.48]1.36[0.81,2.26]NC
リファブチンリファブチン
150mg隔日1回注2)/300mg1日1回注3)
600mg1日2回100mg1日2回11注5)0.72[0.55,0.93]0.93[0.80,1.09]1.64[1.48,1.81]
25-脱アセチル体代謝物4.77[4.04,5.63]9.81[8.09,11.9]27.1[22.15,33.16]
ブプレノルフィンブプレノルフィン・ナロキソン配合剤
1日1回最大16・4mg
600mg1日2回100mg1日2回170.92[0.79,1.08]0.89[0.78,1.02]0.98[0.82,1.16]
ノルブプレノルフィン171.36[1.06,1.74]1.46[1.15,1.85]1.71[1.29,2.27]
カルバマゼピン200mg1日2回600mg1日2回100mg1日2回161.43[1.34,1.53]1.45[1.35,1.57]1.54[1.41,1.68]
カルバマゼピンエポキシド160.46[0.43,0.49]0.46[0.44,0.49]0.48[0.45,0.51]
ラルテグラビル400mg1日2回600mg1日2回100mg1日2回60.67注6)[0.33,1.37]0.71注6)[0.38,1.33]NC
マラビロク150mg1日2回600mg1日2回100mg1日2回122.29注6)[1.46,3.59]4.05注6)[2.94,5.59]8.00[6.35,10.1]
リルピビリン150mg1日1回800mg1日1回100mg1日1回141.79[1.56,2.06]2.30[1.98,2.67]2.78[2.39,3.24]
エトラビリン200mg1日2回注2)/100mg1日2回注3)600mg1日2回100mg1日2回10注7)1.81[1.56,2.11]1.80[1.56,2.08]1.67[1.38,2.03]
アルテメテルアルテメテル・ルメファントリン配合剤
80・480mg,3日間投与(0,8,24,36,48及び60時間に投与)
600mg1日2回100mg1日2回14注5)0.82[0.61,1.11]0.84[0.69,1.02]0.97[0.90,1.05]
ジヒドロアルテミシニン0.82[0.66,1.01]0.82[0.74,0.91]1.00[0.82,1.22]
ルメファントリン1.65[1.49,1.83]2.75[2.46,3.08]2.26注8)[1.92,2.67]
ロピナビルロピナビル・リトナビル配合剤
400・100mg1日2回
300mg1日2回100mg1日2回91.22[1.12,1.32]1.37[1.27,1.49]1.72[1.46,2.03]
NA80.83[0.70,0.99]0.81[0.70,0.94]0.65[0.48,0.88]
インジナビル800mg1日2回400mg1日2回100mg1日2回91.08[0.95,1.22]1.23[1.06,1.42]2.25[1.63,3.10]
S-ワルファリンワルファリン10mg+ビタミンK1 10mg+デキストロメトルファン30mg+オメプラゾール40mg単回600mg1日2回100mg1日2回120.92[0.86,0.98]0.79[0.74,0.86]NC
7-OH-S-ワルファリン121.43[1.24,1.64]1.24[0.97,1.58]NC
デキストロメトルファン122.27[1.59,3.26]2.70[1.80,4.05]NC
デキストルファン120.87[0.77,0.98]0.96[0.90,1.03]NC
オメプラゾール120.66[0.48,0.91]0.58[0.51,0.67]NC
5-OH-オメプラゾール120.94[0.72,1.22]0.85[0.77,0.93]NC
NA:未投与,NC:未算出注1)11例注2)ダルナビル/リトナビル併用投与時の用法・用量注3)非併用投与時の用法・用量注4)非併用投与時:13例注5)非併用投与時:15例注6)幾何平均の比注7)非併用投与時:11例注8)13例
(3)コビシスタット
併用薬がコビシスタットの薬物動態に及ぼす影響及びコビシスタットが併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表8、9に示す。[10.2参照]
表8 併用薬投与時のコビシスタットの薬物動態パラメータ比注1)
併用薬併用薬の用法・用量コビシスタットの用法・用量例数コビシスタットの薬物動態パラメータ:最小二乗平均の比[90%信頼区間]
CmaxAUCCtau
ファモチジン40mg 1日1回
夜,食後,エルビテグラビル,コビシスタット投与後12時間後
150mg
1日1回,朝,食後
101.04[0.99,1.08]1.05[1.02,1.08]1.15[1.06,1.26]
40mg
1日1回
朝,食後
161.06[0.99,1.13]1.03[0.97,1.11]1.11[1.00,1.24]
オメプラゾール20mg
1日1回,朝,絶食下
110.90[0.82,0.99]0.92[0.85,1.01]0.93[0.74,1.17]
20mg
1日1回,夜,絶食下,エルビテグラビル,コビシスタット投与後12時間後
110.94[0.85,1.05]0.99[0.89,1.09]1.02注2)[0.82,1.28]
注1)エルビテグラビル150mg1日1回との併用投与注2)10例
表9 コビシスタット投与時の併用薬の薬物動態パラメータ比注1)
併用薬併用薬の用法・用量コビシスタットの用法・用量例数併用薬の薬物動態パラメータ:最小二乗平均の比[90%信頼区間]
CmaxAUCCtau
デシプラミン(国内未承認)50mg単回150mg1日1回81.24[1.08,1.44]1.58[1.35,1.84]NC
ジゴキシン0.5mg単回221.41[1.29,1.55]1.20[1.10,1.30]NC
エファビレンツ600mg単回170.87[0.80,0.94]0.93[0.90,0.96]NC
ロスバスタチン10mg単回150mg1日1回101.89[1.48,2.42]1.38[1.14,1.67]1.43[1.08,1.89]注2)
リファブチンリファブチン
150mg隔日1回注3)/300mg1日1回注4)
150mg1日1回121.09[0.98,1.20]0.92[0.83,1.03]0.94[0.85,1.04]
25-脱アセチル体代謝物4.84[4.09,5.74]6.25[5.08,7.69]4.94[4.04,6.04]
ノルゲスチメート及びエチニルエストラジオール0.180/0.215/0.250mg
ノルゲスチメート
1日1回
150mg1日1回注5)152.08[2.00,2.17]2.26[2.15,2.37]2.67[2.43,2.92]
0.025mg
エチニルエストラジオール
1日1回
0.94[0.86,1.04]0.75[0.69,0.81]0.56[0.52,0.61]
ブプレノルフィンブプレノルフィン
16~24mg1日1回
150mg1日1回171.12[0.98,1.27]1.35[1.18,1.55]1.66[1.31,1.93]
ノルブプレノルフィン1.24[1.03,1.49]1.42[1.22,1.67]1.57[1.31,1.88]
R-メサドンメサドン
80~120mg1日1回
150mg1日1回111.01[0.91,1.13]1.07[0.96,1.19]1.10[0.95,1.28]
S-メサドン0.96[0.87,1.06]1.00[0.89,1.12]1.02[0.89,1.17]
ナロキソン4~6mg1日1回150mg1日1回170.72[0.61,0.85]0.72[0.59,0.87]NC
NC:未算出注1)エルビテグラビル150mg1日1回との併用投与(デシプラミン、ジゴキシン及びエファビレンツとの薬物相互作用試験はコビシスタットを単独投与)注2)Clast注3)コビシスタット併用投与時の用法・用量注4)非併用投与時の用法・用量注5)エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合剤を用いた試験

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リファンピシン
リファジン
フェノバルビタール
フェノバール等
フェニトイン
アレビアチン等
ホスフェニトイン
ホストイン
カルバマゼピン
テグレトール
[2.2、16.7.2参照]
ダルナビル及びコビシスタットの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、ダルナビル及びコビシスタットの代謝が促進される。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
[2.2参照]
ダルナビル及びコビシスタットの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、ダルナビル及びコビシスタットの代謝が促進される。
トリアゾラム
ハルシオン
ミダゾラム
ドルミカム
ミダフレッサ
ブコラム
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度上昇により、過度の鎮静や呼吸抑制等の重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ピモジド
オーラップ
[2.2参照]
ピモジドの血中濃度上昇により、不整脈等の重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
シンバスタチン
リポバス
[2.2参照]
シンバスタチンの血中濃度上昇により、横紋筋融解症が起こる可能性がある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
クリアミン
ジヒドロエルゴタミン
ジヒデルゴット
エルゴメトリン
メチルエルゴメトリン
パルタンM
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度上昇により、末梢血管痙縮、虚血等の重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
バルデナフィル
レビトラ
シルデナフィル
レバチオ
タダラフィル
アドシルカ
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ブロナンセリン
ロナセン
[2.2参照]
ブロナンセリンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
アゼルニジピン
カルブロック
アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル
レザルタス配合錠
[2.2参照]
アゼルニジピンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ルラシドン
ラツーダ
[2.2参照]
ルラシドンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ロミタピド
ジャクスタピッド
[2.2参照]
ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
フィネレノン
ケレンディア
[2.2参照]
フィネレノンの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
イバブラジン
コララン
[2.2参照]
イバブラジンの血中濃度が上昇し、過度の徐脈があらわれることがある。コビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)
ベネクレクスタ
[2.2参照]
ベネトクラクスの血中濃度が上昇し、腫瘍崩壊症候群の発現が増強する可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
イサブコナゾニウム硫酸塩
クレセンバ
[2.2参照]
イサブコナゾールの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。コビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
グラゾプレビル
グラジナ
[2.2参照]
グラゾプレビルの血中濃度が上昇する可能性がある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A及びOATP1B阻害作用により、グラゾプレビルの血中濃度が上昇することがある。
リバーロキサバン
イグザレルト
チカグレロル
ブリリンタ
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用又はP糖蛋白阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
デキサメタゾン(全身投与)ダルナビル及びコビシスタットの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。併用する場合には注意して投与すること。デキサメタゾンのCYP3A誘導作用により、ダルナビル及びコビシスタットの代謝が促進される。
アトルバスタチン
[16.7.2参照]
アトルバスタチンの血中濃度上昇により、横紋筋融解症が起こる可能性がある。併用する場合には必要に応じてアトルバスタチンの投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
サルメテロールサルメテロールの血中濃度上昇により、QT延長、動悸、洞性頻脈などの心血管系事象の発現リスクが増大する可能性がある。併用する場合には必要に応じてサルメテロールの投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
シルデナフィル
バイアグラ
タダラフィル
シアリス、ザルティア
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
クロラゼプ酸
ジアゼパム
エスタゾラム
フルラゼパム
ゾルピデム
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
アミオダロン
ベプリジル
ジソピラミド
リドカイン(全身投与)
キニジン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
シクロスポリン
タクロリムス
シロリムス
テムシロリムス
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
クロナゼパム
エトスクシミド
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
Ca拮抗剤
(フェロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン、ジルチアゼム、ベラパミル等)
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
フルチカゾン
ブデソニド
プレドニゾロン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ダサチニブ
エベロリムス
ニロチニブ
ラパチニブ
ビンブラスチン
ビンクリスチン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ボセンタンこれらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
アピキサバンこれらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
エプレレノンこれらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
トルバプタン
エレトリプタン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ダビガトランエテキシラート
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのP糖蛋白阻害作用による。
アミトリプチリン
イミプラミン
パロキセチン
ノルトリプチリン
セルトラリン
トラゾドン
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
リスペリドン
ペルフェナジン
クエチアピン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
フェンタニル
オキシコドン
トラマドール
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
プロパフェノンこれらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
トルテロジンこれらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
デキストロメトルファンこれらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病)ベネトクラクスの血中濃度が上昇し、副作用が増強するおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに患者の状態を慎重に観察すること。コビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
カルベジロール
メトプロロール
チモロール
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。コビシスタットのCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
フレカイニド
メキシレチン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。コビシスタットのCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ロスバスタチン
プラバスタチン
ピタバスタチン
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度上昇により、横紋筋融解症が起こる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。機序不明
ジゴキシン
[16.7.2参照]
ジゴキシンの血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてジゴキシンの投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのP糖蛋白阻害作用による。
コルヒチン
[2.3、9.2.1、9.3.1参照]
コルヒチンの血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてコルヒチンの投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用又はP糖蛋白阻害作用による。
グレカプレビル・ピブレンタスビルグレカプレビルの血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてグレカプレビル・ピブレンタスビルの投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのP糖蛋白、BCRP又はOATP1B阻害作用による。
ドロスピレノンドロスピレノンの血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてドロスピレノンの投与量を減量するなど注意して投与すること。機序不明
経口避妊剤
(エチニルエストラジオール、ノルエチステロン等)
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。本剤を投与する場合は、別の避妊方法を行うことが望ましい。機序不明
メサドン
[16.7.2参照]
メサドンの血中濃度を低下させる可能性がある。併用する場合には注意して投与すること。機序不明
リファブチン
[16.7.2参照]
ダルナビル及びコビシスタットの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。また、リファブチンの血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じて本剤又はリファブチンの投与量を調節するなど注意して投与すること。リファブチンのCYP3A誘導作用により、ダルナビル及びコビシスタットの代謝が促進される。また、ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、リファブチンの代謝が阻害される。
クラリスロマイシン
エリスロマイシン
[16.7.2参照]
ダルナビル、コビシスタット又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。併用する場合には必要に応じて本剤又はこれらの薬剤の投与量を調節するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットとこれらの薬剤のCYP3A阻害作用により、相互に代謝が阻害される。
イトラコナゾール
ケトコナゾール注)
ボリコナゾール
フルコナゾール
[16.7.2参照]
ダルナビル、コビシスタット又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。併用する場合には必要に応じて本剤又はこれらの薬剤の投与量を調節するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットとこれらの薬剤のCYP3A阻害作用により、相互に代謝が阻害される。
ワルファリン
[16.7.2参照]
ワルファリンの血中濃度に影響を与えることがある。併用する場合には必要に応じて本剤又はワルファリンの投与量を調節するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットの薬物代謝酵素阻害作用により、血中濃度に変化がおこることがある。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
[16.7.2参照]
テノホビルの血中濃度を上昇させる可能性があるが、用量を調節する必要はない。また、本剤と併用する場合には、定期的にクレアチニンクリアランスを測定するなど観察を十分に行い、腎機能のモニタリングを行うこと。ダルナビル及びコビシスタットのP糖蛋白阻害作用による。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
エトラビリン
エファビレンツ
ネビラピン
[16.7.2参照]
ダルナビル及び/又はコビシスタットの血中濃度が低下する可能性がある。本剤とこれらの薬剤との併用は避けることが望ましい。これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、ダルナビル及びコビシスタットの代謝が促進される。
リルピビリン
[16.7.2参照]
リルピビリンの血中濃度を上昇させる可能性がある。本剤とリルピビリンを併用する場合には、用量を調節する必要はない。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、リルピビリンの代謝が阻害される。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ラルテグラビル
[16.7.2参照]
ダルナビルの血中濃度を減少させる可能性がある。本剤とラルテグラビルを併用する場合には、用量を調節する必要はない。機序不明
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
マラビロク
[16.7.2参照]
マラビロクの血中濃度を上昇させる可能性がある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、マラビロクの代謝が阻害される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
重度の発疹があらわれた場合は、本剤の投与を直ちに中止し適切な処置を行うこと。
11.1.2 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[8.8参照]
11.1.3 急性膵炎(0.3%)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
免疫系障害過敏症、免疫再構築症候群
代謝及び栄養障害高トリグリセリド血症、食欲減退、高コレステロール血症、糖尿病、高脂血症
精神障害異常な夢
神経系障害頭痛
胃腸障害下痢、悪心、嘔吐、腹痛、鼓腸腹部膨満、消化不良、膵酵素増加
肝胆道系障害肝酵素増加急性肝炎
皮膚及び皮下組織障害発疹そう痒症、血管浮腫、蕁麻疹体脂肪の再分布/蓄積
筋骨格系及び結合組織障害筋肉痛骨壊死
生殖系及び乳房障害女性化乳房
全身障害及び投与局所様態疲労無力症
臨床検査膵型アミラーゼ増加、リパーゼ増加、血中クレアチニン増加、総コレステロール増加、血中ブドウ糖増加、LDLコレステロール増加、ALT増加、AST増加トリグリセリド増加、ALP増加
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