製品名 サムスカ錠7.5mg
サムスカ錠15mg
サムスカ錠30mg
サムスカ顆粒1%

一般名
Tolvaptan
薬効分類
降圧薬
 >バソプレシン拮抗薬
価格
7.5mg1錠:1277.3円/錠
15mg1錠:1943.1円/錠
30mg1錠:2953.5円/錠
1%1g:1898.3円/g

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • サムスカ錠7.5mg

    • ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留
    • ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留
    • 腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制
    • <参考>

      効能・効果錠7.5mg錠15mg錠30mg顆粒1%
      心不全における体液貯留
      肝硬変における体液貯留
      常染色体優性多発性のう胞腎
      ○:効能あり、-:効能なし
  • サムスカ錠15mg

    • ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留
    • 腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制
    • <参考>

      効能・効果錠7.5mg錠15mg錠30mg顆粒1%
      心不全における体液貯留
      肝硬変における体液貯留
      常染色体優性多発性のう胞腎
      ○:効能あり、-:効能なし
  • サムスカ錠30mg

    • 腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制
    • <参考>

      効能・効果錠7.5mg錠15mg錠30mg顆粒1%
      心不全における体液貯留
      肝硬変における体液貯留
      常染色体優性多発性のう胞腎
      ○:効能あり、-:効能なし
  • サムスカ顆粒1%

    • ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留
    • ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留
    • 腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制
    • <参考>

      効能・効果錠7.5mg錠15mg錠30mg顆粒1%
      心不全における体液貯留
      肝硬変における体液貯留
      常染色体優性多発性のう胞腎
      ○:効能あり、-:効能なし

用法・用量

  • サムスカ錠7.5mg

    • 心不全における体液貯留の場合

      • 通常、成人にはトルバプタンとして15mgを1日1回経口投与する。
    • 肝硬変における体液貯留の場合

      • 通常、成人にはトルバプタンとして7.5mgを1日1回経口投与する。
    • 常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制の場合

      • 通常、成人にはトルバプタンとして1日60mgを2回(朝45mg、夕方15mg)に分けて経口投与を開始する。1日60mgの用量で1週間以上投与し、忍容性がある場合には、1日90mg(朝60mg、夕方30mg)、1日120mg(朝90mg、夕方30mg)と1週間以上の間隔を空けて段階的に増量する。なお、忍容性に応じて適宜増減するが、最高用量は1日120mgまでとする。
    • <参考>

      用法・用量投与方法投与量
      心不全における体液貯留1日1回15mg
      肝硬変における体液貯留1日1回7.5mg
      常染色体優性多発性のう胞腎1日2回開始用量1日60mg(朝45mg、夕方15mg)
      1日90mg(朝60mg、夕方30mg)
      (漸増)1日120mg(朝90mg、夕方30mg)
  • サムスカ錠15mg

    • 心不全における体液貯留の場合

      • 通常、成人にはトルバプタンとして15mgを1日1回経口投与する。
    • 常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制の場合

      • 通常、成人にはトルバプタンとして1日60mgを2回(朝45mg、夕方15mg)に分けて経口投与を開始する。1日60mgの用量で1週間以上投与し、忍容性がある場合には、1日90mg(朝60mg、夕方30mg)、1日120mg(朝90mg、夕方30mg)と1週間以上の間隔を空けて段階的に増量する。なお、忍容性に応じて適宜増減するが、最高用量は1日120mgまでとする。
    • <参考>

      用法・用量投与方法投与量
      心不全における体液貯留1日1回15mg
      肝硬変における体液貯留1日1回7.5mg
      常染色体優性多発性のう胞腎1日2回開始用量1日60mg(朝45mg、夕方15mg)
      1日90mg(朝60mg、夕方30mg)
      (漸増)1日120mg(朝90mg、夕方30mg)
  • サムスカ錠30mg

    • 常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制の場合

      • 通常、成人にはトルバプタンとして1日60mgを2回(朝45mg、夕方15mg)に分けて経口投与を開始する。1日60mgの用量で1週間以上投与し、忍容性がある場合には、1日90mg(朝60mg、夕方30mg)、1日120mg(朝90mg、夕方30mg)と1週間以上の間隔を空けて段階的に増量する。なお、忍容性に応じて適宜増減するが、最高用量は1日120mgまでとする。
    • <参考>

      用法・用量投与方法投与量
      心不全における体液貯留1日1回15mg
      肝硬変における体液貯留1日1回7.5mg
      常染色体優性多発性のう胞腎1日2回開始用量1日60mg(朝45mg、夕方15mg)
      1日90mg(朝60mg、夕方30mg)
      (漸増)1日120mg(朝90mg、夕方30mg)
  • サムスカ顆粒1%

    • 心不全における体液貯留の場合

      • 通常、成人にはトルバプタンとして15mgを1日1回経口投与する。
    • 肝硬変における体液貯留の場合

      • 通常、成人にはトルバプタンとして7.5mgを1日1回経口投与する。
    • 常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制の場合

      • 通常、成人にはトルバプタンとして1日60mgを2回(朝45mg、夕方15mg)に分けて経口投与を開始する。1日60mgの用量で1週間以上投与し、忍容性がある場合には、1日90mg(朝60mg、夕方30mg)、1日120mg(朝90mg、夕方30mg)と1週間以上の間隔を空けて段階的に増量する。なお、忍容性に応じて適宜増減するが、最高用量は1日120mgまでとする。
    • <参考>

      用法・用量投与方法投与量
      心不全における体液貯留1日1回15mg
      肝硬変における体液貯留1日1回7.5mg
      常染色体優性多発性のう胞腎1日2回開始用量1日60mg(朝45mg、夕方15mg)
      1日90mg(朝60mg、夕方30mg)
      (漸増)1日120mg(朝90mg、夕方30mg)
禁忌

【警告】

  • I.心不全及び肝硬変における体液貯留の場合

    • 本剤投与により、急激な水利尿から脱水症状や高ナトリウム血症を来し、意識障害に至った症例が報告されており、また、急激な血清ナトリウム濃度の上昇による橋中心髄鞘崩壊症を来すおそれがあることから、入院下で投与を開始又は再開すること。また、特に投与開始日又は再開日には血清ナトリウム濃度を頻回に測定すること。(「2.重要な基本的注意I-(4)、II-(6)」の項及び「4.副作用(1)重大な副作用 3)高ナトリウム血症」の項参照)
  • II.常染色体優性多発性のう胞腎の場合

    • II-1.本剤は、常染色体優性多発性のう胞腎について十分な知識をもつ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことや重篤な肝機能障害が発現するおそれがあること、適切な水分摂取及び定期的な血液検査等によるモニタリングの実施が必要であることを含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分に説明し、同意を得ること。
    • II-2.特に投与開始時又は漸増期において、過剰な水利尿に伴う脱水症状、高ナトリウム血症などの副作用があらわれるおそれがあるので、少なくとも本剤の投与開始は入院下で行い、適切な水分補給の必要性について指導すること。また、本剤投与中は少なくとも月1回は血清ナトリウム濃度を測定すること。(「2.重要な基本的注意III-(5)」の項及び「4.副作用(1)重大な副作用 3)高ナトリウム血症」の項参照)
    • II-3.本剤の投与により、重篤な肝機能障害が発現した症例が報告されていることから、血清トランスアミナーゼ値及び総ビリルビン値を含めた肝機能検査を必ず本剤投与開始前及び増量時に実施し、本剤投与中は少なくとも月1回は肝機能検査を実施すること。また、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「〔禁忌〕II-5.」の項、「2.重要な基本的注意III-(2)、III-(3)」の項、「4.副作用(1)重大な副作用 4)急性肝不全、肝機能障害」の項及び「10.その他の注意(1)」の項参照)
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • I.心不全及び肝硬変における体液貯留の場合

    • I-1.本剤の成分又は類似化合物(モザバプタン塩酸塩等)に対し過敏症の既往歴のある患者
    • I-2.無尿の患者[本剤の効果が期待できない。]
    • I-3.口渇を感じない又は水分摂取が困難な患者[循環血漿量の減少により高ナトリウム血症及び脱水のおそれがある。]
    • I-4.高ナトリウム血症の患者[本剤の水利尿作用により高ナトリウム血症が増悪するおそれがある。]
    • I-5.適切な水分補給が困難な肝性脳症の患者[適切な水分補給が困難なため、循環血漿量の減少により高ナトリウム血症及び脱水のおそれがある。]
    • I-6.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
  • II.常染色体優性多発性のう胞腎の場合

    • II-1.本剤の成分又は類似化合物(モザバプタン塩酸塩等)に対し過敏症の既往歴のある患者
    • II-2.口渇を感じない又は水分摂取が困難な患者[循環血漿量の減少により高ナトリウム血症及び脱水のおそれがある。]
    • II-3.高ナトリウム血症の患者[本剤の水利尿作用により高ナトリウム血症が増悪するおそれがある。]
    • II-4.重篤な腎機能障害(eGFR 15mL/min/1.73m2未満)のある患者[本剤の効果が期待できない。]
    • II-5.慢性肝炎、薬剤性肝機能障害等の肝機能障害(常染色体優性多発性のう胞腎に合併する肝のう胞を除く)又はその既往歴のある患者[肝障害を増悪させるおそれがある。]
    • II-6.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
副作用
腎不全(1%未満)
腎不全等の重度の腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血栓塞栓症(1%未満)
急激な利尿により血液濃縮を来した場合、血栓症及び血栓塞栓症を誘発するおそれがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高ナトリウム血症(1~5%未満)
本剤の水利尿作用により血液濃縮を来し、高ナトリウム血症があらわれることがあり、意識障害を伴うこともある。投与中は、飲水量、尿量、血清ナトリウム濃度及び口渇、脱水等の症状の観察を十分に行うこと。口渇感の持続、脱水等の症状がみられた場合には、本剤の投与を減量又は中止し、症状に応じて、輸液を含めた水分補給等の適切な処置を行うこと。また、正常域を超える血清ナトリウム濃度の上昇がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、症状に応じて、輸液を含めた水分補給等の適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意I-(3)、I-(4)、II-(5)、II-(6)、III-(5)」の項参照)
急性肝不全(頻度不明、肝機能障害(5%以上)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれ、急性肝不全に至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、肝機能障害が回復するまでは頻回に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。(「2.重要な基本的注意I-(7)、II-(2)、III-(3)」の項参照)
ショック、アナフィラキシー(頻度不明
ショック、アナフィラキシー(全身発赤、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
過度の血圧低下(頻度不明、心室細動(頻度不明、心室頻拍(1%未満)
過度の血圧低下、心室細動、心室頻拍があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝性脳症(1%未満)
肝硬変患者の場合、意識障害を伴う肝性脳症があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、肝性脳症は、主に肝性浮腫患者において報告されているので、これらの患者に投与する場合は、意識障害等の臨床症状を十分に観察すること。
汎血球減少、血小板減少(頻度不明
汎血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
:自発報告又は海外で認められた副作用のため頻度不明。
注意

次の患者には慎重に投与すること

I.心不全及び肝硬変における体液貯留の場合
I-(1)血清ナトリウム濃度125mEq/L未満の患者[急激な血清ナトリウム濃度の上昇により、橋中心髄鞘崩壊症を来すおそれがある。](「2.重要な基本的注意I-(5)、II-(7)」の項参照)
I-(2)重篤な冠動脈疾患又は脳血管疾患のある患者及び高齢者[急激な利尿があらわれた場合、急速な循環血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。](「4.副作用(1)重大な副作用 2)血栓塞栓症」の項及び「5.高齢者への投与」の項参照)
I-(3)高カリウム血症の患者[本剤の水利尿作用により高カリウム血症が増悪するおそれがある。](「2.重要な基本的注意I-(6)、II-(8)」の項参照)
I-(4)重篤な腎障害のある患者[利尿に伴う腎血流量の減少により腎機能が更に悪化するおそれがある。](「4.副作用(1)重大な副作用 1)腎不全」の項参照)
I-(5)肝性脳症を現有するかその既往のある患者[意識レベルが低下した場合、適切な水分補給に支障を来すおそれがある。]
II.常染色体優性多発性のう胞腎の場合
II-(1)重篤な冠動脈疾患又は脳血管疾患のある患者及び高齢者[急激な利尿があらわれた場合、急速な循環血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。](「4.副作用(1)重大な副作用 2)血栓塞栓症」の項及び「5.高齢者への投与」の項参照)
II-(2)高カリウム血症の患者[本剤の水利尿作用により高カリウム血症が増悪するおそれがある。](「2.重要な基本的注意III-(7)」の項参照)
II-(3)腎機能が低下している患者[利尿に伴う腎血流量の減少により腎機能が更に悪化するおそれがある。](「4.副作用(1)重大な副作用 1)腎不全」の項参照)
I.心不全における体液貯留の場合
I-(1)本剤は水排泄を増加させるが、ナトリウム排泄を増加させないことから、他の利尿薬と併用して使用すること。
I-(2)本剤の投与初期は、過剰な利尿に伴う脱水、高ナトリウム血症などの副作用があらわれるおそれがあるので、口渇感等の患者の状態を観察し、適切な水分補給を行い、体重、血圧、脈拍数、尿量等を頻回に測定すること。
I-(3)本剤の利尿作用に伴い、口渇、脱水などの症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、水分補給を行うよう指導すること。(「4.副作用(1)重大な副作用 3)高ナトリウム血症」の項参照)
I-(4)本剤投与開始後24時間以内に水利尿効果が強く発現するため、少なくとも投与開始4~6時間後並びに8~12時間後に血清ナトリウム濃度を測定すること。投与開始翌日から1週間程度は毎日測定し、その後も投与を継続する場合には、適宜測定すること。(「4.副作用(1)重大な副作用 3)高ナトリウム血症」の項参照)
I-(5)血清ナトリウム濃度125mEq/L未満の患者に投与した場合、急激な血清ナトリウム濃度の上昇により、橋中心髄鞘崩壊症を来すおそれがあるため、24時間以内に12mEq/Lを超える上昇がみられた場合には、投与を中止すること。(「1.慎重投与I-(1)」の項参照)
I-(6)本剤の水利尿作用により循環血漿量の減少を来し、血清カリウム濃度を上昇させ、心室細動、心室頻拍を誘発するおそれがあるので、本剤投与中は血清カリウム濃度を測定すること。(「1.慎重投与I-(3)」の項参照)
I-(7)本剤の投与初期から重篤な肝機能障害があらわれることがあるため、本剤投与開始前に肝機能検査を実施し、少なくとも投与開始2週間は頻回に肝機能検査を行うこと。またやむを得ず、その後も投与を継続する場合には、適宜検査を行うこと。(「4.副作用(1)重大な副作用 4)急性肝不全、肝機能障害」の項及び「10.その他の注意(1)」の項参照)
I-(8)めまい等があらわれることがあるので、転倒に注意すること。また、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
II.肝硬変における体液貯留の場合
II-(1)本剤の投与により重篤な肝機能障害があらわれることがある。肝硬変患者では、肝機能をより悪化させるおそれがあること、及び原疾患の悪化と本剤による肝機能障害の発現との区別が困難であることに留意して、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮し、本剤投与の適否について慎重に判断すること。
II-(2)本剤の投与初期から重篤な肝機能障害があらわれることがあるため、本剤投与開始前に肝機能検査を実施し、少なくとも投与開始2週間は頻回に肝機能検査を行うこと。またやむを得ず、その後も投与を継続する場合には、適宜検査を行うこと。(「4.副作用(1)重大な副作用 4)急性肝不全、肝機能障害」の項及び「10.その他の注意(1)」の項参照)
II-(3)本剤は水排泄を増加させるが、ナトリウム排泄を増加させないことから、他の利尿薬と併用して使用すること。
II-(4)本剤の投与初期は、過剰な利尿に伴う脱水、高ナトリウム血症などの副作用があらわれるおそれがあるので、口渇感等の患者の状態を観察し、適切な水分補給を行い、体重、血圧、脈拍数、尿量等を頻回に測定すること。
II-(5)本剤の利尿作用に伴い、口渇、脱水などの症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、水分補給を行うよう指導すること。(「4.副作用(1)重大な副作用 3)高ナトリウム血症」の項参照)
II-(6)本剤投与開始後24時間以内に水利尿効果が強く発現するため、少なくとも投与開始4~8時間後に血清ナトリウム濃度を測定すること。さらに投与開始2日後並びに3~5日後に1回測定し、その後も投与を継続する場合には、適宜測定すること。(「4.副作用(1)重大な副作用 3)高ナトリウム血症」の項参照)
II-(7)血清ナトリウム濃度125mEq/L未満の患者に投与した場合、急激な血清ナトリウム濃度の上昇により、橋中心髄鞘崩壊症を来すおそれがあるため、24時間以内に12mEq/Lを超える上昇がみられた場合には、投与を中止すること。(「1.慎重投与I-(1)」の項参照)
II-(8)本剤の水利尿作用により循環血漿量の減少を来し、血清カリウム濃度を上昇させ、心室細動、心室頻拍を誘発するおそれがあるので、本剤投与中は血清カリウム濃度を測定すること。(「1.慎重投与I-(3)」の項参照)
II-(9)肝硬変患者では、本剤の投与により消化管出血のリスクが高まるおそれがあるため、患者の状態を十分に観察し、消化管出血の兆候があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
II-(10)めまい等があらわれることがあるので、転倒に注意すること。また、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
III.常染色体優性多発性のう胞腎の場合
III-(1)本剤の使用にあたっては、適切な水分補給が必要なため、次の点に注意すること。
III-[1]飲水能力の低下や飲水機会の制限により、十分に水分補給ができない場合は、本剤を減量あるいは休薬すること。
III-[2]用量を増量又は減量する時は、急激な体重変化に注意すること。
III-[3]増量直後には特に口渇、脱水などの症状に注意すること。
III-(2)本剤の増量により副作用の発現頻度が高くなる傾向が認められていること、1日120mg投与時に重篤な肝機能障害の発現が認められていることから、高用量投与時には、特に肝機能障害をはじめとする副作用の発現に十分注意すること。
III-(3)本剤の投与により、重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、投与にあたっては患者に当該副作用について十分説明するとともに、症状がみられた場合には速やかに診察を受けるよう指導すること。(「4.副作用(1)重大な副作用 4)急性肝不全、肝機能障害」の項及び「10.その他の注意(1)」の項参照)
III-(4)投与開始前に脱水症状が認められた場合は、脱水症状が増悪するおそれがあるので、症状が改善してから投与を開始すること。
III-(5)高ナトリウム血症があらわれることがあるので、投与開始後の用量漸増期においては、来院毎に血清ナトリウム濃度を測定し、その後も本剤投与中は少なくとも月1回は測定すること。異常が認められた場合は、減量又は中止すること。(「4.副作用(1)重大な副作用 3)高ナトリウム血症」の項参照)
III-(6)投与開始前に血清ナトリウム濃度を測定し、低ナトリウム血症が認められた場合は、急激な血清ナトリウム濃度の上昇により、橋中心髄鞘崩壊症を来すおそれがあるので、低ナトリウム血症の原因を明らかにするとともに、血清ナトリウム濃度を補正し、慎重に本剤投与の適否を判断した上で、投与が適切と判断された場合に限り投与を開始すること。
III-(7)本剤の水利尿作用により循環血漿量の減少を来し、血清カリウム濃度を上昇させ、心室細動、心室頻拍を誘発するおそれがあるので、本剤投与中は血清カリウム濃度を測定すること。(「1.慎重投与II-(2)」の項参照)
III-(8)本剤の投与により腎臓における尿酸クリアランスが減少するため、血中尿酸が上昇することがあるので、本剤投与中は血中尿酸値に注意すること。
III-(9)失神、意識消失、めまい等があらわれることがあるので、転倒に注意すること。また、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
III-(10)本剤の投与により緑内障があらわれることがあるので、定期的に検査を行うことが望ましい。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
I.心不全における体液貯留の場合
I-(1)体液貯留所見が消失した際には投与を中止すること。[症状消失後の維持に関する有効性は確認されていない。]
I-(2)目標体重(体液貯留状態が良好にコントロールされているときの体重)に戻った場合は、漫然と投与を継続しないこと。[国内臨床試験において2週間を超える使用経験はない。]
I-(3)体液貯留状態が改善しない場合は、漫然と投与を継続しないこと。(〔臨床成績〕の項参照)
I-(4)血清ナトリウム濃度が125mEq/L未満の患者、急激な循環血漿量の減少が好ましくないと判断される患者、高齢者、血清ナトリウム濃度が正常域内で高値の患者に投与する場合は、半量(7.5mg)から開始することが望ましい。(「1.慎重投与I-(1)、I-(2)」の項及び「5.高齢者への投与」の項参照)
I-(5)口渇感が持続する場合には、減量を考慮すること。(「2.重要な基本的注意I-(3)」の項参照)
I-(6)CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)との併用は避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合は、本剤の減量あるいは低用量からの開始などを考慮すること。[本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。](「3.相互作用」の項及び〔薬物動態〕の項参照)
I-(7)夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
II.肝硬変における体液貯留の場合
II-(1)体液貯留所見が消失した際には投与を中止すること。[症状消失後の維持に関する有効性は確認されていない。]
II-(2)本剤の投与により、重篤な肝機能障害があらわれることがあること、国内臨床試験において2週間を超える使用経験はないことから、体重、腹囲、下肢浮腫などの患者の状態を観察し、体液貯留が改善した場合は、漫然と投与を継続せず、必要最小限の期間の使用にとどめること。
II-(3)体液貯留状態が改善しない場合は、漫然と投与を継続しないこと。(〔臨床成績〕の項参照)
II-(4)血清ナトリウム濃度が125mEq/L未満の患者、急激な循環血漿量の減少が好ましくないと判断される患者に投与する場合は、半量(3.75mg)から開始することが望ましい。(「1.慎重投与I-(1)、I-(2)」の項参照)
II-(5)口渇感が持続する場合には、減量を考慮すること。(「2.重要な基本的注意II-(5)」の項参照)
II-(6)CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)との併用は避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合は、本剤の減量あるいは低用量からの開始などを考慮すること。[本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。](「3.相互作用」の項及び〔薬物動態〕の項参照)
II-(7)夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
III.常染色体優性多発性のう胞腎の場合
III-(1)夜間頻尿を避けるため、夕方の投与は就寝前4時間以上空けることが望ましい。
III-(2)口渇感が持続する場合には、減量を考慮すること。(「2.重要な基本的注意III-(1)」の項参照)
III-(3)CYP3A4阻害剤との併用は避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合は、下表を参照し、本剤の用量調節を行うこと。[本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。](「3.相互作用」の項及び〔薬物動態〕の項参照)
通常の用法・用量弱い又は中等度のCYP3A4阻害剤との併用時の用法・用量(通常用量の1/2量)強力なCYP3A4阻害剤との併用時の用法・用量(通常用量の1/4量)
1日60mg(朝45mg、夕方15mg)1日30mg(朝22.5mg、夕方7.5mg)1日15mg(朝11.25mg、夕方3.75mg)
1日90mg(朝60mg、夕方30mg)1日45mg(朝30mg、夕方15mg)1日22.5mg(朝15mg、夕方7.5mg)
1日120mg(朝90mg、夕方30mg)1日60mg(朝45mg、夕方15mg)1日30mg(朝22.5mg、夕方7.5mg)
III-(4)重度の腎機能障害のある患者では減量すること。[クレアチニンクリアランス30mL/min未満の患者で本剤の血漿中濃度が増加する。](〔薬物動態〕の項参照)
I.心不全及び肝硬変における体液貯留の場合
本剤は他の利尿薬(ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、抗アルドステロン薬等)と併用して使用すること。なお、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチドとの併用経験はない。(「2.重要な基本的注意I-(1)、II-(3)」の項参照)
II.常染色体優性多発性のう胞腎の場合
II-1.以下のいずれにも該当する場合に適用すること。
II-[1]両側総腎容積が750mL以上であること。
II-[2]腎容積増大速度が概ね5%/年以上であること。[臨床試験には、両側腎容積750mL以上で、腎容積の増加が速いと推定される患者を組み入れた。](〔臨床成績〕の項参照)
II-2.投与開始時のクレアチニンクリアランスが60mL/min未満の患者における有効性及び安全性は確立していない。[臨床試験には、投与開始時のクレアチニンクリアランスが60mL/min以上の患者を組み入れた。](〔臨床成績〕の項参照)
一般に高齢者では生理機能が低下しており、また、脱水症状を起こしやすいとされているため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
心不全における体液貯留の場合、高ナトリウム血症発現のおそれがあるので高齢者は半量(7.5mg)から開始することが望ましい。(≪用法・用量に関連する使用上の注意≫の項参照)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人には、適切な避妊を行うよう指導すること。[動物実験(ウサギ)で催奇形性及び胚・胎児死亡が報告されている。また、動物実験(ウサギ、ラット)で胚あるいは胎児移行が報告されている。]
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
血漿中濃度
健康成人における薬物動態
単回投与
健康成人にトルバプタン15~120mgを空腹時単回経口投与した時の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す。
図1 健康成人におけるトルバプタン投与時の血漿中濃度推移(平均値)
6例、30mg群のみ12例
表1 トルバプタン単回投与時の薬物動態パラメータ
投与量tmax(h)Cmax(ng/mL)AUCt(ng・h/mL)t1/2(h)
15mg2.0(1.0~4.0)135±53645±3673.3±1.2
30mg2.0(1.5~6.0)213±761,302±5533.9±1.7
45mg2.5(1.0~3.0)363±3182,098±1,9502.9±0.8
60mg3.0(1.5~4.0)315±1052,321±6344.6±0.8
90mg2.0(1.0~3.0)429±1463,600±9225.8±1.4
120mg2.0(2.0~3.0)661±2765,908±2,0919.3±3.2
(平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(範囲)、6例、30mg群のみ12例)
反復投与
健康成人にトルバプタン30~120mgを空腹時1日1回7日間反復経口投与した時のトルバプタンの血漿中濃度に累積はみられなかった。
注)本剤の承認された1日用量と異なる(〔用法・用量〕の項参照)。
患者における薬物動態
心性浮腫患者
心性浮腫患者にトルバプタン15mgを1日1回7日間反復経口投与した時のトルバプタンの薬物動態パラメータを表2に示す。
表2 心性浮腫患者にトルバプタン15mgを7日間反復投与時の薬物動態パラメータ
tmax(h)Cmax(ng/mL)AUC24h(ng・h/mL)t1/2(h)
投与1日目4.0(1.8~5.9)258±952,057±7956.6±2.1
投与7日目3.9(2.0~6.0)256±1022,173±1,1886.8±2.2
(平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(範囲)、10例)
肝性浮腫患者
肝性浮腫患者にトルバプタン7.5mgを1日1回7日間反復経口投与した時のトルバプタンの薬物動態パラメータを表3に示す。
表3 肝性浮腫患者にトルバプタン7.5mgを7日間反復投与時の薬物動態パラメータ
tmax(h)Cmax(ng/mL)AUC24h(ng・h/mL)t1/2(h)
投与1日目4.2(3.8~11.8)100±541,061±7329.1±5.4
投与7日目4.0(1.7~7.9)112±601,370±1,1658.5±4.1
(平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(範囲)、20例)
常染色体優性多発性のう胞腎患者(外国人による成績)
常染色体優性多発性のう胞腎患者に1日120mgを2回(90mg、30mg)に分けて7日間反復経口投与した時のトルバプタンの薬物動態パラメータを表4に示す。
表4 常染色体優性多発性のう胞腎患者にトルバプタン1日120mgを7日間反復投与時の薬物動態パラメータ
tmax(h)Cmax(ng/mL)AUC24h(ng・h/mL)
投与7日目2.0(1.0~9.0)716±3446,570±3,230
(平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(範囲)、12例)
食事の影響
健康成人にトルバプタン15mgを単回経口投与した時、空腹時投与に比べ食後投与ではCmax及びAUCはそれぞれ1.3倍及び1.1倍であった。
健康成人(外国人による成績)にトルバプタン60mg又は90mgを単回経口投与した時、空腹時投与に比べ食後投与ではCmaxはそれぞれ1.4倍及び2.0倍、AUCはそれぞれ1.1倍及び1.0倍であった。
絶対的バイオアベイラビリティ(外国人による成績)
健康成人における経口投与時の絶対的バイオアベイラビリティは56%であった。
蛋白結合率
ヒト血漿蛋白結合率は、98.0%以上であった(in vitro、限外ろ過)。
代謝酵素
トルバプタンは、ヒト肝ミクロゾームチトクロームP450の分子種のうち、主としてCYP3A4により代謝される(in vitro)。
排泄(外国人による成績)
健康成人に、14C-トルバプタン60mgを空腹時に単回経口投与した時、糞中及び尿中にそれぞれ投与した放射能の58.7%及び40.2%が排泄された。未変化体の糞中及び尿中の回収率は、それぞれ投与量の18.7%及び1%未満であった。
相互作用(外国人による成績)
健康成人において、強力なCYP3A4の阻害作用を有するケトコナゾール200mgとトルバプタン30mgの併用により、トルバプタンのCmax及びAUCはそれぞれ3.5倍及び5.4倍になった。
健康成人において、トルバプタン60mgをCYP3A4の阻害作用を有するグレープフルーツジュースにより服用した時、トルバプタンのCmax及びAUCはそれぞれ1.9倍及び1.6倍になった。
健康成人において、CYP3A4の誘導作用を有するリファンピシン600mgとトルバプタン240mgの併用により、トルバプタンのCmax及びAUCはそれぞれ1/6及び1/8になった。
健康成人において、CYP3A4の基質であるロバスタチン80mgとトルバプタン90mgの併用により、ロバスタチンのCmax及びAUCは1.3倍及び1.4倍になった。ロバスタチン80mgとトルバプタン60mgの併用によりトルバプタンのCmaxとAUCはいずれも1.2倍になった。
不整脈患者において、CYP3A4の基質であるアミオダロン200mgとトルバプタン90mgの併用によるアミオダロンの薬物動態の変化は5%未満であった。
健康成人において、CYP2C9の基質であるワルファリン25mgとトルバプタン60mgの併用により、R-ワルファリンとS-ワルファリンの薬物動態は影響を受けなかった。
健康成人において、P糖蛋白の基質であるジゴキシン0.25mgとトルバプタン60mgの併用により、ジゴキシンのCmax及びAUCは、それぞれ1.3倍及び1.2倍になった。トルバプタンのCmaxとAUCは、いずれも1.1倍になった。
健康成人において、トルバプタン30mgとフロセミド80mgとの併用により、トルバプタンのCmax及びAUCはいずれも1.2倍になった。ヒドロクロロチアジド100mgとの併用により、トルバプタンのCmax及びAUCは変化しなかった。トルバプタンはフロセミド及びヒドロクロロチアジドの薬物動態に影響を与えなかった。
その他
腎障害(外国人による成績)
腎機能の程度の異なる被験者(Ccr<30mL/min、Ccr=30~60mL/min及びCcr>60mL/min)にトルバプタン60mgを投与した時のAUCは、それぞれ7,360ng・h/mL、6,980ng・h/mL及び3,890ng・h/mLであった。また、血漿中遊離型分率は、それぞれ1.2%、0.6%及び1.0%であった。血漿中遊離型分率を用いて算出した血漿中遊離型濃度のAUCは、Ccr<30mL/min、Ccr=30~60mL/min及びCcr>60mL/minでそれぞれ71.8ng・h/mL、36.4ng・h/mL及び37.5ng・h/mLであった。
肝障害
肝性浮腫患者にトルバプタン15mgを投与した時のAUCは、中等度肝障害患者(Child-Pugh分類AまたはB)で1,618ng・h/mL、重度肝障害患者(Child-Pugh分類C)で2,172ng・h/mLであった。
高齢者(65歳以上)、性別
トルバプタンの薬物動態には年齢及び性別による影響は認められなかった。