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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

用法・用量

  • <18歳未満の患者>

    • 通常、体重50kg未満の場合はグアンファシンとして1日1mg、体重50kg以上の場合はグアンファシンとして1日2mgより投与を開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、下表の維持用量まで増量する。
      なお、症状により適宜増減するが、下表の最高用量を超えないこととし、いずれも1日1回経口投与すること。
      体重開始用量維持用量最高用量
      17kg以上25kg未満1mg1mg2mg
      25kg以上34kg未満1mg2mg3mg
      34kg以上38kg未満1mg2mg4mg
      38kg以上42kg未満1mg3mg4mg
      42kg以上50kg未満1mg3mg5mg
      50kg以上63kg未満2mg4mg6mg
      63kg以上75kg未満2mg5mg6mg
      75kg以上2mg6mg6mg
  • <18歳以上の患者>

    • 通常、グアンファシンとして1日2mgより投与を開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、1日4~6mgの維持用量まで増量する。
      なお、症状により適宜増減するが、1日用量は6mgを超えないこととし、いずれも1日1回経口投与すること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.3 房室ブロック(第二度、第三度)のある患者[本剤の中枢性の徐脈作用により症状が悪化するおそれがある。][11.1.3参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 低血圧、起立性低血圧、徐脈、心血管疾患のある患者又はその既往歴のある患者、血圧を低下又は脈拍数を減少させる作用を有する薬剤を投与中の患者
血圧及び心拍数を低下させることがある。[8.4参照]
9.1.2 高血圧のある患者又はその既往歴のある患者
本剤を急に中止した場合、血圧上昇があらわれることがある。[7.2参照]
9.1.3 不整脈又はその既往歴のある患者、先天性QT延長症候群の患者又はQT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者
本剤の投与によりQT延長があらわれるおそれがある。[8.4、17.3.1参照]
9.1.4 狭心症及び心筋梗塞等の虚血性心疾患のある患者又はその既往歴のある患者
急激な血圧低下があらわれた場合、冠血流量が減少し虚血性心疾患が悪化するおそれがある。
9.1.5 脳梗塞等の脳血管障害のある患者
急激な血圧低下があらわれた場合、脳血流量が減少し症状が悪化するおそれがある。
9.1.6 抑うつ状態の患者
本剤の鎮静作用により、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。[7.1、16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。[7.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(マウス)において大量投与により催奇形作用(外脳症、脊椎破裂症)が報告されている。[2.2参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
6歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。[5.1、17.1.1、17.1.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤を投与する医師又は医療従事者は、投与前に患者(小児の場合には患者及び保護者又はそれに代わる適切な者)に対して、本剤の治療上の位置づけ及び本剤投与による副作用発現等のリスクについて、十分な情報を提供するとともに、適切な使用方法について指導すること。
8.2 本剤を長期間投与する場合には、定期的に有用性の再評価を実施し、漫然と投与しないよう注意すること。
8.3 高度な血圧低下及び脈拍数減少が認められ、失神に至る場合があるので、本剤の投与開始前及び用量変更の1~2週間後には、血圧及び脈拍数を測定すること。至適用量の決定後にも4週に1回を目途に血圧及び脈拍数を測定すること。また、本剤の投与による脱水に十分注意し、脱水の症状があらわれた場合には、補液等適切な措置を講じること。[11.1.1参照]
8.4 心血管系への影響(高度な徐脈、低血圧、QT延長等)があらわれる可能性があるので、本剤投与開始前及び投与中は以下の点に注意すること。[11.1.1-11.1.3、17.3.1参照]
・本剤投与開始前には心電図異常の有無について確認すること。心電図異常が認められた場合は、投与の可否を慎重に判断すること。
・心血管疾患若しくはその既往歴がある場合又は本剤投与開始前に心電図異常が認められた場合は、定期的に心電図検査を行うなど、患者の状態を慎重に観察すること。[9.1.1、9.1.3参照]
・本剤投与中は心血管系の状態に注意し、心血管系への影響を示唆する症状(徐脈、失神、ふらつき、動悸等)があらわれた場合には心電図検査等を行い、適切な処置を行うこと。
8.5 本剤の投与開始時及び用量調節時に副作用(傾眠、血圧低下等)により投与中止に至った症例が認められていることから、本剤の投与中(特に投与開始時及び用量調節時)においては、患者の状態を慎重に観察し、用量の調節を行うこと。
8.6 自殺念慮や自殺行為があらわれることがあるので、患者の状態を注意深く観察すること。また、患者(小児の場合には患者及び保護者又はそれに代わる適切な者)に対し、これらの症状・行為があらわれた場合には、速やかに医療機関に連絡するよう指導すること。
8.7 攻撃性、敵意はAD/HDにおいてしばしば観察されるが、本剤の投与中にも攻撃性、敵意の発現が報告されている。投与中は、攻撃的行動、敵意の発現又は悪化について観察すること。
8.8 眠気、鎮静等が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
8.9 本剤の投与により体重増加を来すことがあるので、定期的に体重を測定し、肥満の徴候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。

7.用法・用量に関連する注意

7.1 CYP3A4/5阻害剤を投与中の患者、重度の肝機能障害のある患者又は重度の腎機能障害のある患者に投与する場合には、1日1mgより投与を開始すること。[9.2.1、9.3.1、10.2、16.6.1、16.7.1参照]
7.2 本剤の投与を中止する場合は、原則として3日間以上の間隔をあけて1mgずつ、血圧及び脈拍数を測定するなど患者の状態を十分に観察しながら徐々に減量すること。本剤の急な中止により、血圧上昇及び頻脈があらわれることがある。[9.1.2参照]

5.効能・効果に関連する注意

5.1 本剤の6歳未満の患者における有効性及び安全性は確立していない。[9.7、17.1.1、17.1.2参照]
5.2 AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
※:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
健康成人男性8例に2mg、4mg及び6mgを漸増法でそれぞれ1日1回空腹時5日間、計15日間反復経口投与したときの各投与量における投与5日目の血漿中濃度を図16-1に、薬物動態パラメータを表16-1に示す。投与後5~8時間(中央値)でCmaxに達し、Cmax及びAUCはほぼ用量に比例して増加した。また、反復投与開始後約5日で定常状態に達した。
図16-1 健康成人における血漿中濃度(反復投与:各投与量における投与5日目)
表16-1 健康成人における薬物動態パラメータ(反復投与:各投与量における投与5日目)
投与量(mg)例数Cmax※1(ng/mL)AUC0-τ※1(ng・hr/mL)Tmax※2(hr)
282.70(0.552)46.08(10.47)5(5-8)
47.71(3.30)139.4(58.16)6.5(5-12)
611.7(2.44)213.0(45.79)8(5-8)
※1:算術平均値(標準偏差)※2:中央値(最小値-最大値)
16.1.2 小児患者
日本人小児及び外国人小児AD/HD患者(392例)から得られた血漿中グアンファシン濃度データ(3231ポイント)を用いて母集団薬物動態解析を行った。その結果、見かけの全身クリアランス及び見かけの分布容積に対して体重が統計学的に有意な共変量であった。また、日本人児童患者160例(6~12歳)及び青少年患者31例(13~17歳)にそれぞれ0.04mg/kg、0.08mg/kg及び0.12mg/kgを1日1回経口投与したとき、母集団薬物動態解析の結果に基づき推定した薬物動態パラメータは表16-2のとおりである。
注:本剤の承認された最高用量は6mgである。
表16-2 小児患者における推定薬物動態パラメータ(定常状態)
投与群児童(6~12歳)青少年(13~17歳)
例数Cmax(ng/mL)AUC0-τ(ng・hr/mL)例数Cmax(ng/mL)AUC0-τ(ng・hr/mL)
0.04mg/kg542.47(1.51-3.92)45.59(26.86-76.07)112.92(2.06-4.23)54.32(29.73-88.48)
0.08mg/kg525.00(2.31-7.48)90.40(31.44-152.9)106.57(5.11-9.08)129.1(91.42-197.7)
0.12mg/kg547.49(5.02-11.3)132.1(90.82-232.2)1010.0(6.56-12.9)200.5(120.8-272.6)
※:中央値(最小値-最大値)、母集団薬物動態解析ソフトNONMEMに基づく薬物動態パラメータを用いたベイジアン推定値
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人140例を対象に、3mg(1mg錠3錠あるいは3mg錠1錠)単回投与時の食事の影響を検討したところ、空腹時投与に比べて食後投与(高脂肪食)ではCmaxは約1.2~1.4倍高く、AUCは約1.2~1.3倍高かった。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
ヒト血漿蛋白結合率は、約70%である。
16.4 代謝
16.4.1 代謝経路
グアンファシンの主要な代謝経路は、芳香環における水酸化、それに続くグルクロン酸抱合又は硫酸抱合であると推定された。健康成人男性11例に4mgを反復経口投与したとき、ヒドロキシグアンファシンの硫酸抱合体及びヒドロキシグアンファシンのグルクロン酸抱合体が血漿中の代謝物として検出された。
16.4.2 代謝酵素
In vitro試験の結果、グアンファシンの酸化的代謝に関する主な代謝酵素はCYP3A4/5と推定された。[10.参照]
16.5 排泄
グアンファシンは肝臓と腎臓の両方を介して消失する。健康成人男性11例に1mgを単回経口投与したときのT1/2の算術平均値(標準偏差)は、18.4時間(7.52)であった。また、1mg単回(投与後72時間まで)及び4mg反復(5日目投与後24時間まで)投与時のグアンファシンの累積尿中排泄率は、投与量の40.9%及び36.0%であった。
In vitro試験において、グアンファシンはOCT2(有機カチオントランスポーター2)の基質であることが示された。
In vitro試験において、グアンファシンのMATE1に対する阻害作用(IC50値:0.168μmol/L)が認められた。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害者(被験者群:10mL/min≦糸球体ろ過量≦30mL/min、糸球体ろ過量<10mL/min、各群6例)にグアンファシン3mgを単回静脈内投与したとき、腎機能正常者(6例)と比較して、グアンファシンの尿中排泄率は各群でそれぞれ約75%及び約87%の低下、腎クリアランスは約85%及び約92%の低下であったものの、全身クリアランスは約14%及び約29%の低下であった(外国人データ)。[7.1、9.2.1参照]
注:本剤の承認された用法は経口投与である。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 CYP3A4/5阻害剤との併用
健康成人20例に、ケトコナゾール400mgを1日1回6日間反復投与での投与3日目にグアンファシン4mg単回投与を併用したとき、ケトコナゾール存在下でグアンファシンのCmaxは約1.75倍に増加し、AUCは約2.79~3.13倍に増加した(外国人データ)。[7.1、10.2参照]
16.7.2 CYP3A4/5誘導剤との併用
健康成人19例に、リファンピシン600mgを1日1回11日間反復投与での投与8日目にグアンファシン4mgの単回投与を併用したとき、リファンピシンの存在下でグアンファシンのCmaxは約54%減少し、AUCは約63~69%減少した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 メチルフェニデート塩酸塩との併用
健康成人38例に、グアンファシン4mgとメチルフェニデート塩酸塩36mgを単回投与したとき、グアンファシンとd-メチルフェニデートのCmax及びAUCに影響は認められなかった(外国人データ)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A4/5阻害剤
イトラコナゾール、リトナビル、クラリスロマイシン等
[7.1、16.7.1参照]
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、本剤を減量するなど注意すること。これらの薬剤により、本剤の代謝が阻害される可能性がある。ケトコナゾール(経口剤、国内未発売)との併用により、本剤のAUCが3倍増加した。
CYP3A4/5誘導剤
リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン等
[16.7.2参照]
本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。これらの薬剤により、本剤の代謝が促進される可能性がある。リファンピシンとの併用により、本剤のAUCが約70%減少した。
中枢神経抑制剤
鎮静剤、催眠剤、抗精神病薬、フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体、ベンゾジアゼピン誘導体等
アルコール
相互に作用を増強することがある。これらの薬剤により、本剤の鎮静作用が増強される可能性がある。
バルプロ酸バルプロ酸の血中濃度が増加したとの報告がある。機序は不明である。
降圧作用を有する薬剤
β遮断剤、Ca拮抗剤、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、降圧利尿剤等
相互に作用を増強し、失神を起こすことがある。これらの薬剤により、本剤の降圧作用及び徐脈作用が増強される可能性がある。
心拍数減少作用を有する薬剤
ジギタリス製剤等
相互に作用を増強し、失神を起こすことがある。これらの薬剤により、本剤の降圧作用及び徐脈作用が増強される可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低血圧(20.5%、徐脈(14.9%
高度な低血圧、徐脈があらわれ、失神に至る場合がある。[8.3、8.4参照]
11.1.2 失神(頻度不明)[8.4参照]
11.1.3 房室ブロック(0.5%未満)[2.3、8.4参照]
注)18歳未満の患者より18歳以上の患者で特に高頻度に発現が認められた副作用

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
過敏症過敏症、発疹、そう痒
循環器起立性低血圧血圧上昇、頻脈、洞性不整脈蒼白、高血圧性脳症、QT延長
精神神経系傾眠(49.8%)、頭痛、不眠、めまい易刺激性、悪夢、感情不安定、激越、鎮静、無力症不安、うつ病、嗜眠、痙攣、過眠症、幻覚
消化器口渇、便秘腹痛、食欲減退、悪心、下痢腹部不快感、嘔吐、消化不良
その他倦怠感遺尿、体重増加頻尿、胸痛、ALT上昇喘息、脱水、勃起不全

注)18歳未満の患者より18歳以上の患者で特に高頻度に発現が認められた副作用

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