今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

ニンラーロカプセル2.3mg、他

一部のコンテンツを閲覧になるにはご契約が必要となります。

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○再発又は難治性の多発性骨髄腫
  • ○多発性骨髄腫における維持療法

用法・用量

  • <再発又は難治性の多発性骨髄腫>

    • レナリドミド及びデキサメタゾンとの併用において、通常、成人にはイキサゾミブとして1日1回4mgを空腹時に週1回、3週間(1、8及び15日目)経口投与した後、13日間休薬(16~28日目)する。この4週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • <多発性骨髄腫における維持療法>

    • 通常、成人には1日1回、本剤を空腹時に週1回、3週間(1、8及び15日目)経口投与した後、13日間休薬(16~28日目)する。この4週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤の投与量は、4サイクルまではイキサゾミブとして3mg、5サイクル以降はイキサゾミブとして4mgとする。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識と経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが30mL/min未満)
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することがあり、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害のある患者(総ビリルビン値が基準値上限の1.5倍超)
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することがあり、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.4.2 パートナーが妊娠する可能性のある男性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。ラットにおいてAUC比較で臨床曝露量を下回る用量で精巣毒性が認められた。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ウサギにおいて、AUC比較で臨床曝露量の1.8倍に相当する用量で催奇形性(胎児の尾椎異常及び短尾)が認められた。[2.2、9.4.1参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

血小板減少症があらわれることがあるので、本剤の投与中は定期的に血液学的検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.6、7.9、11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
調剤時に脱カプセルをしないこと。
14.2 薬剤交付時の注意
14.2.1 吸湿を防ぐためPTP包装のまま保存し、服用時にPTPシートから取り出すように指導すること。
14.2.2 カプセルはつぶしたり、噛んだり、開けたりせず、そのまま水とともに服用するように指導すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 食後に本剤を投与した場合、本剤のCmax及びAUCが低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること。[16.2.1参照]
7.2 新たなサイクルの開始にあたっては、以下の基準を参考に投与の可否を判断すること。
サイクル開始基準
好中球数1,000/mm3以上
血小板数75,000/mm3以上
非血液毒性ベースライン又はGrade1以下に回復
GradeはNCI-CTCAE v4.0に基づく
<再発又は難治性の多発性骨髄腫>
7.3 本剤を単独投与した場合の有効性及び安全性は確立していない。
7.4 レナリドミド及びデキサメタゾンの投与に際しては、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、投与すること。[17.1.1参照]
7.5 レナリドミド及びデキサメタゾン以外の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
7.6 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量、中止すること。[8.、11.1.1、11.1.4参照]
本剤の減量ステップ
開始用量4mg
ステップ1(1段階減量)3mg
ステップ2(2段階減量)2.3mg
ステップ3投与中止
休薬・減量・中止基準
副作用程度処置
血小板減少症血小板数
30,000/mm3未満
30,000/mm3以上に回復するまで、休薬する。回復後、同一用量で投与を再開できる。再び30,000/mm3未満に減少した場合は、30,000/mm3以上に回復するまで、休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。
好中球減少症好中球数
500/mm3未満
500/mm3以上に回復するまで、休薬する。回復後、同一用量で投与を再開できる。再び500/mm3未満に減少した場合は、500/mm3以上に回復するまで、休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。
皮膚障害Grade2対症療法を行い、投与を継続できる。忍容できない場合は、下記「Grade3」参照。
Grade3Grade1以下に回復するまで、休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。
Grade4投与を中止する。
末梢神経障害疼痛を伴うGrade1又は疼痛を伴わないGrade2ベースライン又は疼痛を伴わないGrade1以下に回復するまで、休薬する。回復後、同一用量で投与を再開できる。
疼痛を伴うGrade2又はGrade3ベースライン又はGrade1以下に回復するまで、休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。
Grade4投与を中止する。
上記以外の副作用Grade3の非血液毒性ベースライン又はGrade1以下に回復するまで、休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。
Grade4の非血液毒性投与を中止する。
GradeはNCI-CTCAE v4.0に基づく
<多発性骨髄腫における維持療法>
7.7 他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
7.8 本剤を24ヵ月を超えて投与した場合の有効性及び安全性は確立していない。
7.9 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量、中止すること。[8.、11.1.1、11.1.4参照]
本剤の減量ステップ
1~4サイクル5サイクル以降
通常用量3mg4mg
ステップ1(1段階減量)2.3mg3mg
ステップ2(2段階減量)投与中止2.3mg
ステップ3投与中止
休薬・減量・中止基準
副作用程度処置
血小板減少症血小板数
50,000/mm3未満
75,000/mm3以上に回復するまで、休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。
好中球減少症好中球数
750/mm3未満
1,000/mm3以上に回復するまで、休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。
皮膚障害Grade2対症療法を行い、投与を継続できる。忍容できない場合は、1段階減量して投与する。
Grade3Grade1以下に回復するまで、休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。
Grade4投与を中止する。
末梢神経障害疼痛を伴うGrade1又は疼痛を伴わないGrade2ベースライン又は疼痛を伴わないGrade1以下に回復するまで、休薬する。回復後、同一用量で投与を再開できる。
疼痛を伴うGrade2又はGrade3ベースライン又はGrade1以下に回復するまで、休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。
Grade4投与を中止する。
上記以外の副作用Grade3の非血液毒性ベースライン又はGrade1以下に回復するまで、休薬する。回復後、1段階減量して投与を再開できる。
Grade4の非血液毒性投与を中止する、又は治療上の有益性を考慮し、1段階減量して投与を再開できる。
GradeはNCI-CTCAE v4.0に基づく

5.効能又は効果に関連する注意

<再発又は難治性の多発性骨髄腫>
5.1 本剤による治療は、少なくとも1つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者を対象とすること。
5.2 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単独投与
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者にイキサゾミブとして1日1回4mgを週1回、3週間経口投与時注1)の本剤の血漿中濃度を測定した。1日目及び15日目共に、本剤の血漿中濃度は投与後約2時間までに最高値に達し、その後多相性の指数関数的な消失プロファイルを示した。投与15日目における本剤の終末相半減期は約6日であり、また、平均蓄積比は約2であった。
本剤の血漿中濃度推移(平均値)
本剤の薬物動態パラメータ
パラメータ1日目15日目
N75
Tmax(hr)注)1.08(0.48-7.17)1.83(0.25-3.25)
Cmax(ng/mL)65.3(61)68.8(68)
AUC0-168(ng・hr/mL)1071(79)1588(60)
幾何平均(%変動係数)、注):中央値(最小値-最大値)、AUC0-168:投与後168時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積、Cmax:最高血漿中濃度、Tmax:Cmax到達時間
16.1.2 併用投与
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者にレナリドミド及びデキサメタゾン併用下、イキサゾミブとして1日1回4mgを週1回、3週間経口投与時の本剤の血漿中濃度を測定した。1日目及び15日目共に、本剤の血漿中濃度は投与後約2時間までに最高値に達し、その後多相性の指数関数的な消失プロファイルを示した。投与15日目における本剤の終末相半減期は5.2日であり、また、平均蓄積比は1.78であった。
本剤の血漿中濃度推移(平均値)
本剤の薬物動態パラメータ
パラメータ1日目15日目
N76
Tmax(hr)注)1.45(1.00-7.17)1.38(0.47-7.08)
Cmax(ng/mL)32.9(52)34.5(95)
AUC0-168(ng・hr/mL)564(41)1086(54)
幾何平均(%変動係数)、注):中央値(最小値-最大値)、AUC0-168:投与後168時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積、Cmax:最高血漿中濃度、Tmax:Cmax到達時間
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
本剤4mg注1)を進行がん患者15例に高脂肪食摂取後に投与した時のCmax及びAUCは、空腹時投与時と比較してそれぞれ69%、28%減少した(外国人データ)。[7.1参照]
16.3 分布
本剤は高い血漿蛋白結合率(99%)を示した。また、本剤は赤血球に多く分布し、AUCに基づく血液-血漿分配比は約10であった(外国人データ)。
16.4 代謝
16.4.1 本剤の放射性標識体を経口投与した時、血漿中に認められた放射能の70%を未変化体が占めていた(外国人データ)。
16.4.2 臨床用量における血漿中濃度付近のイキサゾミブの代謝には主にCYP以外の蛋白が関与し、特定のCYP分子種が関与しないことが示唆された。臨床用量における血漿中濃度より高いイキサゾミブ濃度(10μmol/L)では、各CYP分子種の寄与率はCYP3A4が42.3%、1A2が26.1%、2B6が16.0%、2C8が6.0%、2D6が4.8%、2C19が4.8%、2C9が1%未満であった(in vitro)。
16.5 排泄
本剤の放射性標識体を進行がん患者5例に単回経口投与した時、投与後34日までに投与した放射能の62%が尿中に、22%が糞中に排泄された。また、投与後7日までに尿中に回収された未変化体は投与量の3.2%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
本剤3mg注1)を重度腎機能障害(クレアチニンクリアランスが30mL/min未満)を有する患者14例又は血液透析を要する末期腎不全を有する患者6例に投与時の非結合型のAUCは、本剤3mgを腎機能正常患者(クレアチニンクリアランスが90mL/min以上)18例に投与した時と比較して38%高かった。また、本剤は血液透析により除去されないことが示唆された(外国人データ)。[9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害患者
本剤2.3mg注1)を中等度肝機能障害(総ビリルビン値が基準値上限の1.5倍超3倍以下)を有する患者13例及び本剤1.5mg注1)を重度肝機能障害(総ビリルビン値が基準値上限の3倍超)を有する患者18例に投与時の用量補正した非結合型のAUCは、本剤4mgを肝機能正常患者12例に投与した時と比較してそれぞれ32%及び23%高かった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 リファンピシン
リファンピシン600mgを進行がん患者16例に1日1回反復投与時に、本剤4mg注1)を併用投与した時、本剤のCmaxが54%、AUCが74%減少した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 その他の薬剤
クラリスロマイシン500mgを進行がん患者15例に1日2回反復投与時に、本剤2.5mg注1)を併用投与した時、本剤のCmax及びAUCに対する明確な影響は認められなかった(本剤のCmaxが4%減少、AUCが11%増加した。)(外国人データ)。
注1)本剤の承認用法・用量はレナリドミド及びデキサメタゾンとの併用の場合は1日1回4mgを週1回、3週間経口投与の後、13日間休薬、単独投与の場合は最初の4サイクルは1日1回3mg、5サイクル以降は1日1回4mgを週1回、3週間経口投与の後、13日間休薬である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A誘導剤
リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等
[16.7.1参照]
本剤の血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。リファンピシンの薬物代謝酵素(CYP3A等)に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血小板減少症(13.6%)[7.6、7.9、8.参照]
11.1.2 重度の下痢(2.7%)
11.1.3 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
11.1.4 末梢神経障害
末梢性感覚ニューロパチー(11.1%)、末梢性ニューロパチー(5.3%)、多発ニューロパチー(2.0%)、末梢性感覚運動ニューロパチー(1%未満)等があらわれることがある。[7.6、7.9参照]
11.1.5 可逆性後白質脳症症候群(頻度不明)
可逆性後白質脳症症候群(症状:痙攣発作、血圧上昇、頭痛、意識変容、視覚障害等)があらわれることがある。
11.1.6 感染症(21.2%)
帯状疱疹(4.1%)、肺炎(3.0%)等があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上5~10%未満5%未満
血液/リンパ系好中球減少症貧血白血球減少症、リンパ球減少症、汎血球減少症
神経系浮動性めまい、錯感覚、味覚異常、頭痛、振戦、感覚鈍麻、傾眠、注意力障害、嗜眠、味覚減退、神経痛
白内障、霧視、眼乾燥、結膜炎、眼刺激
血管高血圧、深部静脈血栓症、潮紅、低血圧
呼吸器咳嗽、呼吸困難、しゃっくり、肺塞栓症、鼻出血、口腔咽頭痛
消化器悪心(24.1%)、下痢(23.0%)、嘔吐便秘上腹部痛、腹痛、消化不良、口内炎、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、口内乾燥、胃炎、腹部不快感、放屁、口腔内潰瘍形成
肝臓ALT増加、AL-P増加、γ-GTP増加
皮膚発疹そう痒症、紅斑、ざ瘡様皮膚炎、薬疹、そう痒性皮疹、多汗症、紅斑性皮疹、剥脱性皮膚炎、全身性そう痒症、急性熱性好中球性皮膚症(Sweet症候群)、脱毛症
その他疲労不眠症、無力症、末梢性浮腫、発熱食欲減退、筋痙縮、関節痛、筋力低下、倦怠感、筋肉痛、体重増加、高血糖、体重減少、四肢痛、激越、気分変化、低カリウム血症、末梢腫脹、顔面浮腫、背部痛、易刺激性、インフルエンザ様疾患、挫傷、錯乱状態、クッシング様症状、うつ病、不安、血中クレアチニン増加、低カルシウム血症、気分動揺、動悸、腎不全、耳鳴、回転性めまい、疼痛、関節腫脹
戻る

さらなるご利用にはご登録が必要です。

こちらよりご契約または優待日間無料トライアルお申込みをお願いします。

(※トライアルご登録は1名様につき、一度となります)


ご契約の場合はご招待された方だけのご優待特典があります。

以下の優待コードを入力いただくと、

契約期間が通常12ヵ月のところ、14ヵ月ご利用いただけます。

優待コード: (利用期限:まで)

ご契約はこちらから