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ブロモクリプチン錠2.5mg「トーワ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○末端肥大症
  • ○下垂体性巨人症
  • ○乳汁漏出症
  • ○産褥性乳汁分泌抑制
  • ○高プロラクチン血性排卵障害
  • ○高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)
  • ○パーキンソン症候群

用法・用量

  • <末端肥大症、下垂体性巨人症>

    • 通常、ブロモクリプチンとして1日2.5~7.5mgを2~3回に分けて食直後に経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • <乳汁漏出症、産褥性乳汁分泌抑制、高プロラクチン血性排卵障害、高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)>

    • 通常、ブロモクリプチンとして1日1回2.5mgを夕食直後に経口投与し、効果をみながら1日5.0~7.5mgまで漸増し、2~3回に分けて食直後に経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • <パーキンソン症候群>

    • 通常、ブロモクリプチンとして1日1回1.25又は2.5mgを朝食直後に経口投与から始め、1又は2週毎に1日量として2.5mgずつ増量し、維持量(標準1日15.0~22.5mg)を定める。1日量はブロモクリプチンとして5.0mgの場合は朝食及び夕食直後に、7.5mg以上の場合は毎食直後に分けて経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分又は麦角アルカロイドに対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊娠高血圧症候群の患者[産褥期における痙攣、脳血管障害、心臓発作、高血圧が発現するリスクが高い。][2.3、11.1.8参照]
  • 2.3 産褥期高血圧の患者[2.2、11.1.8参照]
  • 2.4 心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者[症状を悪化させるおそれがある。][11.1.4参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害等の著明な末端肥大症(先端巨大症)及び下垂体性巨人症の患者
この様な患者では手術療法が第一選択となる。
9.1.2 下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害等の著明な高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者
長期投与により腺腫の線維化が起こることがある。また、腫瘍の縮小にともない、髄液鼻漏があらわれたり視野障害が再発することが報告されている。[8.6、8.7参照]
9.1.3 消化性潰瘍、又はその既往歴のある患者
胃・十二指腸潰瘍の悪化がみられたとの報告がある。[11.1.7参照]
9.1.4 レイノー病の患者
レイノー症状の悪化がみられたとの報告がある。
9.1.5 精神病、又はその既往歴のある患者
精神症状の悪化がみられたとの報告がある。
9.1.6 重篤な心血管障害、又はその既往歴のある患者
外国において心臓発作、脳血管障害等があらわれたとの報告がある。[11.1.8参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎疾患、又はその既往歴のある患者
急激な血圧低下があらわれた場合、腎血流量が低下するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝障害、又はその既往歴のある患者
本剤は主として肝臓で代謝される。また、肝機能障害が報告されている。[16.4参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 本剤を長期連用する場合には、プロラクチン分泌が抑制され、婦人科的異常が起こる可能性があるので、定期的に一般的な婦人科検査を実施すること。[15.2、18.2.1参照]
9.4.2 妊娠を望まない患者には避妊の方法を指導すること。
9.4.3 妊娠希望の患者に本剤投与中は、妊娠を早期に発見するため定期的に妊娠反応等の検査を実施すること。[9.5.1参照]
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[9.4.3、9.5.2参照]
9.5.2 高プロラクチン血性排卵障害で本剤の投与中に妊娠が確認された場合は、直ちに投与を中止すること。なお、下垂体腺腫のある患者では妊娠中に下垂体腺腫の拡大が起こることがあるので、本剤中止後も観察を十分に行い、腺腫の拡大を示す症状(頭痛、視野狭窄等)に注意すること。[9.5.1参照]
9.6 授乳婦
授乳を望む母親には本剤を投与しないこと。本剤は乳汁分泌を抑制する。乳汁過多症の褥婦14例に本剤2.5mg/日を分娩後5日目より3日間連続投与した結果、投与後6、7、8日目に採取した乳汁中ブロモクリプチン濃度は検出限界(0.2ng/mL)以下であった。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 著しい血圧下降、前兆のない突発的睡眠、傾眠があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。[11.1.1、11.1.9参照]
8.2 本剤投与は、少量から開始し、血圧、血液学的検査等の観察を十分に行い慎重に維持量まで増量すること。
8.3 レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。
8.4 本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減すること。急激な減量又は中止により、悪性症候群を誘発することがある。また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛などの症状を特徴とする)があらわれることがある。[11.1.2参照]
<乳汁漏出症、高プロラクチン血性排卵障害>
8.5 投与開始前に、トルコ鞍の検査を行うこと。
<高プロラクチン産生下垂体腺腫>
8.6 トルコ鞍外に進展する高プロラクチン産生下垂体腺腫の患者において、本剤投与により腺腫の著明な縮小がみられた場合、それに伴い髄液鼻漏があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.2参照]
8.7 視野障害のみられる高プロラクチン産生下垂体腺腫の患者において、本剤投与により腺腫の縮小がみられ、一旦、視野障害が改善した後、トルコ鞍の空洞化により視交叉部が鞍内に陥入することによって、再び視野障害があらわれることがあらわれたとの報告がある。異常が認められた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.2参照]
<産褥性乳汁分泌抑制>
8.8 死産や母親のHTLV-1又はHIV感染等の医学的に必要な患者にのみ投与すること。氷罨法等により乳汁分泌抑制が可能である場合には投与しないこと。
8.9 場合により氷罨法等の補助的方法を併用すること。
8.10 分娩後、呼吸、脈拍、血圧等が安定した後、投与すること。また、投与中(特に投与初日)は観察を十分に行い、血圧上昇、頭痛、中枢神経症状等があらわれた場合には、直ちに投与を中止すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

5.効能又は効果に関連する注意

末端肥大症(先端巨大症)、下垂体性巨人症、高プロラクチン血性下垂体腺腫の診断・治療については、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考にすること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
ブロモクリプチン錠2.5mg「トーワ」とパーロデル錠2.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ブロモクリプチンとして2.5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-24
(ng・h/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(h)
ブロモクリプチン錠2.5mg「トーワ」3.48±1.310.33±0.123.69±1.40
パーロデル錠2.5mg3.47±1.210.34±0.102.56±0.96
(平均±S.D.,n=16)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.4 代謝
ブロモクリプチンは肝臓で代謝され、主代謝経路はペプチド部分のプロリン部位の酸化である。[9.3.1参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
交感神経刺激剤
アドレナリン等
麦角アルカロイド
エルゴメトリン
メチルエルゴメトリン
エルゴタミン
ジヒドロエルゴタミン
血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれるおそれがある。特に産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には分娩後、呼吸、脈拍、血圧等が安定した後、用量に注意して投与すること。機序は明確ではないが、本剤はこれらの薬剤の血管収縮作用、血圧上昇作用等に影響を及ぼすと考えられる。
降圧作用を有する薬剤降圧作用が強くあらわれることがある。服用開始初期には特に注意すること。本剤は末梢交感神経終末のノルアドレナリン遊離を抑制する。
アルコール胃腸系の副作用やアルコール不耐性を起こすことがある。相互に作用が増強されるため。
フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン等
ブチロフェノン系薬剤
ハロペリドール
スピペロン等
イミノジベンジル系薬剤
カルピプラミン等
非定型抗精神病剤
ペロスピロン
ブロナンセリン等
メトクロプラミド
ドンペリドン
相互に作用を減弱することがある。本剤はドパミン作動薬であり、これらの薬剤とドパミン受容体において競合的に拮抗する。
抗パーキンソン剤
レボドパ
チオキサンテン系薬剤等
精神神経系の副作用が増強されることがある。相互に作用が増強されるため。
シクロスポリン
タクロリムス
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。CYP3Aに対する競合的阻害によりこれらの薬剤の代謝が阻害される。
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン
ジョサマイシン等
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
サキナビル等
アゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール等
本剤の作用が増強されるおそれがある。CYP3Aに対する競合的阻害により本剤の代謝が阻害される。
オクトレオチド本剤のAUCが上昇したとの報告がある。機序は不明である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、急激な血圧低下、起立性低血圧(いずれも頻度不明)
急激な血圧低下、起立性低血圧により悪心・嘔吐、顔面蒼白、冷汗、失神等のショック症状を起した場合には、投与を中止し、昇圧等の処置を行うこと。[8.1参照]
11.1.2 悪性症候群(頻度不明)
発熱、意識障害、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、血清CKの上昇等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。[8.4参照]
11.1.3 胸膜炎、心膜炎、胸膜線維症、肺線維症(いずれも頻度不明)
胸水、心膜液、胸膜炎、心膜炎、胸膜線維症、肺線維症があらわれることがあるので、胸痛、呼吸器症状等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。
11.1.4 心臓弁膜症(頻度不明)
心雑音の発現又は増悪等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査、心エコー検査等を実施すること。心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。[2.4参照]
11.1.5 後腹膜線維症(頻度不明)
背部痛、下肢浮腫、腎機能障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。
11.1.6 幻覚・妄想、せん妄、錯乱(いずれも頻度不明)
11.1.7 胃腸出血、胃・十二指腸潰瘍(いずれも頻度不明)[9.1.3参照]
11.1.8 痙攣、脳血管障害、心臓発作、高血圧(いずれも頻度不明)[2.2、2.3、9.1.6参照]
11.1.9 突発的睡眠(頻度不明)
前兆のない突発的睡眠があらわれることがある。[8.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1%~5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹
精神神経系興奮、不安感、不眠、頭痛、ジスキネジア、口渇、鼻閉気力低下状態、衝動制御障害(病的賭博、病的性欲亢進)、耳鳴傾眠、錯感覚
視覚異常霧視
肝臓AST、ALTの上昇ALPの上昇
循環器めまい、立ちくらみ、動悸、血圧低下、起立性低血圧、胸部不快感、浮腫顔面潮紅夜間に脚の痙攣及び寒冷による可逆性の指趾の蒼白、頻脈、徐脈、不整脈
消化器悪心嘔吐、便秘、食欲不振、胃痛・腹痛、胃部不快感、胸やけ、腹部膨満感、下痢口内乾燥
泌尿器尿失禁
その他貧血、けん怠感頭髪の脱毛、帯下の増加、しびれ感、呼吸困難、疲労薬剤離脱症候群注)(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛など)

発現頻度は使用成績調査を含む
注)異常が認められた場合には、投与再開又は減量前の投与量に戻すなど、適切な処置を行うこと。

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