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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○帯状疱疹
  • ○再発性の単純疱疹

用法・用量

  • <帯状疱疹>

    • 通常、成人にはアメナメビルとして1回400mgを1日1回食後に経口投与する。
  • <再発性の単純疱疹>

    • 通常、成人にはアメナメビルとして1200mgを食後に単回経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 リファンピシンを投与中の患者[10.1、16.7.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 免疫機能の低下を伴う患者
悪性腫瘍や自己免疫性疾患など免疫機能の低下を伴う患者に対する有効性及び安全性は確立していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス)において胎盤に移行することが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(マウス)において乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に、生理機能が低下している。[16.6.4参照]

8.重要な基本的注意

<再発性の単純疱疹>
次回再発分として処方する場合は、次のことを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認すること。[7.4参照]
・初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)出現後6時間以内に服用すること。また、口唇ヘルペスでは皮疹(水疱、膿疱、びらん、潰瘍、痂皮)発現前に服用すること。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性は、服用せずに医療機関を受診すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法・用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 空腹時に投与するとアメナメビルの吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、食後に服用するよう患者に指導すること。食前又は食間のタイミングで服用する必要がある場合は、軽食等を摂取した上で服用させること。[16.2.1参照]
<帯状疱疹>
7.2 本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始すること。なお、目安として皮疹出現後5日以内に投与を開始することが望ましい。
7.3 本剤は、原則として7日間使用すること。改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、速やかに他の治療に切り替えること。
<再発性の単純疱疹>
7.4 初期症状発現後速やかに本剤を服用することが望ましい。初期症状発現から6時間経過後に服用した患者、また口唇ヘルペスでは皮疹(水疱、膿疱、びらん、潰瘍、痂皮)発現後に服用した患者に対する有効性を裏付けるデータは得られていない。[8.参照]
7.5 次回再発分の処方は1回分に留めること。

5.効能・効果に関連する注意

<再発性の単純疱疹>
5.1 単純疱疹(口唇ヘルペス又は性器ヘルペス)の同じ病型の再発を繰り返す患者であることを臨床症状及び病歴に基づき確認すること。
5.2 患部の違和感、灼熱感、そう痒等の初期症状を正確に判断可能な患者に処方すること。
5.3 口唇ヘルペス又は性器ヘルペス以外の病型に対する臨床試験は実施されていない。[17.1.2、17.1.3参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)単回投与試験(空腹時)
健康成人(各6例)にアメナメビル100、300、600mgを空腹時に単回経口投与したとき注)、アメナメビルの薬物動態パラメータは次のとおりであった。
図 空腹時単回投与の平均血漿中未変化体濃度の推移
表 空腹時単回投与の薬物動態パラメータ
投与量(mg)AUCinf(μg・h/mL)Cmax(μg/mL)tmax(h)t1/2(h)
1005.87±1.670.53±0.082.17±0.757.09±1.40
30011.72±1.921.04±0.263.17±0.756.88±0.56
60018.71±2.961.68±0.223.00±1.106.86±0.62
平均±標準偏差
(2)単回投与試験(食後)
健康成人(各6例)にアメナメビル1200、2400mgを食後に単回経口投与したとき注)、アメナメビルの薬物動態パラメータは次のとおりであった。
図 食後単回投与時の平均血漿中未変化体濃度の推移
表 食後単回投与時の薬物動態パラメータ
投与量(mg)AUCinf(μg・h/mL)Cmax(μg/mL)tmax(h)t1/2(h)
120048.77±14.833.57±1.003.83±0.417.06±0.29
240062.89±12.915.27±1.393.33±1.216.58±0.52
平均±標準偏差
16.1.2 反復投与
健康成人(各6例)に朝食後アメナメビル300、600mgを1日1回、7日間反復経口投与したとき注)、アメナメビルの薬物動態パラメータは次のとおりであった。
表 反復投与時の薬物動態パラメータ
投与量(mg)日数AUCinf(μg・h/mL)Cmax(μg/mL)tmax(h)t1/2(h)
3001日目15.93±4.421.26±0.363.92±1.437.67±0.66
7日目15.57±4.291.32±0.383.67±0.826.58±0.55
6001日目26.08±8.571.98±0.464.67±1.047.63±0.65
7日目22.45±6.031.93±0.373.83±0.416.37±0.32
平均±標準偏差
16.1.3 母集団薬物動態解析(帯状疱疹患者)
帯状疱疹患者から得られたアメナメビルの血漿中薬物濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を実施した。アメナメビル400mgを投与された帯状疱疹患者の定常状態における薬物動態パラメータの推定値は、Cmaxが1.94μg/mL、AUCが22.94μg・h/mLであった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人(24例)に本剤800mgを空腹時に投与したとき注)、アメナメビルのCmax及びAUCは食後投与と比較してそれぞれ約0.64倍及び0.52倍に減少した(外国人データ)。[7.1参照]
16.3 分布
In vitro試験において、アメナメビルを50~5000ng/mLの濃度範囲でヒト血漿に添加したときの蛋白結合率は、約75%であり、主にアルブミンと結合した。また、50~5000ng/mLの濃度範囲でヒト血液に添加したときの血球移行率は、46.7~49.5%であった。
16.4 代謝
アメナメビルは主にCYP3Aによって代謝され、ジメチルベンゼン基のメチル基が水酸化された代謝物が生成する。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人(6例)に14C-アメナメビル200mgを単回経口投与したとき注)、投与後168時間までの放射能排泄率は、糞中74.6%、尿中20.6%であった(外国人データ)。
また、健康成人(各6例)にアメナメビルを1200mg、2400mgを単回経口投与したとき注)、未変化体の累積尿中排泄率は4.6%及び5.8%であり、その主な代謝物の累積尿中排泄率は4.8%及び6.5%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
クレアチニンクリアランス値の低下が軽度、中等度、高度の腎機能障害患者(各8例)に本剤400mgを単回経口投与したとき、健康成人(9例)と比較して、アメナメビルのAUCinfが軽度障害では20%、中等度障害では35%、高度障害では78%高値であり、経口クリアランスではそれぞれ18%、19%、43%低値であった。一方で、腎機能障害はアメナメビルのCmaxには影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
健康成人:Ccr>80mL/min、軽度:50≦Ccr≦80mL/min、中等度:30≦Ccr<50mL/min、高度:Ccr<30mL/min
16.6.2 血液透析患者
血液透析患者(クレアチニンクリアランス中央値5.9mL/min、最小値~最大値3.7~9.2mL/min、9例)に本剤400mgを単回投与し、投与24時間後から4時間の透析を実施したとき、アメナメビルのCmax及びAUC24h(平均値±標準偏差)はそれぞれ1.59±0.44μg/mL及び23.89±8.40μg・h/mLであった。ダイアライザによる除去率(平均値±標準偏差)は30.7±4.8%であったが、透析中の血漿中アメナメビルの消失半減期(中央値)の15.2時間は、透析前(14.7時間)及び後(12.4時間)と比較して短縮しなかった。[13.1参照]
16.6.3 肝機能障害患者
中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B、8例)に、本剤400mgを単回経口投与したとき、健康成人(8例)に比べて、アメナメビルのCmax及びAUCinfはそれぞれ91.0%、95.7%であった(外国人データ)。
16.6.4 高齢者
健康非高齢者(20歳以上45歳未満、6例)と健康高齢者(65歳以上80歳未満、6例)にアメナメビルとして300mg又は600mgを経口投与したとき注)のアメナメビルの薬物動態パラメータは、300mg群では年齢による影響を受けなかったが、600mg群では高齢者では非高齢者より血漿中濃度が1日目及び7日目でそれぞれ18%、10%高値であり、腎クリアランスがそれぞれ21%ずつ低値であった。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 臨床薬物相互作用試験
健康成人に本剤と各種薬剤を併用投与したときの薬物動態パラメータへの影響は次のとおりであった(外国人データ)。[2.2、10.1、10.2参照]
表 アメナメビルが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
併用薬剤名アメナメビル投与量例数併用薬薬物動態パラメータ比a)[90%信頼区間]
CmaxAUCinf
ミダゾラム7.5mg
単回経口投与
400mg1日1回
10日間経口投与
180.68[0.59,0.78]0.51[0.47,0.56]
モンテルカスト10mg
単回経口投与
400mg
単回経口投与
241.22[1.15,1.29]1.22[1.16,1.28]
ブプロピオン150mg
単回経口投与
400mg
1日1回10日間経口投与
240.84[0.78,0.91]0.84[0.79,0.90]
ワルファリン25mg
単回経口投与
400mg
1日1回17日間経口投与
15b)1.08[1.02,1.15]0.92[0.89,0.96]
a)最小二乗幾何平均の比、本剤及び併用薬剤投与時/併用薬剤投与時b)併用例数、併用なしは17例
表 併用薬がアメナメビルの薬物動態に及ぼす影響
併用薬剤名アメナメビル投与量例数アメナメビル薬物動態パラメータ比a)[90%信頼区間]
CmaxAUCinf
シクロスポリン100mg
1日2回8日間(8日目は1日1回)経口投与
400mg
単回経口投与
240.66[0.59,0.74]0.82[0.73,0.91]
リトナビル600mg
単回経口投与
400mg
単回経口投与
241.36[1.24,1.51]2.60[2.34,2.89]
リファンピシン600mg
1日1回9日間経口投与
400mg
単回経口投与
220.42[0.37,0.49]0.17[0.15,0.19]
ケトコナゾール400mg
1日1回11日間経口投与
400mg
単回経口投与
221.30[1.17,1.45]2.58[2.32,2.87]
a)最小二乗幾何平均の比、本剤及び併用薬剤投与時/本剤投与時
16.7.2 In vitro試験
アメナメビルはCYP2C8に対して直接阻害作用を示し、50%阻害濃度は、69μmol/Lであった。また、BCRP、MATE1、MATE2-K及びURAT1に対する阻害作用を示し、50%阻害濃度はそれぞれ94.6、39.1、47.0及び>100μmol/Lであった。
注)本剤の承認された用法・用量は帯状疱疹には「通常、成人にはアメナメビルとして1回400mgを1日1回食後に経口投与する。」であり、再発性の単純疱疹には「通常、成人にはアメナメビルとして1200mgを食後に単回経口投与する。」である。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リファンピシン(リファジン)
[2.2、16.7.1参照]
相互に血中濃度が低下し、本剤及びこの薬剤の作用が減弱するおそれがある。本剤及びこの薬剤のCYP3A誘導作用により相互に代謝が促進されると考えられる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3Aの基質となる薬剤
ミダゾラム、ブロチゾラム、ニフェジピン等
[16.7.1参照]
これらの薬剤の血中濃度が低下し、これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある。本剤のCYP3A誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進されると考えられる。
CYP3Aを阻害する薬剤
リトナビル、クラリスロマイシン等
[16.7.1参照]
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。これらの薬剤が本剤の代謝を阻害すると考えられる。
シクロスポリン
[16.7.1参照]
本剤の血中濃度が低下し、本剤の作用が減弱するおそれがある。機序は不明である。
CYP3Aを誘導する薬剤
リファブチン、カルバマゼピン、フェノバルビタール等
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
相互に血中濃度が低下し、本剤及びこれらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。本剤及びこれらの薬剤のCYP3A誘導作用により相互に代謝が促進されると考えられる。
CYP2B6の基質となる薬剤
エファビレンツ
この薬剤の血中濃度が低下し、この薬剤の作用を減弱するおそれがある。本剤のCYP2B6誘導作用によりCYP2B6の基質となる薬剤の代謝が促進されると考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 多形紅斑(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
過敏症薬疹(紅斑、湿疹、発疹等)蕁麻疹、そう痒
精神神経系頭痛、頭重、めまい、しびれ感味覚異常、傾眠
腎臓NAG増加、α1ミクログロブリン増加BUN増加、尿中蛋白陽性血中クレアチニン増加
血液FDP増加、好塩基球数増加、好酸球数増加、リンパ球数増加、赤血球数減少、白血球数減少、白血球数増加、血小板数増加、好中球減少症、単球数増加ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、貧血
肝臓ALP増加、肝機能異常、肝機能検査異常、肝酵素上昇、ALT増加、直接ビリルビン増加、血中ビリルビン増加γ-GTP増加、AST増加
消化器下痢、軟便、胃炎、悪心、腹部不快感、腹部膨満、腹痛、嘔吐、口の錯感覚、口内炎便秘、放屁、口渇、食欲減退
循環器QT延長、高血圧、血圧上昇、ST上昇、動悸心拍数増加
その他血中尿酸増加、尿糖陽性、歯周炎、歯膿瘍、血中コレステロール増加、アミラーゼ増加、血中クロール減少、血中カリウム増加、倦怠感、悪寒、発熱、四肢痛、息苦しさ、視力障害、色覚異常、羞明浮腫、鼻咽頭炎、総蛋白減少
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