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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 脊髄性筋萎縮症、臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症

用法・用量

  • <乳児型脊髄性筋萎縮症、臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症>

    • 通常、ヌシネルセンとして、1回につき下表の用量を投与する。初回投与後、2週、4週及び9週に投与し、以降4ヵ月の間隔で投与を行うこととし、いずれの場合も1~3分かけて髄腔内投与すること。
  • <乳児型以外の脊髄性筋萎縮症>

    • 通常、ヌシネルセンとして、1回につき下表の用量を投与する。初回投与後、4週及び12週に投与し、以降6ヵ月の間隔で投与を行うこととし、いずれの場合も1~3分かけて髄腔内投与すること。
      各投与時の日齢用量投与液量
      0~90日齢9.6mg4mL
      91~180日齢10.3mg4.3mL
      181~365日齢10.8mg4.5mL
      366~730日齢11.3mg4.7mL
      731日齢~12mg5mL

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 抗凝固剤又は抗血小板薬を投与している患者、出血又は出血傾向のある患者
出血又は出血の増悪があらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
ヌシネルセン及び代謝物の排泄が遅延するおそれがある。なお、臨床試験では除外されている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳中の女性には、本剤投与中は治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明だが、マウスで乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
早産児では脳脊髄液量が少ないため、脳脊髄液中濃度が上昇するおそれがある。[7.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与は、脊髄性筋萎縮症の診断及び治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで行うこと。
8.2 生後3~42日齢の乳児を対象とした臨床試験では、生後52~242日齢の乳児を対象とした臨床試験と比較して脳脊髄液中薬物濃度が約5倍高値を示した。新生児期又は乳児期早期の患者に本剤を投与する場合には、患者の状態を慎重に観察すること。[16.1.1、16.1.3参照]
8.3 海外で他のアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤の皮下又は静脈内投与後に重度の急性血小板減少症を含む凝固系異常及び血小板数減少が報告されている。本剤においても血小板数減少が認められているため、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血算(血小板数)及び凝固能検査を行うこと。
8.4 海外で他のアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤の皮下又は静脈内投与後に腎障害が報告されている。また、本剤においても蛋白尿の上昇が認められているため、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に腎機能検査を行うこと。
8.5 海外で他のアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤の皮下又は静脈内投与後に肝障害が認められているため、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意
14.1.1 使用前に無色透明で浮遊物等がないことを目視にて確認し、異常が認められる場合には使用しないこと。
14.1.2 冷所から本剤を取り出した後、6時間以内に使用すること。
14.1.3 本剤は投与前に室温に戻すこと。
14.1.4 本剤は希釈しないこと。また、他剤と混合しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 重度の脊柱変形を生じている患者では、確実に髄腔内に刺入できるよう、超音波画像等の利用を考慮すること。
14.2.2 本剤投与前には、本剤投与量と同程度の量の脳脊髄液を除去すること。
14.2.3 使用後の残液は使用しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 早産児では在胎週数を考慮して用量を調節すること。[9.7参照]
7.2 本剤の投与が予定から遅れた場合は、「6.用法・用量」の表に従った用量を、可能な限り速やかに投与し、以降、その投与を基点とし、以下の投与方法を参考にすること。
<乳児型脊髄性筋萎縮症、臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症>
1)初回投与後の2週目の投与が遅れた場合、基点から2週及び7週後に投与し、以降は、4ヵ月間隔で投与すること。
2)初回投与後の4週目の投与が遅れた場合、基点から5週後に投与し、以降は、4ヵ月間隔で投与すること。
3)初回投与後の9週目の投与が遅れた場合、基点から4ヵ月間隔で投与すること。
4)本剤の投与間隔が4ヵ月間隔となった後に投与が遅延し、基点からあらかじめ定められた次回投与日までの期間が2週間以上の場合は、あらかじめ定められた投与日に投与し、以降は、4ヵ月間隔で投与すること。基点からあらかじめ定められた次回投与日までの期間が2週間未満、又は基点があらかじめ定められた次回投与日を過ぎている場合は、基点から2週間以上あけてから投与し、以降は、4ヵ月間隔で投与すること。(ただし前回からの投与間隔が16ヵ月未満の場合)
<乳児型以外の脊髄性筋萎縮症>
1)初回投与後の4週目の投与が遅れた場合、基点から8週後に投与し、以降は、6ヵ月間隔で投与すること。
2)初回投与後の12週目の投与が遅れた場合、基点から6ヵ月間隔で投与すること。
3)本剤の投与間隔が6ヵ月間隔となった後に投与が遅延し、基点からあらかじめ定められた次回投与日までの期間が4週間以上の場合は、あらかじめ定められた投与日に投与し、以降は、6ヵ月間隔で投与すること。基点からあらかじめ定められた次回投与日までの期間が4週間未満、又は基点があらかじめ定められた次回投与日を過ぎている場合は、基点から4週間以上あけてから投与し、以降は、6ヵ月間隔で投与すること。(ただし前回からの投与間隔が36ヵ月未満の場合)
7.3 本剤と脊髄性筋萎縮症に対する他剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。

5.効能・効果に関連する注意

5.1 遺伝子検査により、SMN1遺伝子の欠失又は変異を有し、SMN2遺伝子のコピー数が1以上であることが確認された患者に投与すること。ただし、SMN2遺伝子のコピー数が4以上の患者については、遺伝子検査によりSMN1遺伝子の欠失又は変異を有していたとしても、臨床所見が発現する前からは投与せず、臨床所見の発現後に、本剤投与のリスクとベネフィットを考慮した上で投与の必要性を判断すること。
5.2 SMN2遺伝子のコピー数が1の患者及び4以上の患者における有効性及び安全性は確立していない。これらの患者に投与する場合には、本剤投与のリスクとベネフィットを考慮した上で投与を開始し、患者の状態を慎重に観察すること。
5.3 永続的な人工呼吸が導入された患者における有効性及び安全性は確立していない。これらの患者に投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、定期的に有効性を評価し投与継続の可否を判断すること。効果が認められない場合には投与を中止すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 脊髄性筋萎縮症(7ヵ月齢未満の日本人及び外国人乳児)における血漿中及び脳脊髄液中濃度
脊髄性筋萎縮症と診断された7ヵ月齢未満の日本人及び外国人乳児121例に、用法・用量に従い1回12mg相当量の本剤を初回投与後、15、29及び64日目に投与し、以降4ヵ月に1回維持投与したとき、血漿中及び脳脊髄液中本薬トラフ濃度の推移並びに血漿中本薬の薬物動態パラメータは表16-1及び表16-2のとおりであった。[8.2参照]
表16-1 各投与日の血漿中及び脳脊髄液中本薬濃度
評価時期血漿中濃度CSF中濃度
評価例数トラフ濃度(ng/mL)評価例数トラフ濃度(ng/mL)
15日目注1)注1)683.96±2.33
29日目672.34±0.96695.58±3.49
64日目552.33±0.94566.68±4.42
183日目341.62±3.14366.72±2.72
302日目200.84±0.331911.2±6.92
平均値±標準偏差注1)測定せず
表16-2 本剤初回投与時の血漿中薬物動態パラメータ
評価例数Cmax(ng/mL)Tmax(h)注2)AUC0-4h(ng・h/mL)AUC0-24h注3)(ng・h/mL)
76注4)1103±8542.002811±186410075±4833
平均値±標準偏差注2)中央値注3)投与前、投与後1、2、4及び24時間時点の血漿中濃度から算出した。注4)AUC0-4hは75例、AUC0-24hは72例
16.1.2 脊髄性筋萎縮症(2~9歳の日本人及び外国人小児)における血漿中及び脳脊髄液中濃度
脊髄性筋萎縮症と診断された2~9歳の日本人及び外国人小児84例に、1回12mgの本剤を初回投与後、29、85及び274日目に投与したとき血漿中及び脳脊髄液中本薬トラフ濃度の推移並びに血漿中本薬の薬物動態パラメータは表16-3及び表16-4のとおりであった。
表16-3 各投与日の血漿中及び脳脊髄液中本薬濃度
評価時期血漿中濃度CSF中濃度
評価例数トラフ濃度(ng/mL)評価例数トラフ濃度(ng/mL)
29日目840.701±0.335813.11±1.32
85日目830.926±0.541814.62±2.09
274日目720.343±0.148744.66±2.03
平均値±標準偏差
表16-4 本剤初回投与時の血漿中薬物動態パラメータ
評価例数Cmax(ng/mL)Tmax(h)注1)AUC0-8h(ng・h/mL)AUC0-24h注2)(ng・h/mL)
84注3)350±1813.901783±8403523±1288
平均値±標準偏差注1)中央値注2)投与前、投与後2、4、8及び24時間時点の血漿中濃度から算出した。注3)AUC0-24hは45例
16.1.3 臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症(43日齢未満の外国人乳児)における血漿中及び脳脊髄液中濃度
遺伝子検査によりSMN1遺伝子の欠失又は変異を有し、臨床所見は発現していない3~42日齢の外国人脊髄性筋萎縮症患者25例に、用法・用量に従い1回12mg相当量の本剤を初回投与後、15、29及び64日目に投与し、以降4ヵ月に1回維持投与したときの初回投与4時間時点での血漿中本薬濃度(平均値±標準偏差)は524.8±387.8ng/mLであった。血漿中及び脳脊髄液中本薬トラフ濃度の推移は表16-5のとおりであり、投与開始421~1611日目までの血漿中及び脳脊髄液中本薬トラフ濃度(平均値の範囲)は、それぞれ0.6~0.8ng/mL及び10.70~13.62ng/mLであった。[8.2参照]
表16-5 各投与日の血漿中及び脳脊髄液中本薬濃度
評価時期血漿中濃度CSF中濃度
評価例数トラフ濃度(ng/mL)評価例数トラフ濃度(ng/mL)
15日目注)注)2414.52±11.28
29日目注)注)2429.40±20.11
64日目251.7±0.742120.23±11.21
183日目230.8±0.212314.62±8.86
302日目230.9±0.402511.94±6.47
平均値±標準偏差注)測定せず
16.3 分布
ヒト血漿蛋白結合率は94-96%であった。
16.4 代謝
ヌシネルセンは、エキソヌクレアーゼによる加水分解を介して緩徐に代謝される。
16.5 排泄
主な排泄経路は尿中であり、ヌシネルセン又は代謝物として排泄される。脳脊髄液中の半減期は135~177日であった(外国人のデータ)。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 水頭症(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
感染症および寄生虫症蜂巣炎
免疫系障害過敏症(血管浮腫、蕁麻疹、発疹等)
代謝および栄養障害食欲亢進
精神障害不眠症
神経系障害頭痛眼振
心臓障害頻脈
血管障害血管炎
呼吸器、胸郭および縦隔障害カタル、発声障害
胃腸障害嘔吐便失禁、悪心
皮膚および皮下組織障害寝汗、皮膚疼痛
筋骨格系および結合組織障害背部痛筋力低下
先天性、家族性および遺伝性障害貧血母斑
一般・全身障害および投与部位の状態発熱
臨床検査体温低下、体温上昇
傷害、中毒および処置合併症腰椎穿刺後症候群(頭痛、吐き気、嘔吐)処置後腫脹
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