製品名 レキサルティ錠1mg
レキサルティ錠2mg
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- 一般名
- Brexpiprazole
- 薬効分類
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抗精神病薬>非定型抗精神病薬(SDA)
- 価格
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1mg1錠:269.3円/錠
2mg1錠:511.6円/錠
- 製薬会社
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- 製造販売元:大塚製薬株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 統合失調症
用法・用量
- 通常、成人にはブレクスピプラゾールとして1日1回1mgから投与を開始した後、4日以上の間隔をあけて増量し、1日1回2mgを経口投与する。
- 禁忌
-
【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]
- バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。]
- アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)(「3.相互作用」の項参照)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 副作用
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- 悪性症候群(頻度不明*)
- 悪性症候群があらわれることがあるので、発熱、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、白血球数増加、血清CK(CPK)上昇等の異常が認められた場合には、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられ、急性腎障害に至ることがあるので注意すること。
- 遅発性ジスキネジア(頻度不明*)
- 長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、投与中止後も症状が持続することがある。
- 麻痺性イレウス(頻度不明*)
- 腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。
- 横紋筋融解症(頻度不明*)
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
- 高血糖(0.1%)、糖尿病性ケトアシドーシス(頻度不明*)、糖尿病性昏睡(頻度不明*)
- 高血糖や糖尿病の悪化があらわれた場合、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、血糖値の測定や、口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと。(「1.慎重投与(3)」の項及び「2.重要な基本的注意(3)、(4)」の項参照)
- 痙攣(0.1%)
- 痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 無顆粒球症(頻度不明*)、白血球減少(0.1%)
- 無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 肺塞栓症(0.1%)、深部静脈血栓症(0.1%)
- 肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意(9)」の項参照)
- *:外国の主要なプラセボ対照二重盲検試験以外に外国のみで認められた副作用は頻度不明とした。
- 注意
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次の患者には慎重に投与すること
- 心・血管疾患、脳血管障害、低血圧又はこれらの既往歴のある患者[本剤の投与により血圧降下があらわれることがある。]
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]
- 糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者[血糖値が上昇することがある。](「2.重要な基本的注意(3)、(4)」の項及び「4.副作用(1)重大な副作用5)高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)
- 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]
- 肝機能障害のある患者[本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。](〔薬物動態〕の項参照)
- 腎機能障害のある患者[本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。](〔薬物動態〕の項参照)
- 高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
- 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
- 興奮、敵意、誇大性等の精神症状を悪化させる可能性があるので、観察を十分に行い、悪化がみられた場合には他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
- 本剤の投与により、高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状に注意するとともに、特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者では、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(「1.慎重投与(3)」の項及び「4.副作用(1)重大な副作用5)高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)
- 本剤の投与に際し、あらかじめ上記3.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。(「1.慎重投与(3)」の項及び「4.副作用(1)重大な副作用5)高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)
- 原疾患による可能性もあるが、本剤投与後に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害があらわれたとの報告がある。衝動制御障害の症状について、あらかじめ患者及び家族等に十分に説明を行い、症状があらわれた場合には、医師に相談するよう指導すること。また、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察し、症状があらわれた場合には必要に応じて減量又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 本剤の投与により体重増加及び脂質異常症などの代謝の変化が発現することがあるので、本剤投与中は体重の推移を注意深く観察し、体重の変動が認められた場合には原因精査(合併症の影響の有無等)を実施し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
- 嚥下障害が発現するおそれがあるので、特に誤嚥性肺炎のリスクのある患者に本剤を投与する場合には、慎重に経過を観察すること。
- 投与初期、再投与時、増量時にα交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧があらわれることがあるので、患者の状態を慎重に観察し、低血圧症状があらわれた場合は減量する等、適切な処置を行うこと。
- 肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が発現するおそれがあるので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。(「4.副作用(1)重大な副作用8)肺塞栓症、深部静脈血栓症」の項参照)
- 薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
- 本剤の1日量4mgを超える用量での安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
- 本剤とCYP2D6阻害剤(キニジン、パロキセチン等)及び/又は強いCYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)を併用する場合及びCYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者(Poor Metabolizer)では、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるため、以下の表を参考に用法・用量の調節を行うこと。(「3.相互作用」の項及び〔薬物動態〕の項参照)
CYP2D6阻害剤又は強いCYP3A4阻害剤のいずれかを併用 1回1mgを1日1回 CYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者 CYP2D6阻害剤及び強いCYP3A4阻害剤のいずれも併用 1回1mgを2日に1回 CYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者が強いCYP3A4阻害剤を併用
- 高度腎機能障害(クレアチニンクリアランスが30mL/min未満)、又は中等度から重度の肝機能障害(Child-Pugh分類B又はC)のある患者では、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあることから、減量又は投与間隔の延長等を考慮し、投与に際しては患者の状態を慎重に観察すること。(〔薬物動態〕の項参照)
- 高齢者は一般的に生理機能が低下していることから、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与された場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。]
- 授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。]
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
- 血漿中濃度
- 単回投与
- 健康成人に本剤1mg、2mg及び4mgを空腹時単回経口投与した場合、消失半減期は53~67時間であった(図1、表1)。
- 図1 健康成人におけるブレクスピプラゾール単回投与時の血漿中濃度推移
- 表1 本剤単回投与時の薬物動態パラメータ
投与量 例数 tmax(h) Cmax(ng/mL) AUC∞(ng・h/mL) t1/2(h) 1mg 8 6.00(2.0~6.0) 9.09±1.15 514.1±149.4 56.53±16.86 2mg 8 6.00(4.0~8.0) 17.97±2.50 850.9±164.8 52.88±16.19 4mg 5 6.00(3.0~8.0) 37.29±9.77 2860±725.2 66.58±17.81 (平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値~最大値))
- 注)本剤の承認された用量は、1日1回1mgから開始後、1日1回2mgである(〔用法・用量〕の項参照)。
- 健康成人に本剤1mg、2mg及び4mgを空腹時単回経口投与した場合、消失半減期は53~67時間であった(図1、表1)。
- 反復投与
- 統合失調症患者に本剤1mg及び4mgを食後1日1回14日間反復投与した場合、未変化体の血漿中濃度は投与10日で定常状態に到達し、反復投与後の消失半減期はそれぞれ92時間及び71時間であった(表2)。
- 表2 本剤反復投与時の薬物動態パラメータ
例数 tmax(h) Cmax(ng/mL) AUC24h(ng・h/mL) t1/2(h) 1mg 反復投与1日目 7 4.10(1.3~8.0) 10.24±4.95 159.5±67.11 - 反復投与14日目 6 5.00(2.0~7.9) 29.30±15.08 537.0±263.5 91.85±47.63 4mg 反復投与1日目 8 6.00(4.0~8.3) 37.03±13.50 601.4±197.2 - 反復投与14日目 7 4.00(1.8~4.3) 164.63±101.96 3238±2184 70.63±26.90 (平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値~最大値)、-:算出せず)
- 注)本剤の承認された用量は、1日1回1mgから開始後、1日1回2mgである(〔用法・用量〕の項参照)。
- 統合失調症患者に本剤1mg及び4mgを食後1日1回14日間反復投与した場合、未変化体の血漿中濃度は投与10日で定常状態に到達し、反復投与後の消失半減期はそれぞれ92時間及び71時間であった(表2)。
- 食事の影響
- 本剤のCmax及びAUCに及ぼす食事の影響は認められなかった。
- 絶対的生物学的利用率(外国人による成績)
- 健康成人における経口投与時の絶対的生物学的利用率は102%であった。
- 蛋白結合
- 主としてアルブミン及びα1酸性糖蛋白質に結合し、ヒト血清蛋白結合率は、99.8%以上であった(in vitro、平衡透析法)。
- 代謝
- 主にCYP3A4とCYP2D6が関与し、主要代謝物であるスルホキシド体(DM-3411)が産生された。投与14日目では未変化体に対するDM-3411のAUCの割合は23~41%であった(外国人による成績)。
- 統合失調症患者に本剤1mg及び4mgを食後1日1回14日間反復投与した時のCYP2D6遺伝子型別(EM:Extensive Metabolizer、IM:Intermediate Metabolizer)の薬物動態パラメータを表3に示す。
- 表3 CYP2D6遺伝子型別の薬物動態パラメータ
投与量 CYP2D6遺伝子型 例数 tmax(h) Cmax(ng/mL) AUC24h(ng・h/mL) t1/2(h) 1mg EM 5 4.10(2.0~7.9) 31.96±15.21 584.9±261.0 74.44±23.69 IM 1 7.70 16.01 294.2 179.2 4mg EM 4 3.00(1.8~4.3) 87.10±23.53 1563±530.1 61.26±31.29 IM 3 4.00(3.9~4.1) 268.0±48.02 5470±900.5 83.33±17.42 (平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値~最大値))
- 注)本剤の承認された用量は、1日1回1mgから開始後、1日1回2mgである(〔用法・用量〕の項参照)。
- 健康成人に本剤2mgを空腹時単回投与した時のCYP2D6遺伝子型別(EM:Extensive Metabolizer、PM:Poor Metabolizer)の薬物動態パラメータを表4に示す。
- 表4 CYP2D6遺伝子型別の薬物動態パラメータ
投与量 CYP2D6遺伝子型 例数 tmax(h) Cmax(ng/mL) AUC∞(ng・h/mL) t1/2(h) 2mg EM 34 5.51(1.0~8.0) 24.4±7.95 1629±858 62.0±20.2 PM 6 5.52(1.0~8.0) 29.2±6.63 3439±1477 79.9±11.7 (平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値~最大値))
- 排泄(外国人による成績)
- 健康成人に14C標識ブレクスピプラゾール2mgを経口投与したとき、投与放射能の46.0%及び24.6%がそれぞれ糞便中及び尿中に排泄された。未変化体は糞便中及び尿中にそれぞれ14%及び0.14%排泄された。
- 相互作用(外国人による成績)
- ケトコナゾール
- 健康成人において、CYP3A4の阻害作用を有するケトコナゾール400mgとブレクスピプラゾール2mgの併用により、ブレクスピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ19%及び97%増加した。
- キニジン
- 健康成人において、CYP2D6の阻害作用を有するキニジン324mgとブレクスピプラゾール2mgの併用により、ブレクスピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ11%及び94%増加した。
- リファンピシン
- 健康成人において、CYP3A4の誘導作用を有するリファンピシン600mgとブレクスピプラゾール4mgの併用投与により、ブレクスピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ31%及び73%低下した。
- 活性炭
- 健康成人において、ブレクスピプラゾール2mg投与1時間後の活性炭(経口活性炭/ソルビトール50g/240mL)投与で、ブレクスピプラゾールのCmaxは約5~23%、AUCは約31~46%低下した。
- その他(外国人による成績)
- 腎障害
- 高度腎機能障害被験者10例(クレアチニンクリアランス<30mL/min)に本剤3mgを空腹時単回経口投与した時のAUCは、腎機能正常被験者(クレアチニンクリアランス80mL/min超)と比べて1.7倍であった。高度腎機能障害被験者においても未変化体の血漿蛋白結合率は99%以上、未変化体の腎排泄は1%未満であった。
- 肝障害
- 肝機能障害被験者22例(Child-Pugh A~C)に本剤2mgを空腹時単回経口投与した時、軽度あるいは中等度肝障害被験者は、肝機能正常被験者と比べてCmaxで差はなく、AUCでそれぞれ1.3倍及び1.7倍であった。高度肝障害被験者は、Cmaxで0.5倍、AUCで差はなかった。肝機能障害被験者(Child-Pugh A~C)においても未変化体の血漿蛋白結合率は99%以上であった。
- 高齢者(65歳以上)、性別
- ブレクスピプラゾールの薬物動態には年齢及び性別による影響は認められなかった。