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炭酸ランタン顆粒分包250mg「サワイ」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 慢性腎臓病患者における高リン血症の改善

用法・用量

  • 通常、成人にはランタンとして1日750mgを開始用量とし、1日3回に分割して食直後に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日2,250mgとする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 活動性消化性潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸管狭窄のある患者
本剤の主な副作用は消化器症状のため、これらの疾患に影響を及ぼすおそれがある。
9.1.2 腸管憩室のある患者
腸管穿孔を起こした例が報告されている。
9.1.3 腹膜炎又は腹部外科手術の既往歴のある患者
イレウスを起こした例が報告されている。
9.1.4 消化管潰瘍又はその既往歴のある患者
症状が悪化又は再発した例が報告されている。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
重度の肝機能障害を有する患者は臨床試験では除外されている。胆汁排泄が著しく低下しているおそれのある重度の肝機能障害患者では、注意深く観察すること。本剤は主に胆汁中に排泄される。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。妊娠ラットに高用量のランタンを妊娠6日から分娩後20日まで投与した試験において、児の体重低値及び一部の指標で発達の遅れが認められたとの報告がある。また、妊娠ウサギに高用量のランタンを投与した試験において、母動物の摂餌量及び体重の減少、着床前後の死亡率の増加、並びに胎児の体重低値がみられたとの報告がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいてランタンの乳汁への移行が報告されている。
9.7 小児等
投与しないことが望ましい。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

本剤の投与にあたっては、定期的に血清リン、カルシウム及びPTH濃度を測定しながら慎重に投与すること。血清リン及びカルシウム濃度の管理目標値は学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。低カルシウム血症及び二次性副甲状腺機能亢進症の発現あるいは発現のおそれがある場合には、ビタミンD製剤やカルシウム製剤の投与あるいは他の適切な治療法に切り替えることを考慮すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与中の注意
本剤服用患者の腹部X線撮影時には、ランタンが存在する胃腸管にバリウム様の陰影を認めることがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤投与開始時又は用量変更時には、1週間後を目安に血清リン濃度の確認を行うことが望ましい。
7.2 増量を行う場合は増量幅をランタンとして1日あたりの用量で750mgまでとし、1週間以上の間隔をあけて行うこと。
7.3 2週間で効果が認められない場合には、他の適切な治療法に切り替えること。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤は血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので、食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人男子8例に炭酸ランタンチュアブル錠250及び1000mgを単回投与した際のランタンの薬物動態パラメータを表に示した。
投与量Cmax(ng/mL)tmax(h)t1/2(h)AUC(ng・h/mL)
250mg0.1564.007.81.56
1000mg0.1925.2519.23.69
幾何平均値 ※:中央値
16.1.2 反復投与
日本人健康成人男子9例に炭酸ランタンチュアブル錠1000mgを1日3回10日間反復投与したときの定常状態における血漿中ランタン濃度は、投与後6時間目に最高値に達し、Cmax及びAUC(0-8)はそれぞれ0.558ng/mL及び3.67ng・h/mLであった。
16.1.3 炭酸ランタン顆粒分包500mg「サワイ」とホスレノール顆粒分包500mgを健康成人男子(20例)に連続経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ランタン濃度を測定した。(投与については、1回あたり1包(ランタンとして500mg)を1日3回3日間及び投与4日目の朝、リン負荷食摂取直後に行った。)その結果、両剤の薬物動態に大きな差はないことが確認された。
なお、本試験は「18.4 生物学的同等性試験」と同試験内で行った。
16.2 吸収
炭酸ランタンチュアブル錠1000mg単回経口投与時の絶対的バイオアベイラビリティーは0.002%未満であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血液透析患者1359例(炭酸ランタンチュアブル錠682例、標準療法群677例)を対象として炭酸ランタンチュアブル錠を1日3000mg注)まで最長2年間投与した海外長期投与試験においても、測定が可能であった28例における骨中ランタン濃度は投与開始前80.9±59.8ng/g、投与開始2年後1855.3±1338.3ng/gであり、同患者の血漿中ランタン濃度(投与開始前:0.0±0.07ng/mL、投与開始2年後:0.5±0.65ng/mL)よりも高かった。
16.3.2 In vitro試験において、ランタンのヒト血漿タンパク結合率は高かった(99.7%)。
16.4 代謝
ランタンは体内で代謝を受けない。In vitro代謝試験において、ランタンは1A2、2C9/10、2C19、2D6及び3A4/5の各CYP分子種に対して阻害作用を示さなかった。
16.5 排泄
16.5.1 単回投与
日本人健康成人男子8例に炭酸ランタンチュアブル錠250及び1000mgを単回投与した際の尿中ランタン濃度はほとんどの被験者で定量下限未満であった。また、120時間目までの糞中回収率はそれぞれ59.5%、66.9%であった。
投与量糞中回収率(%)
250mg59.5
1000mg66.9
※:算術平均値
16.5.2 反復投与
日本人健康成人男子9例に炭酸ランタンチュアブル錠1000mgを1日3回注)10日間反復投与した際の最終投与後48時間までにすべての被験者から平均で投与量の0.0000164%が尿中に排泄され、投与したランタンの59.8%が糞中から回収された。
注)本剤の承認された最高用量は1日2,250mgである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン、ドキシサイクリン等
ニューキノロン系抗菌剤
レボフロキサシン水和物、シプロフロキサシン塩酸塩水和物等
左記薬剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがあるので、本剤服用後2時間以上あけて投与すること。ランタンと難溶性の複合体を形成し、左記薬剤の腸管からの吸収を妨げることが考えられる。
甲状腺ホルモン剤
レボチロキシンナトリウム水和物等
左記薬剤の吸収が低下するおそれがあるので、併用する場合には本剤との投与間隔をできる限りあけるなど慎重に投与すること。ランタンと難溶性の複合体を形成し、左記薬剤の腸管からの吸収を妨げることが考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 腸管穿孔、イレウス(いずれも頻度不明)
これらの病態を疑わせる持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、投与を中止し、腹部の診察やCT、腹部X線、超音波等を実施すること。
11.1.2 消化管出血、消化管潰瘍(いずれも頻度不明)
吐血、下血及び胃、十二指腸、結腸等の潰瘍があらわれることがある。異常が認められた場合には、腹部の診察や内視鏡、腹部X線、CT等を実施すること。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
消化器嘔吐、悪心、便秘胃不快感、腹痛、下痢、逆流性食道炎、腹部膨満感、食欲不振、消化不良腹部不快感、放屁増加、胃潰瘍、胃炎
過敏症発疹、そう痒
肝臓AST上昇、ALT上昇
血液貧血好酸球増多
内分泌副甲状腺機能亢進症
その他Al-P上昇胸痛、背部痛、倦怠感、めまい、高カルシウム血症、低リン血症低カルシウム血症
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