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オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防

用法・用量

  • <治療>

    • 通常、成人及び体重37.5kg以上の小児にはオセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間経口投与する。
  • <予防>

    • 成人

      • 通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7~10日間経口投与する。
    • 体重37.5kg以上の小児

      • 通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、10日間経口投与する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。[5.1-5.4参照]
  • 1.2 インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 高度の腎機能障害患者
腎機能の低下に応じて用法及び用量を調節すること。血漿中濃度が増加する。[7.4、8.2、16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている。[16.3.1参照]
9.6 授乳婦
治療の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)、腎機能障害を有する小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[15.2.1、15.2.2参照]
9.8 高齢者
状態を観察しながら投与すること。一般に高齢者では、生理機能(腎機能、肝機能等)の低下や、種々の基礎疾患を有することが多い。国外で実施されたカプセル剤による臨床試験成績では、副作用の頻度及び種類は非高齢者との間に差は認められていない。[16.6.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、(1)異常行動の発現のおそれがあること、(2)自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている。[11.1.7参照]
8.2 本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能が低下している場合には血漿中濃度が高くなるおそれがあるので、本剤の投与に際しては、クレアチニンクリアランス値に応じた用法及び用量に関連する注意に基づいて、状態を観察しながら慎重に投与すること。[7.4、9.2.1、16.6.2参照]
8.3 出血があらわれることがあるので、患者及びその家族に対して、血便、吐血、不正子宮出血等の出血症状があらわれた場合には医師に連絡するよう説明すること。[11.1.8、11.2参照]
8.4 細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがあるので、細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと。[5.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<治療>
7.1 インフルエンザ様症状の発現から2日以内に投与を開始すること。症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。
<予防>
7.2 インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始すること。接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない。
7.3 インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続する。
<効能共通>
7.4 成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること(外国人における成績による)。[8.2、9.2.1、16.6.2参照]
クレアチニンクリアランス
(mL/分)
投与法
治療予防
Ccr>301回75mg 1日2回1回75mg 1日1回
10<Ccr≦301回75mg 1日1回1回75mg 隔日
Ccr≦10推奨用量は確立していない
Ccr:クレアチニンクリアランス

5.効能又は効果に関連する注意

<治療>
5.1 A型又はB型インフルエンザウイルス感染症と診断された患者のみが対象となるが、抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。特に、幼児及び高齢者に比べて、その他の年代ではインフルエンザによる死亡率が低いことを考慮すること。[1.1参照]
<予防>
5.2 原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。[1.1、7.4参照]
・高齢者(65歳以上)
・慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
・代謝性疾患患者(糖尿病等)
・腎機能障害患者
<効能共通>
5.3 本剤はA型又はB型インフルエンザウイルス感染症以外の感染症には効果がない。[1.1参照]
5.4 本剤は細菌感染症には効果がない。[1.1、8.4参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子28例にオセルタミビルとして37.5、75、150及び300mgを単回経口投与注)(絶食時)したときのオセルタミビル活性体の血漿中薬物動態パラメータは以下のとおりであり、AUCinf及びCmaxは用量比例的に増加することが示された。
活性体の薬物動態パラメータ
投与量
(mg)
AUCinf
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
37.51,652±203150±354.3±0.87.0±2.4
753,152±702360±854.1±1.26.4±3.7
1507,235±515662±1654.3±1.16.6±1.5
30012,918±1,5641,377±1534.3±1.05.1±0.4
mean±SD
注)治療投与:成人及び体重37.5kg以上の小児に対して承認された用法及び用量は、1回75mgを1日2回、5日間投与である。
予防投与:成人に対して承認された用法及び用量は、1回75mgを1日1回、7~10日間投与である。体重37.5kg以上の小児に対して承認された用法及び用量は、1回75mgを1日1回、10日間投与である。
16.1.2 反復投与
日本人及び白人各14例の健康成人男子を対象とし、オセルタミビルとして75mg1日2回及び150mg1日2回を7日間反復投与注)(食後投与)したときの活性体の薬物動態パラメータ及び血漿中濃度トラフ値は以下のとおりであった。日本人及び白人のいずれの用量においても投与開始7日目のAUC0-12h及びCmaxは同様であり、人種間における差は認められなかった。また、トラフ濃度の推移から活性体は投与開始後3日以内に定常状態に到達し、蓄積性は認められなかった(日本人及び外国人データ)。
投与開始7日目における活性体の薬物動態パラメータ
投与量
(mg)
AUC0-12h
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
75(日本人)2,276±527297±90.94.3±1.48.8±3.6
75(白人)2,270±387244±29.24.6±0.99.7±1.2
150(日本人)4,891±963599±96.64.4±0.97.9±1.8
150(白人)4,904±477598±70.04.5±0.89.0±3.7
mean±SD
活性体の血漿中濃度トラフ値
投与日血漿中活性体濃度(ng/mL)
75mg 日本人75mg 白人150mg 日本人150mg 白人
3162±44.5158±39.4301±116289±87.8
5163±50.9153±49.5325±107360±73.8
6168±58.6185±30.1344±85.5324±82.5
7163±27.2144±35.7326±84.7287±56.7
mean±SD
16.1.3 生物学的同等性試験
オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」とタミフルカプセル75を健康成人男子にそれぞれ1カプセル(オセルタミビルとして75mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中オセルタミビル濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
各製剤1カプセル投与時の薬物動態パラメータ
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-24hr
(ng・hr/mL)
オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」67.1±26.30.8±0.51.3±0.3113.3±23.4
タミフルカプセル7569.4±32.40.8±0.51.5±0.4116.6±25.2
(Mean±S.D.)
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.3.1 組織分布
雌雄ラットに[14C]-オセルタミビル20mg/kgを単回経口投与した際、放射能は各組織に速やかに分布し、雌雄で類似していた。消化管を除くと肝臓、腎臓で高濃度を示し、標的組織の1つと考えられている肺では血漿の約2倍であったが、中枢神経系への移行は少なかった。雌において胎児への移行が認められ、移行放射能は母体側血漿の約1/2であった。放射能は投与48時間後までに各組織からほぼ完全に消失した。[9.5参照]
16.3.2 蛋白結合率
オセルタミビル及びその活性体のヒト、ラット、ウサギ及びイヌ血漿蛋白との結合率は、オセルタミビルでは全ての種類において50%以下の結合であったが、活性体ではいずれの種類においても平均で3%以下の弱いものであった(in vitro試験)。
16.4 代謝
オセルタミビルはヒトにおいて経口投与後速やかに主として肝臓で活性体に加水分解される。また、ヒト肝ミクロソームを用いた代謝試験において、P450による代謝は認められなかった(in vitro試験)。
16.5 排泄
16.5.1 尿中排泄
健康成人男子に対しオセルタミビルとして37.5~300mgを単回経口投与注)したとき、未変化体及び活性体あわせて投与48時間後までに70~80%が尿中に排泄された。
16.5.2 乳汁中移行
授乳ラットに[14C]-オセルタミビル10mg/kgを単回経口投与した際、放射能は乳汁中に移行し、投与1時間後で最高濃度に達した。その後、血漿中とほぼ同様な推移で消失したが、乳汁中/血漿中濃度比は常に乳汁中において高かった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者(80歳以上)における薬物動態
年齢80歳以上の高齢者5例にオセルタミビルとして75mgを単回経口投与したときのオセルタミビル活性体の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。[9.8参照]
高齢者(80歳以上)の活性体の薬物動態パラメータ
投与量
(mg)
AUCinf
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
756,063±604439±295.0±0.07.0±0.6
mean±SD
16.6.2 腎機能障害者における薬物動態
クレアチニンクリアランス(Ccr)値により規定された腎機能障害者を含む20例を対象とし、オセルタミビルとして100mg1日2回を6日間反復投与注)したときの活性体薬物動態は、以下の表のとおり腎機能に依存した。高度な腎機能障害者においては投与量の調整が必要であると考えられた(外国人データ)。[7.4、8.2、9.2.1参照]
投与開始6日目における活性体の薬物動態パラメータ
Ccr値
(mL/分)
AUC0-12h
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
CLr0-12h
(L/hr)
Ccr≦3043,086±18,0684,052±1,5191.54±0.55
30<Ccr≦6015,010±4,1581,514±3924.19±0.67
60<Ccr≦909,931±1,6361,058±1837.25±1.15
Ccr>904,187±630494±8017.50±2.78
mean±SD
16.7 薬物相互作用
P450を介した薬物相互作用の検討において、オセルタミビルはヒト肝ミクロソームにおける各種P450基質の代謝に対してほとんど影響を与えなかった(in vitro試験)。
また、オセルタミビルは尿酸排泄促進薬のプロベネシドとの併用により腎クリアランスの低下、AUCinf及びCmaxの約2倍の増加が認められた。このことはアニオン型輸送過程を経て腎尿細管分泌されるオセルタミビルは同経路で排泄される薬剤との併用により競合的相互作用を生ずる可能性を示唆している。しかし、この競合による薬物動態の変化の割合は、投与量の調整が必要であるほど臨床的に重要ではない(外国人データ)。なお、インフルエンザウイルス感染症に伴う症状緩和のために併用される可能性がある薬物(抗ヒスタミン薬、マクロライド系抗生物質、NSAIDs等)及び心電図に影響を与える可能性のある薬剤(抗不整脈薬等)の多くの薬物との相互作用は検討されていない。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリン併用後にプロトロンビン時間が延長した報告がある。併用する場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。機序は不明である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
蕁麻疹、顔面・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 肺炎(頻度不明)
異常が認められた場合にはX線等の検査により原因(薬剤性、感染性等)を鑑別し、適切な処置を行うこと。
11.1.3 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
重篤な肝炎、AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.4 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)
11.1.5 急性腎障害(頻度不明)
11.1.6 白血球減少、血小板減少(頻度不明)
11.1.7 精神・神経症状、異常行動(頻度不明)
精神・神経症状(意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)があらわれることがある。因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.8 出血性大腸炎、虚血性大腸炎(頻度不明)
血便、血性下痢等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1%以上注1)0.1%未満注1)頻度不明
皮膚発疹蕁麻疹皮下出血注2)、紅斑(多形紅斑を含む)、そう痒症
消化器下痢(0.9%)、腹痛(0.6%)、悪心(0.5%)、嘔吐口内炎(潰瘍性を含む)、食欲不振、腹部膨満、口腔内不快感、便異常口唇炎、血便注2)、メレナ注2)、吐血注2)、消化性潰瘍
精神神経系めまい、頭痛、不眠症傾眠、嗜眠、感覚鈍麻激越、振戦、悪夢
循環器動悸上室性頻脈、心室性期外収縮、心電図異常(ST上昇)
肝臓ALT増加γ-GTP増加、Al-P増加、AST増加
腎臓蛋白尿血尿注2)
血液好酸球数増加
呼吸器気管支炎、咳嗽、鼻出血注2)
眼痛視覚障害(視野欠損、視力低下)、霧視、複視、結膜炎
その他低体温血中ブドウ糖増加、背部痛、胸痛、浮腫疲労、不正子宮出血注2)、耳の障害(灼熱感、耳痛等)、発熱

注1)発現頻度は承認時までの臨床試験及び製造販売後調査の結果をあわせて算出した。
注2)[8.3参照]

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