製品名 プレセデックス静注液200μg/50mLシリンジ「ファイザー」

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一般名
Dexmedetomidine Hydrochloride
薬効分類
鎮静薬(麻酔薬含む)
 >催眠薬
価格
200μg50mL1筒:3645円/筒

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • ○集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静
  • ○局所麻酔下における非挿管での手術及び処置時の鎮静

用法・用量

  • <集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静>

    • 通常、成人には、デクスメデトミジンを6μg/kg/時の投与速度で10分間静脈内へ持続注入し(初期負荷投与)、続いて患者の状態に合わせて、至適鎮静レベルが得られる様、維持量として0.2~0.7μg/kg/時の範囲で持続注入する(維持投与)。また、維持投与から開始することもできる。
    • 通常、6歳以上の小児には、デクスメデトミジンを0.2μg/kg/時の投与速度で静脈内へ持続注入し、患者の状態に合わせて、至適鎮静レベルが得られる様、0.2~1.0μg/kg/時の範囲で持続注入する。
    • 通常、修正在胎(在胎週数+出生後週数)45週以上6歳未満の小児には、デクスメデトミジンを0.2μg/kg/時の投与速度で静脈内へ持続注入し、患者の状態に合わせて、至適鎮静レベルが得られる様、0.2~1.4μg/kg/時の範囲で持続注入する。
    • なお、患者の状態に合わせて、投与速度を適宜減速すること。
  • <局所麻酔下における非挿管での手術及び処置時の鎮静>

    • 通常、成人には、デクスメデトミジンを6μg/kg/時の投与速度で10分間静脈内へ持続注入し(初期負荷投与)、続いて患者の状態に合わせて、至適鎮静レベルが得られる様、維持量として0.2~0.7μg/kg/時の範囲で持続注入する(維持投与)。なお、患者の状態に合わせて、投与速度を適宜減速すること。
禁忌

【警告】

  • 1.1 本剤の投与により低血圧、高血圧、徐脈、心室細動等があらわれ、心停止にいたるおそれがある。したがって、本剤は、患者の呼吸状態、循環動態等の全身状態を注意深く継続的に監視できる設備を有し、緊急時に十分な措置が可能な施設で、本剤の薬理作用を正しく理解し、集中治療又は非挿管下での鎮静における患者管理に熟練した医師のみが使用すること。また、小児への投与に際しては、小児の集中治療に習熟した医師が使用すること。[9.7.2、11.1.1-11.1.5参照]
  • 1.2 迷走神経の緊張が亢進しているか、急速静注、単回急速投与等、通常の用法・用量以外の方法で本剤を投与した場合に重篤な徐脈、洞停止等があらわれたとの報告があるので、本剤は定められた用法・用量に従い、緩徐に持続注入することを厳守し、患者の状況を慎重に観察するとともに、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。[11.1.3、11.1.5参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低血圧(5%以上)
低血圧が認められた場合には、本剤の減速又は中止、輸液の増量、下肢の挙上、昇圧剤の使用等適切な処置を行うこと。特に迷走神経の緊張が亢進している患者であらわれやすい。[1.1参照]
11.1.2 高血圧(5%以上)
高血圧が認められた場合には、本剤の減速又は中止、降圧剤の使用等適切な処置を行うこと。[1.1参照]
11.1.3 徐脈(5%以上)
徐脈が認められた場合には、本剤の減速又は中止、迷走神経の緊張を軽減する目的で抗コリン剤(アトロピン等)の静脈内投与、ペースメーカーの使用等、適切な処置を行うこと。特に迷走神経の緊張が亢進している患者であらわれやすい。[1.1、1.2参照]
11.1.4 心室細動(0.1~1%未満)
心室細動が認められた場合には、抗不整脈薬の投与、除細動、心肺蘇生等適切な処置を行うこと。[1.1参照]
11.1.5 心停止(0.1~1%未満)、洞停止(頻度不明)
心停止、洞停止が認められた場合には、本剤の中止、ペースメーカーの使用、除細動、心肺蘇生、強心剤の投与等適切な処置を行うこと。[1.1、1.2参照]
11.1.6 低酸素症(1~5%未満)、無呼吸(0.1~1%未満)、呼吸困難(0.1~1%未満)、呼吸抑制(5%以上)、舌根沈下(0.1~1%未満)
低酸素症、一過性の無呼吸、呼吸困難、呼吸抑制、舌根沈下が認められた場合には、本剤の減速又は中止、気道確保、酸素投与、患者の刺激等適切な処置を行うこと。
注意

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心血管系障害のある患者
患者の全身状態を十分に観察しながら投与速度を調節すること。徐脈に対してはあらかじめアトロピンの投与、ペースメーカーの使用を考慮すること。低血圧、徐脈があらわれやすくなる。特に高度な心ブロックを伴う患者等は重度の徐脈があらわれるおそれがある。
9.1.2 心機能が低下している患者
投与速度の急激な変更は避け、常に循環動態及び出血量を監視しながら慎重に投与速度を調節すること。また、必要に応じて強心薬及び血管作動薬を併用しながら、慎重に投与し、適切な循環動態の維持を行うこと。本剤の初期負荷投与時に一過性の血圧上昇があらわれることがあり、予期せぬ重篤な循環動態の変動を誘発するおそれがある。
9.1.3 循環血流量が低下している患者
本剤投与開始前及び投与中に輸液負荷等を行い、患者の全身状態を慎重に観察しながら投与速度を調節すること。低血圧があらわれやすくなる。循環血流量が低下した状態で低血圧が持続した場合には、特に注意を払って投与速度の減速を考慮すること。肝血流量の低下から本剤の消失が遅延するおそれがある。[16.5参照]
9.1.4 血液浄化を受けている患者
頻回に鎮静深度を観察しながら必要に応じて本剤の投与速度を調節すること。持続血液浄化法の導入時、終了時、あるいはカラム交換時や血液量、水分除去率の変更時には特に注意を払い、患者の鎮静深度及び循環動態を観察すること。
9.1.5 薬物依存又は薬物過敏症の既往歴のある患者
9.2 腎機能障害患者
投与速度の減速を考慮し、患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。鎮静作用の増強や副作用があらわれやすくなるおそれがある。[16.6.2参照]
9.3 肝機能障害患者
投与速度の減速を考慮し、特に重度の肝機能障害患者に対しては、患者の全身状態を慎重に観察しながら投与速度を調節すること。肝機能障害の程度が重度になるにしたがって本剤の消失が遅延し、鎮静作用の増強や副作用があらわれやすくなるおそれがある。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット)において、生存胎児数の減少、胎盤移行性、子宮血流量低下によると考えられる胎児体重の低下及び骨化遅延が認められている。ヒトにおいて胎盤移行性が認められている。
9.6 授乳婦
本剤投与後24時間は授乳を避けさせること。動物試験(ラット)及びヒトにおいて、乳汁移行性が認められている。
9.7 小児等
<集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静>
9.7.1 低出生体重児及び新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 小児への投与に際しては、小児の集中治療に習熟した医師が使用すること。小児では成人よりも低血圧、徐脈、呼吸抑制、嘔吐、悪心、激越及び発熱の有害事象が高頻度に認められた。[1.1参照]
<局所麻酔下における非挿管での手術及び処置時の鎮静>
9.7.3 18歳未満の患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
投与速度の減速を考慮し、患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能の低下により、鎮静作用の増強や低血圧や徐脈等の副作用があらわれやすくなるおそれがある。[16.6.3参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 移送を伴う場合には、患者管理に熟練した医師の付き添いのもと、循環動態、呼吸等について継続的な監視体制が整った状況で投与し、循環動態の変動及び呼吸等に特に注意すること。
8.2 本剤はα2受容体刺激作用に基づく鎮痛作用を有するため、他の鎮痛剤と併用する際には鎮痛剤の過量投与に注意すること。
8.3 本剤投与中は至適鎮静レベルが得られるよう患者の全身状態を観察しながら投与速度を調節すること。本剤を投与されている患者は刺激を与えると容易に覚醒し、速やかに反応するが、これは本剤の特徴であるため、他の臨床徴候及び症状がない場合、効果不十分であると考えないよう注意すること。
8.4 本剤の初期負荷投与中にあらわれる一過性の血圧上昇に対しては、投与速度の減速を考慮する必要があるが、重大な血圧上昇があらわれた場合には、さらに適切な処置を行うこと。[7.2参照]
8.5 本剤投与中はバイタルサインの変動に注意して循環器系に対する観察及び対応を怠らないこと。
8.6 本剤を長期投与した後、使用を突然中止した場合、クロニジンと同様のリバウンド現象があらわれるおそれがある。これらの症状として神経過敏、激越及び頭痛があらわれ、同時に又はこれに続いて血圧の急激な上昇及び血漿中カテコラミン濃度の上昇があらわれるおそれがある。
8.7 長期投与後の急激な投与中止により、離脱症状があらわれることがあるため、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行うこと。
<集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静>
8.8 本剤の投与に際しては集中治療に習熟した医師が本剤の薬理作用を正しく理解した上で患者の全身状態を注意深く継続して監視すること。また、気道確保、酸素吸入、人工呼吸、循環管理を行えるよう準備をしておくこと。
8.9 人工呼吸器からの離脱の過程及び離脱後では、患者の呼吸状態を十分に観察すること。
<局所麻酔下における非挿管での手術及び処置時の鎮静>
8.10 本剤の投与に際しては非挿管下での鎮静における患者管理に熟練した医師が、本剤の薬理作用を正しく理解し、患者の鎮静レベル及び全身状態を注意深く継続して管理すること。また、気道確保、酸素吸入、人工呼吸、循環管理を行えるよう準備をしておくこと。
8.11 局所麻酔下における手術・処置を行う医師とは別に、意識状態、呼吸状態、循環動態等の全身状態を観察できる医療従事者をおいて、手術・処置中の患者を観察すること。
8.12 本剤は適切に鎮痛を行った上で使用すること。
8.13 硬膜外・脊髄くも膜下麻酔時には、輸液の投与等により、循環動態の変動が安定した後に本剤の投与を開始する等、併用に注意すること。
8.14 全身状態に注意し、手術・処置後は患者が回復するまで管理下に置くこと。なお、鎮静の影響が完全に消失するまでは自動車の運転、危険を伴う機械の操作等に従事しないよう、患者に注意すること。

14.適用上の注意

14.1 全般的な注意
14.1.1 使用時には、以下の点に注意すること。
・感染に対する配慮をすること。
・シリンジが破損するおそれがあるので、シリンジを鉗子等で叩くなど、強い衝撃を与えないこと。
・液漏れする可能性があるので、外筒(バレル)を強く握らないこと。
14.2 薬剤調製時の注意
14.2.1 本剤は以下の薬剤との配合変化(沈殿を生ずる)が示されているので混合しないよう注意すること。
・アムホテリシンB、ジアゼパム
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 使用に際しては、ブリスター包装を開封口からゆっくり開け、外筒を持って取り出すこと。
14.3.2 押子(プランジャー)を時計回りに回転させ、押子接続用部品にしっかり接続すること。使用中に押子が外れた場合、サイフォニング(自然落下による急速注入)や逆流が起こるおそれがある。
14.3.3 押子や押子接続用部品が外れたり、ガスケットが変形し薬液が漏出したりするおそれがあるので、押子のみを持たないこと。
14.3.4 押子を反時計回りに回転させると接続にゆるみが生じ、ガスケットから押子接続部品とともに押子が外れるおそれがあるので、押子を反時計回りに回転させないこと。
14.3.5 筒先のキャップをゆっくり回転させながら外して、注入ラインを確実に接続すること。キャップを外した後は、筒先に触れないこと。
14.3.6 押子を引かないこと。
14.3.7 本剤の投与にあたっては、シリンジポンプを使用し、針をつけて直接投与しないこと。また、以下の点に注意すること。
・本剤が使用可能な設定であることを必ず確認するとともに、シリンジポンプの取扱説明書に従って投与すること。
・シリンジポンプの送り機構(スライダー)のフックに確実にセットすること。正しくセットされていない場合、サイフォニングや逆流が起こるおそれがある。
14.4 薬剤投与後の注意
開封後の使用は1回限りとし、使用後の残液はシリンジとともに速やかに廃棄すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤は患者の循環動態が安定し、循環動態、呼吸等について継続的な監視体制が整った状況で投与を開始すること。
7.2 成人においては本剤の初期負荷投与中に一過性の血圧上昇があらわれた場合には、初期負荷投与速度の減速等を考慮すること。本剤の末梢血管収縮作用により一過性の血圧上昇があらわれることがある。[8.4参照]
7.3 成人においては鎮静の維持開始速度は0.4μg/kg/時の速度を目安とし、初期負荷から維持への移行を慎重に行うこと。また、維持速度は0.7μg/kg/時を超えないこと。海外臨床試験において、0.7μg/kg/時を超えて投与した場合に呼吸器系、精神神経系及び心血管系の有害事象の発現率が増加することが報告されている。
<集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静>
7.4 小児において投与速度を上げる場合、上昇幅0.1μg/kg/時あたり3~4分あるいはそれ以上の時間で緩徐に調節すること。
7.5 小児においては初期負荷投与を行わないこと。海外臨床試験において、初期負荷投与を行った場合に、高血圧の発現率が増加することが報告されている。
7.6 本剤は人工呼吸中、離脱過程及び離脱後を通じて投与可能であるが、本剤の持続投与期間が成人においては120時間(5日間)、小児においては24時間(1日間)を超える使用経験は少ないので、それを超えて鎮静が必要な場合には、患者の全身状態を引き続き慎重に観察すること。

5.効能又は効果に関連する注意

<局所麻酔下における非挿管での手術及び処置時の鎮静>
全身麻酔に移行する意識下気管支ファイバー挿管に対する本剤の有効性及び安全性は確立されていない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 成人
日本人の健康成人男女(54例:6例9群、平均体重:約66kg)に、目標血漿中濃度が0.1~1.25ng/mLとなるように、本剤を1~6μg/kg/時で10~35分間投与後、維持用量として0.056~0.7μg/kg/時で50分~24時間持続投与した場合の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
薬物動態パラメータ平均値±S.D.
t1/2(hr)2.39±0.71
CL(L/hr)35.47±11.95
Vss(L/kg)1.54±0.983
16.1.2 小児
集中治療下で鎮静を必要とする修正在胎45週以上17歳未満の日本人小児患者(46例)に、本剤を0.2μg/kg/時で投与開始後、至適鎮静レベルが得られるように、修正在胎45週以上6歳未満の小児は0.2~1.4μg/kg/時、6歳以上17歳未満の小児は0.2~1.0μg/kg/時の範囲で持続注入したときの投与終了1~2時間前もしくは漸減開始直前の平均血漿中デクスメデトミジン濃度は0.70~1.01ng/mLで、成人の目標血漿中濃度(0.3~1.25ng/mL)の範囲内であった。血漿中デクスメデトミジン濃度を用い、母集団薬物動態解析により薬物動態パラメータを推定した。体重で補正したCL及びVssは成人と比較して高く、特に6歳未満の小児でより高くなる傾向が認められた。消失半減期は成人よりも短かった。
日本人小児患者の薬物動態パラメータ
修正在胎45週-12ヵ月
(N=11)
12-24ヵ月
(N=16)
2-6歳
(N=11)
6-17歳
(N=8)
維持投与量(μg/kg/hr)0.2-1.40.2-1.40.2-1.40.2-1.0
体重(kg)6.4±1.29.5±1.715.3±3.134.0±15.1
CL(L/hr)7.52±2.689.47±3.0816.32±4.0127.27±8.97
CL(L/hr/kg)1.15±0.290.99±0.261.07±0.190.83±0.12
Vss(L/kg)2.52±0.402.26±0.342.21±0.251.79±0.24
t1/2(hr)1.59±0.441.64±0.351.48±0.281.52±0.30
平均値±S.D.
16.3 分布
ヒトにおける蛋白結合率を検討したところ、本剤の蛋白結合率(平均値±S.D.)は93.72±0.40%(N=4)であった。本剤の結合性は、0.85~85ng/mLの濃度範囲で一定であり、性差は認められず、他剤の存在下でも一定であった。肝機能障害患者では、蛋白結合率の低下がみられた。
16.4 代謝
健康成人男子に[3H]デクスメデトミジン塩酸塩2.0μg/kgを単回静脈内投与すると、2種のN-グルクロン酸抱合体として主に代謝され、血漿中総放射能の約41%を占めた。
16.5 排泄
健康成人男子に[3H]デクスメデトミジン塩酸塩2.0μg/kgを単回静脈内投与したときに認められたN-グルクロン酸抱合体は主に尿中に排泄され、投与開始24時間後までに投与放射能の約85%が尿中に排泄された。72時間後までに、投与放射能の93.8%が尿中に、2.2%が糞中に排泄され、排泄は速やかであった。尿中に未変化体のデクスメデトミジンは検出されなかった。なお、デクスメデトミジンは、主に肝血流量依存性の薬剤である。[9.1.3参照]
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者における薬物動態
健康被験者及び軽度、中等度及び重度肝機能障害患者(それぞれChild-Pugh分類によるGrade A、B、Cに対応)に0.6μg/kgを10分間で単回静脈内投与したときの薬物動態は以下のとおりであった。本剤の消失半減期は、肝機能障害の重症度に相関して有意に延長し、遊離体クリアランス(CLf)は重症度に相関して低下し、それぞれ健康被験者の約59%、51%、32%であった。また、肝機能障害の程度が重度になるに従い、鎮静深度が深くなり、鎮静状態の持続が認められた。有害事象の発現例数は、健康被験者(8/20)に比べ肝機能障害患者(16/20)で多かった(外国人データ)。[9.3参照]
肝機能障害患者における薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ健康被験者
(N=18)
肝機能障害患者
軽度(N=6)中等度(N=7)重度(N=6)
総投与量(μg)39.9±6.736.9±9.038.8±11.745.2±5.1
蛋白結合率(%)a)89.7±1.687.9±0.986.5±2.082.1±3.8
Cmax(ng/mL)0.901±0.4870.930±0.3190.877±0.4980.760±0.244
Cmax,f(ng/mL)a)0.103±0.0160.120±0.0250.123±0.0900.136±0.027
AUC0-∞(ng・hr/mL)1.02±0.281.30±0.421.74±0.592.03±0.26
t1/2(hr)2.45±0.473.87±1.705.39±2.197.45±1.44
CL(L/hr)41.9±12.731.0±11.427.0±12.822.4±2.4
CLf(L/hr)a)417.7±160.5247.9±85.5211.7±140.6132.9±34.6
Vss(L)119.6±41.1102.0±17.5103.4±35.3209.2±40.0
Vss,f(L)a)1238.7±488.6776.0±172.1741.0±338.31166.9±217.1
平均値±S.D.a)健康被験者、軽度、中等度、重度の肝機能障害患者のそれぞれN=12、3、6、5例から各パラメータを算出
16.6.2 腎機能障害患者における薬物動態
重度腎機能障害患者(CrCL:<30mL/min)におけるデクスメデトミジンの薬物動態(Cmax、Tmax、AUC、t1/2、CL、Vss)に、健康被験者との顕著な差は認められなかったが、重度腎機能障害患者では鎮静作用が強くなる傾向がみられた。腎機能障害患者におけるデクスメデトミジン代謝物の薬物動態は検討されていない。代謝物は主に尿中排泄されることから、腎機能障害患者への長時間投与により代謝物が蓄積される可能性がある(外国人データ)。[9.2参照]
16.6.3 高齢者における薬物動態
高齢者(>65歳)及び非高齢者(18~65歳)の間で、薬物動態パラメータの差は認められず、薬力学的作用(鎮静作用等)にも臨床的に意義のある反応性の相違は認められなかった(外国人データ)。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
健康成人を対象に、鎮静剤(ミダゾラム、プロポフォール)、鎮痛剤(アルフェンタニル)、吸入麻酔剤(イソフルラン)との相互作用を検討したところ、薬物動態学的な相互作用は認められなかったが、鎮静、鎮痛、麻酔作用がそれぞれ増強された。神経筋弛緩剤(ロクロニウム)との明らかな相互作用は認められなかった(外国人データ)。

エルゼビアは医療の最前線にいらっしゃる
すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。
Thank you for serving us!