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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • テジゾリドに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
  • <適応症>

    • 深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染

用法・用量

  • 通常、成人にはテジゾリドリン酸エステルとして200mgを1日1回、1時間かけて点滴静注する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 好中球減少症(好中球数1,000/mm3未満)の患者
有効性は確立していない。好中球減少マウスにおいてテジゾリドの抗菌活性が低下することが報告されている。[18.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胚・胎児毒性試験において、マウスでは肋軟骨異常(主に癒合)の発現頻度の増加傾向が、ラットでは肋骨及び椎骨の骨格変異の発現頻度の増加が、それぞれ臨床曝露量(AUC)の約3~4倍及び約5~6倍に相当する用量で認められた。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
・事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
・投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
・投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.2 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、次のことに注意すること。
・感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで行うこと。
・投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か判定し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製方法
(1)本剤1バイアルに注射用水4mLを加える。
(2)なるべく泡立たないようにバイアルをゆっくり回し、内容物を完全に溶解させる。
(3)生じた泡が消えるまで放置し、不溶物がないことを確認する。
(4)得られた溶液は速やかに使用すること。やむを得ず溶液を保存する場合でも、室温又は冷蔵庫(2~8℃)に保存し、24時間以内に使用すること。
(5)投与前に(4)の溶液を生理食塩液250mLで希釈して使用する。このとき目視で不溶物が確認された場合には使用せずに廃棄すること。
14.1.2 配合変化
(1)本剤と乳酸リンゲル液を含む二価カチオン液との配合は不可である。
(2)配合変化については限られたデータしかないため、本剤を他の薬剤と混合又は混注しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
本剤と他の薬剤を同一の輸液ラインにより連続注入する場合には、生理食塩液を本剤の投与前後に輸液ライン内に流すこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤はグラム陽性菌に対してのみ抗菌活性を有する。したがってグラム陰性菌等を含む混合感染と診断された場合、又は混合感染が疑われる場合は適切な薬剤を併用して治療を行うこと。
7.2 注射剤から錠剤への切り替え
注射剤からテジゾリドリン酸エステルの投与を開始した患者において、経口投与可能であると医師が判断した場合は、同じ用量の錠剤に切り替えることができる。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性(耐性)を確認すること。[18.3参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
健康成人男性にテジゾリドリン酸エステル200mgを1時間かけて点滴静注したとき、活性体である血漿中テジゾリド濃度は点滴終了時点でCmaxに達し、11.0時間の半減期で消失した。
健康成人男性にテジゾリドリン酸エステル200mgを1時間かけて1日1回7日間反復点滴静注したとき、血漿中テジゾリド濃度は、初回及び最終投与日共に点滴終了時点でCmaxに到達し、約11時間の半減期で血漿中から消失した。血漿中テジゾリド濃度は、初回投与の翌日にほぼ定常状態に到達した。
表 テジゾリドリン酸エステル200mg点滴静注時又は経口投与時のテジゾリドの薬物動態パラメータ
[平均値±標準偏差、tmax:中央値(範囲)]
Cmax(μg/mL)AUC注)(μg・h/mL)tmax(h)t1/2(h)
200mg点滴静注
単回投与(7例)3.45±0.6034.4±7.91.08(0.98~1.25)11.0±1.3
1日1回反復投与(8例)3.85±0.5834.9±6.61.08(0.98~1.25)12.0±1.1
200mg経口投与
単回投与(7例)2.38±0.5928.6±8.23.00(0.98~4.00)10.7±1.0
1日1回反復投与(8例)2.55±0.4327.0±5.64.00(2.00~6.00)11.3±1.5
注)単回投与時のAUCは0時間から無限大までのAUC
反復投与時のAUCは0時間から24時間(投与間隔)までのAUC
図 テジゾリドリン酸エステル200mg単回又は反復点滴静注時の血漿中テジゾリド濃度推移(平均値±標準偏差)
16.1.2 患者
日本人及び外国人患者から得た血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析の結果、テジゾリドの薬物動態は、体格及び総ビリルビンの影響を受けることが示唆された。
日本人及び中国人患者から得た血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析の結果、標準的な患者(体重66.1kg、総ビリルビン0.70mg/dL)のCL/Fは6.33L/h(事後推定値)であった。体重が111.0kgの患者のCL/Fは38.8kgの患者と比較して約2倍に増加し(4.45L/hから8.93L/h、総ビリルビン0.70mg/dLのとき)、総ビリルビンが2.9mL/dLの患者のCL/Fは0.20mg/dLの患者と比較し約37%減少する(7.85L/hから4.96L/h、体重66.1kgのとき)と予測された。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
テジゾリドリン酸エステルのヒト血漿蛋白結合率は86.6%であった。テジゾリドはヒト血漿において主にアルブミンと結合し、血漿蛋白結合率は約80%であった。
16.3.2 組織移行性
テジゾリドリン酸エステルナトリウム600mg注)単回経口投与後に微小透析法によりテジゾリドの皮下脂肪組織及び骨格筋組織中間隙液への移行性を検討したところ、血漿中非結合型テジゾリドに対する組織中非結合型テジゾリドの平均AUC比は、それぞれ1.08及び1.22であった(外国人データ)。
16.4 代謝
テジゾリドリン酸エステルは、生体内においてホスファターゼによる脱リン酸化反応を受け、活性体テジゾリドに変換される。
In vitro試験により、テジゾリドリン酸エステル及びテジゾリドは、ヒトチトクロームP450(CYP)分子種により代謝されないこと及びテジゾリドは複数のヒト硫酸転移酵素(SULT1A1、1A2、2A1)により硫酸抱合反応を受けることが示された。
14C]標識したテジゾリドリン酸エステル(204mg注))を単回経口投与したとき、血漿中放射能から求めたAUCの約95%がテジゾリド由来であった(外国人データ)。
16.5 排泄
14C]標識したテジゾリドリン酸エステル(204mg注))を単回経口投与したとき、投与288時間後までに放射能の81.5%が糞中、18.0%が尿中に、主に硫酸抱合体として排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
健康高齢被験者(平均71.9歳)にテジゾリドリン酸エステル200mgを単回経口投与したときのテジゾリドの薬物動態パラメータは非高齢者と同様であった(外国人データ)。
16.6.2 腎機能障害患者
血液透析施行又は未施行の重度腎機能障害患者(eGFR:<15又は<30mL/min/1.73m2)にテジゾリドリン酸エステル200mgを単回点滴静注したとき、腎機能正常対照群と比較して、透析未施行の重度腎機能障害患者、透析前投与及び透析後投与した血液透析施行の重度腎機能障害患者でのテジゾリドのAUCはそれぞれ7%、29%及び34%、Cmaxは1%、20%及び9%減少した(外国人データ)。
16.6.3 肝機能障害患者
中等度又は重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B又はC)にテジゾリドリン酸エステル200mgを単回経口投与したとき、肝機能正常対照群と比較してテジゾリドのAUCはそれぞれ22%、34%増加し、Cmaxはそれぞれ9%増加、1%減少した(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
In vitro試験において、テジゾリドリン酸エステル及びテジゾリドは、CYP分子種に対し阻害及び誘導作用を示さなかった。In vitro試験の結果から、テジゾリドリン酸エステル及びテジゾリドは、輸送蛋白OAT1、OAT3、OATP1B1、OATP1B3、OCT1、OCT2、MATE1、MATE2-K及びP-糖蛋白(P-gp)を阻害することによって臨床的に問題となる薬物相互作用を起こさないと考えられた。乳癌耐性蛋白(BCRP)に対する阻害作用のIC50値は、それぞれ79.8μM及び51.1μMであった。また、モノアミン酸化酵素(MAO)に対する阻害作用を検討したin vitro試験において、テジゾリドのMAOA及びMAOBに対する阻害作用の平均IC50値は8.7μM及び5.7μMであり、いずれも可逆的であった。
16.7.1 ミダゾラム
テジゾリドリン酸エステル200mgを1日1回反復経口投与した10日目に、ミダゾラム2mgを単回経口投与したとき、テジゾリドリン酸エステル非併用投与時と比較してミダゾラムのAUC及びCmaxは、それぞれ19%及び17%減少した(外国人データ)。
16.7.2 ロスバスタチン
テジゾリドリン酸エステル200mgを1日1回反復経口投与した12日目に、ロスバスタチン10mgを単回経口投与したとき、非併用投与時と比べてロスバスタチンのAUC及びCmaxがそれぞれ約70%及び55%増加した(外国人データ)。
16.7.3 チラミン
テジゾリドリン酸エステル200mgを1日1回反復経口投与した3日目より、チラミンを1日1回25mgから開始し、最大575mgまで、テジゾリドリン酸エステル投与2時間後に最長12日間経口投与したが、テジゾリドリン酸エステル投与はチラミンによる血圧上昇作用に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.4 プソイドエフェドリン
テジゾリドリン酸エステル200mgを1日1回反復経口投与した5日目に、プソイドエフェドリン60mgを単回経口投与したとき、併用投与は薬物動態並びに血圧及び心拍数の変化に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認用量は、テジゾリドリン酸エステルとして、1日1回200mgの点滴静注である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 偽膜性大腸炎(頻度不明)
腹痛、頻回の下痢があらわれ、偽膜性大腸炎又はその疑いがある場合には、直ちに投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
11.1.2 可逆的な貧血・白血球減少・汎血球減少・血小板減少等の骨髄抑制(頻度不明)
投与中止によって回復しうる貧血・白血球減少・汎血球減少・血小板減少等の骨髄抑制があらわれるおそれがある。
11.1.3 代謝性アシドーシス(頻度不明)
乳酸アシドーシス等の代謝性アシドーシスがあらわれるおそれがある。
11.1.4 視神経症(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
過敏症薬物過敏症
腎臓尿臭異常
肝臓ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、肝機能異常
循環器徐脈、潮紅、ほてり
血液貧血リンパ節症、白血球減少
消化器下痢悪心、嘔吐、腹痛、便秘、腹部不快感、口内乾燥、消化不良、上腹部痛、鼓腸、胃食道逆流性疾患、血便排泄
感覚器味覚異常、霧視、硝子体浮遊物
精神神経系不眠症、睡眠障害、不安、悪夢、頭痛、浮動性めまい、傾眠、振戦、錯感覚、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー
筋・骨格系四肢不快感関節痛、筋痙縮、背部痛、頸部痛
皮膚そう痒性皮疹そう痒症(全身性、アレルギー性等)、発疹(全身性、紅斑性、斑状丘疹状等)、蕁麻疹、多汗症、脱毛症、ざ瘡
代謝・栄養障害脱水、コントロール不良の糖尿病、高カリウム血症
呼吸器咳嗽、鼻乾燥、肺うっ血
投与部位注射部位反応(紅斑、疼痛、静脈炎等)血管痛
その他発熱真菌感染(外陰腟、皮膚)、カンジダ症(外陰腟、口腔)、膿瘍、気道感染、疲労、悪寒、易刺激性、末梢性浮腫、握力低下
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