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ゾフルーザ錠10mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <ゾフルーザ錠10mg>

    • A型又はB型インフルエンザウイルス感染症
    • <参考>

      効能・効果錠10mg錠20mg、顆粒2%分包
      治療
      予防
      ○:効能あり、-:効能なし
  • <ゾフルーザ錠20mg>

    • A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防
    • <参考>

      効能・効果錠10mg錠20mg、顆粒2%分包
      治療
      予防
      ○:効能あり、-:効能なし
  • <ゾフルーザ顆粒2%分包>

    • A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防
    • <参考>

      効能・効果錠10mg錠20mg、顆粒2%分包
      治療
      予防
      ○:効能あり、-:効能なし

用法・用量

  • ゾフルーザ錠10mg

    • 通常、以下の用量を単回経口投与する。
      効能・効果年齢体重用量
      治療12歳未満の小児10kg以上20kg未満10mg錠1錠(バロキサビル マルボキシルとして10mg)
  • ゾフルーザ錠20mg

    • 通常、以下の用量を単回経口投与する。
      効能・効果年齢体重用量
      治療成人及び12歳以上の小児80kg以上20mg錠4錠(バロキサビル マルボキシルとして80mg)
      80kg未満20mg錠2錠(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
      12歳未満の小児40kg以上20mg錠2錠(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
      20kg以上40kg未満20mg錠1錠(バロキサビル マルボキシルとして20mg)
      予防成人及び12歳以上の小児80kg以上20mg錠4錠(バロキサビル マルボキシルとして80mg)
      80kg未満20mg錠2錠(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
      12歳未満の小児40kg以上20mg錠2錠(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
      20kg以上40kg未満20mg錠1錠(バロキサビル マルボキシルとして20mg)
  • ゾフルーザ顆粒2%分包

    • 通常、以下の用量を単回経口投与する。
      効能・効果年齢体重用量
      治療成人及び12歳以上の小児80kg以上顆粒8包(バロキサビル マルボキシルとして80mg)
      80kg未満顆粒4包(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
      12歳未満の小児40kg以上顆粒4包(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
      20kg以上40kg未満顆粒2包(バロキサビル マルボキシルとして20mg)
      予防成人及び12歳以上の小児80kg以上顆粒8包(バロキサビル マルボキシルとして80mg)
      80kg未満顆粒4包(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
      12歳未満の小児40kg以上顆粒4包(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
      20kg以上40kg未満顆粒2包(バロキサビル マルボキシルとして20mg)

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。[5.1、5.3、5.4参照]
  • 1.2 インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、ウサギ)において、催奇形性は認められなかったが、ウサギにおける高用量投与で、流産及び頚部過剰肋骨が報告されている。また、ラットにおいて胎盤通過が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明だが、ラットで乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
<製剤共通>
9.7.1 低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
<錠剤>
9.7.2 小児に対しては、本剤を適切に経口投与できると判断された場合にのみ投与すること。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。
異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、[1]異常行動の発現のおそれがあること、[2]自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。
なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている。[11.1.2参照]
8.2 細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがある。細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと。[5.1参照]
8.3 出血があらわれることがあるので、患者及びその家族に以下を説明すること。[11.1.4参照]
8.3.1 血便、鼻出血、血尿等があらわれた場合には医師に連絡すること。
8.3.2 投与数日後にもあらわれることがあること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
<錠剤>
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法・用量に関連する注意

ゾフルーザ錠10mg
<効能共通>
7.1 10mg錠と20mg錠又は顆粒2%分包の生物学的同等性は示されていないため、10mgを投与する際には顆粒2%分包を使用しないこと。また、20mg以上の用量を投与する際には、10mg錠を使用しないこと。
<治療>
7.2 本剤の投与は、症状発現後、可能な限り速やかに開始することが望ましい。症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。

7.用法・用量に関連する注意

ゾフルーザ錠20mg
<効能共通>
7.1 10mg錠と20mg錠又は顆粒2%分包の生物学的同等性は示されていないため、10mgを投与する際には顆粒2%分包を使用しないこと。また、20mg以上の用量を投与する際には、10mg錠を使用しないこと。
<治療>
7.2 本剤の投与は、症状発現後、可能な限り速やかに開始することが望ましい。症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。
<予防>
7.3 インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始すること。接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない。[17.1.4参照]
7.4 本剤を服用した日から10日を超えた期間のインフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は確認されていない。[17.1.4参照]

7.用法・用量に関連する注意

ゾフルーザ顆粒2%分包
<効能共通>
7.1 10mg錠と20mg錠又は顆粒2%分包の生物学的同等性は示されていないため、10mgを投与する際には顆粒2%分包を使用しないこと。また、20mg以上の用量を投与する際には、10mg錠を使用しないこと。
<治療>
7.2 本剤の投与は、症状発現後、可能な限り速やかに開始することが望ましい。症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。
<予防>
7.3 インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始すること。接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない。[17.1.4参照]
7.4 本剤を服用した日から10日を超えた期間のインフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は確認されていない。[17.1.4参照]

5.効能・効果に関連する注意

ゾフルーザ錠10mg
<効能共通>
5.1 本剤は細菌感染症には効果がない。[1.1、8.2参照]
5.2 小児に対する投与については、低年齢になるほど低感受性株の出現頻度が高くなる傾向が示されていることから、学会等から提唱されている最新のガイドライン等を参照し、慎重に検討すること。[5.5、18.3.1参照]
<治療>
5.3 抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ、本剤の投与の必要性を慎重に検討すること。[1.1参照]

5.効能・効果に関連する注意

ゾフルーザ錠20mg
<効能共通>
5.1 本剤は細菌感染症には効果がない。[1.1、8.2参照]
5.2 小児に対する投与については、低年齢になるほど低感受性株の出現頻度が高くなる傾向が示されていることから、学会等から提唱されている最新のガイドライン等を参照し、慎重に検討すること。[5.5、18.3.1参照]
<治療>
5.3 抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ、本剤の投与の必要性を慎重に検討すること。[1.1参照]
<予防>
5.4 原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者のうち、インフルエンザウイルス感染症罹患時に、重症化のリスクが高いと判断される者を対象とする。[1.1参照]
※ 高齢者(65歳以上)、慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者、代謝性疾患患者(糖尿病等)等
5.5 小児に対する投与については、流行ウイルスの薬剤耐性情報に留意し、他の抗インフルエンザウイルス薬の使用を考慮した上で、慎重に検討すること。[5.2、18.3.1参照]
5.6 本剤のB型インフルエンザウイルス感染症に対する予防投与について、有効性を示すデータは限られていることを考慮した上で、本剤の投与を慎重に検討すること。[17.1.4参照]

5.効能・効果に関連する注意

ゾフルーザ顆粒2%分包
<効能共通>
5.1 本剤は細菌感染症には効果がない。[1.1、8.2参照]
5.2 小児に対する投与については、低年齢になるほど低感受性株の出現頻度が高くなる傾向が示されていることから、学会等から提唱されている最新のガイドライン等を参照し、慎重に検討すること。[5.5、18.3.1参照]
<治療>
5.3 抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ、本剤の投与の必要性を慎重に検討すること。[1.1参照]
<予防>
5.4 原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者のうち、インフルエンザウイルス感染症罹患時に、重症化のリスクが高いと判断される者を対象とする。[1.1参照]
※ 高齢者(65歳以上)、慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者、代謝性疾患患者(糖尿病等)等
5.5 小児に対する投与については、流行ウイルスの薬剤耐性情報に留意し、他の抗インフルエンザウイルス薬の使用を考慮した上で、慎重に検討すること。[5.2、18.3.1参照]
5.6 本剤のB型インフルエンザウイルス感染症に対する予防投与について、有効性を示すデータは限られていることを考慮した上で、本剤の投与を慎重に検討すること。[17.1.4参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 65歳未満の成人患者及び12歳以上の小児患者
12歳以上65歳未満の患者及び健康成人1109例から得られたバロキサビル マルボキシル活性体の血漿中濃度データ(8310ポイント)を用いて母集団薬物動態解析を行った。この母集団薬物動態解析の結果を基に、国際共同第III相臨床試験(体重80kg未満は40mg、80kg以上は80mgを単回経口投与)における日本人患者343例の薬物動態パラメータ推定値を表16-1に示す。
表16-1 65歳未満の成人患者及び12歳以上の小児患者でのバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータ
投与量(体重)例数体重※1(kg)Cmax※2(ng/mL)AUC0-inf※2(ng・hr/mL)
40mg(80kg未満)30959.1±9.62102(23.9-244)6598(2186-14690)
80mg(80kg以上)3488.8±7.64126(33.3-243)9949(4122-18330)
※1:平均値±標準偏差※2:ベイジアン推定による平均値(最小値-最大値)
16.1.2 12歳未満の小児患者
12歳未満の小児患者(105例)にバロキサビル マルボキシルを体重に応じて10~40mg単回経口投与したときのバロキサビル マルボキシル活性体の血漿中濃度推移を図16-1に示す。
バロキサビル マルボキシル活性体の血漿中濃度データ(328ポイント)を用いて母集団薬物動態解析を行い、得られた薬物動態パラメータ推定値を表16-2に示す。
図16-1 12歳未満の小児患者でのバロキサビル マルボキシル活性体の血漿中濃度推移
表16-2 12歳未満の小児患者でのバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータ
投与量(体重)例数体重※1(kg)Cmax※2(ng/mL)AUC0-inf※2(ng・hr/mL)
40mg(40kg以上)845.8±3.80115(58.8-145)7236(6014-10160)
20mg(20kg以上40kg未満)6627.3±4.98100(37.6-150)5081(2316-9115)
10mg(10kg以上20kg未満)3116.3±2.0476.9(43.2-109)3408(2170-5344)
※1:平均値±標準偏差※2:ベイジアン推定による平均値(最小値-最大値)。なお最終モデルはバロキサビル マルボキシル5mg投与例の血漿中濃度データ(5kg以上10kg未満の2例、6ポイント)を含めて構築された。
16.1.3 65歳以上の高齢患者
16.1.1に示した母集団薬物動態解析の結果を基に、ハイリスク因子を有する患者を対象とした国際共同第III相臨床試験(体重80kg未満は40mg、80kg以上は80mgを投与)における65歳以上の日本人患者58例の薬物動態パラメータ推定値を表16-3に示す。
表16-3 65歳以上の高齢患者でのバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータ
投与量(体重)例数体重※1(kg)Cmax※2(ng/mL)AUC0-inf※2(ng・hr/mL)
40mg(80kg未満)5260.6±10.7110(24.8-355)6852(2379-15340)
80mg(80kg以上)685.3±4.17136(40.5-204)10420(4804-15610)
※1:平均値±標準偏差※2:ベイジアン推定による平均値(最小値-最大値)
16.1.4 生物学的同等性
健康成人においてゾフルーザ錠20mgを1錠又は顆粒を1g(バロキサビル マルボキシルとして20mg)をクロスオーバー法にて空腹時に単回経口投与し、薬物動態を比較したときのバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータを表16-4に示す。Cmax及びAUCの対数の平均値の差について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
表16-4 20mg錠又は顆粒(バロキサビル マルボキシルとして20mg)の単回経口投与時のバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータ
剤形例数Cmax※1(ng/mL)Tmax※2(hr)AUC0-last※1(ng・hr/mL)T1/2※1(hr)
20mg錠2844.2±16.04(1-5)3000±725.4102±17.9
顆粒2740.2±12.24(2-6)2952±745.2101±17.1
※1:平均値±標準偏差※2:中央値(最小値-最大値)
16.2 吸収
健康成人男性に、バロキサビル マルボキシル40mgを空腹時(14例)又は普通食摂取後(14例)に単回経口投与したときのバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータを表16-5に、平均血漿中濃度推移を図16-2に示す。空腹時投与と比べ食後投与でバロキサビル マルボキシル活性体のCmaxは48%、AUCは36%減少した。Tmaxの中央値はいずれも4時間であった。
表16-5 単回経口投与時のバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータ
投与量食事条件例数Cmax※1(ng/mL)Tmax※2(hr)AUC0-inf※1(ng・hr/mL)T1/2,z※1(hr)
40mg空腹時14133±26.34(3-5)7206±132595.8±18.2
40mg食後1472.5±28.34(0.5-5)4846±181499.6±19.6
※1:平均値±標準偏差※2:中央値(最小値-最大値)
図16-2単回経口投与時のバロキサビル マルボキシル活性体の平均血漿中濃度推移
16.3 分布
In vitro試験の結果、バロキサビル マルボキシル活性体のヒト血清蛋白結合率は92.9~93.9%、ヒト血球移行率は48.5~54.4%であった。
16.4 代謝
16.4.1 バロキサビル マルボキシルは小腸、血液、肝臓中のエステラーゼによって速やかにバロキサビル マルボキシル活性体に加水分解され、血漿中にはバロキサビル マルボキシルはほとんど検出されなかった。
16.4.2 健康成人男性6例に[14C]-バロキサビル マルボキシルを空腹時単回経口投与したとき、血漿中では主にバロキサビル マルボキシル活性体が検出され、その他、バロキサビル マルボキシル活性体のグルクロン酸抱合体及び酸化体が検出された(外国人データ)。
16.4.3 In vitro代謝試験の結果、バロキサビル マルボキシル活性体はUGT1A3によりグルクロン酸抱合体に代謝され、CYP3Aによりスルホキシド体に代謝されると推定された。
16.5 排泄
健康成人男性6例に[14C]-バロキサビル マルボキシル40mgを空腹時単回経口投与したとき、投与された放射能の80%及び14.7%がそれぞれ糞中及び尿中へ排泄された。投与量の3.28%が尿中にバロキサビル マルボキシル活性体として排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)及び肝機能正常者各8例にバロキサビル マルボキシル40mgを空腹時単回経口投与したとき、中等度肝機能障害患者でのバロキサビル マルボキシル活性体のCmax及びAUC0-infは、肝機能正常者のそれぞれ0.80倍及び1.1倍であった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
バロキサビル マルボキシルはCYP2B6、CYP2C8及びCYP3Aを、バロキサビル マルボキシル活性体はCYP2B6及びCYP3Aを濃度依存的に弱く阻害した。また、バロキサビル マルボキシルはP-糖蛋白を阻害し、バロキサビル マルボキシル活性体はP-糖蛋白及びBCRPを阻害した。バロキサビル マルボキシル及びその活性体はP-糖蛋白の基質であった。
16.7.2 臨床試験
健康成人を対象に薬物相互作用を検討した。バロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態に及ぼす併用薬の影響を表16-6に、併用薬の薬物動態に及ぼすバロキサビル マルボキシルの影響を表16-7に示す(外国人データ)。
表16-6 バロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態に及ぼす併用薬の影響
併用薬用法・用量例数バロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
(併用投与/単独投与)
併用薬本剤CmaxAUC0-inf
イトラコナゾール
(P-糖蛋白阻害剤)
200mg※1
1日1回
20mg※1
単回
121.33
[1.14,1.55]
1.23
[1.09,1.38]
プロベネシド
(UGT阻害剤)
500mg※2
1日2回
80mg※2
単回
120.79
[0.65,0.96]
0.75
[0.66,0.86]
※1:イトラコナゾール200mgを1日1回(1日目は2回)19日間反復投与し、投与5日目にバロキサビル マルボキシル20mg空腹時単回投与を併用※2:プロベネシド500mgを1日2回18日間反復投与し、投与4日目にバロキサビル マルボキシル80mg空腹時単回投与を併用
表16-7 併用薬の薬物動態に及ぼすバロキサビル マルボキシルの影響
併用薬用法・用量例数併用薬の薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
(併用投与/単独投与)
併用薬本剤CmaxAUC0-inf
ミダゾラム
(CYP3A基質)
5mg
単回
40mg
単回
121.00
[0.92,1.09]
0.99
[0.94,1.04]
ジゴキシン
(P-糖蛋白基質)
0.25mg
単回
80mg
単回
121.00
[0.81,1.23]
0.86
[0.73,1.01]
ロスバスタチン
(BCRP基質)
10mg
単回
80mg
単回
120.82
[0.69,0.98]
0.83
[0.72,0.96]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリン併用後にプロトロンビン時間が延長した報告がある。併用する場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。機序不明

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
11.1.2 異常行動(頻度不明)
因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.3 虚血性大腸炎(頻度不明)
腹痛、下痢、血便等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.1.4 出血(頻度不明)
血便、鼻出血、血尿等の出血があらわれることがある。[8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
過敏症発疹、蕁麻疹そう痒、血管性浮腫
精神神経系頭痛
消化器下痢、悪心嘔吐
その他ALT増加、AST増加
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