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ローブレナ錠25mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

用法・用量

  • 通常、成人にはロルラチニブとして1日1回100mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の投与にあたっては、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 リファンピシンを投与中の患者[10.1、15.2.2、16.7.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。[7.、8.1、11.1.1参照]
9.1.2 QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者
QT間隔延長が発現するおそれがある。[7.、8.2、11.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害患者(30mL/min>eGFR)
減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分に注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがある。[16.6.1参照]
9.2.2 中等度の腎機能障害患者(60mL/min>eGFR≧30mL/min)
患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分に注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害のある患者
中等度以上の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施されていない。
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠可能な女性は、本剤投与中及び最終投与後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.4.2 パートナーが妊娠する可能性のある男性は、本剤投与中及び最終投与後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。遺伝毒性試験において、染色体異常誘発作用が認められた。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット及びウサギを用いた動物試験において、臨床曝露量の1.2倍(ラット)又は下回る曝露量(ウサギ)から早期及び後期胚吸収、着床後死亡の増加及び胎児生存率の低下からなる胚・胎児死亡率の増加、並びに胎児体重減少(ラットのみ)及び奇形(腹壁破裂、脳室の拡張等からなる複合奇形を含む)が認められ、4.6倍(ラット)及び3.4倍(ウサギ)以上の曝露量では全胎児死亡又は流産が認められた。[9.4.1参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 間質性肺疾患があらわれることがあるので、息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。また、胸部CT検査等の実施など、患者の状態を十分観察すること。必要に応じて動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行うこと。[7.、9.1.1、11.1.1参照]
8.2 QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に心電図及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、また、脈拍、血圧測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[7.、9.1.2、11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を考慮して、休薬・減量・中止すること。
減量・中止する場合の投与量
減量レベル投与量
通常投与量100mg/日
一次減量75mg/日
二次減量50mg/日
中止50mg/日で忍容性が得られない場合は投与を中止すること
副作用に対する休薬、減量及び中止基準
副作用程度a)処置
膵炎
[11.1.4参照]
アミラーゼ及びリパーゼの増加がGrade2以下で、画像検査で膵炎の所見を認める場合アミラーゼ及びリパーゼの増加がGrade2以下で、画像検査でベースラインに回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
Grade3又は4の場合投与を中止する。
間質性肺疾患
[8.1、9.1.1、11.1.1参照]
Grade1で、症候性の場合・ベースラインに回復するまで休薬し、回復後、同一用量で投与再開する。
・再発又は適切な治療を行っても6週間の休薬期間を超えて回復が認められない場合は投与中止する。
Grade2の場合・ベースラインに回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
・再発又は適切な治療を行っても6週間の休薬期間を超えて回復が認められない場合は投与中止する。
Grade3又は4の場合投与を中止する。
QT間隔延長
[8.2、9.1.2、11.1.2参照]
Grade3の場合Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
Grade4の場合投与を中止する。
左室駆出率低下Grade3又は4の場合投与を中止する。
房室ブロック第1度房室ブロック症候性の場合:無症候性に回復するまで休薬し、回復後、同一用量又は1用量レベル減量して投与再開する。
第2度房室ブロック・無症候性の場合:第2度房室ブロックが回復するまで休薬し、回復後、同一用量又は1用量レベル減量して投与再開する。
・症候性の場合:無症候性かつ第1度房室ブロック以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開するb)
完全房室ブロック無症候性かつPR間隔が200msec未満に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開するb)
中枢神経系障害(言語障害、記憶障害、認知障害等を含む)、精神障害(気分障害、幻覚等を含む)、睡眠障害、視覚障害
[11.1.3参照]
Grade1の場合同一用量で投与継続する又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後、同一用量又は1用量レベル減量して投与再開する。
Grade2又は3の場合Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
Grade4の場合投与を中止する。
高脂血症(総コレステロール又はトリグリセリドの増加)Grade3の場合同一用量で投与継続する又はGrade2以下に回復するまで休薬し、回復後、同一用量で投与再開する。
Grade4の場合Grade2以下に回復するまで休薬し、回復後、同一用量又は1用量レベル減量して投与再開する。
高血圧Grade3の場合・Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後、同一用量で投与再開する。
・再発の場合、Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
・適切な治療を行っても高血圧が持続する場合は投与を中止する。
Grade4の場合・Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開又は投与中止する。
・再発の場合は投与を中止する。
高血糖Grade3又は4の場合(適切な治療を行っても250mg/dLを超える高血糖が持続する場合)・血糖がコントロールできるまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
・適切な治療を行っても高血糖が持続する場合は投与を中止する。
その他の非血液学的毒性Grade3の場合Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬c)し、回復後、1用量レベル減量又は同一用量にて投与再開する。
Grade4の場合Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬c)し、回復後、1用量レベル減量して投与再開又は投与中止する。
リンパ球減少症Grade3又は4の場合同一用量で投与継続するd)又はGrade1以下もしくはベースライン値に回復するまで休薬し、回復後、同一用量又は1用量レベル減量して投与再開する。
その他の血液学的毒性Grade3又は4の場合Grade1以下又はベースライン値に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量又は同一用量にて投与再開する。
a)GradeはNCI-CTCAE ver 4.03に準じる。b)ペースメーカーを留置した場合は、同一用量で投与再開する。c)無症候性のGrade4の高尿酸血症又はGrade3の低リン酸血症は投与継続可とする。また、適切な治療を行ってもGrade3又は4の悪心、嘔吐又は下痢が持続する場合は、用量調節を行う。d)感染又はその他の臨床的に重大な毒性所見がない場合。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、ALK融合遺伝子陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
5.2 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
ALK融合遺伝子陽性又はROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象とした第I/II相試験において、日本人癌患者に本剤100mgを単回及び1日1回反復経口投与したときのロルラチニブの薬物動態パラメータ及び血中濃度推移を以下に示した。ロルラチニブの血中濃度は反復投与後15日までに定常状態に達すると考えられた。
日本人癌患者にロルラチニブ100mgを単回及び1日1回反復経口投与したときの血中ロルラチニブの薬物動態パラメータ
パラメータ(単位)パラメータの要約統計量a)
単回投与b)(N=4)反復投与c)(N=7)
Tmax(hr)2.50(0.500-4.02)2.00(1.00-3.08)
Cmax(ng/mL)783.2(20)591.1(33)
AUCtau(ng・hr/mL)5913(19)5233(41)
AUCinf(ng・hr/mL)9836(13)算出せず
CL/F(L/hr)10.18(13)19.11(42)
t1/2(hr)20.8±3.80算出せず
a)Tmaxは中央値(範囲)、t1/2は算術平均値±標準偏差で示し、その他のパラメータは幾何平均値(%幾何変動係数)で示した。b)単回投与時のデータは第-7日(導入期)の値を用いた。c)反復投与時のデータは第1サイクル第15日の値を用いた。
日本人癌患者にロルラチニブ100mgを単回経口投与a)(上図)及び1日1回反復経口投与b)(下図)したときの血漿中ロルラチニブの濃度推移(平均値±標準偏差)
a)単回投与時のデータは第-7日(導入期)の値を用いた(n=4)。
b)反復投与時のデータは第1サイクル第15日の値を用いた(n=7)。
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
健康成人11例に本剤100mgを空腹時単回経口投与及び本剤50mg注1)を単回静脈内投与注1)したときの絶対的バイオアベイラビリティは、80.8%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
健康成人27例に本剤100mgを食後(高脂肪食)及び空腹時単回経口投与したときのAUCinf及びCmaxの調整済み幾何平均値の%比(食後投与/空腹時投与)は、それぞれ104.7%及び90.9%であった(外国人データ)。
16.3 分布
健康成人11例に本剤50mg注1)を単回静脈内投与注1)したときの分布容積は、305Lであった(外国人データ)。
In vitro試験より、ロルラチニブの血漿蛋白結合率は、66%であった。
16.4 代謝
ヒトにおける主な代謝経路は、酸化及びグルクロン酸抱合であった。In vitro試験より、ロルラチニブの代謝物は主にCYP3A及びUGT1A4を介して生成され、CYP2C19、CYP2C8及びUGT1A3の関与はわずかであった。健康成人6例に14C-標識ロルラチニブ100mgを単回経口投与したとき、血漿中では主に未変化体が検出された(血漿中総放射能の44.4%)。また、血漿中の主要代謝物は、アミド結合及び芳香族エーテル結合の酸化的開裂によって生じる安息香酸代謝物(血漿中総放射能の21.0%)であったものの、本代謝物は薬理学的活性を示さない(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人6例に14C-標識ロルラチニブ100mgを単回経口投与したとき、投与後288時間までに投与放射能の88.6%が回収され、投与放射能の47.7%が尿中、40.9%が糞中に排泄された。投与後192時間までの糞中の放射能の大部分がロルラチニブの未変化体に由来するものであり、投与放射能の9.1%であった。投与後168時間までに尿中に排泄されたロルラチニブの未変化体は、投与量の1%未満であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能の異なる被験者に本剤100mgを単回経口投与したとき、腎機能正常被験者(eGFR≧90mL/min)と比べて、軽度の腎機能障害を有する被験者(90mL/min>eGFR≧60mL/min)、中等度の腎機能障害を有する被験者(60mL/min>eGFR≧30mL/min)及び重度の腎機能障害を有する被験者(30mL/min>eGFR)における本剤のAUCinfはそれぞれ104%、119%及び141%であり、Cmaxはそれぞれ101%、89%及び92%であった(外国人データ)。なお、透析患者における検討は行っていない。[9.2.1、9.2.2参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人16例に本剤100mgを強いCYP3A阻害剤であるイトラコナゾール(200mgを1日1回反復投与)と併用で単回経口投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のAUCinf及びCmaxはそれぞれ42%及び24%増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 リファンピシン
健康成人12例に本剤100mgを強いCYP3A誘導剤であるリファンピシン(600mgを1日1回反復投与)と併用注2)で単回経口投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のAUCinf及びCmaxはそれぞれ85%及び76%減少した。また、機序は不明だが、本試験において、リファンピシンと併用でロルラチニブの単回経口投与を受けたすべての被験者でAST値及びALT値の上昇による中等度から重度の可逆的な肝障害(各患者のAST及びALTの最高値の範囲は、それぞれ80~1,307IU/L及び118~1,338IU/Lであった。なお、AST及びALTがULNの20倍超に達した症例は、それぞれ5例及び4例であった。)が認められた(外国人データ)。[2.2、10.1、10.2参照]
16.7.3 モダフィニル
健康成人12例に本剤100mgを中程度のCYP3A誘導剤であるモダフィニル(400mgを1日1回反復投与)と併用で単回経口投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のAUCinf及びCmaxはそれぞれ23%及び22%減少した。本試験において、モダフィニルと併用でロルラチニブの単回経口投与を受けたすべての被験者で肝障害は認められなかった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 ミダゾラム
ALK融合遺伝子陽性又はROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者3例にCYP3Aの基質となる薬剤であるミダゾラム2mgを本剤(25mgを1日1回反復投与注1))と併用で単回経口投与したとき、単独投与時と比べ、ミダゾラムのAUCinf及びCmaxはそれぞれ61%及び40%減少した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 フェキソフェナジン
ALK融合遺伝子陽性又はROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者9例にP-gpの基質となる薬剤であるフェキソフェナジン60mgを本剤(100mgを1日1回反復投与)と併用で単回経口投与したとき、単独投与時と比べ、フェキソフェナジンのAUCinf及びCmaxはそれぞれ67%及び63%減少した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 ジルチアゼム、ベラパミル、エリスロマイシン、フルコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン(生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション)
健康成人に本剤(100mgを1日1回反復投与)を中程度のCYP3A阻害剤であるジルチアゼム(60mgを1日3回反復投与)、ベラパミル(80mgを1日3回反復投与)、エリスロマイシン(500mgを1日2回反復投与)及びフルコナゾール(200mgを1日1回反復投与)と併用投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のAUCtauはそれぞれ12%、13%、22%及び57%増加すると推定された。
また、健康成人に本剤(100mgを1日1回反復投与)を弱いCYP3A阻害剤であるフルボキサミン(100mgを1日2回反復投与)及びフルオキセチン(20mgを1日1回反復投与)と併用投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のAUCtauはそれぞれ14%及び7%増加すると推定された。[10.2参照]
16.7.7 その他
(1)ラベプラゾール
健康成人27例に本剤100mgを空腹時にラベプラゾール(20mgを1日1回反復投与)と併用投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のCmaxは29%減少したものの、AUCinfは変化しなかった(外国人データ)。
(2)本剤はin vitro試験において、CYP2C9、CYP3A及びUGT1A1の可逆的な阻害作用、CYP3Aの時間依存的な阻害作用並びにCYP3A及びCYP2B6の誘導作用を示した。また、本剤はP-gp、BCRP、OATP1B1、OATP1B3、OCT1、OAT3及びMATE1の阻害作用を示した。
注1)本剤の承認用法・用量は100mgを1日1回経口投与である。
注2)本剤とリファンピシンは併用禁忌である。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リファンピシン
(リファジン等)
[2.2、15.2.2、16.7.2参照]
ALT及びASTが上昇するおそれがある。機序不明

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A阻害剤
イトラコナゾール、クラリスロマイシン、ボリコナゾール等
[16.7.1、16.7.6参照]
本剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ずCYP3A阻害剤を併用する際には本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分に注意すること。これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
フェニトイン、カルバマゼピン
[15.2.2参照]
ALT及びASTが上昇するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、肝機能検査を実施する等の十分な観察を行うこと。機序不明
CYP3A誘導剤
フェニトイン、モダフィニル、デキサメタゾン等
[16.7.2、16.7.3参照]
本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、可能な限り併用を避け、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の代謝が亢進し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP3Aの基質となる薬剤
ミダゾラム、アトルバスタチン、フェンタニル等
[16.7.4参照]
これらの薬剤の血中濃度が低下し、有効性が減弱する可能性がある。本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の代謝が亢進し、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
P-gpの基質となる薬剤
ジゴキシン、エベロリムス、シロリムス等
[16.7.5参照]
これらの薬剤の血中濃度が低下し、有効性が減弱する可能性がある。本剤がP-gpを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
イミプラミン、ピモジド、クロルプロマジン等
QT間隔延長作用を増強するおそれがある。本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 間質性肺疾患(0.9%)[7.、8.1、9.1.1参照]
11.1.2 QT間隔延長(5.2%)[7.、8.2、9.1.2参照]
11.1.3 中枢神経系障害(20.8%)、精神障害(15.8%)
認知障害(記憶障害、健忘、注意力障害等)(17.5%)、言語障害(構語障害、言語緩慢、会話障害等)(6.1%)等の中枢神経系障害や、気分障害(易刺激性、うつ病、不安等)(12.7%)、幻覚(幻視、幻聴等)(4.7%)等の精神障害があらわれることがある。[7.参照]
11.1.4 膵炎(10.1%)[7.参照]
11.1.5 肝機能障害(18.2%)
ALT、AST等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

20%以上10%以上20%未満10%未満
精神・神経系末梢性ニューロパチー(感覚鈍麻、筋力低下等)(27.1%)浮動性めまい、頭痛、味覚異常、不眠症、失語症
筋骨格系関節痛、筋肉痛、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、四肢痛、筋痙縮、筋骨格硬直
循環器不整脈(洞性徐脈、動悸、徐脈、第1度房室ブロック、洞性頻脈、頻脈等)、心臓障害(駆出率減少、左室機能不全、心嚢液貯留等)、高血圧
消化器下痢便秘、悪心、嘔吐、腹部膨満、腹痛、口内炎、鼓腸
腎臓血中クレアチニン増加
代謝高コレステロール血症(77.1%)、高トリグリセリド血症(61.1%)高脂血症、高尿酸血症、高血糖、食欲亢進、脂質異常、低アルブミン血症、低比重リポ蛋白増加
血液貧血、血小板減少、好中球減少
視覚障害
耳鳴
皮膚発疹、脱毛症、発汗、皮膚乾燥、皮膚炎
呼吸器呼吸困難
その他浮腫(43.9%)、体重増加(21.0%)疲労(無力症等)顔面浮腫
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