製品名 セリンクロ錠10mg
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- 一般名
- Nalmefene Hydrochloride Hydrate
- 薬効分類
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中枢神経薬(その他)>アルコール依存症治療薬
- 価格
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10mg1錠:301.5円/錠
- 製薬会社
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- 製造販売元:大塚製薬株式会社
提携:ルンドベック・ジャパン株式会社
- 製造販売元:大塚製薬株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- アルコール依存症患者における飲酒量の低減
用法・用量
- 通常、成人にはナルメフェン塩酸塩として1回10mgを飲酒の1~2時間前に経口投与する。ただし、1日1回までとする。なお、症状により適宜増量することができるが、1日量は20mgを超えないこと。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- オピオイド系薬剤(鎮痛、麻酔)を投与中又は投与中止後1週間以内の患者[オピオイドの離脱症状(又はその悪化)があらわれるおそれがある。](「3.相互作用(1)」の項参照)
- オピオイドの依存症又は離脱の急性症状がある患者[オピオイドの離脱症状(又はその悪化)があらわれるおそれがある。]
- 副作用
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- アルコール離脱症状を呈したことのある患者[幻覚、痙攣、振戦せん妄、ふるえ、発汗、睡眠障害等があらわれるおそれがある。]
- 肝機能障害又は腎機能障害のある患者[肝機能又は腎機能の低下に伴い血中濃度が上昇するおそれがある。(〔薬物動態〕の項参照)]
- 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]
重要な基本的注意
- 注意力障害、浮動性めまい、傾眠等が起こることがあるので、本剤を服用している患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
- アルコール依存症の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、投与すること。
- アルコール依存症の妊婦及び授乳中の患者の治療目標は断酒とすること。(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 本剤との因果関係は明らかではないが、自殺念慮、自殺企図等が報告されているので、患者の状態を十分に観察するとともに、関連する症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
適用上の注意
- 本剤を分割したり、粉砕したりしないこと。[動物実験(マウス)で皮膚感作性が報告されている。]
- 薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
用法用量に関連する使用上の注意
- 服薬せずに飲酒し始めた場合には、気付いた時点で直ちに服薬すること。ただし、飲酒終了後には服薬しないこと。
- 本剤の投与継続及び治療目標の見直しの要否について定期的に検討し、漫然と投与しないこと。[国内臨床試験において1年を超える使用経験はない。]
- 重度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C)には、1日最高用量を10mgとすること。軽度及び中等度の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類A及びB)並びに重度の腎機能障害のある患者(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)では、血中濃度が過度に上昇するおそれがあるので、20mgに増量する場合には、患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。(「1.慎重投与(2)」の項及び〔薬物動態〕の項参照)
効能効果に関連する使用上の注意
- アルコール依存症の治療目標は、原則、断酒の達成とその継続である。アルコール依存症に伴う精神・身体症状及び患者の意思を総合的に勘案し、断酒ではなく飲酒量低減を治療目標とすることが適切と判断された患者に対して本剤を投与すること。
- アルコール依存症治療の主体は心理社会的治療であることから、服薬遵守及び飲酒量の低減を目的とした心理社会的治療と併用すること。[服薬遵守及び飲酒量の低減を目的とした心理社会的治療と併用していない場合の有効性は確立していない。]
- アルコール依存症の診断は、国際疾病分類等の適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
- 習慣的に多量飲酒が認められる患者に使用すること。その目安は、純アルコールとして1日平均男性60g超、女性40g超の飲酒量とすること。
- 緊急の治療を要するアルコール離脱症状(幻覚、痙攣、振戦せん妄等)を呈している患者では、離脱症状に対する治療が終了してから使用すること。[緊急の治療を要するアルコール離脱症状が認められる患者における安全性及び有効性は確立していない。]
- 飲酒量低減治療の意思のある患者にのみ使用すること。
高齢者への投与
- 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人の治療目標は断酒とされている。治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[アルコール摂取は胎児の発育に影響がある。また、動物実験(ウサギ)において、ナルメフェン投与により、胎児に軽度の発育遅延が報告されている。]
- 授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が報告されている。]
薬物動態
- 血中濃度
- 単回投与
- 健康成人に本剤10mg及び20mgを空腹時単回経口投与した時の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す。
- 図1 健康成人における本剤単回投与時のナルメフェンの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
- 表1 本剤単回投与時のナルメフェンの薬物動態パラメータ
投与量 tmax(h) Cmax(ng/mL) t1/2,Z(h) AUC∞(ng・h/mL) 10mg 1.00(0.50~4.00) 8.88±3.34 12.1±2.1 61.8±18.0 20mg 1.00(0.50~3.00) 25.4±15.7 12.3±2.90 156±50.7 (平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(範囲)、10mg:7例、20mg:13例)
- 反復投与
- 健康成人に本剤20mgを1日1回5日間反復経口投与した時のAUC24hの累積係数は1.4であった。
- 吸収
- 健康成人に本剤20mgを単回経口投与(空腹時又は食後)した時、Cmax及びAUCに食事の影響はみられなかった。
- 分布
- ヒト血漿蛋白結合率は、約30%であった(in vitro)。
- 代謝
- ナルメフェンは主にUGT2B7により未変化体のグルクロン酸抱合体に代謝され、一部はCYP3A4/5により脱アルキル化体に代謝される(in vitro)。
- 排泄(外国人による成績)
- 健康成人に14C-ナルメフェン20mgを単回経口投与した時、糞中及び尿中にそれぞれ投与した放射能の20%及び71%が排泄された。未変化体の糞中及び尿中への排泄率は、いずれも投与量の約3%であった。
- 特定の背景を有する患者
- 腎障害(外国人による成績)
- 腎機能の程度の異なる被験者(eGFR=50~80mL/min/1.73m2、eGFR=30~50mL/min/1.73m2及びeGFR<30mL/min/1.73m2)に本剤20mgを単回経口投与した時のAUCは、正常な腎機能を有する被験者と比べてそれぞれ1.1倍、1.4倍及び2.4倍であった。
- 肝障害(外国人による成績)
- 肝機能の程度の異なる被験者(Child-Pugh分類A及びChild-Pugh分類B)に本剤20mgを単回経口投与した時のAUCは、正常な肝機能を有する被験者と比べてそれぞれ1.5倍及び2.9倍であった。
- 高齢者(外国人による成績)
- 本剤の静脈内投与時の薬物動態に年齢による影響は認められなかった。
- 性別(外国人を含む成績)
- 本剤の薬物動態に性別による影響は認められなかった。
- 薬物相互作用(外国人による成績)
- 健康成人に本剤20mgとエタノール0.6g/kg(溶液)を併用で経口投与した時の本剤のCmax及びAUCは、本剤単独投与時と比べてそれぞれ1.2倍及び1.0倍であった。エタノールのCmax及びAUCは、エタノール単独投与時と比べてそれぞれ1.0倍及び1.1倍であった。