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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 下記疾患における自家造血幹細胞移植の前治療

    • 悪性リンパ腫、小児悪性固形腫瘍

用法・用量

  • <悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療>

    • ブスルファンとの併用において、通常、成人にはチオテパとして1日1回5mg/kgを2時間かけて点滴静注し、これを2日間連続で行う。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • <小児悪性固形腫瘍における自家造血幹細胞移植の前治療>

    • メルファランとの併用において、通常、チオテパとして1日1回200mg/m2を24時間かけて点滴静注する。これを2日間連続で行い、5日間休薬した後、さらに同用量を2日間連続で行う。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法及び造血幹細胞移植に十分な知識と経験をもつ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
  • 1.2 本剤は強い骨髄抑制作用を有する薬剤であり、本剤投与後は重度の骨髄抑制状態となり、その結果致命的な感染症及び出血等を引き起こすおそれがあるので、下記につき十分注意すること。[8.1、9.1.1、11.1.1-11.1.3参照]
    • ・患者の状態を十分に観察し、致命的な感染症の発現を抑制するため、感染症予防のための処置(抗感染症薬の投与等)を行い、必要に応じ無菌管理を行うこと。
    • ・輸血及び血液造血因子の投与等適切な支持療法を行うこと。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 重症感染症を合併している患者
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症を合併している患者
感染症が増悪し致命的となることがある。[1.2、8.1、11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
腎機能障害が増悪するおそれがある。[8.3、11.1.5参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害が増悪するおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 性腺に対する影響を考慮すること。[15.2.2参照]
9.4.2 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること。[9.5参照]
9.4.3 パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること。[15.2.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で催奇形性(マウス:巨指・欠趾、小顎症、口蓋裂等、ラット:腎形成不全、無尾、減指等)、胎児死亡(マウス、ウサギ)が認められたとの報告がある。[2.3、9.4.2参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤のヒト乳汁中への移行については不明である。[15.2.3参照]
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 成長障害等が起こる可能性を十分に考慮すること。チオテパを前治療薬とした造血幹細胞移植を施行した小児において、成長障害等を発現したとの報告がある。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、患者の状態及び臓器機能(心、肺、肝、腎機能等)を十分検討し、造血幹細胞移植を実施可能と判断される患者にのみ投与し、以下の事項について特に注意すること。[1.2、9.1.1、11.1.1-11.1.3参照]
・心電図、血圧及び尿量等のモニターを行うこと。また、定期的に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うこと。
・患者の状態を十分に観察し、致命的な感染症の発現を抑制するため、感染症予防のための処置(抗感染症薬の投与等)を行い、必要に応じ無菌管理を行うこと。
・輸血及び血液造血因子の投与等適切な支持療法を行うこと。
8.2 骨髄抑制、出血、血栓性微小血管症があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.2、11.1.3、11.1.8参照]
8.3 腎機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[9.2、11.1.5参照]
8.4 肝中心静脈閉塞症(VOD)/類洞閉塞症候群(SOS)があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.9参照]
8.5 皮膚剥離等の皮膚障害があらわれることがあるので、特に小児への本剤投与中は皮膚の保清・保湿又は皮膚刺激の低減等を行うこと。[11.1.7参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤は保存中に凝固することがあるため、常温下で融解したことを確認してから使用すること。
14.1.2 本剤は発がん性を有するおそれがあること、並びに揮発性を有することから、調製時には手袋、マスク、防護メガネ等を着用し、安全キャビネット内等で調製を行うこと。本剤の溶液が皮膚に付着した場合には石鹸及び多量の水で、粘膜、眼に付着した場合には多量の流水で、直ちによく洗うこと。
14.1.3 患者体重又は体表面積あたりで計算した1日投与量を1バイアルあたり20~200mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液に添加し、十分に混和して使用すること。なお、希釈後の薬液は0.5~4.4mg/mLの濃度において室温で26時間までの安定性が確認されている。
14.1.4 希釈調製から26時間以内に投与を終了すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 他剤と配合又は混注しないこと。
14.2.2 孔径0.2μmのインラインフィルターを用いて投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療
成人(16歳以上)悪性リンパ腫患者10例に本剤200mg/m2/日を2時間かけて静脈内に点滴投与(初回)したとき注)の血漿中チオテパ濃度推移(平均値±標準偏差)を図に薬物動態パラメータを表に示した。
C0(μg/mL)Vd(L/m2T1/2(h)AUCt(μg・h/mL)
5.8±2.126.4±5.52.1±0.421.2±5.2
(2)小児悪性固形腫瘍における自家造血幹細胞移植の前治療
小児悪性固形腫瘍患者9例に本剤200mg/m2/日を24時間かけて静脈内に点滴投与(初回)したときの血漿中チオテパ濃度推移(平均値±標準偏差)を図に薬物動態パラメータを表に示した。
C0(μg/mL)Vd(L/m2T1/2(h)AUCt(μg・h/mL)
1.5±1.016.4±8.51.6±0.521.6±14.1
16.3 分布
健康成人及びがん患者におけるチオテパの血清中タンパク結合率は、それぞれ8及び13%であるとの報告がある(in vitro)。
16.4 代謝
チオテパの代謝経路はCYP3A4及びCYP2B6による酸化であり、別の代謝経路としてグルタチオン抱合も関与するとの報告がある(in vitro)。
16.5 排泄
がん患者1例に放射性標識したチオテパ0.3mg/kgを2時間かけて静脈内投与したとき注)、投与24時間後までの投与放射能の尿中排泄率は63%であったとの報告がある(外国人データ)。また、がん患者6例にチオテパ20mgを静脈内投与したとき注)、投与48時間後までの未変化体の尿中排泄率は0.16%であったとの報告がある(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 シクロホスファミド
がん患者3例にシクロホスファミド1000又は1500mg/m2/日(1時間持続静脈内投与)、カルボプラチン265又は400mg/m2/日(1時間持続静脈内投与)及びチオテパ80又は120mg/m2/日(30分持続静脈内投与)の投与順序を変えて投与したとき注)、チオテパ投与後にシクロホスファミドを投与した場合の4-水酸化シクロホスファミド(活性代謝物)のCmax及びAUCは、シクロホスファミド投与後にチオテパを投与した場合と比較して、それぞれ62、及び26%低下したとの報告がある(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 その他
チオテパはP-gpの基質であるとの報告がある(in vitro)。
注)悪性リンパ腫及び小児悪性固形腫瘍に対して本剤の承認された用法及び用量は、それぞれ5mg/kg/日(2時間持続点滴静注)及び200mg/m2/日(24時間持続点滴静注)である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
シクロホスファミド
[16.7.1参照]
シクロホスファミドの活性代謝物の血中濃度が低下し、シクロホスファミドの有効性が減弱するおそれがある。本剤のCYP2B6阻害作用により、シクロホスファミドの代謝活性化が阻害される可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 感染症(21.1%)
細菌感染(15.8%)、真菌感染(10.5%)、肺炎(5.3%)、敗血症(頻度不明)等の感染症があらわれることがある。[1.2、8.1、9.1.1参照]
11.1.2 骨髄抑制(78.9%)
発熱性好中球減少症(78.9%)、白血球減少(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)、貧血(頻度不明)等の骨髄抑制があらわれることがある。[1.2、8.1、8.2参照]
11.1.3 出血(10.5%)
胃腸出血(頻度不明)、肺出血(頻度不明)等の出血があらわれることがある。[1.2、8.1、8.2参照]
11.1.4 肺水腫、浮腫、体液貯留(21.1%)
肺水腫(10.5%)、浮腫(21.1%)、胸水(10.5%)、心嚢液貯留(10.5%)があらわれることがあり、胸水及び心嚢液貯留により心停止に至ったと考えられる症例が報告されているので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、利尿剤の投与、本剤の減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
11.1.5 腎機能障害(10.5%)
急性腎障害(10.5%)等の腎障害があらわれることがある。[8.3、9.2参照]
11.1.6 胃腸障害(100.0%)
口内炎等の粘膜障害(94.7%)、悪心(84.2%)、嘔吐(68.4%)、下痢(84.2%)、食欲不振(73.7%)等があらわれることがある。
11.1.7 皮膚障害(63.2%)
皮膚色素過剰(21.1%)、皮膚炎(10.5%)、皮膚乾燥(10.5%)、皮膚剥脱(5.3%)、皮膚疼痛(5.3%)、そう痒(5.3%)等の皮膚障害があらわれることがある。[8.5参照]
11.1.8 血栓性微小血管症(頻度不明)[8.2参照]
11.1.9 肝中心静脈閉塞症(VOD)/類洞閉塞症候群(SOS)(頻度不明)[8.4参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

20%以上20%未満頻度不明
血液低ガンマグロブリン血症
肝臓ALT上昇(63.2%)、AST上昇(52.6%)、γ-GTP上昇(36.8%)ALP上昇、血中乳酸脱水素酵素増加肝障害
腎臓尿中ブドウ糖陽性、血尿、蛋白尿
呼吸器呼吸不全、肺高血圧症、鼻閉、咽喉頭痛喀血、急性呼吸窮迫症候群、呼吸困難、低酸素症
循環器血圧上昇、心停止、大動脈弁閉鎖不全症、洞性頻脈、毛細血管漏出症候群房室ブロック、心室性期外収縮、心不全
消化器肛門の炎症、肛門周囲痛、腸炎、腹痛、胃炎、口腔内痛、口内乾燥肛門狭窄、イレウス、消化管浮腫
精神神経系味覚異常(42.1%)不安、頭痛、感覚鈍麻、傾眠、譫妄、不眠痙攣、熱性痙攣、異常行動、意識変容状態、脳症
皮膚斑状丘疹状皮疹、脱毛症紫斑、手掌・足底発赤知覚不全症候群発疹
眼そう痒症
その他血中アルブミン低下(31.6%)、倦怠感発熱、血中カルシウム低下、血中カリウム低下、陰茎痛、悪寒、血中アミラーゼ増加、血中カリウム上昇、血中ナトリウム上昇、血中ナトリウム低下、血中マグネシウム低下、非心臓性胸痛、血中リン低下口渇、術創の治癒遷延、注射部位疼痛、骨肉腫、甲状腺癌、聴覚障害、ショック、無力症、全身健康状態低下
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