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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

用法・用量

  • 通常、成人にはペフィシチニブとして150mgを1日1回食後に経口投与する。なお、患者の状態に応じて100mgを1日1回投与できる。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤投与により、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現若しくは悪化等が報告され、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致死的な経過をたどることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。[1.2.1、1.2.2、2.1、2.2、7.2、8.1-8.5、8.9、9.1.1-9.1.3、9.1.10、11.1.1、15.1.1-15.1.3参照]
  • 1.2 感染症

    • 1.2.1 重篤な感染症

      • 敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。[1.1、2.1、7.2、8.1、8.9、9.1.1、9.1.3、11.1.1、15.1.1参照]
    • 1.2.2 結核

      • 播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(脊椎、脳髄膜、胸膜、リンパ節等)を含む結核があらわれる可能性がある。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する患者及び結核の感染が疑われる患者には、結核等の感染症について診療経験を有する医師と連携の下、原則として本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与すること。また、ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核があらわれる可能性がある。[1.1、2.2、8.2、9.1.2、11.1.1参照]
  • 1.3 本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 重篤な感染症(敗血症等)の患者[症状を悪化させるおそれがある。][1.1、1.2.1、7.2、8.1、8.9、9.1.1、9.1.3、11.1.1、15.1.1参照]
  • 2.2 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。][1.1、1.2.2、8.2、9.1.2、11.1.1参照]
  • 2.3 重度の肝機能障害を有する患者[7.1、9.3.1-9.3.3、10.2、11.1.4、16.6.2参照]
  • 2.4 好中球数が500/mm3未満の患者[8.6、9.1.5、11.1.2参照]
  • 2.5 リンパ球数が500/mm3未満の患者[8.6、9.1.6、11.1.2参照]
  • 2.6 ヘモグロビン値が8g/dL未満の患者[8.6、9.1.7、11.1.2参照]
  • 2.7 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.8 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症の患者(重篤な感染症を除く)又は感染症が疑われる患者[1.1、1.2.1、2.1、7.2、8.1、8.9、9.1.3、11.1.1参照]
9.1.2 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)及び結核感染が疑われる患者
(1)結核の既感染者では、結核を活動化させるおそれがある。[1.1、1.2.2、2.2、8.2、11.1.1参照]
(2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として本剤の開始前に適切な抗結核薬を投与すること。[1.1、1.2.2、2.2、8.2、11.1.1参照]
・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
・インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者
・結核患者との濃厚接触歴を有する患者
9.1.3 易感染性の状態にある患者
感染症を発現するリスクが増加する。[1.1、1.2.1、2.1、8.1、9.1.1、11.1.1参照]
9.1.4 腸管憩室のある患者
消化管穿孔があらわれるおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.5 好中球減少のある患者
好中球数が低い患者(1000/mm3未満)については、本剤の投与を開始しないことが望ましい。好中球減少が更に悪化するおそれがある。[2.4、8.6、11.1.2参照]
9.1.6 リンパ球減少のある患者
リンパ球減少が更に悪化するおそれがある。[2.5、8.6、11.1.2参照]
9.1.7 ヘモグロビン減少のある患者
ヘモグロビン減少が更に悪化するおそれがある。[2.6、8.6、11.1.2参照]
9.1.8 間質性肺炎の既往歴のある患者
定期的に問診を行うなど、注意すること。間質性肺炎があらわれるおそれがある。[11.1.5参照]
9.1.9 先天性QT短縮症候群の患者
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。QT間隔が短縮するおそれがある。[17.3.1参照]
9.1.10 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。抗リウマチ生物製剤やJAK阻害剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。[1.1、8.3、11.1.1参照]
9.1.11 静脈血栓塞栓症のリスクを有する患者[11.1.6参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害を有する患者
投与しないこと。副作用が強くあらわれるおそれがある。[2.3、7.1、8.8、10.2、11.1.4、16.6.2参照]
9.3.2 中等度の肝機能障害を有する患者(Child-Pugh分類B)
血中濃度が高くなり、副作用が強くあらわれるおそれがある。[2.3、7.1、8.8、10.2、11.1.4、16.6.2、17.1.1-17.1.3参照]
9.3.3 軽度の肝機能障害を有する患者(Child-Pugh分類A)
副作用が強くあらわれるおそれがある。[2.3、7.1、8.8、10.2、11.1.4、16.6.2、17.1.1-17.1.3参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に投与する場合には、投与中及び投与終了後少なくとも1月経周期は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験ではラットで催奇形性、ウサギで胚・胎児致死作用が報告されており、ヒトに本剤を投与したときの血漿中濃度と比較したとき、胚・胎児発生に関する安全域はラット及びウサギでそれぞれ1.2倍及び0.9倍であった。また、ラットで胎児の発達への影響、出生児の生存率、体重への影響及び骨格奇形が報告されている。雌ラットの受胎能及び初期胚発生に関する安全域は3.6倍、出生前及び出生後の発生に関する安全域は0.7倍であった。[2.8、9.4参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ラットで乳汁中への移行及び出生児の発育への影響が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
用量に留意して、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。また、重篤な感染症の発現率の上昇が認められている。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は、免疫反応に関与するJAKファミリー(JAK1/JAK2/JAK3/TYK2)を阻害するので、感染症に対する宿主免疫能に影響を及ぼすおそれがある。本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や増悪に注意すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること。[1.1、1.2.1、2.1、7.2、8.9、9.1.1、9.1.3、11.1.1、15.1.1、15.2.1参照]
8.2 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。[1.1、1.2.2、2.2、9.1.2、11.1.1参照]
8.3 抗リウマチ生物製剤やJAK阻害剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。[1.1、9.1.10、11.1.1参照]
8.4 ヘルペスウイルスを含むウイルスの再活性化(帯状疱疹等)が報告されている。また、重篤な帯状疱疹や播種性帯状疱疹も認められていることから、ヘルペスウイルス等の再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。徴候や症状の発現が認められた場合には、患者に受診するよう説明し、本剤の投与を中断し、速やかに適切な処置を行うこと。また、ヘルペスウイルス以外のウイルスの再活性化にも注意すること。[1.1、11.1.1、15.2.1参照]
8.5 悪性リンパ腫、固形癌等の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明らかではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。[1.1、15.1.2、15.1.3参照]
8.6 好中球減少、リンパ球減少及びヘモグロビン減少があらわれることがあるので、本剤投与開始後は定期的に好中球数、リンパ球数及びヘモグロビン値を確認すること。[2.4-2.6、9.1.5-9.1.7、11.1.2、15.2.1参照]
8.7 総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール及びトリグリセリドの上昇等の脂質検査値異常があらわれることがある。本剤投与開始後は定期的に脂質検査値を確認すること。臨床上必要と認められた場合には、脂質異常症治療薬の投与等の適切な処置を考慮すること。
8.8 肝機能障害があらわれることがあるので、トランスアミナーゼ上昇に注意するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。[9.3.1-9.3.3、10.2、11.1.4参照]
8.9 感染症発現のリスクを否定できないので、本剤投与中の生ワクチン接種は行わないこと。[1.1、1.2.1、2.1、8.1、9.1.1、11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 中等度の肝機能障害を有する患者に投与する場合には、本剤の有効性及び安全性を十分に理解し、本剤投与の必要性を慎重に検討した上で、本剤50mg1日1回投与とすること。なお、十分な治療反応が得られない場合は、本剤の投与継続の必要性を検討すること。[2.3、9.3.1-9.3.3、10.2、11.1.4、16.6.2、17.1.1-17.1.3参照]
7.2 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF阻害剤、IL-6阻害剤、T細胞選択的共刺激調節剤等の生物製剤や、他のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤等の強力な免疫抑制剤(局所製剤以外)との併用はしないこと。なお、これらの生物製剤及び免疫抑制剤との併用経験はない。[1.1、1.2.1、2.1、8.1、9.1.1、11.1.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

過去の治療において、メトトレキサートをはじめとする少なくとも1剤の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人(各群6例)にペフィシチニブ20、60、200mgを空腹時単回経口投与したとき注)、ペフィシチニブの血漿中濃度は投与後1~2時間でピークに達し、消失半減期は3.7~7.5時間であった。
単回投与時のペフィシチニブの血漿中薬物動態パラメータ
投与量被験者数Cmax(ng/mL)Tmax(h)t1/2(h)AUCinf(ng・h/mL)
20mg676.87±24.191.4±0.83.7±0.7259.50±42.91
60mg6241.13±74.741.3±0.34.0±1.0782.78±158.56
200mg6648.73±55.481.8±0.47.5±4.92524.88±234.45
平均値±標準偏差
16.1.2 反復投与
日本人健康成人(24例)にペフィシチニブ150mgを1日1回食後反復経口投与したとき、反復投与3日目には定常状態に達し、定常状態でのCmaxは613.2ng/mL、AUC24hは2643ng・h/mLであった。また、単回投与時と比較した定常状態での蓄積比は1.2であった。
16.2 吸収
日本人健康成人(18例)にペフィシチニブ150mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に比べ食後投与ではCmaxは56.4%、AUClastは36.8%増加した。
16.3 分布
ペフィシチニブの血漿蛋白結合率は72.83%~75.20%であり、主要結合蛋白質はアルブミンであった(in vitro試験)。
16.4 代謝
ペフィシチニブは主に硫酸抱合代謝を受け、一部はメチル化代謝を受けた。ペフィシチニブの主代謝酵素は硫酸転移酵素であるSULT2A1であり、メチル転移酵素であるNNMTも寄与することが示された(in vitro試験)。
16.5 排泄
日本人健康成人(各群6例)にペフィシチニブ20、60、200mgを単回経口投与したとき注)、ペフィシチニブの尿中排泄率は12.5%~16.8%であった。
健康成人(6例)に14Cで標識したペフィシチニブ100mgを単回経口投与したとき、放射能として投与量の36.8%が尿中に、56.6%が糞中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
軽度(8例)、中等度(8例)、重度(7例)の腎機能障害患者及び腎機能正常被験者(8例)に、ペフィシチニブ150mgを単回経口投与したとき、軽度腎機能障害患者では腎機能正常被験者に比べCmaxは10.4%、AUCinfは12.7%低かった。中等度腎機能障害患者では腎機能正常被験者に比べCmaxは21.7%、AUCinfは16.9%低かった。重度腎機能障害患者では腎機能正常被験者に比べCmaxは21.7%低く、AUCinfは8.7%高かった。
腎機能障害の程度がペフィシチニブの薬物動態に及ぼす影響
腎機能障害の程度幾何平均比(90%信頼区間)
腎機能障害患者/腎機能正常被験者
CmaxAUCinf
軽度腎機能障害患者
(60mL/min/1.73m2=<eGFR<90mL/min/1.73m2
0.896
(0.595,1.349)
0.873
(0.610,1.250)
中等度腎機能障害患者
(30mL/min/1.73m2=<eGFR<60mL/min/1.73m2
0.783
(0.520,1.179)
0.831
(0.581,1.190)
重度腎機能障害患者
(15mL/min/1.73m2=<eGFR<30mL/min/1.73m2
0.783
(0.513,1.197)
1.087
(0.738,1.602)
16.6.2 肝機能障害患者
軽度(8例)、中等度(8例)の肝機能障害患者及び肝機能正常被験者(8例)にペフィシチニブ150mgを単回経口投与したとき、軽度肝機能障害患者では肝機能正常被験者に比べCmaxは3.9%、AUCinfは18.5%高かった。中等度肝機能障害患者では肝機能正常被験者に比べCmaxは82.4%、AUCinfは92.3%高かった。[2.3、7.1、9.3.1-9.3.3、10.2、11.1.4参照]
肝機能障害の程度がペフィシチニブの薬物動態に及ぼす影響
肝機能障害の程度幾何平均比(90%信頼区間)
肝機能障害患者/肝機能正常被験者
CmaxAUCinf
軽度肝機能障害患者
(Child-Pugh分類A、スコア5~6)
1.039
(0.705,1.531)
1.185
(0.857,1.638)
中等度肝機能障害患者
(Child-Pugh分類B、スコア7~9)
1.824
(1.238,2.686)
1.923
(1.391,2.658)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 その他の薬剤
(1)ペフィシチニブの薬物動態に及ぼす併用薬の影響
In vitro試験
ペフィシチニブはP糖蛋白(P-gp)の基質である。
・臨床薬物相互作用試験
ペフィシチニブの薬物動態に及ぼす併用薬の影響(外国人データ)
併用薬併用薬投与量ペフィシチニブ投与量幾何平均比(90%信頼区間)
併用/単独
CmaxAUC
ベラパミル(P-gp阻害)80mg
1日3回
150mg
単回
1.3919
(1.2634,1.5334)
1.2685
(1.2185,1.3206)
メトトレキサート15~25mg
週1回
100mg
1日2回注)
0.9195
(0.7821,1.0809)
0.9815
(0.9104,1.0582)
(2)併用薬の薬物動態に及ぼすペフィシチニブの影響
In vitro試験
ペフィシチニブはCYP3A及びCYP2C8を阻害する。また、ペフィシチニブは排出トランスポーターであるBCRP及び取り込みトランスポーターであるOATP1B1及びOCT1を阻害する。
・臨床薬物相互作用試験
併用薬の薬物動態に及ぼすペフィシチニブの影響
併用薬併用薬投与量ペフィシチニブ投与量幾何平均比(90%信頼区間)
併用/単独
CmaxAUC
ミダゾラムa)(CYP3A基質)3mg
単回
100mg
1日2回注)
1.1332
(1.0595,1.2121)
1.3698
(1.2837,1.4616)
ロスバスタチンa)(OATP1B1基質)10mg
単回
150mg
1日1回
1.1484
(1.00741,1.30922)
1.1826
(1.00386,1.39313)
メトホルミン(OCT1、MATE1基質)750mg
単回
150mg
1日1回
0.830
(0.786,0.876)
0.826
(0.784,0.870)
メトトレキサートa)15~25mg
週1回
100mg
1日2回注)
0.9226
(0.8301,1.0254)
1.0251
(0.9287,1.1315)
ミコフェノール酸モフェチルa)、b)1000mg
単回
100mg
1日2回注)
0.9457
(0.8003,1.1175)
1.0248
(0.9619,1.0917)
タクロリムスa)(CYP3A基質)5mg
単回
100mg
1日2回注)
1.5654
(1.4038,1.7457)
1.6322
(1.5008,1.7751)
a):外国人データb):活性代謝物であるミコフェノール酸としての薬物動態を評価
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはペフィシチニブとして150mgを1日1回食後に経口投与する。なお、患者の状態に応じて100mgを1日1回投与できる。」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
肝機能障害を起こす可能性のある薬剤
[2.3、7.1、8.8、9.3.1-9.3.3、11.1.4、16.6.2参照]
メトトレキサート併用時に本剤単独投与時と比較して肝機能障害の発現率上昇が認められている。機序は不明である。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 感染症
帯状疱疹(12.9%)、肺炎(ニューモシスチス肺炎等を含む)(4.7%)、敗血症(0.2%)等の重篤な感染症があらわれることがある。本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合は、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること。[1.1、1.2.1、1.2.2、2.1、2.2、7.2、8.1-8.4、8.9、9.1.1-9.1.3、9.1.10、15.1.1参照]
11.1.2 好中球減少症(0.5%)、リンパ球減少症(5.9%)、ヘモグロビン減少(2.7%)
本剤投与開始前及び投与中は、定期的に血液検査を行うこと。
好中球数
本剤投与開始後、好中球数が継続して500~1000/mm3である場合は、好中球数が1000/mm3を超えるまで本剤の投与を中断すること。
リンパ球数
本剤投与開始後、リンパ球数が500/mm3未満になった場合には、500/mm3以上となるまで本剤の投与を中止すること。
ヘモグロビン値
本剤投与開始後、ヘモグロビン値が8g/dL未満になった場合には、正常化するまで本剤の投与を中止すること。
[2.4-2.6、8.6、9.1.5-9.1.7参照]
11.1.3 消化管穿孔(0.3%)
異常が認められた場合には投与を中止するとともに、腹部レントゲン、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと。[9.1.4参照]
11.1.4 肝機能障害、黄疸
AST(0.6%)、ALT(0.8%)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(5.0%)があらわれることがある。[2.3、7.1、8.8、9.3.1-9.3.3、10.2、16.6.2参照]
11.1.5 間質性肺炎(0.3%)
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。[9.1.8参照]
11.1.6 静脈血栓塞栓症(頻度不明)
肺塞栓症及び深部静脈血栓症があらわれることがある。[9.1.11参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満
感染症及び寄生虫症咽頭炎、上咽頭炎、上気道感染、気管支炎、インフルエンザ、膀胱炎扁桃炎、副鼻腔炎、胃腸炎、結膜炎、中耳炎、足部白癬、歯周炎、歯肉炎、口腔ヘルペス、単純ヘルペス、尿路感染
神経系障害頭痛
血管障害高血圧
呼吸器、胸郭及び縦隔障害上気道の炎症、咳嗽、口腔咽頭痛、喘息
胃腸障害悪心、嘔吐、口内炎、齲歯、下痢、便秘、胃炎、胃食道逆流性疾患、上腹部痛、腹部不快感
皮膚及び皮下組織障害湿疹、発疹
筋骨格系及び結合組織障害筋痙縮、背部痛
一般・全身障害及び投与部位の状態発熱、倦怠感
臨床検査血中CK増加、脂質増加白血球数減少、肝機能検査値上昇、血中β-Dグルカン増加、血中コレステロール増加AST増加、ALT増加、γ-GTP増加、B型肝炎DNA増加
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