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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 2型糖尿病

用法・用量

  • 通常、成人にはトレラグリプチンとして100mgを1週間に1回経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
  • 2.2 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
  • 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 低血糖を起こすおそれのある以下の患者又は状態
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
・栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
・激しい筋肉運動
・過度のアルコール摂取者
[8.1、11.1.1参照]
9.1.2 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者
腸閉塞を起こすおそれがある。[11.1.4参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 中等度以上の腎機能障害患者
投与量を減量し、患者の状態を慎重に観察すること。腎機能の程度に応じて排泄の遅延により本剤の血中濃度が増加する。[7.1、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット)において、胎盤通過が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に腎機能が低下していることが多い。[7.1、16.6.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 低血糖を起こすおそれがあるので、本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明し、注意を喚起すること。[9.1.1、11.1.1参照]
8.2 急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。[11.1.3参照]
8.3 本剤は1週間に1回経口投与する薬剤であり、投与中止後も作用が持続するので、血糖値や副作用の発現について十分留意すること。
また、本剤投与中止後に他の糖尿病用薬を使用するときは、血糖管理状況等を踏まえ、その投与開始時期及び用量を検討すること。[16.1.1、16.1.2、18.2.2参照]
8.4 本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、本剤を2~3ヵ月投与しても効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
8.5 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1参照]
8.6 本剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 中等度以上の腎機能障害患者では、排泄の遅延により本剤の血中濃度が上昇するため、腎機能の程度に応じて、下表を参考に投与量を減量すること。[9.2.1、9.8、16.6.1参照]
中等度以上の腎機能障害患者における投与量
血清クレアチニン(mg/dL)注1)クレアチニンクリアランス(Ccr,mL/min)投与量
中等度腎機能障害患者男性:1.4<~≦2.4
女性:1.2<~≦2.0
30≦~<5050mg、週1回
高度腎機能障害患者/末期腎不全患者注2)男性:>2.4
女性:>2.0
<3025mg、週1回
注1)Ccrに相当する換算値(年齢60歳、体重65kg)注2)末期腎不全患者については、本剤投与と血液透析との時間関係は問わない。
7.2 投与にあたっては次の点を患者に指導すること。
・本剤は週1回服用する薬剤であり、同一曜日に服用すること。
・本剤の服用を忘れた場合は、気づいた時点で決められた用量のみを服用し、その後はあらかじめ定められた曜日に服用すること。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人(8例)にトレラグリプチンとして100mgを朝食開始30分前に単回経口投与した時の血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは以下のとおりであり、投与168時間後の血漿中濃度の平均値は2.1ng/mLであった。[8.3参照]
血漿中濃度の推移
100mg投与時の薬物動態学的パラメータ
投与量Cmax(ng/mL)Tmax(h)AUC0-inf(ng・h/mL)T1/2(0-72)(h)T1/2(0-168)(h)
100mg619.4(77.3)1.3(0.4)6,601.7(845.4)18.5(1.9)54.3(7.9)
平均値(標準偏差)
16.1.2 反復投与
健康成人(9例)にトレラグリプチンとして100mgを朝食開始30分前に1日1回単回経口投与注1)し、その3日後から朝食開始30分前に1日1回11日間反復投与した時、投与1日目のCmax及びAUC(0-inf)の平均値(標準偏差)はそれぞれ544.3(122.0)ng/mL及び5,572.3(793.2)ng・h/mL、投与14日目のCmax及びAUC(0-tau)の平均値(標準偏差)はそれぞれ602.6(149.5)ng/mL及び5,292.9(613.8)ng・h/mLであった。[8.3参照]
注1)本剤の承認用法・用量は、通常、トレラグリプチンとして100mgを1週間に1回経口投与である。
16.2 吸収
健康成人(12例)にトレラグリプチンとして100mgを朝食開始30分後に経口投与した時のCmax及びAUC(0-inf)は、朝食絶食下に投与した時と比較して、それぞれ16.8%増加、2.5%減少した。
16.3 分布
14C]トレラグリプチンを0.1~10μg/mLの濃度でヒト血漿に添加した時の蛋白結合率は、22.1~27.6%であった(in vitro)。
16.4 代謝
16.4.1 トレラグリプチンは主にCYP2D6によるN-脱メチル化により活性代謝物M-Iに代謝される。なお、ヒト血漿中の活性代謝物M-Iはトレラグリプチン未変化体の1%未満であった。
16.4.2 トレラグリプチンはCYP3A4/5に対して弱い阻害作用を示したが(直接阻害作用IC50値:100μmol/L以上、代謝由来阻害作用IC50値:12μmol/L(ミダゾラム1'-水酸化活性)及び28μmol/L(テストステロン6β-水酸化活性))、CYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19及びCYP2D6を阻害せず、CYP1A2、CYP2B6及びCYP3A4を誘導しなかった(in vitro)。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人(12例)にトレラグリプチンとして100mgを朝食絶食下又は朝食開始30分後に単回経口投与した時、投与168時間までのトレラグリプチンの累積尿中排泄率は、それぞれ76.6%、76.1%であった。
16.5.2 トレラグリプチンはP-糖蛋白質の基質であり、P-糖蛋白質を介するジゴキシンの輸送をわずかに阻害した(IC50値:500μmol/L以上)。また、トレラグリプチンは有機カチオントランスポーターOCT2の基質であるメトホルミンの取り込みに対して阻害作用を示した(IC50値:55.9μmol/L)(in vitro)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害者及び健康成人にトレラグリプチンとして50mgを単回経口投与した時注1)のAUC(0-tlqc)及びCmaxは、年齢、性別、人種及び体重を対応させた健康成人と比較して軽度腎機能障害者(Ccr=50~80mL/min、6例)で55.7%増加、36.3%増加、中等度腎機能障害者(Ccr=30~50mL/min、6例)で105.7%増加、12.9%増加、高度腎機能障害者(Ccr<30mL/min、6例)で201.4%増加、9.1%増加、末期腎不全患者(6例)で268.1%増加、13.8%低下した。また、トレラグリプチンは4時間の血液透析で投与量の9.2%が除去された(外国人データ)。[7.1、9.2.1、9.8、13.1参照]
注1)本剤の承認用法・用量は、通常、トレラグリプチンとして100mgを1週間に1回経口投与である。
16.6.2 肝機能障害患者
中等度肝機能障害者(Child-Pugh注2)スコアが7~9、8例)及び健康成人(8例)にトレラグリプチンとして50mgを単回経口投与した時注1)のAUC(0-inf)及びCmaxは、年齢、性別、人種、喫煙歴及び体重を対応させた健康成人と比較して5.1%増加、4.3%減少した(外国人データ)。
注1)本剤の承認用法・用量は、通常、トレラグリプチンとして100mgを1週間に1回経口投与である。
注2)ビリルビン、アルブミン、PT又はINR、肝性脳症、腹水症の状態からスコア化する分類
16.7 薬物相互作用
16.7.1 グリメピリド注3)、メトホルミン
トレラグリプチンとグリメピリド又はメトホルミンを併用した時、トレラグリプチン及びこれら併用薬剤の薬物動態に明らかな影響は認められなかった(外国人データ)。
注3)グリメピリドは日本人のデータ
16.7.2 その他の薬剤
トレラグリプチンとカフェイン、トルブタミド、デキストロメトルファン又はミダゾラムを併用した時、これら併用薬剤の薬物動態に明らかな影響は認められなかった(外国人データ)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
糖尿病用薬
スルホニルウレア剤
速効型インスリン分泌促進薬
α-グルコシダーゼ阻害剤
ビグアナイド系薬剤
チアゾリジン系薬剤
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害剤
インスリン製剤
[11.1.1参照]
低血糖を発現するおそれがある。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること。併用により血糖降下作用が増強するおそれがある。
糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤
β-遮断薬
サリチル酸製剤
モノアミン酸化酵素阻害薬
フィブラート系の高脂血症治療薬 等
血糖が低下するおそれがある。併用により血糖降下作用が増強するおそれがある。
糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤
アドレナリン
副腎皮質ホルモン
甲状腺ホルモン 等
血糖が上昇するおそれがある。併用により血糖降下作用が減弱するおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低血糖(0.1~5%未満)
低血糖があらわれることがある。スルホニルウレア剤又はインスリン製剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取させるなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤の併用時はブドウ糖を投与すること。[8.1、8.5、9.1.1、10.2、17.1、17.2参照]
11.1.2 類天疱瘡(頻度不明)
水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.3 急性膵炎(頻度不明)
持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.2参照]
11.1.4 腸閉塞(頻度不明)
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満
過敏症発疹、そう痒
循環器心房細動
肝臓ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇
その他血中アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇、CK上昇、尿潜血陽性、鼻咽頭炎
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