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ピルフェニドン錠200mg「日医工」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 特発性肺線維症

用法・用量

  • 通常、成人にはピルフェニドンとして初期用量1回200mgを1日3回(1日600mg)食後に経口投与し、患者の状態を観察しながら1回量を200mgずつ漸増し、1回600mg(1日1800mg)まで増量する。
    なお、症状により適宜増減する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の使用は、特発性肺線維症の治療に精通している医師のもとで行うこと。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットにおいて、妊娠期間の延長及び出生率の低下、胎児への移行が認められている。また、ウサギでは、流産又は早産が認められている。なお、いずれの動物試験においても催奇形性は認められなかった。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ラットにおいて、乳汁中への移行及び哺育中期以降に出生児の体重増加抑制が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 光線過敏症があらわれることがあるため、投与にあたっては、事前に患者に対し以下の点について十分に指導すること。
・外出時には長袖の衣服、帽子等の着用や日傘、日焼け止め効果の高いサンスクリーン(SPF50+、PA+++)の使用により、紫外線にあたることを避けるなど、光曝露に対する防護策を講じること。[15.2.2参照]
・発疹、そう痒等の皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医師に連絡すること。
8.2 眠気、めまい、ふらつきが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.3 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.1参照]
8.4 無顆粒球症、白血球減少、好中球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うこと。[11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は初期用量として1回200mg(1日600mg)から開始し、2週間を目安に1回200mgずつ漸増し、1回600mg(1日1800mg)で維持することが望ましい。
7.2 胃腸障害等の発現時には必要に応じて減量又は休薬を検討すること。なお、症状が軽減した場合、7.1に従い漸増し、維持用量の目安を1回400mg(1日1200mg)以上とすることが望ましい。
7.3 食後投与と比べ空腹時投与では、本剤の血漿中濃度が高値を示し、副作用があらわれるおそれがあるので、食後に投与すること。[16.2.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 空腹時単回投与
健康成人男性各6例にピルフェニドン錠200mg、400mg及び600mgを空腹時単回経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-1に示す。Cmax、AUCはいずれも投与量に比例して増大した。
表16-1 空腹時単回経口投与時の薬物動態パラメータ
投与量(mg)例数Cmax(μg/mL)Tmax(hr)AUC0-48(μg・hr/mL)T1/2(hr)
20063.88±0.820.75±0.2713.97±2.712.10±0.45
40069.24±1.740.58±0.2029.10±11.771.96±0.55
600610.57±1.780.83±0.2637.03±11.971.76±0.40
(測定法:HPLC)(平均値±標準偏差)
16.1.2 反復投与
健康成人男性12例にピルフェニドン錠200mg、400mg及び600mgを漸増法でそれぞれ1日3回朝、昼、夕の毎食後6日間(投与第1日目及び6日目は朝と昼投与の1日2回)計18日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-2に示す。各投与量における投与第1日目と6日目の血漿中濃度はほぼ同様の時間推移を示し、投与第6日目のCmax、AUCはいずれも投与量にほぼ比例して増大した。
表16-2 反復投与時の薬物動態パラメータ
1回投与量(mg)例数投与日(通算)Cmax0-4※1(μg/mL)Tmax0-4※1(hr)Cmax4-24※2(μg/mL)Tmax4-24※2(hr)AUC0-24※3(μg・hr/mL)T1/2(hr)
2001212.71±0.911.08±0.472.83±1.126.04±1.0519.17±
6.46
2.17±
0.30
63.06±1.281.08±0.822.70±0.516.29±0.9622.03±
5.47
2.25±
0.29
4001(7)4.94±1.291.79±0.896.22±1.595.79±1.3646.13±
10.01
2.42±
0.48
6(12)6.19±1.891.17±0.545.91±2.096.38±1.1548.69±
11.21
2.36±
0.38
6001(13)8.20±1.291.25±0.459.21±1.976.33±1.1577.22±
15.44
2.53±
0.42
6(18)8.19±1.541.71±0.5410.00±1.706.13±1.0082.31±
16.50
2.55±
0.45
※1:朝投与における値※2:昼投与における値※3:1日2回投与における値(測定法:HPLC)(平均値±標準偏差)
16.1.3 生物学的同等性試験
ピルフェニドン錠200mg「日医工」及びピレスパ錠200mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ピルフェニドンとして200mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中ピルフェニドン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
表16-3 薬物動態パラメータ
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0→12(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
ピルフェニドン錠
200mg「日医工」
15.32±4.685.38±2.380.75±0.352.04±0.50
ピレスパ錠200mg15.69±4.495.24±1.600.76±0.402.07±0.46
(1錠投与,Mean±S.D.,n=25)
図16-1 血漿中薬物濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性6例にピルフェニドン錠400mgを食後及び空腹時単回経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-4に示す。食事によりCmax、AUCは有意に低下し、Tmaxは有意に遅延した。[7.3参照]
表16-4 食後及び空腹時単回経口投与時の薬物動態パラメータ
投与量(mg)例数Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-48(μg・hr/mL)T1/2(hr)
400食後64.88±1.721.83±0.7522.13±10.631.77±0.55
空腹時9.24±1.740.58±0.2029.10±11.771.96±0.55
(測定法:HPLC)(平均値±標準偏差)
16.3 分布
16.3.1 組織移行
ラットに[14C]-ピルフェニドン100mg/kgを単回経口投与したとき、血漿より高い放射能濃度を示す臓器・組織は、肝臓、腎臓、膵臓及び包皮腺であった。大部分の臓器・組織中放射能濃度は、投与後5~30分に最高濃度を示した後、半減期4~7時間で消失したが、包皮腺の半減期は他組織に比べ長く約15時間であった。
16.3.2 蛋白結合率
健康成人にピルフェニドン錠600mgを空腹時単回経口投与したとき、限外ろ過法にて測定した血清蛋白結合率は、投与後1時間及び3時間後において、54~62%であった。
16.4 代謝
ヒト肝ミクロソームにおいて、主に肝代謝酵素CYP1A2で代謝され、CYP2C9、2C19、2D6及び2E1もピルフェニドン錠の代謝に関与している(in vitro)。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人男性各6例にピルフェニドン錠200mg、400mg及び600mgを空腹時単回経口投与したとき、いずれの投与量においても48時間までの尿中排泄率は未変化体1%未満、ピルフェニドン-5-カルボン酸体(主代謝物)約90%であった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フルボキサミンマレイン酸塩本剤のAUCが約4倍増加したとの報告がある。これらの薬剤はCYP1A2を阻害する。
シプロフロキサシン本剤のAUCが約1.8倍増加したとの報告がある。これらの薬剤はCYP1A2を阻害する。
タバコ本剤のAUCが約50%に減少したとの報告がある。喫煙はCYP1A2を誘導する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(0.4%)
AST、ALT等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれ、肝不全に至ることがある。[8.3参照]
11.1.2 無顆粒球症、白血球減少、好中球減少(いずれも頻度不明)[8.4参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
皮膚光線過敏症(51.7%)、発疹そう痒、紅斑、湿疹、扁平苔癬
消化器食欲不振(23.0%)、胃不快感(14.0%)、嘔気(12.1%)、下痢、胸やけ腹部膨満感、嘔吐、便秘、逆流性食道炎、口内炎、腹部不快感、腹痛、口唇炎口唇びらん
循環器動悸
精神神経系眠気、めまい、ふらつき(感)頭痛、頭重抑うつ、不安、不眠
肝臓γ-GTP上昇(20.0%)、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇ビリルビン上昇
血液白血球増加、好酸球増加血小板減少
その他倦怠感体重減少、発熱、味覚異常、筋骨格痛、ほてり
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