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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 腎性貧血

用法・用量

  • 6.1 保存期慢性腎臓病患者

    • 赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合

      • 通常、成人にはダプロデュスタットとして1回2mg又は4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。
    • 赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合

      • 通常、成人にはダプロデュスタットとして1回4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。
  • 6.2 透析患者

    • 通常、成人にはダプロデュスタットとして1回4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。

禁忌 

【警告】

  • 本剤投与中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれ、死亡に至るおそれがある。本剤の投与開始前に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の合併症及び既往歴の有無等を含めた血栓塞栓症のリスクを評価した上で、本剤の投与の可否を慎重に判断すること。また、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること。血栓塞栓症が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[9.1.1、11.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の患者、又はそれらの既往歴のある患者
本剤投与により血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある。[1.、11.1参照]
9.1.2 高血圧症を合併する患者
血圧上昇があらわれるおそれがある。[8.5、11.2参照]
9.1.3 悪性腫瘍を合併する患者
本剤投与により血管新生が亢進する可能性があることから、悪性腫瘍が増悪するおそれがある。
9.1.4 増殖糖尿病網膜症、黄斑浮腫、滲出性加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症等を合併する患者
本剤投与により血管新生が亢進する可能性があることから、網膜出血があらわれるおそれがある。[11.2参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。本剤6mgを軽度及び中等度の肝機能低下者(Child-Pugh分類:A及びB)に単回投与した時、本剤のCmax及びAUC0-∞が上昇した。重度の肝機能低下者(Child-Pugh分類:C)を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は胎児に移行する可能性がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットの授乳期に本剤を経口投与した時、生後10日の出生児血漿中に本剤が認められたことから、本剤は乳汁に移行する可能性がある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤投与開始後は、ヘモグロビン濃度が目標範囲で安定するまでは、2週に1回程度ヘモグロビン濃度を確認すること。
8.2 本剤投与中は、ヘモグロビン濃度等を4週に1回程度確認し、必要以上の造血作用があらわれないように十分注意すること。赤血球造血刺激因子製剤の臨床試験においてヘモグロビンの目標値を高く設定した場合に、死亡、心血管系障害及び脳卒中の発現頻度が高くなったとの報告がある。
8.3 ヘモグロビン濃度が4週以内に2.0g/dLを超える等、急激に上昇した場合は速やかに減量または休薬する等、適切な処置を行うこと。[7.2参照]
8.4 血液透析患者及び腹膜透析患者において、赤血球造血刺激因子製剤の投与量が高い患者では、本剤への切替え後にヘモグロビン濃度が低下する傾向が認められていることから、本剤への切替えの必要性を十分検討すること。本剤へ切り替えた場合は、切替え後のヘモグロビン濃度の低下に注意すること。
8.5 本剤投与により血圧が上昇するおそれがあるので、血圧の推移に十分注意しながら投与すること。[9.1.2、11.2参照]
8.6 造血には鉄が必要であることから、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 赤血球造血刺激因子製剤で未治療の保存期慢性腎臓病患者の開始用量
投与開始時のヘモグロビン濃度に応じて、以下の用量で投与を開始すること。
ヘモグロビン濃度本剤開始用量(1日1回)
9.0g/dL未満4mg
9.0g/dL以上2mg
7.2 投与量調節
投与量調節が必要な場合には、下表を参考に1段階ずつ増量又は減量を行うこと。
また、休薬した場合には、休薬前より少なくとも1段階低い用量で投与を再開すること。なお、用量調節を行った場合には、少なくとも4週間は同一用量を維持することとするが、ヘモグロビン濃度が急激に(4週以内に2.0g/dLを超える)上昇した場合には、速やかに減量又は休薬すること。[8.3参照]
段階12345678
本剤投与量1mg2mg4mg6mg8mg12mg18mg24mg

5.効能又は効果に関連する注意

赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合の本剤投与開始の目安は、保存期慢性腎臓病患者及び腹膜透析患者ではヘモグロビン濃度で11g/dL未満、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dL未満とする。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
(1)単回投与
健康成人(12例)に本剤4mgを空腹時又は食後に単回経口投与した時のダプロデュスタットの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは図1及び表1のとおりであった。
図1 健康成人に本剤4mg単回経口投与時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差、12例)
表1 健康成人に本剤4mg単回経口投与時の薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)tmax(hr)AUC0-∞(hr・ng/mL)t1/2(hr)
空腹時76.2(63.3,91.7)1.75(1.00,4.00)156.5(138.7,176.7)3.24(3.08,3.41)
食後67.8(57.4,80.2)2.75(1.00,3.00)143.1(127.8,160.3)3.22(3.02,3.42)
12例、幾何平均値(95%信頼区間)tmaxのみ中央値(範囲)
また、健康成人に本剤10~100mg注)を単回経口投与した時のダプロデュスタットの薬物動態は、概ね線形であった。
(2)反復投与
健康成人(4例)に本剤15~100mg注)を1日1回反復経口投与した時の14日目のダプロデュスタットの薬物動態パラメータは表2のとおりであった(外国人データ)。
表2 健康成人に本剤反復経口投与時の薬物動態パラメータ
用量Cmax(ng/mL)tmax(hr)AUC0-24(hr・ng/mL)
15mg198(176,220)1.00(1.00,3.00)384(311,460)
50mg462(272,684)1.25(1.00,2.50)1020(531,1596)
75mg1061(571,1623)1.26(1.02,4.00)2754(1938,3652)
100mg856(752,964)3.25(1.00,4.00)2592(2107,3108)
4例、幾何平均値(95%信頼区間)、tmaxのみ中央値(範囲)
また、本剤1日1回の反復経口投与によりダプロデュスタットの薬物動態は変化しなかった(外国人データ)。[16.2.1参照]
16.1.2 腎性貧血を有する慢性腎臓病患者
国内第III相試験において、腎性貧血を有する慢性腎臓病患者に本剤1~24mgを経口投与した時、投与後1~4時間に最高血漿中濃度に達した。腎性貧血を有する慢性腎臓病患者における曝露量(母集団薬物動態解析による推定値)は表3のとおりであった。
表3 国内第III相試験における腎性貧血を有する慢性腎臓病患者の用量標準化した曝露量(母集団薬物動態解析による推定値)
用量(mg)データ数AUC(hr・ng/mL/mg)Cmax(ng/mL/mg)
保存期
慢性腎臓病患者
1-2427038.7(37.0,40.4)12.5(11.9,13.2)
血液透析患者1-1829742.3(40.3,44.3)11.1(10.3,12.1)
腹膜透析患者1-189926.6(24.6,28.6)8.09(7.45,8.79)
幾何平均値(95%信頼区間)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人に本剤4mgを慢性腎臓病の食事療法基準食の食後に経口投与した時、AUC0-∞及びCmaxは、空腹時投与に比べてそれぞれ9及び11%減少した。[16.1.1参照]
16.2.2 生物学的利用率
本剤6mg経口投与後の絶対的バイオアベイラビリティは65%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
ダプロデュスタットの液剤静脈内投与注)後の分布容積は14.3Lであった(外国人データ)。
16.3.2 血漿蛋白結合率
In vitroでの本剤(0.2~10μg/mL)のヒト血漿蛋白結合率は約99%であり、主にアルブミンと結合した。[13.2参照]
16.4 代謝
In vitroにおいて、本剤は主にCYP2C8で代謝され、CYP3A4でもわずかに代謝される。
健康成人にダプロデュスタット放射標識体静脈内注)又は経口投与後の血漿中循環総放射能の約40%がダプロデュスタットであり、残りの60%は代謝物であった(外国人データ)。[10.、10.2、16.7.2参照]
16.5 排泄
ダプロデュスタット放射標識体経口投与後、放射能の大部分は糞中に排泄され(73.6%)、薬物関連物質の腎排泄(21.4%)は副次的な消失経路であった(外国人データ)。
本剤経口投与後のダプロデュスタットの平均尿中排泄率は、投与量の0.05%未満であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
中等度~重度の腎機能低下者(中等度:eGFR 30~59mL/分/1.73m2、重度:eGFR 15~29mL/分/1.73m2)に本剤50mg又は150mg注)を単回経口投与した時のダプロデュスタットのAUC0-∞は腎機能正常者(eGFR 90mL/分/1.73m2以上)と概ね同様であった(外国人データ)。また、本剤5mgを反復経口投与した時の主要代謝物のAUCは、腎機能正常者に比べて、腎機能低下者(eGFR ≦59mL/分/1.73m2、血液透析患者を含む)で約2~6倍増加した(外国人データ)。
16.6.2 肝機能障害患者
本剤6mgを軽度及び中等度の肝機能低下者(Child-Pugh分類:A及びB)に単回経口投与した時、ダプロデュスタットのCmaxはそれぞれ1.01倍及び1.98倍、AUC0-∞はそれぞれ1.46倍及び2.00倍増加した。また、主要代謝物のCmaxはそれぞれ1.34~1.79倍及び1.04~1.28倍、AUC0-∞はそれぞれ1.46~1.94倍及び1.31~1.65倍増加した(外国人データ)。[9.3参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro
In vitroにおいて、本剤はCYP2C8を阻害した。また、本剤はBCRPの基質であり、OATP1B1及び1B3を阻害した。
16.7.2 CYP2C8阻害剤
(1)健康成人に強いCYP2C8阻害作用を有するゲムフィブロジル(600mg、1日2回)投与後の定常状態時に、本剤100mg注)を単回経口併用投与した時、ダプロデュスタットのAUC0-∞及びCmaxは18.6及び3.9倍増加した(外国人データ)。
(2)健康成人に本剤25mg注)とCYP2C8阻害作用を有するトリメトプリム(200mg、1日2回)を経口併用投与した時、ダプロデュスタットのAUC0-∞及びCmaxは1.48及び1.28倍増加した(外国人データ)。
臨床試験において、クロピドグレルを併用投与していた腎性貧血を有する慢性腎臓病患者のダプロデュスタットのAUC0-∞は、クロピドグレル非併用例に比べて1.75~2.65倍であった(母集団薬物動態解析)が、クロピドグレル併用例と非併用例で投与4週時のヘモグロビン変化量の分布は重なっており、クロピドグレルの併用有無による投与初期のヘモグロビン変化への影響はみられなかった。[10.2、16.4参照]
16.7.3 CYP2C8誘導剤
本剤とCYP2C8誘導剤の相互作用を評価した試験の成績は得られていない。[10.2参照]
16.7.4 その他の薬剤
健康成人に本剤25又は100mg注)をピオグリタゾン(CYP2C8基質)15mg及びロスバスタチン(OATP1B1/1B3基質)10mgと経口併用投与した時、ダプロデュスタットはピオグリタゾン又はロスバスタチンの曝露量に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
経口鉄剤及びリン吸着剤は本剤の薬物動態に対して影響を与えなかった。
注)本剤の承認された用法は1日1回経口投与であり、最高用量は1日1回24mgである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP2C8阻害剤
クロピドグレル
トリメトプリム 等
[16.4、16.7.2参照]
本剤の作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。本剤をゲムフィブロジル(国内未承認)と併用したところ、本剤の血中濃度が上昇した。
クロピドグレル等のCYP2C8阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する。
リファンピシン
[16.4、16.7.3参照]
本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、患者の状態を慎重に観察すること。リファンピシンのCYP2C8誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
血栓塞栓症(0.8%)
脳梗塞(0.3%)、肺塞栓症(0.3%)、網膜静脈閉塞(0.3%)、深部静脈血栓症(0.3%)、バスキュラーアクセス血栓症(シャント閉塞等)(頻度不明)等の血栓塞栓症があらわれることがある。[1.、9.1.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%未満
網膜出血
過敏症過敏症(発疹、皮膚炎、蕁麻疹)
循環器高血圧
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