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ミカファンギンNa点滴静注用50mg「明治」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • アスペルギルス属及びカンジダ属による下記感染症

    • 真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症
  • 造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防

用法・用量

  • 成人

    • アスペルギルス症

      • 通常、成人にはミカファンギンナトリウムとして50~150mg(力価)を1日1回点滴静注する。重症又は難治性アスペルギルス症には症状に応じて増量できるが、1日300mg(力価)を上限とする。
    • カンジダ症

      • 通常、成人にはミカファンギンナトリウムとして50mg(力価)を1日1回点滴静注する。重症又は難治性カンジダ症には症状に応じて増量できるが、1日300mg(力価)を上限とする。
    • 造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防

      • 成人にはミカファンギンナトリウムとして50mg(力価)を1日1回点滴静注する。
    • 点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は補液に溶解し、75mg(力価)以下では30分以上、75mg(力価)を超えて投与する場合は1時間以上かけて行う。
      溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。[溶液が等張とならないため。]
  • 小児

    • アスペルギルス症

      • 通常、小児にはミカファンギンナトリウムとして1~3mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。重症又は難治性アスペルギルス症には症状に応じて増量できるが、1日6mg(力価)/kgを上限とする。
    • カンジダ症

      • 通常、小児にはミカファンギンナトリウムとして1mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。重症又は難治性カンジダ症には症状に応じて増量できるが、1日6mg(力価)/kgを上限とする。
    • 造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防

      • 小児にはミカファンギンナトリウムとして1mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。
    • 点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は補液に溶解し、1時間以上かけて行う。
      溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。[溶液が等張とならないため。]

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

薬物過敏症の既往歴のある患者。特に他のキャンディン系抗真菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者には注意すること。
肝障害のある患者[肝障害を悪化させることがある。]

重要な基本的注意

定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[本剤投与中の患者で肝機能障害、黄疸があらわれることがある。(「重大な副作用」の項参照)また、動物試験において肝変異細胞巣の発生とその一部の腫瘍化が認められている。(「その他の注意」の項参照)]
小児では、臨床試験において、成人に比べ肝機能障害の頻度が高いことが観察されているので、十分配慮すること。
本剤の予防投与開始後においてアスペルギルス症又はカンジダ症が発症した場合は、漫然と使用せず、他の薬剤に変更する、又は本剤を増量するなど適切な処置を行うこと。
本剤投与開始後において、原因菌がアスペルギルス属又はカンジダ属でないことが明確になった場合、又は本剤投与で効果が認められない場合は、漫然と使用せず、他の薬剤に変更するなど適切な処置を行うこと。

適用上の注意

調製方法
本剤は溶解時、泡立ちやすく、泡が消えにくいので強く振り混ぜないこと。
投与時
光により徐々に分解するので直射日光を避けて使用すること。また、調製後、点滴終了までに6時間を超える場合には点滴容器を遮光すること。[点滴チューブを遮光する必要はない。]
溶解後の光安定性
含量/溶解液量試験項目溶解直後6時間後24時間後
50mg(力価)/100mL生理食塩液光分解物(%)4.099.76
力価残存率(%)10094.285.5
300mg(力価)/100mL生理食塩液光分解物(%)0.973.62
力価残存率(%)10098.895.3
50mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)光分解物(%)2.006.07
力価残存率(%)10096.691.7
-:未検出、保存条件:遮光なし、25℃、白色蛍光灯下(3,000ルクス)
配合禁忌
本剤は他剤と配合したとき、濁りが生じることがある。また、本剤は塩基性溶液中で不安定であるため、力価の低下が生じることがある。表1に配合直後に濁りが生じる主な薬剤を、表2に配合直後に力価低下が生じる主な薬剤を示す。
表1 配合直後に濁りが生じる主な薬剤
バンコマイシン塩酸塩、アルベカシン硫酸塩、ゲンタマイシン硫酸塩、トブラマイシン、ジベカシン硫酸塩、ミノサイクリン塩酸塩、シプロフロキサシン、パズフロキサシンメシル酸塩、シメチジン、ドブタミン塩酸塩、ドキサプラム塩酸塩水和物、ペンタゾシン、ナファモスタットメシル酸塩、ガベキサートメシル酸塩、チアミンジスルフィド・ピリドキシン塩酸塩・ヒドロキソコバラミン酢酸塩、メナテトレノン、乾燥ペプシン処理人免疫グロブリン、ドキソルビシン塩酸塩
表2 配合直後に力価低下が生じる主な薬剤
アンピシリンナトリウム、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、アシクロビル、ガンシクロビル、アセタゾラミドナトリウム

用法用量に関連する使用上の注意

本剤の使用に際しては、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
成人に対しては、下記の点に注意すること。
アスペルギルス症及びカンジダ症
体重50kg以下の患者に対しては、体重換算で1日あたり6mg(力価)/kgを超えないこと。
造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防
好中球数が500個/mm3以上に回復するなど、適切な時期に投与を終了すること。
体重50kg以下の患者に対しては、体重換算で1日あたり1mg(力価)/kgを超えないこと。
小児に対しては、下記の点に注意すること。
アスペルギルス症及びカンジダ症
体重50kg以上の患者に対しては、1日あたり300mg(力価)を超えないこと。
造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防
好中球数が500個/mm3以上に回復するなど、適切な時期に投与を終了すること。
体重50kg以上の患者に対しては、1日あたり50mg(力価)を超えないこと。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、用量に留意するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳婦
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)において母乳中に移行することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]

小児等への投与

小児では、臨床試験において、成人に比べ肝機能障害の頻度が高いことが観察されているので、十分配慮すること。
低出生体重児、新生児に対する使用経験は少ない。
海外臨床試験では、低出生体重児において血漿中濃度が低くなる傾向がみられている。[「薬物動態」の項参照]

薬物動態

血漿中濃度
健康成人
単回投与
健康成人23例に本剤注3)25mg、50mg及び75mgを30分あるいは150mgを1時間かけて静脈内持続投与したとき、血漿中未変化体のAUCは投与量に比例して増加した。血漿中濃度は投与終了時に最高となり、消失半減期は13.9時間であった。
表3 薬物動態学的パラメータ
投与量(mg)例数Cmax(μg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(μg・hr/mL)T1/2(hr)
2562.52±0.280.5±034.3±5.814.0±1.2
5065.23±0.380.5±074.3±6.214.2±1.2
7567.90±1.350.5±0106.5±13.413.3±0.7
150514.30±1.311.0±0216.6±23.114.0±0.9
25~1502313.9±1.0
-:算出せず平均値±S.D.
(注)本剤注3)の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症:50~150mg(重症又は難治性では300mgまで)、カンジダ症:50mg(重症又は難治性では300mgまで)である。
反復投与
健康成人6例に本剤注3)75mgを1日1回、7日間、30分間かけて静脈内持続投与したとき、血漿中未変化体濃度は第4日には定常状態に達し、最終投与時のCmaxは10.87μg/mL、消失半減期は14.0時間であった。血漿蛋白結合率は99.8%以上であった。
高齢者
高齢者10例(平均71歳、66~78歳)及び非高齢者10例(平均22歳、20~24歳)に本剤注3)50mgを1時間かけて静脈内持続投与すると、血漿中未変化体濃度は高齢者群、非高齢者群とも同様な推移を示し、両群間でCmax、AUC0-∞、T1/2及び蛋白結合率に差はみられなかった。
深在性真菌症患者(成人)
深在性真菌症の患者65例に本剤注3)12.5mg、25mg、50mg、75mg、100mg及び150mgを反復投与したとき、消失半減期は13.5時間であり、各投与量間で差はみられなかった。
(注)本剤注3)の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症:50~150mg(重症又は難治性では300mgまで)、カンジダ症:50mg(重症又は難治性では300mgまで)である。
深在性真菌症患者(小児)
深在性真菌症の8ヵ月~15歳の小児患者19例(のべ26例)に本剤注3)1mg/kg(7例)、2mg/kg(9例)、3mg/kg(9例)及び6mg/kg(1例)を1~3時間かけて静脈内持続投与したとき、定常状態でのCmaxは、投与量に比例して増加した。消失半減期は13.1時間であった。乳児(3例)の血漿中濃度は幼児、学童に比べてやや低い傾向がみられた。
表4 薬物動態学的パラメータ
投与量(mg/kg)例数Cmax(μg/mL)T1/2(hr)
175.03±2.3313.0±1.8
2910.25±4.4512.3±1.9
3914.76±5.5214.4±3.2
6121.1111.3
1~62613.1±2.4
-:算出せず、※:n=8平均値±S.D.
深在性真菌症患者(低出生体重児:外国人データ)
深在性真菌症の584~2014gの低出生体重患者22例に本剤注3)0.75mg/kg、1.5mg/kg及び3mg/kgを30分以上かけて単回静脈内持続投与した。低出生体重児のCmaxは小児より低く、半減期は短かった。
表5 薬物動態学的パラメータ
体重(g)投与量(mg/kg)例数Cmax(μg/mL)AUC0-24hr(μg・hr/mL)CLt(mL/min/kg)T1/2※2(hr)
500-10000.7541.31±0.318.8±1.41.32±0.215.5
>100062.53±0.9216.5±9.00.97±0.828.0
>10001.564.51±1.3444.1±24.00.64±0.15※17.8※1
>1000369.28±5.3159.5±29.01.19±1.328.2
※1:n=5、※2:調和平均値平均値±S.D.
移植患者(外国人データ)
骨髄移植あるいは末梢血幹細胞移植を受けた成人患者を対象に、米国では本剤注3)12.5~200mgを、また英国では3~8mg/kg(約230~600mg)を1日1回、1時間かけて反復静脈内持続投与した。定常状態(投与7日目)における未変化体のAUCは投与量に比例し、消失半減期はいずれの投与量においてもほぼ一定した値であった。
表6 定常状態時の薬物動態学的パラメータ
投与量例数Cmax(μg/mL)AUC0-24hr(μg・hr/mL)T1/2(hr)
米国(mg)12.573.9±7.315.6±11.69.9±1.8
2584.8±2.724.4±7.513.8±4.0
5076.4±5.749.0±11.112.5±2.6
7588.3±4.866.1±20.613.2±4.4
100728.2±22.9110.0±31.813.9±3.1
150817.6±8.4166.4±49.313.1±2.5
200826.5±20.7208.3±65.515.9±4.8
英国(mg/kg)3821.1±2.8234±33.614.0±1.4
41029.2±6.2339±72.214.2±3.2
6838.4±6.9479±15714.9±2.6
8860.8±26.9663±21217.2±2.3
平均値±S.D.
(注)本剤注3)の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症:50~150mg(重症又は難治性では300mgまで)、カンジダ症:50mg(重症又は難治性では300mgまで)である。
代謝
代謝物として8種類が同定又は推定された。ミカファンギンは主に肝で代謝を受けると考えられるが、ヒトの尿及び糞中にミカファンギンの側鎖の水酸化体(M5)が主代謝物として投与量の3.7%排泄された。M5はチトクロームP450のCYP1A2、2B6、2C及び3Aにより生成し、その他、カテコール体(M1)はミカファンギンからサルファターゼにより、メトキシ体(M2)はM1からCOMT(catechol O-methyltransferase)により、開環体(M3)はミカファンギンから水溶液中で非酵素的に生成すると考えられた。
排泄(外国人データ)
ミカファンギンは主に糞中に排泄され、外国人の健康成人6例に14C標識ミカファンギンナトリウム28.3mgを1時間かけて静脈内持続投与したとき、投与後7日までの尿及び糞中放射能の排泄率はそれぞれ投与放射能の7.36%及び43.80%であった。尿中及び糞中には未変化体がそれぞれ投与放射能の0.70%、11.71%排泄され、他は代謝物であった。
なお、血漿中放射能濃度の推移は投与終了時で2.29μg eq./mL、投与後24時間で0.84μg eq./mL、投与後7日で0.19μg eq./mLとなった。投与後42~51日では、投与後7日の約1/8である0.023μg eq./mLまで減少した。
[参考]
乳汁中移行
哺育中ラットに14C標識ミカファンギンナトリウムを1mg/kg静脈内投与したとき、乳汁中放射能濃度は投与後6時間で最高濃度となり、その濃度は血漿中放射能濃度と同程度であった。また、投与後24時間以後は血漿中放射能濃度と並行して消失した。
注3)ミカファンギンナトリウム注射剤

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
シロリムス本剤との併用によりシロリムスのAUCが21%上昇したとの報告がある。併用する場合は患者の状態を慎重に観察し、シロリムスの副作用発現に注意し必要に応じてシロリムスの投与量を調節すること。機序不明

重大な副作用 

(頻度不明)
血液障害
白血球減少、好中球減少、溶血性貧血(血管内溶血を含む)、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、溶血性貧血については、投与開始直後にあらわれることもあるので、溶血が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、口内異常感、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、必要に応じて気道の確保、アドレナリン、ステロイド、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
急性腎障害
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

頻度不明
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
代謝異常カリウム上昇、カリウム低下、低カルシウム血症、低マグネシウム血症
血液好酸球増多
皮膚発疹
循環器動悸、高血圧
消化器下痢、悪心、嘔吐、軟便
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下
その他静脈炎、関節炎、悪寒、頭痛、CK(CPK)上昇、発熱、血管痛、ミオグロビン上昇、注射部位反応(腫脹、疼痛、紅斑等)

[参考]海外臨床試験で認められた副作用
アスペルギルス症及びカンジダ症

頻度不明
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、高ビリルビン血症
代謝異常低マグネシウム血症、低カルシウム血症、高クロール血症、低カリウム血症
血液白血球減少、血小板減少、貧血
皮膚発疹
循環器血管拡張、高血圧
消化器嘔吐、嘔気、下痢
腎臓クレアチニン上昇、BUN上昇
その他発熱、腹痛、無力症、さむけ、静脈炎、頭痛

[参考]海外臨床試験で認められた副作用
造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防

頻度不明
肝臓高ビリルビン血症
代謝異常低マグネシウム血症、低カリウム血症、低リン酸塩血症
血液白血球減少
皮膚発疹
消化器嘔吐、嘔気、下痢
その他腹痛
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