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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○卵巣癌における初回化学療法後の維持療法
  • ○白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法
  • ○白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌

用法・用量

  • 通常、成人にはニラパリブとして1日1回200mgを経口投与する。ただし、本剤初回投与前の体重が77kg以上かつ血小板数が150,000/μL以上の成人にはニラパリブとして1日1回300mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療機関において、がん化学療法に十分な知識及び経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又は患者の家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高血圧の患者
高血圧が悪化するおそれがある。[8.2、11.1.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害のある患者(総ビリルビン値が基準値上限の1.5倍超)
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。重度の肝機能障害のある患者(総ビリルビン値が基準値上限の3倍超)を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。PARP-1/2の両方を欠損するマウスにおいて、胚死亡が起こることが報告されており、本剤の作用機序から、本剤が投与された場合、胚・胎児死亡及び催奇形性が誘発される可能性がある。[9.4、9.6参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5、15.2参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液学的検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.1、11.1.1参照]
8.2 高血圧があらわれることがあるので、本剤投与開始前に血圧が適切に管理されていることを確認すること。本剤投与中は定期的に血圧を測定すること。[9.1.1、11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量、中止すること。[8.1、11.1.1参照]
減量・中止する場合の投与量
初回投与量200mg300mg
1段階減量100mg200mg
2段階減量投与中止100mg
3段階減量投与中止
副作用発現時の休薬・減量・中止基準
副作用程度注1)処置再開時の投与量
血小板減少血小板数
100,000/μL未満
初回発現時
・血小板数100,000/μL以上に回復するまで最大28日間休薬する。
・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。
・同量又は1段階減量
・血小板数75,000/μL未満に低下した場合には1段階減量
2回目の発現時
・血小板数100,000/μL以上に回復するまで最大28日間休薬する。
・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。
1段階減量
好中球減少好中球数
1,000/μL未満
・好中球数1,500/μL以上に回復するまで最大28日間休薬する。
・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。
1段階減量
貧血ヘモグロビン値
8g/dL未満
・ヘモグロビン値9g/dL以上に回復するまで最大28日間休薬する。
・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。
1段階減量
上記以外の副作用注2)Grade3以上・ベースライン又はGrade1以下に回復するまで最大28日間休薬する。
・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。
1段階減量
注1)GradeはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。注2)副作用の予防又は治療を行っても副作用が継続する場合。
7.2 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない
<卵巣癌における初回化学療法後の維持療法>
7.3 本剤を3年を超えて投与した場合の有効性及び安全性は確立していない。

5.効能又は効果に関連する注意

<卵巣癌における初回化学療法後の維持療法>
5.1 国際産婦人科連合(FIGO)進行期分類III期又はIV期の卵巣癌と診断され、白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法で奏効が維持されている患者を対象とすること。
5.2 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
<白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法>
5.3 再発時の白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法で、奏効が維持されている患者を対象とすること。
5.4 臨床試験に組み入れられた患者における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法終了後から疾患進行までの期間(PFI)、前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
<白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌>
5.5 3つ以上の化学療法歴のある患者を対象とすること。
5.6 承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いた検査により、相同組換え修復欠損を有することが確認された患者に投与すること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
5.7 臨床試験に組み入れられた患者における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法終了後から疾患進行までの期間(PFI)、前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与及び反復投与
日本人固形癌患者に本剤200mg及び300mgを1日1回反復経口投与したときのニラパリブの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。また、本剤200mg及び300mgを1日1回反復経口投与した際の投与21日目におけるニラパリブの蓄積率は、それぞれ2.64及び3.65であった。
薬物動態パラメータ
用量(mg)DayNTmax(時間)Cmax(ng/mL)AUC24(hng/mL)
2001
21
3
3
4.000(1.52,4.07)
3.950(3.83,4.03)
476.0(195.09)
791.7(387.50)
5500(2905.0)
14080(6493.3)
3001
21
6
4
4.035(2.05,10.2)
2.890(2.88,6.00)
550.2(149.22)
1180.0(194.94)
6660(2631.2)
19750(3117.2)
平均(標準偏差)[Tmaxは中央値(最小値,最大値)]
血漿中濃度-時間プロファイル
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
卵巣癌患者16例に本剤300mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるニラパリブのCmax及びAUCinfの最小二乗平均値の比は、それぞれ0.785及び1.10であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
ニラパリブのヒト血漿中蛋白結合率は約83%であった(in vitro)。
16.4 代謝
16.4.1 薬物代謝
ニラパリブは、主に薬物代謝酵素カルボキシエステラーゼで代謝される(in vitro)。
固形癌患者6例に14C標識した本剤300mgを単回経口投与したとき、投与7日後までの血漿中において、主にM1(カルボン酸体)、M10(M1のグルクロン酸抱合体)、M1のメチル化体及び未変化体が認められた(主要代謝物及び未変化体由来の総放射能のAUC168hに対する割合は、それぞれ9.3、55.7、2.5及び2.4%)(外国人データ)。
16.5 排泄
16.5.1 排泄率
固形癌患者6例に14C標識した本剤300mgを単回経口投与したとき、投与後21日間の採取期間において、総投与放射能の約86.2%が尿糞中に回収された(尿中47.5%、糞中38.8%)。投与6日後までの尿中未変化体排泄率は10.5%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
本剤300mgを単回経口投与したとき、肝機能正常患者(9例)に対する中等度(総ビリルビン値が基準値上限の1.5倍超3倍以下)の肝機能障害患者(8例)のニラパリブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.931及び1.56であった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 その他
in vitro試験において、ニラパリブはP-糖タンパク(P-gp)、乳癌耐性タンパク(BCRP)、有機カチオントランスポーター(OCT)1、多剤・毒性化合物排出タンパク(MATE)1及びMATE2-Kに対する阻害作用を示した(IC50は、それぞれ161、5.80、34.1、0.179及び0.140μmol/L未満)。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制(78.8%)
血小板減少(62.0%)、貧血(55.1%)、白血球減少(8.5%)、好中球減少(21.2%)、発熱性好中球減少症(0.4%)、好中球減少性敗血症(0.1%)、好中球減少性感染(頻度不明)、汎血球減少症(0.3%)等があらわれることがある。[7.1、8.1参照]
11.1.2 高血圧(9.8%)
高血圧クリーゼ(0.2%)があらわれることがある。[8.2、9.1.1参照]
11.1.3 可逆性後白質脳症症候群(頻度不明)
可逆性後白質脳症症候群(症状:痙攣発作、頭痛、精神状態変化、視覚障害、皮質盲等)があらわれることがあり、高血圧を伴う症例も報告されている。観察を十分に行い、可逆性後白質脳症症候群が疑われた場合は、頭部MRI検査等の画像診断を行うとともに、本剤の投与を中止し、血圧のコントロール等の適切な処置を行うこと。
11.1.4 間質性肺疾患(0.6%)
肺臓炎(0.5%)、間質性肺疾患(0.1%)等があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

10%以上5~10%未満5%未満頻度不明
感染尿路感染、気管支炎、結膜炎、上咽頭炎
免疫障害過敏症アナフィラキシー
精神神経系頭痛、不眠症浮動性めまい不安、うつ病、幻覚、認知障害、集中力障害、記憶障害、錯乱状態失見当識
循環器動悸頻脈塞栓症
呼吸器呼吸困難鼻出血、咳嗽
消化器悪心(59.1%)、便秘(24.2%)、嘔吐(20.0%)、食欲減退、下痢口内乾燥、味覚異常、消化不良、腹痛口内炎
皮膚光線過敏性反応発疹
筋・骨格系関節痛、筋肉痛、背部痛
全身疲労(33.2%)、無力症粘膜の炎症、末梢性浮腫
その他血中クレアチニン増加AST増加、ALT増加、血中ALP増加、γ-GTP増加、体重減少、低カリウム血症
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