今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 石川和宏1) 聖路加国際病院 感染症科

著者: 松尾貴公2) 聖路加国際病院 感染症科/テキサス大学ヒューストン校 MDアンダーソンがんセンター

著者: 森信好3) 聖路加国際病院 感染症科

監修: 上原由紀 藤田医科大学医学部感染症科

著者校正/監修レビュー済:2023/12/20
患者向け説明資料

  1. 新型コロナウイルス 感染症(COVID-19) 診療の手引き 第9.0に基づき、レビューを行った。その後10.0版が公開されたが、疫学や治療に関しては大きな変化はなかった。以下、今回の加筆・修正内容である。
  1. 治療ガイドラインが一部修正となり、ステロイド薬や内服抗ウイルス薬での推奨度の変更を行なった。
  1. レムデシビル:
    ・COVID-19で入院した患者のうち、酸素吸入を必要としない、または従来の酸素吸入を必要とする患者において、レムデシビルが死亡率を低下させることが示されたが、レムデシビル投与時に人工呼吸を行った患者では有意差は示されなかった(Amstutz A, et al. Lancet Respir Med. 2023 May;11(5):453-464.)。
    ・レムデシビル投与後の有害事象として徐脈が報告された(Devgun JM, et al. JAMA Netw Open. 2023 Feb 1;6(2):e2255815. )。
    ・REDPINE臨床試験および第I相試験に基づいて、アメリカ食品医薬品局(FDA)はレムデシビルの処方情報を更新し、透析を受けている人を含む、推算糸球体濾過量(eGFR)30 mL/分未満の患者には用量調整なしでレムデシビルを使用できることを示した(Remdesivir (Veklury) [package insert]. Food and Drug Administration. 2023. https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2023/214787s019lbl.pdf)。
  1. デキサメタゾン:
    ・2023年の研究では、軽症もしくは中等症に対してのステロイド投与が予後を悪くすることについて報告されている。システマティックレビューでは、酸素投与の不要なCOVID-19患者に対するステロイド投与は予後が悪い(Rui Wang, et al. NEJM Evidence, 2023;2(5).)。
    ・高用量ステロイド(DEXA 20 mg/日 5日間、その後10 mg/日 5日間もしくは退院まで)は、通常量(6.6 mg/日 1日間までもしくは退院日まで)と比べて、酸素投与不要もしくは人工呼吸器ではない酸素投与患者では死亡率を上昇させた(RECOVERY Collaborative Group. Et al. Lancet. 2023 May 6;401(10387):1499-1507.)。
  1. 中和抗体薬:
    オミクロン株の BQ.1.1と XBB での各薬剤の効果に関して、チキサゲビマブ/シルガビマブは BQ.1.1、XBB では効果がない可能性がある(Imai M, et al. N Engl J Med. 2023 Jan 5;388(1):89-91.)。
  1. モヌルピラビル:
    ワクチン接種患者における有効性については議論がわかれている(Butler CC, et al. Lancet. 2023 Jan 28;401(10373):281-293.、Khoo SH, et al. Lancet Infect Dis. 2023 Feb;23(2):183-195.、Xie Y, Bowe B, et al. BMJ. 2023 Mar 7;380:e072705.)。
  1. ニルマトレルビル/リトナビル:
    ・オミクロン株でも有効性が示されている(Najjar-Debbiny R, et al. Clin Infect Dis. 2023 Feb 8;76(3):e342-e349.、Dryden-Peterson S, et al. Ann Intern Med. 2023 Jan;176(1):77-84.、Ganatra S, et al. Clin Infect Dis. 2023 Feb 18;76(4):563-572.、Schwartz KL, et al. CMAJ. 2023 Feb 13;195(6):E220-E226.)。
    ・NIH(アメリカ国立衛生研究所)などによるとeGFR<30 mL/分の場合、現在推奨されていない。しかし、透析患者を含めた腎機能障害患者に関しても減量することで安全に使用できる研究もいくつか報告されており、2023年9月時点、腎機能障害患者での臨床試験も進行中である(Chan GCK, et al. Clin Infect Dis. 2023 Aug 2:ciad371.、Cai H, et al. Antiviral Res. 2023 Aug;216:105659.、Toussi SS, et al. Clin Pharmacol Ther. 2022 Oct;112(4):892-900.)。
  1. エンシトレルビル:
    国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験の結果からは、4日目におけるSARS-CoV-2のウイルス力価のベースラインからの減少率は、エンシトレルビルはプラセボより有意に大きかったが、COVID-19の12症状の合計スコアでは、エンシトレルビルとプラセボとの間に有意差は認められなかった(Mukae H, et al. Clin Infect Dis. 2023 Apr 17;76(8):1403-1411.)。現在、曝露後予防やCOVID-19の罹患後症状(long COVID)の臨床試験が企画されている。
  1. COVID-19ワクチンについても一部修正を行った。
  1. 2022年6月20日にヤンセンファーマ社製のジェコビデン筋注が承認されたが、公的接種の対象ではないため、2023年10月時点で薬事承認され予防接種法に基づいて接種できるワクチンは、ファイザー社(初回接種用1価および追加接種用2価(オミクロン株BA.4-5)あるいは1価(XBB.1.5))、モデルナ社製(2価)、武田社製(ノババックス)である。
  1. 投与間隔についてのガイダンスがWHOから公表されているが、高齢者、重大な合併症(糖尿病や心臓病など)を持つ若年者、6カ月以上の子どもを含む免疫不全状態の人(HIV感染者や移植患者など)、妊娠中の人、最前線の医療従事者は優先順位の高いグループとして扱われている。このグループには最終投与から6カ月または12カ月後のブースター接種を推奨している。
  1. XBB.1.5系統対応1価ワクチンによる追加接種は、BA.2.86系統のSARS-CoV-2に対して、XBB.1.5系統と同等の有効性が期待できると報告されている(Chalkias S, et al. MedRxiv. 2023-08.、Pfizer. ACIP Presentation September 12, 2023.)。ただし、プレプリント論文および企業報告データであることに注意が必要である。
  1. 感染対策において、2023年5月8日以降、5類感染症の移行に伴い自宅待機などの行動制限は不要になったが、病院内では隔離することが多いため以前の感染対策に関する資料は引き続き掲載とした。

概要・推奨   

  1. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2023年10月30日現在、全世界で約7億7千百万人が罹患し、約697万⼈が死亡している(WHO Coronavirus (COVID-19) Dashboard)。変異株の感染力や免疫逃避などが問題であるが、ワクチンの普及やオミクロン株の影響で死亡率は下がっている。
  1. COVID-19はコロナウイルスの一種であるSARS-CoV-2による感染症で、2019年12月頃に中国湖北省武漢市で発生し、現在は世界中に広がっている。その後の解析で、2019年10月頃には既に前駆ウイルス(Procov2)が存在していた可能性があることがわかった。
  1. COVID-19のオミクロン株の症状は、頭痛、鼻汁、嗄声、咳嗽、発熱などが多く、従来株と違って脱毛や味覚障害は少ない。潜伏期間は2~3日だが4日以上も47%存在する。曝露から7日以内に発症する症状は4~5日間程度続く。
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  1. 新型コロナワクチンは、mRNAワクチンとして、ファイザー社製コミナティ筋注やモデルナ社製スパイクバックスTM筋注、組み替えタンパク質ワクチンである武田社(ノババックス)からヌバキソビット筋注、ウイルスベクターワクチンであるヤンセンファーマのジェコビデン筋注が薬事承認された。オミクロン株対応2価(オミクロン株BA.4-5対応型)ワクチンは、ファイザー社製コミナティRTU 筋注が2022年10月5日に、モデルナ社製スパイクバックスTM筋注は2022年11月1日に薬事承認され、現在接種可能となっている。
  1. コミナティ筋注やスパイクバックスTM筋注は、3回目以降のワクチン接種間隔が3カ月に短縮された。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
石川和宏 : 特に申告事項無し[2023年]
松尾貴公 : 未申告[2023年]
森信好 : 未申告[2023年]
監修:上原由紀 : 特に申告事項無し[2023年]

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