今日の臨床サポート

ステロイドミオパチー

著者: 北尾るり子 国立病院機構箱根病院

監修: 高橋裕秀 昭和大学藤が丘病院 脳神経内科

著者校正/監修レビュー済:2016/05/27
患者向け説明資料

概要・推奨   

疾患のポイント:
  1. ステロイドミオパチーとは、グルココルチコイドによって誘発されるミオパチー(筋疾患)である。
  1. あらゆるグルココルチコイド療法において発生し得る副作用である。特に高齢者、栄養不良の患者、担がん患者において発生しやすい。診断により頻度は異なり、2~60%の頻度であった
  1. 亜急性に近位筋の萎縮と筋力低下で発症する。主に椅子から立ち上がりにくい、階段が昇りにくいなどの症状を訴える。筋痛はまれである。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
北尾るり子 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:高橋裕秀 : 特に申告事項無し[2021年]

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. あらゆるグルココルチコイド療法において発生し得る副作用である。特に高齢者、栄養不良の患者、担がん患者において発生しやすい。
  1. 亜急性に近位筋の萎縮と筋力低下で発症する。主に椅子から立ち上がりにくい、階段が昇りにくいなどの症状を訴える。筋痛はまれである。
  1. グルココルチコイドの用量と使用期間に一定の法則はない。しかし多くはプレドニゾロン40~60mg/日以上の使用で2週間以内に脱力が誘発され、1カ月以上の使用である程度の筋力低下を生じる。プレドニゾロン10mg/日以下、吸入ステロイドではまれである。
  1. グルココルチコイドによる他の副作用(満月様顔貌、糖尿病、感情変化、皮膚脆弱性、骨粗鬆症など)は多くは存在するが、必ずみられるわけではない。
  1. 診断は他の筋疾患の除外と、診断的治療、つまりステロイドを減量して3~4週後の筋力の回復があるかによる。
  1. グルココルチコイドと神経筋遮断薬の併用で、急性のミオパチーを引き起こすことがある(→critical illness myopathy)。
  1. 筋炎の場合は元より筋力低下と高CK血症を呈するために、原病の悪化かステロイドミオパチーか鑑別するのは困難である。これまで%クレアチニン尿の上昇があればステロイドミオパチーと言われていたが、根拠は乏しい。筋MRIは、急性期筋炎は浮腫の所見、ステロイドミオパチーは脂肪化の所見を示す事から鑑別になり得る。しかし筋炎の浮腫の所見は治療により可逆性だが、慢性化すると脂肪化の所見となるため、鑑別は困難である。
病歴・診察のポイント  
  1. グルココルチコイドの種類、用法・用量と使用期間、年齢、栄養状態、悪性腫瘍の有無を確認する。

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