今日の臨床サポート

赤血球破砕症候群

著者: 張替秀郎 東北大学 血液免疫科(血液・免疫病学分野)

監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター

著者校正/監修レビュー済:2016/04/22
患者向け説明資料

概要・推奨   

疾患のポイント:
  1. 赤血球破砕症候群は血栓性微小血管障害により発症する疾患群を指す。機械的、物理的な作用により損傷を受けて出現する破砕赤血球と血管内溶血がその特徴である。血栓性血小板減少性紫斑病/溶血性尿毒症症候群がその代表である。
  1. 赤血球破砕症候群では、クレアチニン上昇、血小板減少、溶血所見、破砕赤血球を認め、腎不全、発熱、精神症状などの症状を呈する。
  1. 溶血性尿毒症症候群は小児に多く、志賀毒素を産生する病原性大腸菌感染により発症することが多い。出血性腸炎の症状を呈する小児の急性腎不全症例を診察した場合に赤血球破砕症候群を想起する。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
張替秀郎 : 講演料(ノバルティスファーマ,中外製薬),研究費・助成金など(ノバルティスファーマ),奨学(奨励)寄付など(アステラス製薬,協和キリン)[2021年]
監修:木崎昌弘 : 講演料(ブリストル・マイヤーズスクイブ,ヤンセンファーマ,ノバルティスファーマ,セルジーン,MSD,小野薬品,武田薬品,大日本住友製薬),研究費・助成金など(武田薬品),奨学(奨励)寄付など(協和キリン,中外製薬,武田薬品,小野薬品,第一三共)[2021年]

病態・疫学・診察

疾患情報  
  1. 破砕赤血球は物理的損傷により断片化した赤血球であり、心臓弁置換術後や血栓性微小血管障害などで認められる。
  1. 一般的に、赤血球破砕症候群は血栓性微小血管障害により発症する疾患群を指し、血栓性血小板減少性紫斑病/溶血性尿毒症症候群がその代表である。
  1. 赤血球破砕症候群では、血栓形成による臓器障害・機械的溶血によりクレアチニン上昇、血小板減少、ヘモグロビン、ハプトグロビンの低下、間接ビリルビン・LDH・網赤血球数の上昇を認める。
  1. 血栓性血小板減少性紫斑病では、腎不全などの臓器障害のほか、発熱、精神症状などの症状を伴う。
  1. 溶血性尿毒症症候群は小児に多く、志賀毒素を産生する病原性大腸菌感染により発症することが多い。血性下痢などの消化器症状に引き続き、腎不全を発症する。
  1. 血栓性血小板減少性紫斑病の多くはvon Willebrand因子の切断酵素であるADAMTS13に対する中和抗体が産生され、活性が低下することにより発症する。
問診・診察のポイント  
  1. 消化器症状の有無を確認する(特に小児例:腹痛、血性下痢、嘔吐など)。精神・神経症状の有無を確認する(例:頭痛、意識レベルの低下、混迷、けいれんなど)。腎不全の有無を確認する(例:排尿の有無、浮腫など)。発熱の有無を確認する。出血傾向の有無を確認する(例:皮下出血など)。

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文献 

著者: B F Wyllie, A X Garg, J Macnab, G A Rock, W F Clark, Members of the Canadian Apheresis Group
雑誌名: Br J Haematol. 2006 Jan;132(2):204-9. doi: 10.1111/j.1365-2141.2005.05857.x.
Abstract/Text Despite the favourable response of thrombotic thrombocytopenic purpura/haemolytic uraemic syndrome (TTP/HUS) to plasma exchange, an early level of mortality persists. Non-response has been associated with a low frequency of exchange. The Rose index of TTP/HUS severity, occasionally used to predict the response of TTP/HUS to plasma exchange, remains unsatisfactory. The purpose of this study was to develop a new index predicting response of TTP/HUS to plasma exchange and to compare it with the Rose index. Retrospective analysis of 171 cases of TTP/HUS from 39 apheresis units across Canada between 1980 and 2001 was conducted. Logistic regression analysis was used to derive a model predicting 6-month mortality from presenting characteristics. The reduced model contained age >40 years, haemoglobin <9.0 g/dl and the presence of a fever at presentation. Gender, platelet count, creatinine and neurological signs were not part of the final model. This model predicted 13.4% of outcome variance. Predictive scores of 0, 2, 4 and 6 correlated with 6-month mortality rates of 12.5%, 14.0%, 31.3% and 61.5% respectively in our source population. This simple model may help identify those patients who would benefit from higher treatment intensity.

PMID 16398654  Br J Haematol. 2006 Jan;132(2):204-9. doi: 10.1111/j.13・・・
著者: Sarah L Allford, Beverley J Hunt, Peter Rose, Samuel J Machin, Haemostasis and Thrombosis Task Force, British Committee for Standards in Haematology
雑誌名: Br J Haematol. 2003 Feb;120(4):556-73.
Abstract/Text
PMID 12588343  Br J Haematol. 2003 Feb;120(4):556-73.

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