今日の臨床サポート

禁煙外来

著者: 作田学 一般社団法人日本禁煙学会理事長

監修: 庄司進一 筑波大学

著者校正/監修レビュー済:2021/08/11
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 禁煙治療には医師だけではなく、看護師が必要である。看護師が行う禁煙介入や多職種での禁煙支援の有効性からも、禁煙治療に看護師が関わることは禁煙治療の効果・効率性を上昇させる(推奨度1)。
  1. 禁煙外来はAsk(喫煙状況の問診)、Advise(禁煙への誘導)、Assess(禁煙の評価)、Assist(禁煙の支援)、Arrange(禁煙の準備)の5Aが中心になる。
  1. 喫煙習慣をすぐにやめようとしない患者では、Relevance(関連性)、Risk(リスク)、Rewards(報酬)、Roadblock(障害)、Repetition(反復)の5Rの動機づけを試みる。
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
作田学 : 未申告[2021年]
監修:庄司進一 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 「禁煙治療のための標準手順書 第8版」に基づき、情報通信機器を用いた禁煙治療について加筆した。
  1. 「医療用禁煙補助薬欠品&品薄状況における外来禁煙治療の指針 令和3年改定版」について追記した。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 平成29年度の厚生労働省国民栄養調査によると、成人男性29.4%、成人女性7.2%であり、日本人の平均喫煙率は17.7%だった。最も高い層は40台男性の40%で諸外国と比較すると成人男性の喫煙率はまだまだ高い。
  1. 日本人では喫煙をすると、健康寿命が4年短く、平均余命が4年短くなり、受動喫煙の害を周囲に及ぼす[1]
  1. 喫煙と関係のある疾患は、悪性腫瘍、心筋梗塞、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、糖尿病、胃・十二指腸潰瘍、慢性膵炎、慢性腎臓病、喘息・アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、不妊症、胎児・新生児異常、小児の精神発達障害、低出生体重児、乳幼児突然死症候群(SIDS)、中耳炎、認知症、精神疾患(うつ病)、歯周疾患など広範かつ高頻度である。
  1. 喫煙習慣の本質はニコチン依存症であり、TDSスコアについて質問すると、20歳代の喫煙者は69.7%がニコチン依存症とされた。そのうちニコチン依存症を自覚していたのは45.3%にすぎなかった。
  1. デンマーク人男性喫煙者を調査した結果では、非喫煙者の健康寿命は69歳、喫煙者は57歳、平均寿命は非喫煙者が77歳、喫煙者が70歳であった。いうなれば健康保険を使用する期間が非喫煙者の8年間に比べて喫煙者は13年間である。
  1. その他、受動喫煙によっても同様の疾患が起こるほか、化学物質過敏症になるとごく少量の受動喫煙でも発症することになる[1]
  1. 禁煙すればこれらの疾患にかかる危険性が減るうえ、味覚が鋭くなり、また自然の緑と花の香りがわかる、身体が臭くない、ストレスがなくなる、火を消したかどうかが気にならない、喫煙場所を探し回らなくてよい、経済的に楽になる、原稿を書き上げる時間が早くなる――などは皆が一様に言うことである。そのほか、タバコのポイ捨てやタバコの煙を撒き散らしていたことにはじめて気がつくのである。家族や周囲に対する迷惑、家計への負担、家を汚していたことにも気づく。むろん、不整脈、妙な咳、吐き気、喉の痛み、呼吸困難も自然に軽快していく。
  1. ファイザーによる20歳代の喫煙者1,000人に対する調査(2010年1月)では、タバコを吸い始めたきっかけは「友達に勧められた」(50.9%)、「ストレス解消になると思った」(30.2%)、「格好いいと思った」(23.5%)だった。8割以上の喫煙者が学校の授業でタバコの害を学んだ経験がある。喫煙者の7割以上が「タバコを吸い始めたとき、タバコの害を認識していた」。20歳代の喫煙者のうち、約半数が高校卒業までに喫煙を開始したと証言。
  1. 喫煙者の2人に1人がタバコを吸い始めたことを後悔したことがあり、禁煙に失敗した20歳代喫煙者は約7割で、そのうち6割以上が「また禁煙に挑戦したいと思っている」が、ニコチン依存症の20歳代喫煙者の7割がすぐには禁煙できないと思っている。
  1. 喫煙する男性の6割以上が、結婚相手には「タバコを吸わない女性」を選ぶ。
  1. 禁煙しようと思ったきっかけは第1位がタバコの値上げであり、タバコの価格が500円になったら約半数、1,000円になったら8割以上が禁煙するとしている。
病歴・診察のポイント  
  1. 医科・歯科を問わず、どの診療科でも、喫煙の状況についてたずね(ask)、患者が吸っている場合には禁煙することを勧め(advise)、患者の禁煙に対する意欲を評価する(assess)ことが大切である。さらに禁煙の意志があれば支援し(assist)、受診日を設定・準備する(arrange)。ask、advise、assessに要する時間は、通常の診療では3分間程度かそれ以内である。硬直した方法ではなく、個人個人に合わせた方法が望ましい[2]
  1. assessの結果、すぐには禁煙したくないとはっきり言う場合。禁煙の動機づけを試みる。relevance(関連性)、risk(リスク)、rewards(報酬)、roadblock(障害)、repetition(反復)の5Rの動機づけを試みる[2]
 
5A:Ask、Advise、Assess、Assist、Arrange[1][3]
  1. 禁煙外来はAsk、Advise、Assess、Assist、Arrangeの5Aが中心になる。

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文献 

著者: Marie-Nöelle Beyens, Claire Guy, Genevieve Mounier, Sylvie Laporte, Michel Ollagnier
雑誌名: Drug Saf. 2008;31(11):1017-26.
Abstract/Text BACKGROUND: Bupropion was the first alternative to nicotine replacement therapy in the pharmacological treatment for smoking cessation. Its safety profile has been monitored in France via spontaneous reporting.
OBJECTIVE: To describe all serious adverse reactions (SARs) reported in France since the marketing authorization for bupropion in September 2001, and to analyse risk factors for these SARs.
DESIGN: We collected all spontaneous reports of adverse reactions to bupropion received by all French Regional Pharmacovigilance Centres and by GlaxoSmithKline, the manufacturer of bupropion, during the first 3 years of marketing of this agent. We identified the characteristics of the population to whom bupropion was prescribed from the Thales database, which contains information obtained from a representative sample of general practitioners in France. We then compared the population with SARs with the population prescribed the drug (exposed population) to identify possible risk factors such as sex, age and daily dose for the most frequent SARs.
RESULTS: Bupropion was prescribed to 698 000 patients during the first 3 years of marketing in France. In these patients, 1682 cases of adverse reactions were reported; 28% of these involved SARs, mainly cutaneous or allergic reactions (31.2%), including angioedema and serum sickness-like reactions. Serious neurological reactions were frequent (22.5%), mostly comprising seizures; however, questioning revealed that almost half of these patients had a history of seizures or other risk factors. Of the serious neuropsychiatric adverse events reported (17.3%), suicide attempts/suicides were a cause for concern, although risk factors (history of depression, suicide attempts, etc.) were described for 66% of patients experiencing these events. Patients reporting angioedema and serum sickness-like reactions, and those involved in suicide attempts/suicides, were significantly younger than the exposed population. A dose-dependent effect was also apparent for angioedema and for seizures. Cardiovascular SARs, such as ischaemic heart disease (10.1%) or sudden death (2.3%), were very often associated with pre-existing coronary artery disease induced by smoking. All these SARs occurred within a median of 12-14 days after drug initiation.
CONCLUSION: To ensure safer use of bupropion, health professionals must respect the strict contraindications and warnings about use of this drug in patients with a history of seizures. Seizures, angioedema and serum sickness-like reactions were the most frequently reported SARs to bupropion treatment in our study. Moreover, younger people appeared to be more at risk for cutaneous SARs generally, and younger women for angioedema in particular, perhaps because of weight-related differences in pharmacokinetics. A dose-dependent effect for angioedema and the results of skin tests were suggestive of a histamine liberation mechanism. Our analysis showed that taking more notice of the contraindications to use of bupropion could have prevented half the seizures reported to the database. The sex and age characteristics of patients with ischaemic heart disease and suicide attempts in the study population were similar to those of the French population as a whole. Whether bupropion is associated with an increase in these potential adverse effects of therapy can be determined only by epidemiological studies that take into account specific risk factors in the smoking population. Finally, the median time to onset of the SARs identified in this study suggests that prescribers should monitor patients exposed to bupropion more carefully during the first 2 weeks of treatment.

PMID 18840021  Drug Saf. 2008;31(11):1017-26.

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