今日の臨床サポート

消化管カルチノイド

著者: 加藤真吾 埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科

著者: 屋嘉比康治 埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科

監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院

著者校正/監修レビュー済:2016/05/27
患者向け説明資料

概要・推奨   

疾患のポイント:
  1. 消化管カルチノイドとは、虫垂や回盲部に好発するセロトニン産生細胞からなる比較的良性の腫瘍のことである。肝転移を来した場合、生理活性物質が肝臓で代謝されずに全身を循環し、喘鳴や下痢、顔面紅潮などの症状を呈するようになる。これらをカルチノイド症候群と呼ぶ。
  1. 日本ではカルチノイド症候群を呈する中腸由来の消化管カルチノイドの頻度は5.2%と少なく、後腸由来の病変が66.0%と高かった。特に直腸カルチノイドの頻度が多い。また、神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor、NETs)全体でも機能性のNETsは47.7%であり、カルチノイド症候群を伴う患者は少ない。
 
診断:
  1. 無症状の消化管カルチノイドの診断には、上・下部消化管内視鏡検査が有効である。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
加藤真吾 : 未申告[2021年]
屋嘉比康治 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:上村直実 : 未申告[2021年]

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. カルチノイドは、2010年のWHO分類で神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor, NETs)と定義された。<図表>
  1. カルチノイド症候群(皮膚の潮紅、下痢、喘息様症状、心不全など)の原因は、腫瘍が産生するセロトニン、ブラジキニンによる反応である。
  1. わが国では胃・大腸由来の予後良好なカルチノイドが多く、カルチノイド症候群を呈する患者の数は少ない。
問診・診察のポイント  
  1. 消化管カルチノイドの場合にはほとんどが無症状のため、腫瘍自体の圧迫・狭窄症状に注意する。

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