今日の臨床サポート

自家感作性皮膚炎

著者: 加藤則人 京都府立医科大学 皮膚科学

監修: 戸倉新樹 掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 参与/浜松医科大学 名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2019/01/29
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 散布疹には、ステロイド外用薬を塗布する(推奨度1)。
  1. 原発巣が、接触皮膚炎や貨幣状湿疹などの湿疹性病変の場合には、ステロイド外用薬を塗布する(推奨度1)。
  1. 原発巣が、足白癬や皮膚潰瘍など湿疹性病変でない場合には、それぞれの疾患に応じた治療を行う(推奨度1)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
加藤則人 : 講演料(サノフィ,マルホ,アッヴィ,大鵬薬品工業,ヤンセンファーマ,田辺三菱製薬,日本イーライリリー),研究費・助成金など(サノフィ,日本ベーリンガーインゲルハイム,日本イーライリリー,レオファーマ,エイツーヘルスケア),奨学(奨励)寄付など(大鵬薬品工業,マルホ,サンファーマ,協和キリン,田辺三菱製薬)[2021年]
監修:戸倉新樹 : 講演料(田辺三菱,サノフィ,マルホ,協和キリン),研究費・助成金など(ノバルティス,レオファーマ)[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 自家感作性皮膚炎とは、ある部位に限局する皮膚の強い炎症(原発巣)に続いて、細かい急性湿疹性の丘疹(散布疹)が全身の皮膚に多発する疾患である。
  1. 自家感作性皮膚炎の原発巣としては、接触皮膚炎や貨幣状湿疹の頻度が高いが、アトピー性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、足白癬、熱傷による皮膚潰瘍なども挙げられる。
  1. 自家感作性皮膚炎は、青壮年に多くみられ、男性にやや多い傾向がある。
  1. 急性痒疹や小児ストロフルス、疥癬、水痘やカポジ水痘様発疹症、Gianotti-Crosti症候群などのウイルス感染症、中毒疹などが鑑別に挙げられる。
問診・診察のポイント  
  1. おおむね貨幣大以上の大きさの湿潤、滲出傾向のあるびらんを伴う紅斑局面とともに(原発巣・図a<図表>)、数日から数週間の経過で激しい痒みを伴う粟粒大から米粒大の漿液性丘疹や小水疱、小膿疱(散布疹・図b<図表>)が体幹や四肢の特に伸側に多発してくる。
 
 
  1. 散布疹には、掻破に一致して丘疹が配列するKöbner現象もしばしばみられる。
  1. 反対に、次第に増加する強い痒みを伴う漿液性丘疹や小水疱、小膿疱が体幹・四肢の広い範囲にみられる場合には、自家感作性皮膚炎を疑って原発巣となるべき皮疹が下腿などほかの部位に存在するかを診察するとともに、皮疹の出現時期について詳しく問診することが大切である。

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