今日の臨床サポート

カンジダ症

著者: 福田知雄 埼玉医科大学総合医療センター 皮膚科

監修: 戸倉新樹 掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 参与/浜松医科大学 名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2020/03/26
参考ガイドライン:
  1. 日本皮膚科学会:日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 病変部位はおむつ部、陰股部、腋窩、手の第3指間などの間擦部に圧倒的に多い。間擦部の皮膚病を診察するときには必ずカンジダ症を念頭に置く。
  1. ステロイド薬の外用治療を行う皮膚病(湿疹、皮膚炎など多数)との鑑別が特に重要である。
  1. 一般的には2週間程度の外用治療で治癒することが多い。ただし再発が多いので注意を要する。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
福田知雄 : 講演料(エーザイ株式会社)[2021年]
監修:戸倉新樹 : 講演料(田辺三菱,サノフィ,マルホ,協和キリン),研究費・助成金など(ノバルティス,レオファーマ)[2021年]

改訂のポイント:
  1. 日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019ガイドライン に基づき確認を行った。
  1. 参考症例の図表を大幅に入れ替えた。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 皮膚と粘膜のカンジダ症は白癬に次いで多い皮膚真菌症である。
  1. 粘膜の常在菌であるカンジダが増殖、形態変化して、皮膚と粘膜に感染して発症する。
  1. 部位や年齢により病型分類されるが、多いのはカンジダ性間擦疹、乳児寄生菌性紅斑(乳児カンジダ症)、カンジダ性指間びらん症、カンジダ性爪囲爪炎、口腔カンジダ症である。
 
間擦疹型カンジダ症

病 歴:40歳代女性、婦人科腫瘍の手術で入院中。陰股部に皮疹が拡大してきたため、病棟からの依頼受診。
診 察:陰股部に膜様鱗屑を付着した紅斑局面の形成を認め、外側優位に小膿疱が多発している。
検 査:膿疱膜の直接顕微鏡検査で菌要素を認め、真菌培養でCandida albicansを検出した。
治 療:エンペシドクリームによる外用治療を行った。
転 帰:2週間後には軽度の色素沈着を残し治癒した。

出典

img1:  著者提供
 
 
 
乳児寄生菌性紅斑

病 歴:6カ月女児、おむつ部の皮疹を主訴に受診。
診 察:陰部、殿部、股部に膜様鱗屑を付着した紅斑を認める。
検 査:鱗屑の直接顕微鏡検査で菌要素を認め、真菌培養でCandida albicansを検出した。
治 療:ニゾラールクリームによる外用治療を行った。
転 帰:2週間後には色素沈着になり治癒した。

 
カンジダ性指間びらん症

病 歴:60歳代女性、指間の皮疹を主訴に受診。
診 察:両手の指間に鱗屑を付着した紅斑を認める。
検 査:鱗屑の直接顕微鏡検査で菌要素を認め、カンジダ性指間びらん症と診断した。
治 療:マイコスポールクリームによる外用治療を行った。
転 帰:2週間後にはわずかな発赤を残し治癒した。

出典

img1:  著者提供
 
 
 
爪カンジダ症、カンジダ性爪囲爪炎

病 歴:40歳代女性、左拇指の爪の変形を主訴に受診。
診 察:左拇指の爪甲の先端部から中枢側に向かって白濁、粗造化が進み、爪囲には軽度の炎症所見、鱗屑が認められる。
検 査:爪甲を削り直接顕微鏡検査を行うも菌要素がはっきり確認出来なかったため、真菌培養を施行、Candida albicansを検出した。
治 療:イトリゾールによる内服治療を行った。
転 帰:12週間後には軽度の変形を残し軽快した。

出典

img1:  著者提供
 
 
 
口腔カンジダ症

病 歴:30歳代女性、SLEで通院、ステロイド内服加療中。舌の皮疹を主訴に受診。
診 察:舌が発赤し、剝がれやすい白苔が付着している。
検 査:白苔を鑷子で取り直接顕微鏡検査で菌要素を認め、真菌培養でCandida albicansを検出した。
治 療:ファンギゾンシロップによる含嗽を行った。
転 帰:含嗽により白苔は消失、軽快するが、時々再燃を繰り返している。

出典

img1:  著者提供
 
 
 
カンジダ性口角炎

病 歴:50歳代男性、ステロイドの外用で悪化したと、口角部、口周囲の皮疹を主訴に受診。
診 察:口角部に薄い鱗屑を付す紅斑が拡大。口周囲には粟粒大の紅色丘疹、小膿疱が散在多発している。
検 査:鱗屑の直接顕微鏡検査で菌要素を認め、真菌培養でCandida albicansを検出した。
治 療:ニゾラールクリームによる外用治療を行った。
転 帰:2週間後には治癒した。

出典

img1:  著者提供
 
 
 
カンジダ症の直接顕微鏡検査所見(パーカーKOH法)

仮性菌糸と胞子の集団。無染色(KOH法)でも観察可能であるが、染色液を入れた方が菌要素は見やすくなる。
しかしながら、パーカーKOH法に用いるパーカーブルーブラックインクは、真菌の染色に有用な Direct Blue 1 類似成分が減量されたため現在では手に入らなくなった。他に使用できる染色液としては、メチレンブルー、クロラゾールブラック、ズームブルー®がある。

出典

img1:  加藤卓朗先生ご提供
 
 
 
  1. 原因菌であるカンジダ(多くはCandida albicans)の病原性は強くない。皮膚と粘膜のカンジダ症も内臓カンジダ症ほどではないが、日和見感染症的要素が強い。ハイリスク患者に合併することは多いが、本症で生命予後が問題になることはきわめてまれである。
  1. 白癬(特に足白癬)に比較して外用治療が有効なことが多いが、難治性の病型がある。また再発は多い。
問診・診察のポイント  
  1. 患者背景(発症誘因)、病変部位、臨床所見に注目する。

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