今日の臨床サポート

有棘細胞癌(扁平上皮癌)

著者: 神谷秀喜 木沢記念病院 皮膚科/皮膚がんセンター

監修: 戸倉新樹 掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 参与/浜松医科大学 名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2019/06/13
参考ガイドライン:
  1. 科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第2版
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 原則としてSCCを想起した場合、手術を含めた集学的治療が行うことができる拠点病院へ紹介することが推奨される
  1. 治療はまず外科的切除が推奨される通常腫瘍辺縁から6mm離し、低リスク群4mm離して切除することを推奨している(推奨度2
  1. 手術適応がなければ根治的放射線療法を行い、再発の危険が高い場合には、術後放射線療法を追加することも推奨される(推奨度2
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
神谷秀喜 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:戸倉新樹 : 講演料(田辺三菱,サノフィ,マルホ,協和キリン),研究費・助成金など(ノバルティス,レオファーマ)[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、センチネルリンパ節の保険適応、癌性皮膚潰瘍臭について加筆修正を行った。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 皮膚科領域では、扁平上皮癌と有棘細胞癌(squamous cell carcinoma SCC)は同義語として扱う。
  1. 表皮角化細胞(ケラチノサイト)への分化を示す皮膚悪性腫瘍の代表である。
  1. 先行する局所準備状態(主に瘢痕病変)としては熱傷瘢痕(<図表>,図<図表>)、外傷性瘢痕、慢性放射線皮膚炎を代表とし、そのほかにも円板状エリテマトーデス(DLE)、難治性潰瘍、硬化性萎縮性苔癬、褥瘡(<図表>)などが認められる。
 
熱傷瘢痕より生じたSCC

幼少時に熱湯により右下肢を受傷。その瘢痕の一部が治りにくくなったという場合は要注意である。SCC発生までには数十年を要することが多い。

出典

img1:  著者提供
 
 
 
放射線皮膚潰瘍から生じたSCC

ケースの説明
病 歴:35歳女性。幼少時に左手背の血管腫に対して放射線治療(限界線照射)を行った。30歳を過ぎた頃より、同部にびらん・潰瘍が生じ、外用薬で治療を行ったが徐々に悪化した。
診 断:潰瘍辺縁から生検を行い、慢性放射線皮膚炎から生じた高分化型SCCと診断した。
治 療:放射線治療により色素沈着となった瘢痕部も含めて、手背腱膜直上で切除した。欠損部に対しては、大腿部からの分層植皮で再建している。
転 帰:術後の後療法は行わず、5年間再発転移は認めていない。
コメント:昭和30年頃まではあざや白癬にも放射線照射が行われていた。
写真
a:初診時臨床
b:病理組織像
c:術後1年目

出典

img1:  著者提供
 
 
 
  1. 癌前駆症として、日光角化症(<図表>)、白板症(<図表>)、Bowen病(<図表>)、汗孔角化症が挙げられる。これらの病変よりSCCへ進展する。
  1. SCCを生じやすい身体的状態として、色素性乾皮症、疣贅状表皮発育異常症、Werner症候群、AIDSなどがある。
  1. 疣状癌(verrucous carcinoma)はSCCの特異な一型で、局所浸潤性だが転移することはまれである。
  1. 先行病変に応じて臨床像も多彩であるが、単発する悪臭を伴う結節・潰瘍を形成して急速に拡大する。また難治性潰瘍の中にもSCCが含まれるので注意を要する。(図<図表>
  1. 組織学的には表皮と連続した異型有棘細胞の浸潤性増殖を認める。角化傾向を示し、特徴的な癌真珠を形成する。
  1. 手術治療が主体であるが、放射線療法や化学療法が有効な症例もある。
  1. 進行例では治療に難渋し、不幸な転帰をたどるケースもある。
問診・診察のポイント  
  1. 表皮構成成分の主体である有棘細胞の癌であり、頻度の高い皮膚癌の一つである。

今なら12か月分の料金で14ヶ月利用できます(個人契約、期間限定キャンペーン)

11月30日(火)までにお申込みいただくと、
通常12ヵ月の使用期間が2ヶ月延長となり、14ヵ月ご利用いただけるようになります。

詳しくはクリック
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。

文献 

著者: D E Rowe, R J Carroll, C L Day
雑誌名: J Am Acad Dermatol. 1992 Jun;26(6):976-90.
Abstract/Text We reviewed all studies since 1940 on the prognosis of squamous cell carcinoma (SCC) of the skin and lip. The following variables are correlated with local recurrence and metastatic rates: (1) treatment modality, (2) prior treatment, (3) location, (4) size, (5) depth, (6) histologic differentiation, (7) histologic evidence of perineural involvement, (8) precipitating factors other than ultraviolet light, and (9) host immunosuppression. Local recurrences occur less frequently when SCC is treated by Mohs micrographic surgery. This local recurrence rate differential in favor of Mohs micrographic surgery holds true for primary SCC of the skin and lip (3.1% vs 10.9%), for ear SCC (5.3% vs 18.7%), for locally recurrent (previously treated) SCC (10% vs 23.3%), for SCC with perineural involvement (0% vs 47%), for SCC of size greater than 2 cm (25.2% vs 41.7%), and for SCC that is poorly differentiated (32.6% vs 53.6%).

PMID 1607418  J Am Acad Dermatol. 1992 Jun;26(6):976-90.
著者: R Motley, P Kersey, C Lawrence, British Association of Dermatologists, British Association of Plastic Surgeons, Royal College of Radiologists, Faculty of Clinical Oncology
雑誌名: Br J Dermatol. 2002 Jan;146(1):18-25.
Abstract/Text These guidelines for management of primary cutaneous squamous cell carcinoma present evidence-based guidance for treatment, with identification of the strength of evidence available at the time of preparation of the guidelines, and a brief overview of epidemiological aspects, diagnosis and investigation.

PMID 11841362  Br J Dermatol. 2002 Jan;146(1):18-25.
著者: M Alam, D Ratner
雑誌名: N Engl J Med. 2001 Mar 29;344(13):975-83. doi: 10.1056/NEJM200103293441306.
Abstract/Text
PMID 11274625  N Engl J Med. 2001 Mar 29;344(13):975-83. doi: 10.1056/・・・
著者: I D Fleming, R Amonette, T Monaghan, M D Fleming
雑誌名: Cancer. 1995 Jan 15;75(2 Suppl):699-704.
Abstract/Text There are a number of options available to the physician for the primary management of basal cell and squamous cell carcinoma of the skin. The most commonly used treatment modalities are primary resection, radiation therapy, and Mohs' micrographic surgery. Although each of these modalities can be used to treat most skin cancers in a variety of settings, each of these forms of cancer treatment is more appropriate in some settings and less appropriate in others. The role of each mode of therapy is discussed, based on effectiveness for cure, short and long term side effects, and cost of treatment. The appropriate role of the physician treating skin carcinoma is to choose the most effective treatment based on the above criteria and not to make the tumor fit any particular treatment modality.

PMID 7804997  Cancer. 1995 Jan 15;75(2 Suppl):699-704.

ページ上部に戻る

戻る

さらなるご利用にはご登録が必要です。

こちらよりご契約または優待日間無料トライアルお申込みをお願いします。

(※トライアルご登録は1名様につき、一度となります)


ご契約の場合はご招待された方だけのご優待特典があります。

以下の優待コードを入力いただくと、

契約期間が通常12ヵ月のところ、14ヵ月ご利用いただけます。

優待コード: (利用期限:まで)

ご契約はこちらから