今日の臨床サポート

振戦以外の不随意運動

著者: 花島律子 鳥取大学医学部医学科 脳神経医科学講座脳神経内科学分野

監修: 高橋裕秀 昭和大学藤が丘病院 脳神経内科

著者校正/監修レビュー済:2017/12/25
患者向け説明資料

概要・推奨   

症状のポイント:
  1. 不随意運動は、動きの性状によって種々のものがある。動きの観察によりどの不随意運動かまず見極めることで診断に近づけ、適切な薬剤などの治療法を選ぶことが可能となる。不随意運動には本態性のもの、神経変性疾患によるものなどがあるが、一般診療で比較的頻度が高くみられるのは、二次性のものである。腎不全や肝不全などの代謝異常、薬物などの中毒、脳炎・脳梗塞による二次性の不随意運動を見逃さないことが大事である。問診や病歴、家族歴の聴取も重要な情報を与えてくれる。
 
緊急対応:
  1. 通常、一時的な不随意運動は緩徐に出現・悪化するものであり、また致死的なものではないので緊急性には乏しいことが多い。ただし、2次的なものは急性であり、けいれんと間違われることもあるので、原因となる病態を明らかにして原因の改善を対処する。
 
症状治療・診断的治療:
  1. 二次性のものはその原因疾患に対する治療を行う。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
花島律子 : 未申告[2021年]
監修:高橋裕秀 : 特に申告事項無し[2021年]

病態・疫学・診察

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 不随意運動とは、意図せずに勝手に体の一部もしくは全体が動いてしまう症状のことである。
  1. 律動的な動きの振戦以外の不随意運動には、舞踏様運動、ジストニア、アテトーゼ、バリズム、ミオクローヌス、チックなど種々のものがある。
  1. 不随意運動の診断には、動きが規則的か持続するか、どのようなときにどこに動きがみられるか、関節変形を伴うかなどの、動きの性状の観察が重要となる。
  1. 本態性の振戦以外の不随意運動は、神経難病などに伴う頻度の少ない病気であることが多い。
  1. 代謝性や薬剤性の原因によるものや、脳炎・脳梗塞による2次性の不随意運動は比較的頻度高くみられ、内科診察ではこれらを見逃さないことが大事である。
  1. てんかんとの鑑別が問題になることがある。
問診・診察のポイント  
  1. 不随意運動の患者さんは、しばしば“ふるえる”とのみ訴えるが、必ずしも振戦やけいれんを意味していないことに注意が必要である。
  1. 異常な動きの存在は自覚されていないこともあり、動き難さと考えられていたり、日常生活に困っていない場合には気が付かれていなかったりすることもあるので、観察が大事である。

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