今日の臨床サポート

クループ症候群(小児科)

著者: 黒澤照喜 帝京大学医学部附属溝口病院 小児科

監修: 渡辺博 帝京大学老人保健センター

著者校正/監修レビュー済:2021/09/15
参考ガイドライン:
  1. 日本小児呼吸器学会:小児の咳嗽診療ガイドライン2020
  1. 日本小児呼吸器学会日本小児感染症学会:小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. クループ症候群・上気道閉塞疾患を疑った場合、典型的な軽症でなければ必ず高圧喉頭X線検査正面像でペンシルサインを確認し、側面像で喉頭蓋・披裂喉頭蓋襞・咽頭後壁の腫脹がないことを確認する。
  1. ウイルス性クループ・痙性クループでは流涎は認めない。流涎を認めたら、急性喉頭蓋炎、咽後膿瘍、喉頭異物などをただちに鑑別することが勧められる。
  1. ペンシルサインを認めない吸気性喘鳴、デカドロン内服・ボスミン吸入に反応が悪い吸気性喘鳴はウイルス性クループ・痙性クループ以外の疾患を早めに考えるべきである。
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧に
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
黒澤照喜 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:渡辺博 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期的なレビューを行った(軽微な修正)。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. クループ症候群は急性の上気道閉塞疾患に伴って、犬吠様咳嗽・嗄声・吸気性喘鳴を呈する疾患である。
  1. 本稿ではクループ症候群に、ウイルス性クループ・痙性クループ・急性喉頭蓋炎・細菌性気管炎を含める。
  1. 比較的軽症なウイルス性クループ・痙性クループの頻度が高いが、頻度の低い急性喉頭蓋炎・細菌性気管炎も急速に増悪し無治療では生命予後が不良となるため鑑別する必要がある。
  1. ウイルス性クループは上気道のウイルス感染症に起因する疾患であり、パラインフルエンザウイルスが多く、RSウイルス・アデノウイルス・インフルエンザウイルスなども原因となる。多くは軽症であるが、興奮や啼泣などで急に悪化することがあるため注意が必要である。
  1. 新型コロナウイルスによるクループも海外で報告されている[1]
  1. 痙性クループ(spasmodic croup)は夜間に増悪することが多いが、重症例では嗄声、顕著な努力呼吸(陥没呼吸)、呼吸苦を呈する。アレルギーとの関連も示唆されている。
  1. ウイルス性クループ・痙性クループは一般的に予後良好であるが、重症例は急性喉頭蓋炎、細菌性気管炎との鑑別が必要である。
  1. 急性喉頭蓋炎はインフルエンザ菌タイプb(Hib)の菌血症に続発する喉頭蓋の蜂窩織炎で、咽頭痛・嗄声が強く、流涎が必発し、全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome、SIRS)の状態で全身状態も悪く、突然の呼吸停止などで死亡率も高い。喉頭高圧X線正面像ではペンシルサインが、側面像で下咽頭腔・喉頭腔の拡大と喉頭蓋・披裂喉頭蓋襞の腫大が認められる。しかし、本症を疑ったら、手術室で麻酔科医と協働で気道確保することを最優先すべきである。
  1. 細菌性気管炎は黄色ブドウ球菌によるものが多く、呼吸障害が強くデカドロンやボスミン治療に反応しづらい。喉頭鏡で喉頭蓋や披裂喉頭蓋襞、声帯などに膿の付着を認めると診断確定する。喉頭高圧X線正面像ではペンシルサインは認めないことが多い。
問診・診察のポイント  
  1. 発症が急か、緩徐(数日以上経て)かを尋ねる。

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