今日の臨床サポート

横隔膜神経麻痺

著者: 花岡正幸 信州大学 学術研究院医学系医学部内科学第一教室

監修: 久保惠嗣 信州大学名誉教授・地方独立行政法人 長野県立病院機構理事長

著者校正/監修レビュー済:2016/11/30
患者向け説明資料

概要・推奨   

疾患のポイント:
  1. 横隔膜神経麻痺とは、文字通り横隔膜神経の麻痺である。
 
診断:
  1. 胸部X線写真で横隔膜挙上を認め、深吸気と深呼気で横隔膜位置に差がない場合、横隔膜神経麻痺と臨床診断される。
  1. 確定診断にはX線透視下のにおいかぎ試験(sniff test)や横隔膜神経刺激試験が必要であるが、省略される場合もある。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
花岡正幸 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:久保惠嗣 : 特に申告事項無し[2021年]

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 横隔膜神経麻痺は、片側麻痺(<図表><図表>)と両側麻痺(<図表>)に分けられる。
  1. 片側麻痺(<図表><図表>)の約半数は無症状で、ほとんどが麻痺に対する治療を必要としない。
  1. 両側麻痺(<図表>)は、呼吸困難や起座呼吸を呈し、呼吸不全に対する人工呼吸管理を必要とすることが多い。
  1. 横隔膜神経麻痺の原因は、肺や縦隔の悪性腫瘍の浸潤や、胸部や部の手術侵襲によることが多い。
問診・診察のポイント  
  1. 胸部や部の悪性腫瘍の症候を確認する。
  1. 胸部や部の手術歴や受傷歴を確認する。
  1. 感染症、神経疾患、代謝疾患など、全身性疾患の既往を確認する。

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文献 

著者: G J Gibson
雑誌名: Thorax. 1989 Nov;44(11):960-70.
Abstract/Text
PMID 2688182  Thorax. 1989 Nov;44(11):960-70.
著者: P G Wilcox, R L Pardy
雑誌名: Lung. 1989;167(6):323-41.
Abstract/Text Diaphragmatic weakness implies a decrease in the strength of the diaphragm. Diaphragmatic paralysis is an extreme form of diaphragmatic weakness. Diaphragmatic paralysis is an uncommon clinical problem while diaphragmatic weakness, although uncommon, is probably frequently unrecognized because appropriate tests to detect its presence are not performed. Weakness of the diaphragm can result from abnormalities at any site along its neuromuscular axis, although it most frequently arises from diseases in the phrenic nerves or from myopathies affecting the diaphragm itself. Presence of diaphragmatic weakness may be suspected from the complaint of dyspnea (particularly on exertion) or orthopnea; the presence of rapid, shallow breathing or, more importantly, paradoxical inward motion of the abdomen during inspiration on physical examination; a restrictive pattern on lung function testing; an elevated hemidiaphragm on chest radiograph; paradoxical upward movement of 1 hemidiaphragm during fluoroscopic imaging; or reductions in maximal static inspiratory pressure. The diagnosis of diaphragmatic weakness is confirmed, however, by a reduction in maximal static transdiaphragmatic pressure (Pdimax). The diagnosis of diaphragmatic paralysis is confirmed by the absence of a compound diaphragm action potential on phrenic nerve stimulation. There are many causes of diaphragmatic weakness and paralysis. In this review we outline an approach we have found useful in attempting to determine a specific cause. Most frequently the cause is either a phrenic neuropathy or diaphragmatic myopathy. Often the neuropathy or myopathy affects other nerves or muscles that can be more easily investigated to determine the specific pathologic basis, and, by association, it is presumed that the diaphragmatic weakness or paralysis is secondary to the same disease process.

PMID 2509822  Lung. 1989;167(6):323-41.
著者: Asher Qureshi
雑誌名: Semin Respir Crit Care Med. 2009 Jun;30(3):315-20. doi: 10.1055/s-0029-1222445. Epub 2009 May 18.
Abstract/Text The diaphragm is a chief muscle of inspiration. Its paralysis can lead to dyspnea and can affect ventilatory function. Diaphragmatic paralysis can be unilateral or bilateral. The clinical symptoms are more prominent in bilateral diaphragm paralysis. Ventilatory failure and cor pulmonale are usually seen in severe cases. Although an uncommon cause of dyspnea it still remains an underdiagnosed condition. A restrictive process is seen on pulmonary function tests in diaphragm paralysis. The symptoms, oxygenation and vital capacity, usually worsen in supine posture. The diagnoses is usually suspected on chest x-ray and clinical exam and confirmed with sniff test or phrenic nerve stimulation/diaphragm electromyography. In most unilateral cases no treatment is needed, especially in the absence of underlying lung disease. In more severe cases modalities such as diaphragmatic pacing or plication of the diaphragm can be used. In bilateral diaphragm paralysis or in patients with ventilatory failure continuous positive airway pressure or mechanical ventilation and tracheostomy are generally needed. Prognosis is good in unilateral paralysis, especially in the absence of underlying neurological or pulmonary process. Prognosis is usually poor in patients with advanced lung disease, bilateral paralysis, and chronic demyelinating conditions.

PMID 19452391  Semin Respir Crit Care Med. 2009 Jun;30(3):315-20. doi:・・・

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