今日の臨床サポート

卵管疎通障害

著者: 齊藤和毅 東京医科歯科大学大学院 茨城県小児周産期地域医療学講座

監修: 杉野法広 山口大学 産科婦人科学

著者校正/監修レビュー済:2021/03/24
参考ガイドライン:
  1. 日本生殖医学会:生殖医療の必修知識 2020
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 子宮卵管造影検査正常でその他のスクリーニング検査も正常の不妊症例の場合、検査後6カ月間のタイミング療法で、約3割が妊娠成立する。
  1. 卵管性不妊症の原因として6割以上でクラミジア感染が関与していると報告されている。子宮卵管造影検査前にクラミジア感染の有無を検査し、陽性の場合は抗菌薬による治療を優先し、検査による上行感染を予防することが大切である(推奨度1)
  1. 卵管疎通障害に対し生殖補助医療を選択する場合、胚移植時までに消失しない卵管留水腫に関しては、胚移植前に卵管切除術を行うことが推奨されている(推奨度2)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
齊藤和毅 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:杉野法広 : 研究費・助成金など(浜田市,あすか製薬)[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 卵管疎通障害とは、卵管内腔の閉塞および周囲との癒着により受精が起こりにくく、不妊症の原因となる病態である。近年クラミジア感染による卵管疎通障害が増加してきている。
  1. 一般に、不妊原因の30~35%が卵管因子による[1]
  1. 卵管因子は、クラミジア卵管炎などによる卵管閉塞・狭窄(卵管疎通障害)と骨盤腹膜炎・子宮内膜症などによる卵管周囲癒着に分けられる。
  1. 卵管閉塞・狭窄(卵管疎通障害)のうち最も多い障害部位は間質部であり、間質部と峡部を合わせた近位部の障害は8割以上を占める。
  1. 卵管性不妊症の原因として6割以上でクラミジア感染が関与していると報告されており、不妊外来でクラミジア抗体検査を行うとその28.3%の患者で陽性となったとの報告もある。
 
問診・診察のポイント  
問診:
  1. クラミジア骨盤腹膜炎の治療や慢性下腹部痛の既往の有無を問診する。

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文献 

著者: V Gomel
雑誌名: Fertil Steril. 1995 Mar;63(3):464-8. doi: 10.1016/s0015-0282(16)57409-3.
Abstract/Text
PMID 7851571  Fertil Steril. 1995 Mar;63(3):464-8. doi: 10.1016/s0015・・・
著者: K Sueoka, H Asada, S Tsuchiya, N Kobayashi, M Kuroshima, Y Yoshimura
雑誌名: Hum Reprod. 1998 Jan;13(1):71-4.
Abstract/Text The linear everting (LE) catheter has been developed to safely guide a Falloposcope into the entire length of Fallopian tube in order to observe the tubal lumen. It may also be useful therapeutically for the recanalization of occluded tubes. Fifty infertility patients who had been diagnosed with proximal, mid and distal tubal occlusion by hysterosalpingogram, Rubin test and hysteroscopic selective hydrotubation, were selected to undergo Falloposcopic tuboplasty (FT). Patients having hydrosalpinges were excluded from the study group. The total number of tubes treated was 102 during 53 FT procedures. On the basis of tubes attempted, the LE catheter successfully accessed 85.3% (87/102). A follow-up hysterosalpingogram was completed 1-3 months following the FT procedure, which revealed an overall patency rate of 79.4% (81/102). During FT, a high incidence of multiple adhesions was observed in the entire length of tubal lumen in patients having bilateral occlusions. To date, the total number of pregnancies following FT treatment is 11 over a follow-up period of 2 months to 3 years. FT has been established as a highly useful, less invasive and novel treatment for tubal infertility. This technique may be useful in selected patients with tubal infertility.

PMID 9512231  Hum Reprod. 1998 Jan;13(1):71-4.
著者: Practice Committee of American Society for Reproductive Medicine in collaboration with Society of Reproductive Surgeons
雑誌名: Fertil Steril. 2008 Nov;90(5 Suppl):S66-8. doi: 10.1016/j.fertnstert.2008.08.089.
Abstract/Text Salpingectomy for hydrosalpinges before in vitro fertilization increases the success rate.

PMID 19007649  Fertil Steril. 2008 Nov;90(5 Suppl):S66-8. doi: 10.1016・・・

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