今日の臨床サポート

上咽頭腫瘍

著者: 吉崎智一 金沢大学附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院

著者校正/監修レビュー済:2018/07/23
患者向け説明資料

概要・推奨   

疾患のポイント:
  1. 上咽頭腫瘍とは、文字通り上咽頭に発生する腫瘍である。上咽頭に発生する腫瘍のほとんどが分化度の低いEpstein-Barr ウイルス(以下EBV)陽性の悪性腫瘍(上咽頭癌)であり、EBV抗体価の上昇が診断の補助となる。
  1. 2週間以上続く滲出性中耳炎、増大する無痛性頸部腫瘤、原因不明の頭痛、眼球運動障害などは、上咽頭癌を疑う重要な臨床症状である。
 
診断:
  1. 鼻咽腔ファイバースコープで観察し、疑わしい場合には組織生検を行う。確定診断は組織診断による。Epstein-Barr ウイルス関連腫瘍であることから、組織標本中のEBウイルス転写産物EBERsの検索やEBウイルスVCA、EAに対するIgG、IgA抗体価が診断の一助となる。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
吉崎智一 : 未申告[2021年]
監修:森山寛 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 頭頸部癌診療ガイドライン 2018年版
  1. TNM悪性腫瘍の分類 第8版
に基づき改訂を行った。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 上咽頭に発生する腫瘍はほとんどが分化度の低いEpstein-Barr ウイルス(以下EBV)陽性の悪性腫瘍(上咽頭癌)である。
  1. したがって、EBV抗体価の上昇が補助診断となる。
  1. 上咽頭癌患者の最も頻度の多い臨床所見は頸部リンパ節転移である。
  1. 上咽頭癌自体の腫瘍容積による鼻閉よりも周囲への浸潤により生じる脳神経障害、伝音性難聴、頭痛などが初発症状であることが多い。
  1. EBV陽性上咽頭癌は高転移性である。
  1. EBV陽性上咽頭癌は分化度が低く化学放射線高感受性である。したがって、治療は放射線療法が柱となるが化学療法の占めるウエイトが他の頭頸部癌よりも大きい。
  1. 上咽頭に発生する良性腫瘍としては上咽頭血管線維腫が代表的である。
  1. 上咽頭血管線維腫は思春期に好発する易出血性腫瘍で、鼻出血が初発症状であることが多い。
問診・診察のポイント  
問診、診断のポイント:
  1. 耳閉感や難聴の有無、その経緯

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