今日の臨床サポート

膵癌(外科)

著者: 伊佐地秀司 三重大学医学部附属病院

監修: 下瀬川徹 みやぎ県南中核病院企業団

著者校正/監修レビュー済:2019/10/30
参考ガイドライン:
日本膵臓学会 膵癌診療ガイドライン改訂委員会編:膵癌診療ガイドライン 2019年版、金原出版、2019.
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 臨床症状や血液検査で膵癌を疑えば、まず簡便で侵襲のないUSを行い、膵腫瘤、膵管拡張、胆管拡張、膵嚢胞の有無をみる。さらに造影CTで精査をするが、その際、特に膵実質相、門脈相(肝実質相)、および遅延相(平衡相)の3 相を基本とするダイナミック撮影が有用である。
  1. 膵癌の確定診断のために、EUS-FNA、ERCP下膵液細胞診などの施行が推奨される。特に抗がん剤治療を行う場合(術前治療、あるいは切除不能で抗がん剤治療を行う)は必須の検査である。
  1. ダイナミックCT画像による病期診断、特に切除可能性分類を行う。すなち、SMV・PV・SMA・CA・CHAへの浸潤の有無や程度から、切除可能(Resectable:R)、切除可能境界(Borderline resectable:BR)、切除不能(Unresectable:UR)に分ける。進行期膵癌とは、一般的にはBR以上の膵癌をいう。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
伊佐地秀司 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:下瀬川徹 : 特に申告事項無し[2021年]

病態・疫学・診察

イントロダクション  
  1. 膵癌は膵臓に原発した癌腫であり、その約90%は膵管上皮から発生する浸潤性膵管癌である。一般的に膵癌といえば浸潤性膵管癌を指す。この他に膵管内乳頭粘液性腺癌、粘液性嚢胞腺癌、膵腺房癌、膵神経内分泌癌がある。ここでは浸潤性膵管癌のなかでも、進行期膵癌について述べる。
定義  
  1. 胃癌や大腸癌の取扱い規約には早期癌の定義が明確に規定されているが、膵癌取扱い規約では早期癌の定義は存在しない。したがって、進行期膵癌の定義もない。

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文献 

著者: Masayuki Imamura, Ryuichiro Doi, Toshihide Imaizumi, Akihiro Funakoshi, Hideyuki Wakasugi, Makoto Sunamura, Yoshiro Ogata, Shoichi Hishinuma, Takehide Asano, Takashi Aikou, Ryo Hosotani, Shunzo Maetani
雑誌名: Surgery. 2004 Nov;136(5):1003-11. doi: 10.1016/j.surg.2004.04.030.
Abstract/Text BACKGROUND: Though the outcome of resection for locally invasive pancreatic cancer is still poor, it has gradually improved in Japan, and the 5-year survival is now about 10%. However, the advantage of resection over radiochemotherapy has not yet been confirmed by a randomized trial. We conducted this study to compare surgical resection alone versus radiochemotherapy without resection for locally invasive pancreatic cancer using a multicenter randomized design.
METHODS: Patients with pancreatic cancer who met our preoperative criteria for inclusion (pancreatic cancer invading the pancreatic capsule without involvement of the superior mesenteric artery or the common hepatic artery, or without distant metastasis) underwent laparotomy. Patients with operative findings consistent with our criteria were randomized into a radical resection group and a radiochemotherapy group (200 mg/m(2)/day of intravenous 5-fluorouracil and 5040 cGy of radiotherapy) without resection. The 2 groups were compared for mean survival, hazard ratio, 1-year survival, quality of life scores, and hematologic and blood chemical data.
RESULTS: Twenty patients were assigned to the resection group and 22 to the radiochemotherapy group. There was 1 operative death. The surgical resection group had better results than the radiochemotherapy group as measured by 1-year survival (62% vs 32 %, P=.05), mean survival time (>17 vs 11 months, P < .03), and hazard ratio (0.46, P=.04). There were no differences in the quality of life score or laboratory data apart from increased diarrhea after surgical resection.
CONCLUSIONS: Locally invasive pancreatic cancer without distant metastases and major arterial invasion appears to be best treated by surgical resection.

PMID 15523393  Surgery. 2004 Nov;136(5):1003-11. doi: 10.1016/j.surg.2・・・
著者: Yuji Nimura, Masato Nagino, Sonshin Takao, Tadahiro Takada, Koji Miyazaki, Yoshifumi Kawarada, Shuichi Miyagawa, Akihiro Yamaguchi, Shuichi Ishiyama, Yutaka Takeda, Kourou Sakoda, Taira Kinoshita, Kenzo Yasui, Hiroshi Shimada, Hiroyuki Katoh
雑誌名: J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2012 May;19(3):230-41. doi: 10.1007/s00534-011-0466-6.
Abstract/Text BACKGROUND: The value of pancreatoduodenectomy (PD) with extended lymphadenectomy for pancreatic cancer has been evaluated by many retrospective studies and 3 randomized controlled trials (RCT). However, the protocols used and the results found in the 3 RCTs were diverse. Therefore, a multicenter RCT was proposed in 1998 to evaluate the primary end point of long-term survival and the secondary end points of morbidity, mortality and quality of life of patients undergoing standard versus extended lymphadenectomy in radical PD for pancreatic cancer.
METHODS: From March 2000 to May 2003, 112 patients with potentially curable pancreatic head cancer were enrolled and intraoperatively randomized to a standard or extended lymphadenectomy group. No resected patients received any adjuvant treatments.
RESULTS: A hundred and one eligible patients were analyzed. Demographic and histopathological characteristics of the two groups were similar. The mean operating time, intraoperative blood loss and number of retrieved lymph nodes were greater in the extended group, but the other operative results were comparable.
CONCLUSIONS: Although this multicenter RCT was conducted in a strict setting, extended lymphadenectomy in radical PD did not benefit long-term survival in patients with resectable pancreatic head cancer and led to levels of morbidity, mortality and quality of life comparable to those found after standard lymphadenectomy.

PMID 22038501  J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2012 May;19(3):230-41. do・・・

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