今日の臨床サポート

胸郭出口症候群

著者: 北村歳男 熊本整形外科病院

監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター

著者校正/監修レビュー済:2021/06/23
患者向け説明資料
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
北村歳男 : 未申告[2021年]
監修:落合直之 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、検査・手術について最新の傾向を加筆した。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 胸郭出口症候群とは、第1肋骨、鎖骨、斜角筋で形成される胸郭出口およびその近傍における腕神経叢・鎖骨下動静脈の圧迫や伸張によって生じた上肢の痛みやしびれを有する疾患群である[1]
 
胸郭出口の解剖

前斜角筋は、第3から第6頚椎横突起に起始し、第1肋骨内側縁の前斜角筋結節に付着する。中斜角筋・後斜角筋は全頚椎横突起に起始し、第1肋骨中央から後方にかけての上前面に付着し、その後方部分は第2肋骨に付着している。この前斜角筋と中斜角筋と第1肋骨との間隙がいわゆる斜角筋三角であり、鎖骨下動脈と腕神経叢がここを通過する。鎖骨下静脈は、同じレベルで前斜角筋の前方を走行する。次いで、神経・血管束は第1肋骨と鎖骨との間隙、すなわち肋鎖間隙を通り、さらに烏口突起下で胸壁と小胸筋の関門を通過する。

 
  1. 血管障害が主症状である血管性は少なく、約95%が腕神経叢刺激過敏状態を呈する神経性である。
  1. 腕神経叢圧迫と牽引による症状があり、診断・治療に当たっては、この異なる病態を区別して対応する必要がある[2]
  1. 腕神経叢圧迫型は男性に多く(2:1)、筋肉質で怒り肩を呈し、肩甲帯の不安定性はない。一方、腕神経叢牽引型は圧倒的に女性に多く(1:11)、なで肩・円背姿勢を呈し、肩甲骨の易下垂性がみられ、若年者に多い[3]
  1. 近年、野球スポーツにおけるTOS症状での報告例がみられる[4]
 
腕神経叢圧迫型胸郭出口症候群の典型的体型

腕神経叢圧迫型は男性に多く(2:1)、筋肉質で怒り肩を呈し、肩甲帯の不安定性はない。

出典

img1:  井手淳二先生ご提供
 
 
 
腕神経叢牽引型胸郭出口症候群の典型的体型

腕神経叢牽引型は圧倒的に女性に多く(1:11)、なで肩・円背姿勢を呈し、肩甲骨の易下垂性がみられ、若年者に多い。
a:正面
b:背面

出典

img1:  井手淳二先生ご提供
 
 
 
  1. 腕神経叢圧迫所見・症状と牽引所見・症状のどちらも認める混合型の割合が70%と多い[3]
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 年齢・職業(具体的内容、日常活動性)

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文献 

著者: R M PEET, J D HENRIKSEN, T P ANDERSON, G M MARTIN
雑誌名: Proc Staff Meet Mayo Clin. 1956 May 2;31(9):281-7.
Abstract/Text
PMID 13323047  Proc Staff Meet Mayo Clin. 1956 May 2;31(9):281-7.
著者: J Ide, Y Kataoka, M Yamaga, T Kitamura, K Takagi
雑誌名: J Hand Surg Br. 2003 Jun;28(3):218-23.
Abstract/Text In order to investigate the mechanism of nerve irritation in thoracic outlet syndrome (TOS), we studied 150 patients who presented with symptoms of neurologic TOS between 1985 and 1999. They first performed various provocative physical manoeuvres and then underwent injection of contrast medium into the supraclavicular part of the brachial plexus. Several of the provocative manoeuvres were then repeated and radiographs were again obtained. Based on the neuroradiographs, we identified three subsets of patients; those with only compression (type 1 TOS, n=27, 18%), those with combined compression and stretching (type 2 TOS, n=111, 74%), and those with only stretching (type 3 TOS, n=12, 8%). We were able to correlate the neuroradiological subsets with symptoms elicited by pre-radiographic provocative manoeuvres; in 92 patients (61%) these were elicited by traction manoeuvres. We conclude that stretching is an important factor of nerve irritation in TOS.

PMID 12809651  J Hand Surg Br. 2003 Jun;28(3):218-23.
著者: M Ide, J Ide, M Yamaga, K Takagi
雑誌名: J Bone Joint Surg Br. 2001 Mar;83(2):226-9.
Abstract/Text We investigated the incidence of evidence of irritation of the brachial plexus in 119 patients with whiplash injuries sustained in road-traffic accidents. We compared the symptoms, physical signs, autonomic status, psychological status and findings from radiographs of the cervical spine using examination charts and a modified Cornell Medical Index Health questionnaire, in patients in two distinct groups: those with irritation of the brachial plexus and those without. There were 45 patients (37.8%) in the first group. The ratio of women to men was significantly higher in patients with irritation of the plexus as was the incidence of symptoms other than neck pain. There was no significant difference between the two groups with regard to psychological status or findings in radiographs of the cervical spine. Symptoms and signs attributable to stretching of the brachial plexus do occur in a significant proportion of patients after a whiplash injury. Their presence and persistence are associated with a poor outcome.

PMID 11284570  J Bone Joint Surg Br. 2001 Mar;83(2):226-9.

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