今日の臨床サポート

肘内障

著者: 中川種史 医療法人社団中川整形外科

監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター

著者校正済:2021/10/27
現在監修レビュー中
患者向け説明資料
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
中川種史 : 未申告[2021年]
監修:落合直之 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 整復方法の問題を加筆・修正した。
  1. 整復後、症状が継続する場合の問題を加筆・修正した。 
  1. 発生機序の問題を加筆・修正した。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 肘内障とは、年少の小児が手を引かれたり、ひねったりした際上肢をだらりとして痛がって動かさない状態をいう。
  1. 小児においては、肘は骨性に完成しておらず、ほとんどの部分は軟骨である。
  1. 橈骨と尺骨は輪状靱帯において制動されていることにより回内、回外の動作が行われているが、その固定力が不十分であるため、輪状靱帯が近位にまくれてしまうことや滑膜のひだが関節にはまりこむことなどで、橈骨が尺骨に対して回内位で固定してしまうことが症状の原因と考えられている。
 
肘内障の病態

輪状靱帯が近位にまくれてしまうことや滑膜のひだが関節にはまりこむことなどで、橈骨が尺骨に対して回内位で固定してしまうことが本症の原因と考えられている。

出典

 
  1. 多くの症例においては、親、家族、その他の年長者が手を引っ張ったという話が聴取されるが、しばしばよくわからない原因によって、小児が腕を動かさず泣いていることもある。(図<図表>
 
整復前の状態

出典

img1:  著者提供
 
 
 
  1. 2、3歳での発生が多く、7歳以上はほとんどない。女児に多く、左右では左が多い[3]
  1. 整復は回外して屈曲することが従前より一般的であるが、回内での屈曲を勧める論文もある[3][4][5][6]
  1. 多くの場合、整復は容易で、整復が成功した場合は泣き止み、上肢の使用を開始することが多い。
  1. しかし、しばらく泣き止まない場合もしばしばであり、様子をみる必要がある。
 
  1. 肘内障はどのようになっているか(参考文献:[7][8]
  1. 輪状靱帯という橈骨頭を支えている靱帯が図のように上方にずれて、橈骨頭が固定されているとされている。(<図表>
  1. ほとんどの症例では手術にならないので、明確な所見が知られているわけではない。
  1. 超音波所見では、関節内に輪状靱帯がはまりこんでいる所見や、輪状靱帯が前に折り返されている所見(pulled elbow sign)などが指摘されている。
問診・診察のポイント  
 
  1. 両親より症状を聴取する。小児が肘のみならず肩や手を痛がるということを親が訴えるときにも疑うべきである。発生原因についても聴取するが、親、兄弟あるいは保育士などが手を引っ張るようなアクシデントがあれば強く疑う。転倒などの先行外傷を聴取することもある。その際は骨折の存在も疑う。

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文献 

著者: R B Salter, C Zaltz
雑誌名: Clin Orthop Relat Res. 1971;77:134-43.
Abstract/Text
PMID 5140442  Clin Orthop Relat Res. 1971;77:134-43.
著者: C G Macias, J Bothner, R Wiebe
雑誌名: Pediatrics. 1998 Jul;102(1):e10.
Abstract/Text OBJECTIVE: To compare supination at the wrist followed by flexion at the elbow (the traditional reduction technique) to hyperpronation at the wrist in the reduction of radial head subluxations (nursemaid's elbow).
MATERIALS AND METHODS: This prospective, randomized study involved a consecutive sampling of children younger than 6 years of age who presented to one of two urban pediatric emergency departments and two suburban pediatric ambulatory care centers with a clinical diagnosis of radial head subluxation. Patients were randomized to undergo reduction by one of the two methods and were followed every 5 minutes for return of elbow function. The initial procedure was repeated if baseline functioning did not return 15 minutes after the initial reduction attempt. Failure of that technique 30 minutes after the initial reduction attempt resulted in a cross-over to the alternate method of reduction. The alternate procedure was repeated if baseline functioning did not return 15 minutes after the alternate procedure was attempted. If the patient failed both techniques, radiography of the elbow was performed.
RESULTS: A total of 90 patients were enrolled in the study. Five patients were removed from further analysis secondary to a final diagnosis of fracture, 84 were reduced successfully, and 1 failed both techniques. Demographic characteristics of each group were similar. Thirty-nine of 41 patients (95%) randomized to hyper-pronation were reduced successfully on the first attempt versus 34 of 44 patients (77%) randomized to supination. Two patients in the hyperpronation group required two attempts versus 10 patients in the supination group. Hyperpronation was more successful; 40 of 41 patients (97.5%) in the hyperpronation group were reduced successfully versus 38 of 44 patients (86%) in the supination group. Of the 6 patients who crossed over from supination to hyperpronation, 5 were reduced on the first attempt and 1 was reduced on the second attempt.
CONCLUSIONS: In the reduction of radial head subluxations, the hyperpronation technique required fewer attempts at reduction compared with supination, was successful more often than supination, and was often successful when supination failed.

PMID 9651462  Pediatrics. 1998 Jul;102(1):e10.

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