今日の臨床サポート

馬尾腫瘍

著者: 小澤浩司 東北医科薬科大学医学部整形外科学

監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室

著者校正/監修レビュー済:2020/05/29
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 馬尾腫瘍による夜間痛や持続性の疼痛、麻痺を呈しているとき、画像検査で悪性が疑われるとき、腫瘍による骨破壊が著しいとき、経過観察中腫瘍の増大が著しいときは、手術を行うことが推奨される(推奨度1)。
  1. 軽微な症状を呈しているときは、保存療法で経過をみることが可能である(推奨度2)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
小澤浩司 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:酒井昭典 : 講演料(旭化成ファーマ(株),第一三共(株),中外製薬(株)),奨学(奨励)寄付など(旭化成ファーマ(株),第一三共(株),中外製薬(株))[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 馬尾腫瘍とは、脊髄円錐部より尾側(通常第2腰椎~仙椎)に発生する硬膜内髄外腫瘍を総称したものである。
  1. 全脊髄腫瘍の約30%を占める。好発年齢は50歳でやや男性に多い。日本では人口10万人あたりの年間手術患者数は0.39人とされる[1]
  1. 発生原因は不明である。
  1. 神経鞘腫が80%あまりを占め、他に上衣腫、まれに類上皮腫、傍神経節腫がみられる。ごくまれに悪性神経原性腫瘍や癌の硬膜内転移が報告されている。
  1. 症状は腫瘍の発生した神経根の症状と腫瘍により圧迫を受ける神経組織の症状の組み合わせで出現する。通常は運動障害より腰殿部痛、下肢の異常感覚や根性疼痛が先行する[2]。夜間痛を呈することが多い。
  1. 軽微な症状の神経鞘腫の自然経過をみると、多くの腫瘍で大きさは変わらない。少数ながら増大するものもあり、腫瘍が一定の率で増大するのではなく増大しない静止期と増大する増大期が存在するものと思われる[3]
  1. 軽微な症状を呈しているときは、保存療法で軽快することがある。手術により腫瘍を摘出すれば、疼痛、麻痺の改善は良好である。
  1. 重篤な疼痛を呈している場合は、一般的に保存療法は無効であり、手術がすすめられる。
問診・診察のポイント  
問診
  1. 症状、発症時期、その後の経過を確認する。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。

文献 

著者: Hiroshi Ozawa, Toshimi Aizawa, Haruo Kanno, Hirotaka Sano, Eiji Itoi
雑誌名: Neuroepidemiology. 2013;41(3-4):156-60. doi: 10.1159/000353561. Epub 2013 Aug 22.
Abstract/Text BACKGROUND: Data for spinal cord tumors have not been collected in the past on a population-based level in Japan. The objective of the study was to provide detailed estimates of the population-based incidence of surgically treated primary spinal cord tumors in Japan.
METHODS: Incidence of primary spinal cord tumors was estimated from patients treated surgically between 2008 and 2010 in Miyagi Prefecture. The overall incidence of spinal cord tumors was calculated, as well as the individual incidence rates according to age group, gender, pathology and tumor location.
RESULTS: Of the primary spinal cord tumors identified (n = 112), 98% were nonmalignant. The overall incidence of spinal cord tumors was 1.60/100,000 person-years with an incidence of 1.77/100,000 in males and 1.45/100,000 in females. The incidence rate was highest in the age group of 60-64 years (3.04/100,000). Schwannoma accounted for 56% and meningioma accounted for 13% of the tumors. The histological type with the highest incidence was schwannoma (0.90/100,000), followed by meningioma (0.20/100,000).
CONCLUSIONS: Due to the high incidence of schwannomas, the overall incidence of spinal cord tumors is higher in Japan than in Western countries, and Japanese males have a higher incidence than females, different from that observed in Western countries.

Copyright © 2013 S. Karger AG, Basel.
PMID 23969992  Neuroepidemiology. 2013;41(3-4):156-60. doi: 10.1159/00・・・
著者: S Aggarwal, J H Deck, W Kucharczyk
雑誌名: AJNR Am J Neuroradiol. 1993 Jul-Aug;14(4):1003-7.
Abstract/Text The MR and pathologic features of a case with neuroendocrine tumor (paraganglioma) of the cauda equina are presented. MR showed the tumor to be hyperintense on postcontrast examination and also showed serpiginous flow voids suggesting vessels capping the tumor. A neuroendocrine tumor should be considered in the differential diagnosis of tumors in this location.

PMID 8352137  AJNR Am J Neuroradiol. 1993 Jul-Aug;14(4):1003-7.

ページ上部に戻る

戻る

さらなるご利用にはご登録が必要です。

こちらよりご契約または優待日間無料トライアルお申込みをお願いします。

(※トライアルご登録は1名様につき、一度となります)


ご契約の場合はご招待された方だけのご優待特典があります。

以下の優待コードを入力いただくと、

契約期間が通常12ヵ月のところ、14ヵ月ご利用いただけます。

優待コード: (利用期限:まで)

ご契約はこちらから