今日の臨床サポート

三尖弁閉鎖不全

著者: 宇野漢成 上福岡医院

監修: 今井靖 自治医科大学 薬理学講座臨床薬理学部門・内科学講座循環器内科学部門

著者校正/監修レビュー済:2021/06/23
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. TRのほとんどが二次性なので、原疾患の治療を優先するのが基本である。
  1. 弁に異常がなく、弁輪拡大のみの場合は人工弁輪を使った弁輪形成術が最も一般的である。弁狭窄や感染性心内膜炎の合併があれば、弁置換が必要である。弁輪石灰化が強く、弁置換も弁輪縫縮も困難である場合は弁尖同士を縫い付ける(クリップをかける)方法が有効である。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
宇野漢成 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:今井靖 : 講演料(第一三共株式会社)[2021年]

改訂のポイント:
  1. 抜本的な改訂はないが、最新のガイドラインに基づき微修正を行った。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 三尖弁閉鎖不全症(tricuspid regurgitation、TR)は、収縮期に右室から右房に血液が逆流する疾患である。軽度のTRは病的意味がなく、健常者でもよくみられる。
  1. TRは、一次性(弁の異常:<動画><動画>)と、二次性(三尖弁輪拡大ないし乳頭筋のtethering、ペースメーカーリードの位置不良による。肺高血圧と左心不全が主な原因:<動画><動画>)に分けられる。
  1. 軽度のTRは人口の約7割にみられるといわれているが、弁の異常を伴うTRは約8%しかないとの報告がある。
  1. 成人症例のほとんどは二次性の機能的TRであり、原因として、①肺高血圧(左心系疾患、肺塞栓症、肺疾患、膠原病、原発性)、②心房中隔欠損症のような左→右シャントによる右室と右房の拡大、③慢性心房細動で右房の著明な拡大、④不整脈源性右室心筋症(ARVC)がある(参照:肺高血圧心室中隔欠損症心房細動)。ペースメーカーリードによる弁の開閉障害もときにみられる。
  1. 一次性TR(弁異常)の主な原因は、 Ebstein奇形 、弁尖の粘液変性や逸脱、外傷による腱索断裂、感染性心内膜炎、カルチノイドなどである。ただし、カルチノイドは日本ではまれである。
  1. リウマチ性弁膜症によるTRは、すでに日本ではまれであるが、僧帽弁狭窄症とその弁置換術後の症例でみられる。
 
弁接合不全による重症TR

僧帽弁狭窄症に由来する二次性TR

出典

img1:  著者提供
 
 
 
  1. 重度のTR→右心系の容量負荷→右室・右房拡大→三尖弁輪拡大&tethering増強→TR増悪という悪循環が生じる。
  1. 高度のTRが長期に続くと、心拍出量低下と右房圧上昇が生じ、右心不全が顕在化する。
問診・診察のポイント  
  1. 問診のポイントは低心拍出量と体うっ血の症状を聞き出すこと

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文献 

著者: Helmut Baumgartner, Volkmar Falk, Jeroen J Bax, Michele De Bonis, Christian Hamm, Per Johan Holm, Bernard Iung, Patrizio Lancellotti, Emmanuel Lansac, Daniel Rodriguez Muñoz, Raphael Rosenhek, Johan Sjögren, Pilar Tornos Mas, Alec Vahanian, Thomas Walther, Olaf Wendler, Stephan Windecker, Jose Luis Zamorano, ESC Scientific Document Group
雑誌名: Eur Heart J. 2017 Sep 21;38(36):2739-2791. doi: 10.1093/eurheartj/ehx391.
Abstract/Text
PMID 28886619  Eur Heart J. 2017 Sep 21;38(36):2739-2791. doi: 10.1093・・・
著者: Tohru Masuyama, Takeshi Tsujino, Hideki Origasa, Kazuhiro Yamamoto, Takashi Akasaka, Yutaka Hirano, Nobuyuki Ohte, Takashi Daimon, Satoshi Nakatani, Hiroshi Ito
雑誌名: Circ J. 2012;76(4):833-42.
Abstract/Text BACKGROUND: Diuretics are the most prescribed drug in heart failure (HF) patients. However, clinical evidence about their long-term effects is lacking. The purpose of this study was to compare the therapeutic effects of furosemide and azosemide, a short- and long-acting loop diuretic, respectively, in patients with chronic heart failure (CHF).
METHODS AND RESULTS: In this multicenter, prospective, randomized, open, blinded endpoint trial, we compared the effects of azosemide and furosemide in patients with CHF and New York Heart Association class II or III symptoms. 320 patients (160 patients in each group, mean age 71 years) were followed up for a minimum of 2 years. The primary endpoint was a composite of cardiovascular death or unplanned admission to hospital for congestive HF. During a median follow-up of 35.2 months, the primary endpoint occurred in 23 patients in the azosemide group and in 34 patients in the furosemide group (hazard ratio [HR], 0.55, 95% confidence interval [CI] 0.32-0.95: P=0.03). Among the secondary endpoints, unplanned admission to hospital for congestive HF or a need for modification of the treatment for HF were also reduced in the azosemide group compared with the furosemide group (HR, 0.60, 95%CI 0.36-0.99: P=0.048).
CONCLUSIONS: Azosemide, compared with furosemide, reduced the risk of cardiovascular death or unplanned admission to hospital for congestive HF.

PMID 22451450  Circ J. 2012;76(4):833-42.

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