今日の臨床サポート

不明熱(小児科)

著者: 宮田一平 川崎医科大学小児科学講座

監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター

著者校正/監修レビュー済:2021/11/02
参考ガイドライン:
 
  1. Fever of Unknown Origin. Nelson’s Textbook of Pediatrics, 21ed. ELSEVIER, 2020; Ch.204: 1397-1402
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 不明熱の診断は詳細な病歴聴取と身体診察によってなされるので、診断がつくまで何度でも病歴聴取と全身の身体診察を繰り返す必要がある。
  1. 発熱の程度と持続時間、日内変動の有無について問診し、熱型を記録する。
  1. 発熱に伴う症状、所見の有無を確認する。症状、所見の再現性についても確認しておく。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
宮田一平 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:五十嵐隆 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1.  定期レビューを行い、表記、一部図表について加筆修正を行った。

病態・疫学・診察

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 1961年にPetersdorfらによって定義された不明熱Fever of unknown originは、外来検査の発達に伴い、1991年にDurackとStreetによって4つの分類が提唱された。
  1. その4つは①古典的不明熱 ②医療関連の不明熱 ③免疫不全を伴う不明熱 ④HIV関連の不明熱 である。
  1. さらに、DurackとStreetは精査期間を従来の1週間から短縮した3日間と提唱したが、現在でも1週間と記す教科書が多く、概ねそれぞれ
  1. ①38℃以発熱が3週間以上持続し、38℃以上の発熱が複数回出現し、外来で3回、入院で1週間、血液培養を含む種々の検査を行っても原因が不明の発熱
  1. ②他の疾患で入院中で、感染症を示唆する所見を入院時には認めなかった(潜伏期間中でもなかった)患者で、38℃以上の発熱が複数回出現し、1週間(血液培養を含む)適切な検査を行っても原因が不明の発熱
  1. ③好中球減少症やその他の免疫不全状態の患者で38℃上の発熱が1週間以上続き、1週間適切な検査(48時間後の培養陰性も含めて)を行っても原因が不明の発熱
  1. ④HIV感染が確認されている患者で38℃上の発熱が3週間(外来)/3日間(入院)以上続き、適切は評価後も原因が不明の発熱
とされている。一方で、上記の成人における分類とは別に小児においては 8日以上の発熱が続き、外来あるいは入院における初期の精査で明らかな原因が判明しないもの とする教科書もある[1]
  1. その原因となる疾患は、報告諸家の主たる診療科目によって原因疾患の疫学は異なるが、感染症が最多で、次いで膠原病・自己免疫疾患や悪性腫瘍・血液疾患、薬剤性の発熱など、とされている。
  1. その他の疾患として甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患や、心因性発熱、詐病、(代理)ミュンヒハウゼン症候群のような特殊な原因を想起する必要がある。
 
小児の不明熱で想起すべき疾患

小児で発熱を来す疾患の一部を列挙した

 
不明熱の鑑別疾患

2003~2007年に行われた国内アンケート調査。960例の不明熱に対する最終診断828例の内訳。

出典

img1:  National survey of childhood febrile illness cases with fever of unknown origin in Japan.
 
 Pediatr Int. 2011 Aug;53(4):421-5. doi: ・・・
問診・診察のポイント  
  1. 不明熱の診断は詳細な病歴聴取と身体診察によってなされるので、診断がつくまで何度でも病歴聴取と全身の身体診察を繰り返す必要がある。例えば、身体診察では、全身の骨を打診したり、繰り返し全身の皮膚所見や粘膜所見を確認するほどの丁寧さが求められる。発熱の程度と持続時間、日内変動の有無について問診し、熱型を記録する。

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