今日の臨床サポート

心肺蘇生法

著者: 永井秀哉 福井県立病院 救命救急センター

監修: 林寛之 福井大学医学部附属病院

著者校正/監修レビュー済:2018/04/05

概要・推奨   

  1. 心停止に対して行う蘇生処置は、大きくBLSとACLSに分けられる。
  1. 蘇生処置全体を通して、最も基本的で救命のために重要となる手技がCPR(Cardiopulmonary Resuscitation)である。CPRは、胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせを指す。
  1. BLS(Basic Life Suppot、一次救命処置)とは、CPRと、AEDを用いた電気ショック(≒除細動)を指し、蘇生の最初に行われる。窒息を疑う場合には気道異物除去もBLSとして行う。いずれも呼吸・循環を補助する基本的かつ重要な処置であり、非医療従事者でも行うことができる。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
永井秀哉 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:林寛之 : 講演料(メディカ出版),原稿料(羊土社)[2021年]

病態、疫学、診察

心肺蘇生  
  1. 心停止に対して行う蘇生処置は、大きくBLSとACLSに分けられる。
  1. 蘇生処置全体を通して、最も基本的で救命のために重要となる手技がCPR(Cardiopulmonary Resuscitation)である。CPRは、胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせを指す。
  1. BLS(Basic Life Suppot、一次救命処置)とは、CPRと、AEDを用いた電気ショック(≒除細動)を指し、蘇生の最初に行われる。窒息を疑う場合には気道異物除去もBLSとして行う。いずれも呼吸・循環を補助する基本的かつ重要な処置であり、非医療従事者でも行うことができる。
  1. ALS(Advanced Life Support、二次救命処置)は、BLSのみで自己心拍が再開しない場合に、薬物や医療機器を用いて行われる高度な蘇生処置であり、救急救命士も含む医療従事者により行われる。BLSに加えて、静脈路確保、薬剤投与、確実な気道確保(気管挿管など)、マニュアル除細動器による電気ショックなどの医学的処置が含まれる。
  1. 心停止の心電図モニター波形には4つの波形があり、そのうち電気ショックの適応となるのは、心室細動(ventricular fibrillation、VF)と、無脈性心室頻拍(pulseless ventricular tachycardia、無脈性VT)である。
  1. AED(Automated external defibrillator、自動体外式除細動器)は、現在、国内の公共施設等に設置されており、一般市民でも利用可能である。
  1. ROSC(Return of spontaneous circulation、自己心拍再開)が、心肺蘇生で最初に達するべき目標であるが、神経学的後遺症を最小限にして社会復帰させることが最終目標であり、そのために「救命の連鎖」を繋げる行動が必要となる。
  1. 日本蘇生協議会の提唱する救命の連鎖は、以下の4つの要素からなる。
  1. 1.心停止の予防
  1. 2.心停止の早期認識と通報
  1. 3.BLS(CPRとAED)
  1. 4.ALSと、自己心拍再開後の集中治療
  1. わが国における心肺蘇生法は、日本蘇生協議会JRC(Japan Resuscitation Council)が作成するJRC蘇生ガイドラインに基づいて行われる。
  1. JRC蘇生ガイドラインは、国際蘇生連絡委員会ILCOR(イルコアと読む。The International Liaison Committee On Resuscitation)が作成するCoSTR (コスターと読む。Consensus on Science and Treatment Recommendations)に沿って策定される。
  1. 近年では、これらのガイドラインは5年ごとに更新され、最新版は2015年版である。科学的根拠に基づきながら、心肺蘇生法の普及・教育や、救助者の困惑などで実施が妨げられないことなども重要視して作成されている。
  1. なお、ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)という名称が二次救命処置を指すために用いられることがあるが、ACLSはAHA(American Heart Association)など諸外国のガイドラインにおける名称であり、JRC蘇生ガイドラインでこれにあたるのはALSであるため、本章ではALSを用いる。
  1. 文章でこれらの蘇生処置を学ぶことには限界があるため、蘇生に関わることがあっても頻度が少ない医療従事者は、実技を伴う各地・各種の蘇生コースへの参加を定期的に行うことが望ましい(救急医学会認定ICLSコース、日本内科学会認定JMECCコース、アメリカ心臓学会認定ACLSコースなど)。
  1. 院内で起きた心停止に対応する場合と、院外で起きて救急搬送されてきた心停止とでは、状況や時間経過が大きく異なるため、これらは分けて考える必要がある。
  1. 本項では、医療従事者が病院内で成人に対して行う心肺蘇生法に関して記載する。

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