今日の臨床サポート

肝肺症候群

著者: 巽浩一郎 千葉大学 真菌医学研究センター 呼吸器生体制御学研究部門

監修: 巽浩一郎 千葉大学 真菌医学研究センター 呼吸器生体制御学研究部門

著者校正/監修レビュー済:2020/03/12
参考ガイドライン:
  1. 国際肝移植学会(ILTS)診療ガイドライン (2016年)
    Krowka MJ, Fallon MB, Kawut SM, Fuhrmann V, Heimbach JK, Ramsay MA, Sitbon O, Sokol RJ. International Liver Transplant Society Practice Guidelines: Diagnosis and Management of Hepatopulmonary Syndrome and Portopulmonary Hypertension. Transplantation. 2016 Jul;100(7):1440-52.
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 慢性肝疾患に重度低酸素血症を合併、その原因が肺内シャントの存在である場合に診断される。有効な内科的治療法はなく、低酸素血症に対する在宅酸素療法が施行されている。日常生活に支障を来す患者さんには、専門施設で生体肝移植が行われており、良好な成績が得られている。
  1. 国際肝移植学会は、PaO2<60Torrの重度低酸素血症を呈している肝肺症候群の患者さんは肝移植の適用を考慮すべきとしている。海外は死体肝移植が可能であるが、日本の医療状況では2020年の段階では厳しく、主に兄弟・姉妹からの生体肝移植が救命手段として行われている。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
巽浩一郎 : 研究費・助成金など(帝人ファーマ(株)),企業などが提供する寄付講座(フクダライフテック常葉(株))[2021年]
監修:巽浩一郎 : 研究費・助成金など(帝人ファーマ(株)),企業などが提供する寄付講座(フクダライフテック常葉(株))[2021年]

病態・疫学・診察

イントロダクション  
  1. 現在の専門外来制度では、慢性肝疾患(特に肝硬変患者)が呼吸器症状である労作時息切れを自ら訴えることは稀である。しかし、担当医が「以前と比べて動いた時に息が切れませんか。最近、動かなくなっていませんか。」と問診した場合には、呼吸器疾患ないしは 循環器疾患の合併が疑われる可能性がある。
  1. 内科外来には酸素飽和度測定のためのパルスオキシメーターの設置が増えている。安静時の酸素飽和度(SpO2)の正常値は97~98%である。SpO2の異常を捉える一つの手段は、外来診察室に入ってきた直後の患者SpO2の測定である。軽度の労作でもSpO2低下が生じているかの判断材料になる。慢性肝疾患(特に肝硬変患者)でSpO2低下を認める場合・労作時息切れが出現してきた場合に、「肝肺症候群」ないし「門脈圧亢進症に伴う肺高血圧症」を疑う契機になる。
定義  
  1. 進行性肝疾患(主に肝硬変)、門脈圧亢進症、先天性門脈体循環シャントが基礎病態としてあり、肺血管拡張(肺内シャント)が生じたために異常な低酸素血症を来した病態を肝肺症候群と定義している。

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文献 

著者: Roberto Rodríguez-Roisin, Michael J Krowka
雑誌名: N Engl J Med. 2008 May 29;358(22):2378-87. doi: 10.1056/NEJMra0707185.
Abstract/Text
PMID 18509123  N Engl J Med. 2008 May 29;358(22):2378-87. doi: 10.1056・・・
著者: Karen L Swanson, Russell H Wiesner, Michael J Krowka
雑誌名: Hepatology. 2005 May;41(5):1122-9. doi: 10.1002/hep.20658.
Abstract/Text Few data exist concerning survival after the diagnosis of hepatopulmonary syndrome (HPS). Although orthotopic liver transplantation (OLT) frequently results in complete resolution of HPS, the relationship between transplantation and survival has not been described. The study rationale was to describe long-term survival in patients with HPS. Data were derived from patients diagnosed with HPS at Mayo Clinic (n = 61) between 1985 and 2002, including those undergoing OLT (n = 24) and those who did not (n = 37). A case-control, Kaplan-Meier survival analysis between HPS patients and 77 patients without HPS matched for liver disease cause, model for end-stage liver disease (MELD), severity of liver disease by the Child classification, and age was described for OLT and non-OLT groups. Patients with HPS had a mean partial pressure of arterial oxygen (PaO(2)) decline of 5.2 + 2.3 mm Hg per year awaiting OLT. For HPS patients, despite similar baseline PaO(2), brain uptake of technetium macroaggregated albumin ((99m)TcMAA), or measures of hepatic dysfunction, 5-year survival associated with OLT was 76% versus 23% who did not undergo transplantation (P < .0001). Comparing those who did not undergo transplantation, HPS patients had worse 5-year survival than matched controls (P = .0003). However, reasons to deny OLT (comorbidity) in the setting of HPS may well have contributed to observed survival differences. Baseline PaO(2)
PMID 15828054  Hepatology. 2005 May;41(5):1122-9. doi: 10.1002/hep.206・・・

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