今日の臨床サポート

胃・十二指腸潰瘍

著者: 加藤元嗣 独立行政法人 国立病院機構 函館病院

監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院

著者校正済:2021/08/18
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 消化性潰瘍穿孔で程度の軽い限局性腹膜炎は内科的治療の適応となるが、70歳以上、時間経過が長い、重篤な併存疾患がある場合などでは早期の手術を行う。狭窄に対しては内視鏡下のバルーン拡張術を行う。
  1. 出血性胃・十二指腸潰瘍患者には内視鏡的止血治療を行い、止血困難例には外科手術やInterventional radiology(IVR)(推奨の強さ:弱)が行われる。
  1. NSAIDs使用者でないH. pylori陽性の胃・十二指腸潰瘍に対して、潰瘍の治癒促進および再発予防のためH. pylori除菌治療を行う。
  1. 活動性胃潰瘍ではH. pylori除菌治療後に潰瘍治療を追加するが、活動性十二指腸潰瘍では追加を検討する。
  1. H. pyloriの一次除菌療法としてボノプラザン(P-CAB)+アモキシシリン+クラリスロマイシンの3剤併用療法の除菌率がPPI使用時より高いため推奨する(推奨の強さ:強)。
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  1. NSAIDs潰瘍の治療は、H. pylori感染の有無にかかわらず、NSAIDsは中止し抗潰瘍薬の投与を推奨する(推奨の強さ:強)。NSAIDsの中止が不可能な場合、PPI(P-CABを含む)が推奨される(推奨の強さ:強)。
  1. 潰瘍治癒前はNSAIDs潰瘍に対するH. pylori除菌は治癒率を高めない。
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  1. NSAIDs投与開始予定者では、潰瘍発生予防目的のH. pylori除菌を行うよう推奨する(推奨の強さ:強)。治療はNSAIDs投与中でのH. pylori除菌には再発予防効果はない。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
加藤元嗣 : 講演料(大塚製薬,武田薬品),奨学(奨励)寄付など(富士フイルム,EAファーマ)[2021年]
監修:上村直実 : 未申告[2021年]

改訂のポイント:
  1. 基本的なことは前回ガイドラインとほぼ同じであるが、今回はボノプラザン(P-CAB)の臨床成績が明らかになったことから、ボノプラザンに関しての改訂が多い。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 胃・十二指腸潰瘍とは胃および十二指腸壁の粘膜筋板を越えた深さの組織欠損を指す。
  1. 急性胃十二指腸粘膜病変として発症する急性型と、長年にわたり再発と治癒を繰り返す慢性型がある。
  1. 成因は感染性、薬剤性、過酸性(ガストリン産生腫瘍に伴うZollinger-Ellison症候群)、二次性、特発性に分類される。
 
胃・十二指腸潰瘍の成因

胃・十二指腸潰瘍の成因は大きく5つに分類できる。そのなかでも、最も重要で頻度の多い成因はH. pyloriとNSAIDsである。

出典

img1:  著者提供
 
 
 
  1. 精神的ストレスは増悪因子ではあるが、直接的な原因にはならない。
  1. 胃潰瘍および十二指腸潰瘍の主な原因はH. pylori感染で、残りの多くが非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)であり、両者の発症機序は異なるため互いに独立した成因である。
  1. 最近では非H. pylori感染で非NSAIDsの胃・十二指腸潰瘍の報告が増えてきている。
  1. H. pyloriでは感染によって惹起される胃粘膜の炎症によって潰瘍が起きるが、NSAIDsではCOX1阻害によるプロスタグランジン産生が抑制されて粘膜保護作用が減弱されることと直接的な粘膜傷害によって潰瘍が引き起こされる。
 
NSAIDs粘膜傷害の発症と治癒

NSAIDs粘膜障害はCOX1阻害を介した消化管でのプロスタグランジン産生低下による間接傷害と、NSAIDs自体が消化器粘膜に働く直接傷害によって引き起こされる。胃酸の存在が消化器粘膜傷害の増悪因子となる。また、潰瘍治療にはCOX2の働きが必要となるため、NSAIDs粘膜障害は粘膜傷害を発症させると同時に傷害治療を阻止することで生じる。COX2阻害によって潰瘍治癒も阻害される。

出典

img1:  著者提供
 
 
 
  1. 胃液中の塩酸と活性化ペプシンが修飾作用として働くので消化性潰瘍と呼称されるが、酸やペプシンが直接的な原因ではない。
  1. 治療目標は短期的には症状の緩和、潰瘍の治癒で、長期的には潰瘍の再発予防であり、原因治療が中心となる。
  1. NSAIDs潰瘍は難治化しやすく、出血などを合併しやすい。また、NSAIDs投与がH. pylori除菌後の再発を引き起こすこともある。
 
胃・十二指腸潰瘍の成因

H. pyloriとNSAIDsにより潰瘍は発症する。また、潰瘍が治癒しても再発を繰り返すことになる。しかし、H. pylori 除菌で原因が除かれると再発が予防され潰瘍は永久治癒する。一方、NSAIDsの存在は潰瘍の難治化、合併症の発症、除菌後の潰瘍再発に関与する。

出典

img1:  著者提供
 
 
問診・診察のポイント  
  1. 心窩部や上腹部の鈍痛が最もよくみられる症状であるが、時に背部の重苦しい感じを訴える。

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文献 

著者: B Kohler, J F Riemann
雑誌名: Hepatogastroenterology. 1991 Jun;38(3):198-200.
Abstract/Text Emergency endoscopy permits the early detection and prognostic evaluation of a source of hemorrhage. It serves as a "baseline" for decision-taking with regard to subsequent therapeutic measures. Today, modern endoscopic hemostatic procedures provide us with effective means of achieving primary control of the bleeding. Endoscopic emergency treatment can reduce the rebleed rate and help reduce the number of emergency surgical operations that need to be performed. A significant reduction in mortality rate has, so far, been observed in only a few comparative studies. When hemostasis has been accomplished, interdisciplinary discussions with the surgeon are needed in order to determine how to proceed in the individual case.

PMID 1937354  Hepatogastroenterology. 1991 Jun;38(3):198-200.
著者: Kazunari Murakami, Yuuichi Sakurai, Madoka Shiino, Nobuo Funao, Akira Nishimura, Masahiro Asaka
雑誌名: Gut. 2016 Sep;65(9):1439-46. doi: 10.1136/gutjnl-2015-311304. Epub 2016 Mar 2.
Abstract/Text OBJECTIVE: The objective of this study was to assess the efficacy, safety and tolerability of vonoprazan, a novel potassium-competitive acid blocker, as a component of Helicobacter pylori eradication therapy.
DESIGN: A randomised, double-blind, multicentre, parallel-group study was conducted to verify the non-inferiority of vonoprazan 20 mg to lansoprazole 30 mg as part of first-line triple therapy (with amoxicillin 750 mg and clarithromycin 200 or 400 mg) in H pylori-positive patients with gastric or duodenal ulcer history. The first 50 patients failing first-line therapy with good compliance also received second-line vonoprazan-based triple therapy (with amoxicillin 750 mg and metronidazole 250 mg) as an open-label treatment.
RESULTS: Of the 650 subjects randomly allocated to either first-line triple therapy, 641 subjects completed first-line therapy and 50 subjects completed second-line therapy. The first-line eradication rate (primary end point) was 92.6% (95% CI 89.2% to 95.2%) with vonoprazan versus 75.9% (95% CI 70.9% to 80.5%) with lansoprazole, with the difference being 16.7% (95% CI 11.2% to 22.1%) in favour of vonoprazan, thus confirming the non-inferiority of vonoprazan (p<0.0001). The second-line eradication rate (secondary end point) was also high (98.0%; 95% CI 89.4% to 99.9%) in those who received second-line therapy (n=50). Both first-line triple therapies were well tolerated with no notable differences. Second-line triple therapy was also well tolerated.
CONCLUSION: Vonoprazan is effective as part of first-line triple therapy and as part of second-line triple therapy in H pylori-positive patients with a history of gastric or duodenal ulcer.
TRIAL REGISTRATION NUMBER: NCT01505127.

Published by the BMJ Publishing Group Limited. For permission to use (where not already granted under a licence) please go to http://www.bmj.com/company/products-services/rights-and-licensing/
PMID 26935876  Gut. 2016 Sep;65(9):1439-46. doi: 10.1136/gutjnl-2015-3・・・

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